石とクエストと麻袋
前回の知人女性のお風呂を除くマリコちゃん
岩塩ゲット。目標がお風呂を作るになる。
昨夜は遅くまでカノンちゃんリクエストでアカペラでアニソンを熱唱した。
最初は、恥ずかしかったけど途中からノリノリで歌ってしまい朝起きたら少し喉が痛い。
でも喉に手を当てて回復魔法を掛けたら直に治った。魔法って本当に便利。
カノンちゃんが朝食を作り私は洗濯をする。
洗濯が終わった後は、まだ寝てるカタリナちゃんを起こす。今日も寝顔が可愛い。頭をなでなでしてるとうーんっと言いながら目を覚ます。ほっこりする。
そして定例になった朝食ミーティングを開始する。
「今日はお風呂を作る材料をゲットするため12階層に行きます」
「了解ー」
「畏まりました」
「あとカノンちゃん忘れてたんだけど5階層位から貯めてた魔石ってそろそろ売った方がいい?」
「うーん、この前の魔物がいっぱい来た騒動でギルド忙しいから微妙ー。多分受付のお姉さんの機嫌が悪くなるよー。小さい魔石は数えるのめんどいし。お金にするならいっぱい採ったウンバボのお肉とスケルトンの骨と狼の毛皮があるよ。こっちは問屋さんでも買い取ってくれるよー」
「へースケルトンの骨も売れるの?」
「錬金術士や薬師の人が調合で使うらしいよー。まぁ一本二十円くらい」
「百本でも二千円じゃわざわざ問屋さんまで行くのも面倒だね」
「マリコさんお金に関してはこの前の騒動の報酬が頂けるはずなのでそちらが期待できますね」
「そうだね、貯蓄の心配はとりあえずなさそうかな。んじゃ話がそれちゃったけど今日はお風呂を作る素材ゲット頑張ろう」
「おー!」
「はい!」
***
そんな訳でダンジョンの12階層に到着。
見た目は11階層と同じで鍾乳洞に謎鉱物が光る感じ。
道が分からないので適当にうろうろして探索すると石っぽいゴーレムがお出まし。
大きさなどは岩塩のゴーレムと同じで素材が石っぽいだけ。
「カノンちゃんお試しで不意打ちお願いしまーす」
「はいなー」
手馴れた感じでッシュ! っと矢を放つ。ゴーレムの右膝に当たるとガギ!っと音が鳴り膝が少し削れるが矢が弾かれてしまう。
ゴーレムがこちらを向きどすんどすんっと音を立ててこちらに走ってくる。
私とカタリナちゃんが武器を構える。
「ゴーレム足遅いね……」
「もう少しやってみるー」
走ってくるゴーレムを待ってるとカノンちゃんが再び矢を放つ。
連射された三本目の矢が右足を砕きゴーレムが倒れる。カノンちゃんが「やったー」っとガッツポーズをし、カタリナちゃんが近づいて「セイ!」っと銀剣で頭を貫くと魔石と白い大理石を残して消滅する。
カタリナちゃんが銀剣をかっこよくヒュンヒュンしてから構え、劇場でやった銀猫の軽業と台詞を演じる。
「私が信念を貫き通す限りこの銀剣は全ての物を貫く!」
「キャーカタリナちゃんカッコ可愛いぃー!!」
「昨日のよりは硬いですが私達なら余裕ですね」
「うんうん、危なくなったら走って逃げればいいよー。カタリナちゃん今のもう一回やってー」
カノンちゃんにリクエストされてカタリナちゃんが今度はバク転して別の場面の台詞を演じ私達はワーキャーする。我ながら緊張感が無さすぎだけどまぁいいや。
そんな訳で12階層も乱獲開始。
見つけたと同時に私とカタリナちゃんが左右から走り、カノンちゃんが中央の隙間から矢を射る。
後は私とカタリナちゃんでボコボコにするだけ。
昨日と変わったことといえば、いかに美しく華麗なポーズで敵に攻撃するかを競い合ったくらいで敵が消滅した後に「このポーズの時もう少し肘を上げた方がカッコよくない?」とか「フェイントのモーションこうすると流れる様に見えて良いよね」などで完全にお遊び状態である。
四十個程お目当ての大理石を手に入れたところで少しお腹が空いてきた。
ボス部屋には辿り着けなかったけど引き返して外に出る。
外に出ると丁度お昼で話し合った結果、二日連続だけどスライムを食べに行く。
このドルンガーと言う食べ物トッピングが好きなようにできるので飽きなくていい。しかもカノンちゃん居れば材料持込でタダだし。
「今日は私こってりスープにバターとにんにくで超味濃いにしたよ」
