6話
異界から今までの兵隊蟻とは違った個体がいつの間にか現れており、その個体がお尻を向けると、そこから蟻酸を弾丸として放って来たのだ。
そのせいでゴーレム1号機1機がダメージを受けて移動もままならない状態になってしまった。
「遠距離攻撃する蟻が出て来るのかよ!?」
このままだと不味い。
そう判断した俺はすぐに射撃グループのゴーレムに指示を出して、蟻酸を弾丸の様に放ってきた蟻のモンスターに一斉射撃を仕掛けさせた。
15丁の猟銃から放たれた15発の弾丸が一斉に蟻酸を放って来た蟻のモンスターに直撃することで蟻酸を放った蟻のモンスターはバラバラに砕け散った。
「はぁ、なんとかなった。でもアイツが1匹だけってことはないはずだ。」
これからまたいつ蟻酸を放つ蟻のモンスターが現れるのか分からない。
あの蟻のモンスターだけは優先的に倒さないとゴーレムたち全体に被害を出しかねない危険な存在だ。
俺は今も蟻酸で動けない状態の回収グループのゴーレム1号機をゴーレム2号機に回収させて修理を行なっていく。
アイテムボックス内の土を消費してゴーレム1号機の修復は行なわれ、5分も経たずにゴーレム1号機の修理は終了した。
ゴーレム1号機の修理が終わってから、俺は常に異界の出入り口を見張っていた。
また蟻酸を放つ蟻のモンスターが現れてもすぐに指示を出せる様にする為に。
「やっぱり出たか!しかも数が多い。一斉射撃だ!!」
また異界から蟻酸を放つ蟻のモンスターが現れた。それも5匹も一遍にだ。
俺はそれぞれの蟻のモンスターに3機のゴーレムが射撃する様に指示を思考で出してから一斉射撃を行なう様に指示を出した。
まだ攻撃体勢にも入っていなかった事もあって射撃グループのゴーレム1号機たちによる一斉射撃で蟻酸を放つ蟻のモンスターは全匹倒すことに成功する。
「出来ればあの蟻の死骸を回収して欲しいところだけど、難しいよな。」
ゴーレム2号機ならあの蟻のモンスターの死骸を回収することが出来るのではないかとも思うが、その為にゴーレム2号機を向かわせるのは今は危険だ。
せめてあと2機のゴーレム2号機を完成したのなら魔力を多く使うことになってしまうが蟻酸を放った蟻のモンスターの死骸の回収をさせられると思う。
土さえあればゴーレム2号機を作るのに魔力の方は問題ない。その土もあと少しで貯まる。ゴーレム1号機の修理がなければもう作れていただろうけど。
あと10分くらいで土も貯まって1機のゴーレム2号機が出来るし、魔力次第のところがあるがあと1時間足らずでもう1機のゴーレム2号機も出来るはずだ。
問題があるとすればまた蟻酸を放つ蟻のモンスターが蟻酸を放って攻撃をゴーレムが受けることだろう。
それと俺を直接狙って来られても不味い。
一応だが今はゴーレム2号機が俺の盾の代わりになれる様な位置どりで待機しているところだ。
それでも不意の一撃があるかもしれないから警戒はしておこう。
異界から蟻酸を放つ蟻のモンスターがそこまで頻度が高くないがそれでも現れる様になってから時間が経ち、ようやくゴーレム2号機を作れる分の魔力と素材の土が集まった。
すぐにゴーレム2号機を製造した。その後すぐに作ったばかりのゴーレム2号機を護衛に、これまで護衛をしていたゴーレム2号機を兵隊蟻の死骸の回収に回した。
これであと1機ゴーレム2号機が揃えば無茶をして異界の前で死骸になっている蟻酸を放つ蟻のモンスターの死骸の回収をさせられる様になる。
40分くらいでゴーレム2号機を魔力だけで作れるくらいには魔力が貯まる。
それまで蟻酸を放つ蟻のモンスターを警戒しながら休もう。蟻酸を放つ蟻のモンスターが現れてから緊張感がすごくて少し疲れた。
ゴーレム2号機が作っている日陰に入って体を休ませながら異界から蟻酸を放つ蟻のモンスターが現れれば集中的に狙って倒していく。
この時は俺も自分の猟銃を使って蟻酸を放つ蟻のモンスターを攻撃したりしているほどだ。
段々と現れる回数が増えてくる蟻酸を放つ蟻のモンスターに、このままだとどんどんと増えていくのではないかと焦りを感じながらも時間が経ち、ようやく3機目のゴーレム2号機が作れる様になった。
3機目のゴーレム2号機を作り終わった俺はいよいよ蟻酸を放つ蟻のモンスターの死骸の回収に入る。
と言いたいが、まだ魔力の回復が終わっていない。ゴーレム2号機を強化するのに必要な魔力が多い上に、強化するゴーレム2号機は2機あるからこそ、30分くらいは魔力の回復に時間を使った方がいいだろう。
それから30分が経ったが、この30分の間にも蟻酸を放つ蟻のモンスターはそれなりの数が異界から現れていた。
その都度、射撃グループのゴーレムが一斉射撃を行なって蟻のモンスターを倒しているからこそ、今のところは最初に現れた時の一回だけしかゴーレムたちに被害はない。
そして、ようやく溜まった魔力を使って、俺は2機のゴーレム2号機を並べて魔力を一気に強化に回した。
強化されたゴーレム2号機2機は走り出した。それも、その速度は人間でも出せない速度で。
兵隊蟻の死骸やまだ生きている兵隊蟻を踏み潰して進んでいくゴーレム2号機2機はそのまま異界の出入り口までたどり着くと、そこに転がっている蟻酸を放つ蟻のモンスターの死骸を多数回収してすぐにこちらに向かって戻ってくる。
戻ってきたゴーレム2号機2機はすぐに蟻酸を放つ蟻のモンスターの死骸多数を俺の前まで運んできた。
持って来られた蟻のモンスターの死骸は兵隊蟻よりもお尻が大きな蟻のモンスターだ。
「このお尻の部分から蟻酸を放って攻撃してくるのか。やばいな。」
猟銃の銃弾を受けて空いた穴から蟻酸が出ていてじゅうじゅうと地面から音が聞こえてやばい。
蟻酸には触れない様にして回収してきた蟻のモンスターの死骸をアイテムボックスの中に収納、更に収納した蟻のモンスターの死骸の中から状態の良い個体を解析に回した。
解析時間は兵隊蟻と同じ時間で6時間。
それと他の蟻のモンスターを解体した結果、名前が素材のお陰で判明した。
酸砲蟻。
それがあの蟻酸を放つ蟻のモンスターの名前の様だ。
解体して手に入ったのは甲殻、酸袋、魔核の3つだった。




