63話
レムの隣に戻ると、続々とゴーレムたちがいる通りに集まって来ている機械人形たちの姿が脳裏の映像に映し出されていた。
でもその中に機械人形ではない姿もあった。
あのロボットのモンスターも機械人形に混ざって通りに向かって進行していたのだ。
幸いなのかは分からないけどロボットのモンスターは1体しかいないのは良かったことだろう。
どれだけ今のゴーレムたちだけであのロボットのモンスター1体がいる機械人形たちの相手が出来るのかは分からないけど、ここでもしロボットのモンスターが倒せたなら今後はもっと異界の出入り口の周りの活動も安心して見ていられそうだ。
それはそれとして問題はロボットのモンスターだけじゃない。機械人形も数えられただけで最低でも20は居るんじゃないかと思われる。
あの数をゴーレムたちがどうにか出来るのか不安だ。
あの数の機械人形がアサルトライフルで銃弾を撃ってくると考えるとゴーレム2号機の大盾で防ぐとしても大盾の耐久がかなり削られるんじゃないだろうか。
「あ、撃ち始めた。」
まだ距離があると言うのに機械人形たちがアサルトライフルで銃撃を開始し始めた。
歩きながらアサルトライフルを撃ち込んでいる機械人形たちの銃撃は正確でゴーレムたちを狙い撃ちしてくる。
まど離れているから平気なのかと見ていたけど、機械人形の銃撃の被害を受けたゴーレム1号機が3機ほど出た。
それでもゴーレム1号機のボディの耐久力もあって戦闘不能にはなっていないが鉄製のボディには銃撃の痕が付いている。
このままだと戦闘不能になるゴーレムも出て来るかもしれないが、その前にゴーレム2号機たちがゴーレムたちを守る為に前に出て盾になり始めた。
でも今回は路地はあるけどだいたい一本道の通りが戦場のせいで前と後ろ両方からモンスターがやって来ている。
今のゴーレム2号機たちだけじゃ全てのゴーレムを守れ切れそうにないし、しかも片方にはロボットのモンスターもいる。
ロボットのモンスターの攻撃力はゴーレム4号機を破壊するのは分かるけど、耐久力が低いゴーレム4号機を破壊するのは機械人形でも出来ることだから攻撃力がどれだけ高いのかは分からない。
「あっ……。」
ロボットのモンスターの肩に備え付けられていたロケット砲からロケットが放たれてゴーレムたちに向かっていく。
でもゴーレム2号機が大盾を構えているからゴーレムたちの誰かに命中することはないだろう。
そう安心していたのも束の間だった。
ゴーレム2号機の大盾はしっかりとロボットのモンスターのロケット砲から放たれたロケットを防ぐことは出来た。
でも、その影響は甚大だった。
ゴーレム2号機の大盾が使い物にならないくらいに破損してしまっているからだ。
これじゃあ機械人形のアサルトライフルを防ぐのも難しいだろうくらいには大盾は破壊されている。
「あ、また撃ってきた!!」
「マスター、安心してください。次は攻撃を受けさせませんよ。」
そう言ったレムは指揮強化の指揮棒を振るってゴーレムたちに指示を出した。
すると、映像ではアサルトライフルや猟銃を持ったゴーレム1号機たちがロボットのモンスターが放ったロケットに向かって銃撃を開始した。
多数から放たれた銃弾はロケットに命中してロケットは途中で爆発する。
こうしてゴーレムたちに向かったロケットの対処は成功した。
「マスター、大丈夫だったしょう。」
「ふぅー、そうみたいだ。」
一安心だ。
これでロボットのモンスターが放つ強力なロケット砲の攻撃にもゴーレムたちが対処することが出来ると分かった。
流石にゴーレム2号機の大盾を破壊する威力の攻撃を受ければどんなゴーレムでも破壊されてしまうことだろう。
「次は続けて撃ってきた!」
ロボットのモンスターの肩にあるロケット砲の箱から2発のロケットがゴーレムたちに向かって撃ち出される。
でも今のゴーレムたちなら安心して見ていられる。
撃ち出された2発のロケットも今度はアサルトライフルを持つゴーレム1号機たちだけに対処させて問題なく空中で撃ち落とすことに成功した。
これで補充されなければロケット砲が使われることはないだろうけど、ロボットのモンスターも魔力を使ってロケット砲の弾を補給させてくるだろう。
その前にロボットのモンスターを倒して終えば良いのだろうがここからロボットのモンスターを倒せるような攻撃をゴーレムたちは持っていない。
ロボットのモンスターを倒すとしたら近接戦闘しかゴーレムたちの手段はないはずだ。
でもロボットのモンスターを倒す前に機械人形たちを先に倒さないといけないだろうがそれも難しそうだ。
機械人形だけでも最低でも20体はいるのにその上でロボットのモンスターの相手もしないといけないのだから。
「先にあっちから倒すのか?」
「はい。大型のモンスターから倒さないと危険ですから。ですが倒せない可能性もあります。その時はゴーレムたちの回収をお願いしますね。」
「分かった。でも倒したいよな。」
「そうですね、マスター。倒せさえすれば今後の戦力の増強が行なえますから。」
とりあえずいつでもゴーレムたちを回収する準備は済ませながら、俺はゴーレムたちの戦いぶりを眺めることにした。
「あ、そうだ。4号機を向かわせるか?そうすれば少しは倒せる可能性もあるんじゃないか、レム。」
「そうですね。お願いします。」
思い付きを言ってみたが良かったようだ。
俺は待機させていたゴーレム4号機たちを修理済みのゴーレム4号機も含めてビルの屋上に開いた箱庭の出入り口から向かわせることにした。
ゴーレム4号機たちが続々と箱庭の出入り口から出て行くのを見送る。あとはレムの指揮に任せるだけだ。
ゴーレム4号機たちがゴーレム部隊のところに向かうまでには時間がかかるだろうが、それでもゴーレムたちが戦いが終わる前には余裕で到着するだろう。
あとは見守るだけ。
そう思って見ているとゴーレム2号機たちの一部を後方に回して機械人形たちからの攻撃を防ぐ役割にしてロボットのモンスターがいる機械人形たちの方にゴーレム部隊は向かうようだ。
大盾を構えたゴーレム2号機たちを先頭に突き進むゴーレム部隊を機械人形たちがアサルトライフルを放つことで近寄らせないとしていた。