「私は昨日カノンさんが話してたメリッサさんの唐辛子スペシャルにしたんですがこれ想像以上に真っ赤で食べれるのかちょっと不安に……」
「わたしは塩こそが至高! トッピングは魚の煮干の粉末と白ネギにしたよー」
少し食べてから皆で食べ比べをする。
唐辛子スペシャルも見た目ほど辛くないし美味しい。
カノンちゃんの食べてた塩に魚の煮干の粉末トッピングも優しい感じの旨みが最高。
私の選んだ超味濃いは最初の一口目だけ美味しいけど三口くらい食べるとなんか飽きてくる味で二人にも不評で残念。もう少し味の濃さの調節が必要だね。
食べ比べしているとカタリナちゃんがふと思い出したように私に言う。
「マリコさんすみません、ダンジョンで銀猫を演じた時に思いだしのですが従者の服がもうでき上がっていると思うので服屋に取りに行きませんか?」
「あぁーそういえばあのおっさん一日で作れるとか言ってたね。急ぎではないけどまた忘れちゃうとあれだし今から取にいこっか?」
「うんうん、わたしもカタリナちゃんの服見たーい」
そして食べ終わった私達は、午後のダンジョン探索は無しにして服屋に向かう。
服屋に入ると今日は私達以外にも数人お客さんが居た。それなりに繁盛してるみたい。
接客はしてないみたいだったので今のうちっと店主に声を掛ける。
「こんにちは、お願いしていた服受け取りにきました」
「あらぁ、お前さん方、いつもありがとうね。例の服ね、持って来るわ」
店主が奥からオーダーしていた服を出しカタリナちゃんに渡しカタリナちゃんが試着室で着替える。
そして着替え終わったカタリナちゃんが銀猫巫女服カラーで現れる。
「どうでしょうか? 似合ってますか?」
「おぉいいよ! カタリナちゃんは何着ても似合うよ! すっごい素敵!」
「お前さん作った人の前では服も素敵って言って欲しいわ……」
店主がおよよよってやってて気持ち悪いので「すみません」っと一応謝る。
しっかしこの子年下なのに本当に綺麗な顔してる。巫女服の白と地毛の銀髪が同系色でいい感じだしさり気ない巫女服の赤色もポイント高い。
カノンちゃんも「そのうち一緒に従者の服着ようねー」っとご機嫌だ。
店主に「最高です」っと言い代金の一万円を差し出す。
カタリナちゃんは元の服に着替えるため更衣室に入る。
「カタリナちゃんもカノンちゃんも可愛いから私ちょっと自信なくなっちゃったよー」
「マリコちゃん可愛いから大丈夫だよーそれに服とか選ぶの上手だしこのサンダルだってマリコちゃん選んでくれてすごく嬉しかったんだよー」
カノンちゃんが履いているサンダルを指差しニコニコする。
乙女としては友達が可愛い過ぎるのはすこし嫉妬しちゃうけどまぁ仕方ない。
「そうだカノンちゃんこの後どうしよっか? ダンジョン戻る?」
「うーんギルド近いしついでにちょっとよってっていいー? この前の騒動の魔物いっぱい入れっぱなしだしマスターがそのうち呼びに来るかもー」
「そうだね、呼ばれる前に行った方が楽だしギルド寄って行こう」
話しているとカタリナちゃんが更衣室から出てきたのでそのまま冒険者ギルドへ向かうことにした。
ギルドに入るとぶりっ子受付さんが「あぁーカノンさん! マスター呼んで来るので少しまってねー」っと言い奥に入っていく。数日経って機嫌も良くなったらしい、戦士モードからぶりっ子モードに戻ってる。
奥から戻ってくると「マスターが奥で話したいそうなんでどうぞー」っと奥の部屋に案内される。入ると意外と奇麗な部屋で見知ったハゲマッチョのおっさんが皮のソファーに座っている。
「おぅ荷物持ち! お前らもまーそっちのソファーに座ってくれ! わざわざ来てくれてありがとうございます!」
「買い物のついでだよー。預かってる魔物少し置いてった方がいいかなーって」
「丁度そのことで色々話したい事が有ったんだよ。数が数だけにうちのギルドだけじゃ加工が追いつかないからキノ城下のギルドに頼むつもりなんだが運んで貰えないか? 勿論ギルドのクエストとして依頼するから報酬もだす。お願いします!」
「マリコちゃんどうするー?」
「うーん報酬にもよるけど急ぎの用事も無いし受けてもいいよ?」
「おぉー助かるぜマジで! ただ今回の件が他に漏れたりするとかなり危険だと予想できる。移動中にカノン一人攫っちまえば荷物全部奪えるからな。護衛は勿論つけるが希望とかあるか?」
