3話
異界の出入り口である青い亀裂の先から何が出てくるのか、それを警戒しながら猟銃を構える。
「出る……合図をしたら一斉射撃だ。」
青い亀裂の先からまず1匹が出て来た。
それは1メートルほどのサイズの蟻のモンスター、大きなサイズのそんな蟻が青い亀裂の先から次々に現れ始める。
「射撃開始!!」
俺とゴーレムたちに寄る一斉射撃が蟻のモンスターに放たれ続ける。
蟻のモンスターは俺たちの射撃を受けて甲殻を砕かれて倒れるのだが、それも最低2発を受けないと蟻のモンスターは倒せない。
弾切れが起こればすぐに俺の魔力を使って弾丸を装填する。
撃って、弾切れ、装填、また撃って、また弾切れ、また装填を繰り返し行なっていくのだが、まだまだ青い亀裂の先からは蟻のモンスターが現れ続ける。
「まだ出て来た。どんだけ出てくるんだよ……。」
今のところは魔力的には【魔力の源泉】の効果で回復する魔力のお陰で問題ないが、こんなにたくさんの蟻のモンスターを相手にしないといけないのは精神的な疲労を感じる。
もう既に20匹は青い亀裂から現れる蟻のモンスターを倒しているのにまだ蟻のモンスターは異界の出入り口からわらわらと現れ続けていた。
「まだ出てくるのかよ。」
異界の出入り口が現れてから既に30分が経過した。
それだけの時間が経っているのにまだ蟻のモンスターは出てくるし、これまでの間に倒した蟻のモンスターの亡骸が邪魔をして射線の妨害があったりもして戦線は後退していた。
しかもそれだけが問題じゃない。
既に何度も猟銃の引き金を引いていて指が攣りそうになって本当に辛い。
「少し休もう。これ以上は本当に無理だ。」
指が痙攣を起こして痛い。
今のうちに少しでも休まないと、あと1時間2時間と異界から蟻のモンスターが出てくる様な状態になった時に対処が出来ない。
それにこれだけモンスターを倒したのだからこそ、レベルだって上がっているはず。
俺は休憩も兼ねてステータスの確認を取ることにした。
ステータス
ジョブ【ゴーレムマスター】
レベル6
筋力E
耐久力D
魔力A
精神力B
敏捷C
スキル【魔力の源泉】【超直感】【箱庭】
「やっぱり上がってた。」
途中から段々と魔力の回復量が上がっていたのは感じていた。
最大魔力量が上がったからこそ、魔力の回復の割合は変わらずとも魔力の回復量が上がっていたのだろう。
「もっと早く確認するべきだったかも。」
今の魔力ならゴーレムを猟銃の武器込みで作ることが出来る程度には魔力がある。
若干の後悔をしながらもゴーレムを猟銃を込みで追加しておくことにした。
猟銃の装填を考えて追加するゴーレムと猟銃の数を考えてゴーレムと猟銃の生産する。
色々と考えて合計で猟銃16、ゴーレム15まで増やした。
これだけあればゴーレムたちだけで蟻のモンスターを倒すのは問題ないはずだ。
ゴーレムたちを俺が指揮して、ゴーレムたちが指示通りに蟻のモンスターを倒す。
俺が攻撃に加わらなくても大丈夫だろう。
「問題はあの蟻の死骸だ。」
今もなお蟻のモンスターは異界の出入り口から現れている。
そんな状況で猟銃の射線が取れなくて戦線が後退しており、このままだと家のところまで下がらないといけなくなりそうだ。
「あの蟻の死骸を片付けないとどうにもならないんだよな。」
俺が直接行ってアイテムボックスに収納して仕舞えばすぐに片付くが、そんな事をすれば俺が蟻のモンスターたちに襲われることになる。
かと言ってゴーレムたちを向かわせるにしてもゴーレムが襲われるだけだろう。
「犠牲覚悟で片付けるしかないか……。」
このまま後退し続けるよりもその方が良いと判断した俺は蟻のモンスターの死骸を片付ける為のゴーレムの生産をすることに決めた。
5機の追加のゴーレムを生産した俺は生産したばかりのゴーレムたちに指示を出した。
蟻のモンスターの死骸を回収する様にと。
その指示を出した次に俺は射撃を続けているゴーレムたちに対して、蟻のモンスターの死骸を回収するゴーレムたちを誤射しない様にゴーレムたちに指示を出して動かしていく。
少しでもこれで倒した蟻のモンスターの死骸が無くなり、これ以上の戦線の後退をしなぬて済むはずだ。
「力はそこまでないのか。」
すぐに問題が発生する。
ゴーレムの力が俺の想定よりも低い。
ゴーレム1機に付き、移動させられる蟻のモンスターの死骸の数が1だというのだ。
異界から現れる蟻のモンスターを射撃でゴーレムたちが倒す方が、ゴーレムが蟻のモンスターの死骸の回収をするよりも早くてどんどん蟻のモンスターの死骸が溜まっていくことになる。
そうなると戦線を下げないといけなくなってしまう。
「ゴーレムを作り替えるか?」
今のゴーレムは女性のマネキンの姿から力持ちの様な見た目のゴーレムに変えれば変わるのだろうか?
ゴーレムマスターのジョブの情報の中でゴーレムの性能に関する情報を探していく。
「無理、か…………いや、これなら行けるか。」
情報の中で今の素材と解析情報だとどうやってもこれ以上のゴーレムを作るのはゴーレムの巨大化しか方法がない。
その場合だとゴーレムを作るのに消費する魔力が土素材がもうないから消費魔力が跳ね上がる。
その上、大型のゴーレムが猟銃ゴーレムたちの射撃を遮ってしまうことにもなりかねない。
それでも現状打破の手段がないかを探した結果、一応は見つかった。
それはゴーレムに過剰な量の魔力を送り込むという方法だ。
過剰補給された魔力を消費することで限界を超えた性能をゴーレムは発揮する。
けど、これも問題がある。
限界を超えた働きをするからこそゴーレムの耐久力が常に消耗することになるからだ。
それでも大型のゴーレムを作るよりは消費する魔力は少なくて済む。
どうするのかを決め終わった頃に、ようやく1回目の蟻のモンスターの死骸の回収を終えたゴーレムたちが戻ってきた。
「とりあえず1匹は解析に回して残りの蟻はアイテムボックスに収納して解体だな。」
ゴーレムたちが回収してきた蟻のモンスターの死骸の1匹は解析を開始し、残りの4匹の蟻のモンスターの死骸はアイテムボックスの機能の1つである解体機能で解体した。
兵隊蟻の牙、兵隊蟻の甲殻、魔核。
この3つが解体した結果、新しく手に入ったゴーレムや武装を作るのに使える素材だ。




