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G.G.M 〜グレートゴーレムマスター〜  作者: 甲羅に籠る亀


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4話

 蟻のモンスターである兵隊蟻を解体して入手した素材は、でも今すぐには使えないだろうと思う。


 解析中の兵隊蟻の解析が終わればようやく使える様になるとゴーレムマスターの力が教えてくれる。


 兵隊蟻の解析が終わる時間は6時間。


 異界から兵隊蟻が出て来なくなるのと解析が終わるの、どちらが早いだろうか?


 そんな事を考えている中で戦線は未だにゆっくりと後退していた。


 兵隊蟻を回収する回収班のゴーレムが一度に回収できる数は2匹であり、ゴーレムが2匹を回収する間にも異界からはそれ以上の数が出ている。


 今の状態でもゴーレムに大量の魔力を送って耐久力を減らしながらも無理をさせている。


 ゴーレムが戦闘、回収を行ない、消耗したゴーレムの修理や猟銃の装填に魔力を使っている今の状態でも、ゆっくりとだが魔力の回復量が上回って俺の魔力は増えている。


 この回復した魔力を使ってどうするかを考える。


 回収用のゴーレムを増やす。


 これは今も増え続けている兵隊蟻の死骸を片付けるのに有効だが、異界から兵隊蟻が今も回収よりも増えていることが問題。


 もう一つは大量の魔力を消費して大型のゴーレムを作り、射撃を行なっているゴーレムの攻撃を一度止めてから大型のゴーレムで一気に片付けて方法。


 後者を選ぶのならもっと魔力を回復させないといけないし、どちらにしても魔力が回復しないとどうしようもない事態なのには変わりない。


 考える事をやめて、今は少しでも魔力の回復を促す為にも休憩を取ることにした。


 「それにしても射線が遮られてるから当たらないのが問題なんだよな。」


 死んだ兵隊蟻を壁の代わりにして異界から現れる兵隊蟻たちはこちらに向かってくる。


 射線を開けるには兵隊蟻の死骸を片付ける以外にないのだが、何か出来ることはないか。


 「あ、脚立から撃つのはどうだ?」


 農機具を置いている小屋の中に脚立がある。それを使えば上から猟銃を撃つことが出来るかもしれない。


 俺はゴーレムたちにそのまま攻撃と回収をする様に指示を出してから小屋に向かった。


 小屋の中にある2つの脚立をアイテムボックスの中に入れると、急いでゴーレムたちの元まで走って戻る。


 アイテムボックスから大小の脚立を取り出して固い地面の上に設置する。


 柿の木から柿の実を取るときに使用する大きい脚立なら上からの射撃も射線が通って問題ないはず。


 俺の背丈の脚立でもゴーレムたちよりも大きいから射線が今よりも取れるだろう。


 ゴーレムたちに指示を出して脚立の上から射撃を行なわせる。


 「ちょっと危ないかな?でも大きい脚立はあれだな。3機は乗れそうか?」


 射撃の度に揺れて動く脚立に不安を感じながらも、大きい脚立に3機のゴーレムを上から順番に足場に座らせる形で乗って貰い射撃させる。


 脚立は射撃の為に揺れるのは変わらないし、このままだと不意に脚立が倒れるなんてことが起こるかもしれない。


 「今は俺が支えてるけど、これは脚立を支えるゴーレムが必要になりそうだ。」


 今の魔力量ならゴーレムを1機作るのに問題はない。


 それでも1機だけで大きい方の脚立を支えるのは不安が残る。


 大きい方の脚立には2機のゴーレムを、小さい方のゴーレムには1機のゴーレムで脚立を支えるのが良さそう。


 魔力が回復するまで大きい方は俺が支えて、小さい方はさっき作ったゴーレムに支えて貰おう。


 脚立の登場もあって上からの射撃で射線が空いた結果、次々に兵隊蟻は倒されていく。


 それでも異界からはまだ兵隊蟻が出ているので油断は禁物だ。


 それから魔力が回復するまで間、ゴーレムたちの動きは変わらない。


 撃って兵隊蟻を倒し、兵隊蟻の死骸を回収するゴーレムたち。


 兵隊蟻の死骸の数は増える一方だし、そのせいで戦線は後退しているが倒す分には問題はなくなった。


 あとは兵隊蟻の死骸の回収スピードが異界から兵隊蟻が現れるスピードを上回れば完全に問題はなくなる。


 どちらにしてもそれを行なえる様になるには俺の魔力が問題だ。


 早くレベルが上がって欲しい。


 レベルが上がれば魔力の最大値も増えてその分だけ割合回復の量が増えるのだから。


 「あ、2機分貯まった。」


 大きな脚立を支えるゴーレムを作れるまで魔力の回復が終わった様だ。


 すぐにゴーレムを2機作り出して大きい方の脚立を支えさせる。


 若干まだ射撃の度に揺れているが脚立が倒れてくることはないだろう程度の揺れなので問題ないだろう。


 「ゴーレムを作るだけでも魔力を使い過ぎる。素材がなくなったのが問題だよな。」


 異界の周りを掘りにする時にアイテムボックスの中に入れた土を使ってこれまでゴーレムを作っていたのだが、それもなくなったのがゴーレムを作るのに魔力が多く必要になった原因だ。


 「やるか、土の回収。」


 何とか休耕地から兵隊蟻が出ない様にはしているせいで、簡単に土の回収が出来る場所はもう野菜が植った畑や米を育てている田んぼくらいしかない。


 どちらの土を回収するとしてもモンスターが現れる様になった状況だと俺の生命線になり得る。


 それ以外の場所で土を取ることも考えられるが、それは重労働になる。


 「ここでゴーレムに頑張って貰うか。」


 重労働を俺がしている間に戦闘や回収をしているゴーレムたちへの指揮が間に合わないといけないからこそ、ここは新しくゴーレムを作ってゴーレムに土を掘って貰おう。


 「それも魔力が回復したらだな。」


 畑にも田んぼとしても使っていない敷地を見る。


 定期的に雑草を草刈りしているからまだそこまで伸びていないが、土を掘り返すと考えると重労働過ぎてやりたくない。


 でも、1機分の土の回収をすればゴーレムを作るのに必要な魔力量は減る。


 だからこそアイテムボックスにしまったスコップを片手に雑草の根っこなどが原因で硬くなった地面を掘り始める。


 「やっぱり固い。でも思った以上に掘れるぞ。ステータスすごいな。」


 これも筋力のステータスの効果だろう。


 本当にザクザクと掘れるが、やっぱり休耕地の田畑を掘った時よりも力を入れないといけなくてかなり大変だ。


 力を入れる作業はな上に七月の夏の日差しは俺の体力を奪って汗も凄いことになって来ている。


 ただゴーレムを指揮して立っているだけなら問題なかった気温と日差しだったが、力の限り動くと一気に噴き出す様に汗が出てくる。


 1機分の土の回収が終わる頃には汗が凄いことになってしまった。

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