「ウンバボ族の二人は仲がいいしあの二人だったら安心ですね。他なら私達女の子だけのパーティなんでできれば女性の冒険者の方だとありがたいですね」
「まだ騒動が治まったとはいえ安心はできないからウンバボ族は一人は残して欲しいからメルに相談してみるか……他は女だけだと逆に盗賊に狙われ易いかもしれん。そういえばお前らは馬は乗れるのか?」
「すみません私乗れません……」
現代日本人の乙女が馬なんて乗れる訳がない。いやお嬢様なら乗馬を嗜んでましてよっとかあるのかな? 私お嬢様じゃないけど。
横に座ってたカタリナちゃんも手を上げ「すみません私も乗れません」っと言う。良かった私だけじゃないや。
「そうかーじゃー馬車を用意するか。御者を男の冒険者に依頼しておけば盗賊よけにはなるだろう。馬車の見張りも依頼しとくから宿には入らんしそれなら問題ないと思うぞ」
私はカノンちゃんに耳打ちする「宿? キノ国って遠いの?」今度はカノンちゃんが私の耳に手を当てて「途中の村で一泊するだけだよ」っと教えてくれる。
マスターに聞かれたら「っえ? お前そんな事も知らないの?」って言われそうだ。危ない危ない。
「そうですね。それでしたら御者の方が男性でも大丈夫だと思います。あとは報酬ですね」
「そうだな……お前ら三人で九十万でいいか?」
おぉー! ひとり三十万だ! ダンジョン行くのが馬鹿らしくなる金額じゃないですか。
私は渾身のスマイルからお辞儀をする。
「はい、承りました。よろしくお願いいたします」
「よっし! 決まりだ! 日程が決まったら使いの者を行かせる! ありがとうございます!」
マスターが頭をペコリと下げて話を続ける。
「あとこっちは別件なんだが領主が町を守ってくれた事でマリコに礼を言いたいそうだから領主の館に顔だしてくれ。ベリンダお嬢さんが直に来てくれて構わないと言ってたぞ。この後時間あるなら馬車用意させるぞ」
「そんな……貴族様のお屋敷に入るなんて……」
カタリナちゃんがプルプルし始めた。舞台とかは平気だったのに以外に小心者らしい。
そういえばこの町って南大陸で三番目の大きさとかカノンちゃん言ってたよね? そこの領主って事は相当偉い人っぽいなぁ……。
「領主様ってどんなお方なんですか?」
「そうだなー気さくな方だぞ」
情報少な! っまぁベリンダさんのお父さんだし多分いい人なのかな。
心配してもなんともならないしサクッと行ってサクッと帰ってこよう。
「領主様いい人みたいだけど? カタリナちゃんは家で待ってる?」
「いえ! マリコさんにお供します!」
「カノンちゃんは大丈夫だよね?」
「もちろんろん」
「ではマスターこれから向かいますので馬車をお願いいたします」
「おう! 任せろ! 重ね重ねありがとうございます!」
マスターの指示でギルドの酒場でお茶を飲んでると受付のぶりっ子さんがちょっと苛立った顔で「準備できましたーギルド前に止まってるんでそれ乗ってくださーい」っと言うのでギルドの外に出る。
その馬車の御者をみてギョッとする。
「妖怪麻袋……」
なんでこの人麻袋から着替えてないの? っていうかこれに乗って貴族の家行くとか大丈夫なんでしょうか?
カノンちゃんが「よろしくー」っと言い普通に馬車に乗り込んで行く。妖怪麻袋がカノンちゃんに声をかける。
「これは偶然ですね何度も治療して頂いて申し訳ありませんでした。申し送れましたがオレはカイって言います。今ギルドの臨時職員として雇われてます。ダラ公爵邸までご案内いたします」
「わたしはカノンだよーそっちがマリコちゃんでこっちがカタリナちゃん。マリコちゃん早くいこー」
カノンちゃんが馬車の上から手を伸ばすので私とカタリナちゃんも馬車に乗り込む。
しかし妖怪麻袋、麻袋を首の所を縄で縛り両手足だけ出てる状態で普通に会話してきた。しかもキリッ! っとした顔だよ。
皆の前でボコボコさにされたのにまったくへこたれた様子が無い。この人物凄いメンタルの持ち主だ。
色々と心配になってきたが私達は、妖怪麻袋が御者する馬車に乗り貴族のお屋敷に向かった。
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