53話
俺は情報の学習を終えたレムにこの箱庭のゴーレムたちを指揮して行動するように指示を出してみることにした。
「レム。何か指揮してこの場のゴーレムたちを動かしてみてくれ。」
俺の指示を聞いてレムは頷く。
レムは指揮強化の指揮棒を取り出して指揮強化の指揮棒に魔力を送り込んでゴーレムたちの指揮を取り始めた。
声を出す機能がないから内容は分からないが、レムはゴーレムたちに向けて指揮強化の指揮棒を振るっている。
レムの指揮強化の指揮棒の効果もあって強化された動きでゴーレムたちは一斉に動き出した。
俺が行なう魔力の過剰補給によるゴーレムの強化よりは強化率は低い気がするが、それでも指揮強化の指揮棒での強化は確かにあるのだろうと、レムの指揮で整列や行進を繰り返し行なっているゴーレムたちを見ながらそう思う。
ゴーレムたちの耐久力の消耗具合を確認して見れば分かることなのだが、指揮強化の指揮棒による強化はゴーレム自身に負担をそこまでかけていないから消耗はほとんどしていない。
「この場に居ないゴーレムたちも指揮することが出来るのか?レム!この場に居ないゴーレムも指揮して強化出来そうか!」
離れた場所でゴーレムたちを指揮しているレムに聞いてみたら返答は横に首を振っていることから出来ないのだろう。
そこで俺はレムにこの場に居ないゴーレムでも指揮することは可能なのかを確かめる為に指示を出した。
その結果分かったのだがレムが指揮することが可能なのはレム自身が伝達可能な範囲だけだと言うこと。
その事から指揮強化の指揮棒での強化もレムが指揮可能な範囲の仲間に対してだけなのだと思う。
「レムのジョブから考えて出来ればレムには全てのゴーレムたちの頂点に立って欲しかったんだけどな。うーん…………どうにか出来ないか調べてみるか。」
俺は自身のジョブであるゴーレムマスターに意識を向けてどうにか方法はないかを探してみることにした。
そうしてどうにかする方法を探してようやくゴーレムマスターの情報の中からこれだと言う情報を発見した。
俺を頂点にしたゴーレムの指揮系統を頂点の俺の下にレムを置いてその下にゴーレムたちを指揮下に置くことに成功する。
それに伴って俺が離れたゴーレムたちの様子を確認する映像を見ることが出来る能力をレムを経由して映像を確認するようにすふことにした。
これでレムはレムの下の指揮系統なら全てのゴーレムたちの様子を確認することが出来るし、ゴーレムたちの周囲を写した映像を頼りに離れているゴーレムに対しても指揮が可能になったはずだ。
異界を探しているゴーレム4号機以外の箱庭に居ないゴーレムたちに指揮するように指示を出してみることにした。
「それじゃあレムやってみてくれ。それと指揮強化の指揮棒の効果も使えるのかも試してみてくれ。」
レムは頷くと指揮強化の指揮棒を振るいながら遠く離れたゴーレムたちに指示を出し始める。
俺は箱庭内と異界を探しているゴーレム4号機以外のゴーレムたちの様子を確認してみることにした。
脳裏に映る映像を見ながらレムの指揮で行動するゴーレムたちの様子を見ていると、ゴーレムたちはそれぞれが整列して動いては止まってを繰り返している。
「これならレムが指示を出すことが出来るみたいだな。指揮棒の強化も乗っている感じか?……ゴーレムたちの情報だと強化も乗ってるな。レムの方でも指示がちゃんと届いて強化もしてる感じになってるか?」
レムの方を確認すると頷いているので指示も指揮強化の指揮棒での強化もちゃんと届いているみたいだ。
でも指揮強化の指揮棒での強化率が箱庭内のゴーレムたちを強化していた時よりも数値的には落ちている。
やはり近くにいる場合と離れている場合では近くの方が指揮強化の指揮棒での強化率が変わっているのだろうな。
「レムはそのままゴーレムの指揮の練習をしてくれ。ある程度慣れたらゴーレムたちを指揮して蟻の異界の探索をしてみてくれ。実際にモンスターと戦う場合だと変わってくることもあるだろうしな。」
レムが頷いたのを確認した俺はゴーレム4号機たちはどうなったのかを確認してみることにした。
「まだ休憩中か……でも全回復するまであと少しみたいだな。」
異界の出入り口を探索する為に向かわせた90機のゴーレム4号機たち魔力量はあと少しで最大まで回復するところまで来ていた。
これならもう少しだけ待つだけでゴーレム4号機たちも万全な状態で町の中を探索することが出来るだろう。
「あ!そうだ。万が一の為に開いて置いた方がいいな。」
これからゴーレム4号機たちが向かうのは銃火器を所持している人と同じ姿をしているモンスターの彷徨う町の中だ。
そんなところをゴーレム4号機たちが飛び回っているのならモンスターも気が付いてゴーレム4号機たちを破壊する為に攻撃してくるはずだ。
モンスターの所持している銃火器がどれほどの威力を持っているのか分からないがゴーレム4号機を破壊することは可能なはずだ。
そう考えるとすぐに回収したゴーレム4号機を修理して町の探索に向かわせる為に家から町まで向かわせるのは非効率。
だからこそ町の近くまで来ている今のうちにゴーレム4号機を起点にして箱庭の出入り口を作り出して置くのが良さそうだ。
そうすればゴーレム4号機が破壊されて修理しても箱庭を経由してすぐに町の探索に向かわせられる。
それにもしも箱庭の出入り口をモンスターや人に発見されたりしても箱庭の機能を強化して俺が認めたもの以外は誰も入れないようになっているから安全だ。
箱庭の出入り口を開ける数も魔核を消費して増やしているし、今ゴーレム4号機が休んでいるところに箱庭の出入り口を開いても問題はない。
「これで家から町まで時間を掛けずにゴーレムたちを向かわせられるな。」
それに俺が箱庭の出入り口を開いて設置している間にゴーレム4号機たちの魔力も最大量まで回復して貯蓄も終わったようだ。
「それじゃあ出発してくれ。モンスターには気を付けてくれよ。」
ゴーレム4号機たちが一斉に飛び立っていくのを映像越しに確認しながら、俺はその内の1機のゴーレム4号機が町の中を探索して異界の出入り口を探していくのを眺めることにした。




