22話
あの後もゴーレム部隊が蟻塚の探索をする映像を脳裏に浮かべて眺めながら過ごしていたが、だいぶ魔力も回復してきたからゴーレム1号機を作って行こうと思う。
今の魔力なら10機は鉄製のゴーレム1号機を作る程度には魔力が溜まっているので早速作り始めた。
そうして作成した鉄製のゴーレム1号機たちと情報交換を行なうように指示を周りのゴーレムたちに行なうと、俺は魔力の回復に努めながらゴーレム部隊の様子を確認することにした。
「お、丁度戦ってるところだ。」
槍持ちゴーレム1号機たちが兵隊蟻の牽制を行ない、剣持ちと短剣持ちのゴーレム1号機たちが槍持ちの牽制で動きの鈍った兵隊蟻を倒していく。
そうして兵隊蟻の数を減らしながら指揮官個体の騎士蟻をゴーレム部隊が仕留めることで戦闘は終了したかに思えた。
「おぉぉ、ここで増援が来るのか。」
蟻のモンスターの群れが増援としてやって来た。ほとんどが兵隊蟻だが酸砲蟻が集団の中に混ざっているのが確認できる。
優先するのなら酸砲蟻をどうにかするのが最優先だろうが、今回の蟻のモンスターの群れは兵隊蟻に囲まれている酸砲蟻と言った感じなので酸砲蟻を最初に倒すのは難しいはずだ。
俺はどうやってゴーレム部隊が酸砲蟻を倒すのかを見ることにした。
兵隊蟻の群れとの近接戦はいつも通りに槍持ちのゴーレム1号機が牽制、その後に牽制して乱れた兵隊蟻の群れの動きの鈍い兵隊蟻を剣持ちと短剣持ちのゴーレム1号機が仕留める。
そうして兵隊蟻たちをゴーレム1号機たちが減らしていくのだが、視界に映ったのは酸砲蟻が酸弾を放とうとしているところだった。
ゴーレム部隊が酸砲蟻の酸弾をどうやって対処するのかを見ていると。
「そうやって防ぐのか。なるほど。」
短剣持ちのゴーレム1号機1機が短剣を鞘に仕舞うと、地面に転がって死んでいる兵隊蟻の死骸を掴んで酸砲蟻の酸弾が通るだろう進行ルートに向けて放り出したのだ。
そして放り出した兵隊蟻の死骸に酸砲蟻の酸弾が命中することで、ゴーレム部隊は酸砲蟻の酸弾の攻撃から逃れられた。
甲殻を酸弾の酸に溶かされる兵隊蟻の死骸を尻目にゴーレム部隊は次々に兵隊蟻を倒していく。
そうしてある程度の数まで兵隊蟻が減ったら、その時にゴーレム部隊から短剣持ちのゴーレム1号機たちが前に出て兵隊蟻たちの間を通り抜けて酸砲蟻に攻撃を仕掛けた。
正面から左右から短剣持ちのゴーレム1号機たちからの攻撃を一遍に受けて酸砲蟻は短剣に切り裂き貫かれて動かなくなる。
酸砲蟻が死んだことでゴーレム部隊の動きは変わった。たぶん酸砲蟻を警戒していたからゴーレム1号機たちの動きが少しだけ消極的だったのではないだろうか。
後方にいた酸砲蟻を倒した短剣持ちのゴーレム1号機たちが後方から、前方からは槍持ちと剣持ちのゴーレム1号機たちが攻撃を行なう事によって兵隊蟻の群れは全滅した。
完全に周囲から生きている蟻のモンスターの姿がなくなるのを確認したゴーレム1号機たちは蟻のモンスターがドロップアイテムに変わるまで待機するようだ。
あれから幾度もゴーレム部隊が蟻塚で活躍するのを見ていたが、蟻甲殻の背負い箱の中がいっぱいになった様で続々とゴーレム部隊が蟻塚から出て俺の元に戻って来た。
「良くやったぞ、今から修理して行くからな。」
蟻甲殻の背負い箱を一ヶ所にゴーレム部隊が集まると、俺はゴーレム部隊に一列に並ぶ様に指示を出してゴーレムと武装の修理を行ない始めた。ついでに魔力補給も。
ゴーレム部隊の修理を終えると、次にまた蟻塚に向かわせるその前にそれぞれ全てのゴーレムたちに情報交換を行なわせる。
そして俺はゴーレムたちがそれぞれの情報を情報交換を行なって学習している間に蟻甲殻の背負い箱の中身や括り付けられた物をアイテムボックスの中に入れていく。
鉱石類は解体を、宝箱から手に入れたアイテムは解析を行なってから俺は鉄製ゴーレムの作成に行動を移る。
ゴーレム部隊のゴーレムと武装の修理に魔力補給もして減った魔力でも、鉄という素材がある事でつい先ほど製造した鉄製ゴーレム1号機と同じ数の10機分作成を行なった。
「今の魔力量ならギリギリ行けるかな?」
ちょっと悩みながらも今さっき作ったばかりのゴーレム1号機の分の装備を作っておく。
「良かった。間に合った。ギリギリだったけど、本当に良かった。」
これでゴーレム部隊を1グループ追加して蟻塚の中に向かわせられる。
あと忘れずに作ったばかりのゴーレム1号機たちにも情報交換を行なって貰えば、もうこれで作ったばかりなのに戦力にこれでなるだろう。
「うーん、どうしようかなー。」
ゴーレムたちがまだ情報交換を行なっている間に少し俺は悩みながらも考える。
今のままだとゴーレム3号機があまり役に立たないことになりそうだ。
蟻塚での戦闘に関する情報をもっと集めないといけないが、ゴーレム3号機の数は一部隊を作るには少ない。
蟻のモンスターは蟻塚の土壁を登って横壁や天井でも移動しているが、ゴーレム3号機は同じ様に出来るのかも俺もゴーレムたちも知らないだろう。
「そこのところも知らないといけないよなぁ。」
この蟻のモンスターが現れる異界のボスモンスターを倒す際にはゴーレム3号機の力が必要になると思う。
ゴーレム1号機たちだけで蟻塚の巣穴を探索させて経験を積ませるのも大事だけど、人型のゴーレム1号機と違って蟻型のゴーレム3号機にはあまり良い戦闘情報にはならないはず。
「やっぱり向かわせるしかない。」
とりあえず魔力が回復してからゴーレム3号機を向かわせ様と思う。その際にゴーレム3号機が蟻塚の中で長時間の活動も出来る様にしておこう。
魔力が溜まってゴーレム3号機を今あるゴーレム3号機を含めて部隊規模で作れる様になったら、採取と宝箱とドロップアイテム回収要員のゴーレム1号機を2機加えて1グループとしてゴーレム部隊として蟻塚の探索に向かわせることにした。
そうこうしている間にそれぞれの情報交換をゴーレムたちは終えていた様だ。
俺はゴーレム1号機だけのゴーレム部隊を蟻塚に向かわせると、そこから魔力が回復してからゴーレム3号機全てに下級魔力バッテリーを装備出来る様に改良を施して戦闘員をゴーレム3号機だけのゴーレム部隊を1グループ作ってから蟻塚に向かわせる。




