23話
蟻塚にゴーレム3号機と採取と荷物持ち用ゴーレム1号機グループのゴーレム部隊が蟻塚の巣穴の中に入っていくのを見送った俺はすぐにゴーレム3号機のゴーレム部隊がどう動くのかを眺めることにした。
ゴーレム3号機のゴーレム部隊は巣穴の通路を広がって移動をしていく様だ。
「ゴーレムでも壁を登れるんだな。天井はどうなんだろう?」
ゴーレム3号機でも蟻のモンスターたちと同様に巣穴の土壁を移動することが出来るのを確認した。
酸砲蟻が土壁を移動しているのを見たことがあるから、ゴーレム3号機でも行けるかもとは思っていたけど良かった。これで巣穴でもゴーレム3号機は活躍してくれるはず。
「あぁ、流石に天井を移動するのは無理だったみたい。」
天井を移動しようとしていたゴーレム3号機が落下しそうになっていた。流石に蟻のモンスターの様に軽くはないから無理があったか。
まあでも土壁を移動することは出来ているから良い方だろう。天井を移動して襲って来る蟻のモンスターには酸弾を浴びせれば落下するだろうしな。
「それにしても蟻が出て来ないな。もう先に先行したゴーレム部隊が倒した後だからか?」
この蟻塚の巣穴は先にゴーレム1号機のゴーレム部隊が先行して進んでいる蟻の巣穴だ。
だからこそ先に先行しているゴーレム部隊が蟻のモンスターを倒していてゴーレム3号機のゴーレム部隊が蟻のモンスターに遭遇しないのではないだろうか?
とりあえず蟻のモンスターとの遭遇が起こるまでゴーレム3号機のゴーレム部隊の様子を見ることにした。
「あ、分かれ道だ。」
この分かれ道のどちらにゴーレム1号機のゴーレム部隊が向かったかの違いによって、これからゴーレム3号機のゴーレム部隊が蟻のモンスターと遭遇するのかが変わって来るはずだ。
「どっちに進むんだ?…………そっちに進むんだ。」
ゴーレム3号機のゴーレム部隊が分かれ道の片方に進んで行く。そちらの道にゴーレム1号機のゴーレム部隊が進んでいるのかどうか、一体どちらだろうか?
進んで行くゴーレム3号機のゴーレム部隊だったがその動きが途中で止まった。
「ん、どうしたんだ?」
動きの止まったゴーレム3号機のゴーレム部隊が何をするんだと見守っていると、荷物持ち兼採取用のゴーレム1号機2機が前に出て来た。
それを見て鉱石が巣穴の土壁にあったんだなと俺は理解した。
俺の予想の通りにゴーレム1号機2機で巣穴の土壁を掘り始めた。
それから少しして巣穴の土壁からそこそこの大きさの鉄鉱石だろう鉱石が手に入って蟻甲殻の背負い箱の中に収められる。
でも鉱石があったことで分かったこともあった。それはこの通路はゴーレム1号機のゴーレム部隊が通っていないという事だ。
もし先にゴーレム1号機のゴーレム部隊がこの通路を通っていたのなら、既に先ほど採取した鉱石は採取されていたはずだから。
このまま進んで行けばゴーレム3号機のゴーレム部隊は蟻のモンスターと遭遇するだろう。
まだ蟻のモンスターと遭遇していないがいずれは遭遇するだろうし、このままゴーレム3号機のゴーレム部隊の様子を見ていこう。
そう思ってそれほど立たずにゴーレム3号機のゴーレム部隊は蟻のモンスターの群れと遭遇することになる。
「見た限りだと酸砲蟻は居なさそうだな。でも騎士蟻がいるし、どう戦うんだ?」
騎士蟻が率いている兵隊蟻の群れをこれからゴーレム3号機のゴーレム部隊は相手をしないといけない。
「なるほど、まずは酸を浴びせていく感じか。」
ゴーレム3号機のゴーレム部隊の前方にいるゴーレム3号機たちが一斉にお尻を上げて蟻のモンスターの群れに向かって酸を霧状に散布し始めた。
この風もない巣穴の通路に撒かれた霧状の酸は散布された勢いに乗って蟻のモンスターの群れに向かって飛ばされていく。
ゴーレム3号機たちの前方の巣穴の通路全体に霧状に撒かれた酸が蟻のモンスターの群れ全体にダメージを与えていくのが蟻のモンスターの群れが身悶えることで理解した。
身体全体に酸によるダメージが入って甲殻や関節も蟻のモンスターたちは脆くなっていると思われる。
そんな蟻のモンスターの群れにゴーレム3号機のゴーレム部隊は追撃を行なうのかと思ったがそんな様子は伺えない。
どうするんだ?と見ているとゴーレム3号機のゴーレム部隊は全体で後方に下がり始めた。
そんなゴーレム3号機のゴーレム部隊を蟻のモンスターの群れは酸のダメージを受けながらもゴーレム3号機のゴーレム部隊に向かって突き進んで行く。
酸の霧から向け出た蟻のモンスターの群れはそのまま一定以上に後ろに下がってから立ち止まったゴーレム3号機のゴーレム部隊に向けて進む。
「あ、動き出したぞ!」
ゴーレム3号機のゴーレム部隊は動き出した。それも向かって来ている蟻のモンスターの群れに向かって。
そのままゴーレム3号機のゴーレム部隊も蟻のモンスターの群れもお互いに接触するまで移動スピードを落とさずに衝突し合う。
ここで霧状の酸を浴びていた影響がもろに出たのだろう。蟻のモンスターの群れの最前線に居た兵隊蟻の甲殻や関節がゴーレム3号機に衝突して壊されて行くのが見えた。
最前線の兵隊蟻たちを破壊したゴーレム3号機たちはそのまま勢いを殺さずに突き進んでどんどんと兵隊蟻たちを轢き殺していく。
そのまま後方で指揮を行なっていたのだろう騎士蟻にまで勢いを殺さずに体当たりを仕掛けたゴーレム3号機だったが流石に騎士蟻は兵隊蟻たちの様には行かなかった様だ。
酸で甲殻や関節にダメージがあっても甲殻にひび割れが起きるくらいで騎士蟻は生きているが、でも多勢に無勢だろう。
そこから騎士蟻が衝突したゴーレム3号機に対して反撃を行なう前に他にも続々と集まって来たゴーレム3号機たちの牙に噛み付かれて関節を破壊されていった。
最後に頭部と胴体を繋ぐ関節を噛み切られて騎士蟻はそのまま動かなくなったのを見てから全体を確認するともう蟻のモンスターの群れは全滅していた。
最初の霧状の酸からすぐに抜け出せなかったのが蟻のモンスターの群れの敗北の理由だろう。
酸砲蟻がいる蟻のモンスターの群れだったらまた違う戦い方になると思うが、ゴーレム3号機のゴーレム部隊でも十分に蟻塚の巣穴での探索を行なえることが今回の戦闘で分かったのは良いことだった。




