20話
夕方になるまで3度も蟻塚の巣穴の中の探索をゴーレム部隊は行なった。その結果、蟻塚の地面から出ている範囲は探索することが出来たのではないかとは思う。
そして、蟻塚の巣穴を探索して来たゴーレム部隊が持って来た蟻甲殻の背負い箱の中には蟻のモンスターの素材の他にも蟻塚で採取した鉱石もあるが、その中には人工物だろう物も入っていた。
「それにしても宝箱なんてあるとは思わなかったな。これとかこれってなんなんだろう?」
緑色の液体が入った瓶や青色の液体の入った瓶を手に取って眺める。
この2種類の液体の入った瓶が2つの宝箱の中に数本入っていたのだ。
早速アイテムボックスの中に2種類の液体の入った瓶も含めて蟻甲殻の背負い箱の中身も収納して調べてみた。
「なるほど回復アイテムなんだな。この瓶の中身は。」
緑色をした液体の瓶に入っていたのは下級の生命力回復ポーションで、傷や病気に効果のある回復アイテム。
青色をした液体の瓶の方はと言えば魔力を回復する効果のある下級魔力回復ポーションと呼ばれるアイテムの様だ。
「割り合い回復なら結構魔力を回復しそうだけどどうなんだろう?使ってみるか?」
今のところは魔力は回復しているから使ってみても分からないだろうからゴーレム1号機を鉄を使って作ってみよう。
初めて鉄製のゴーレム1号機を作ってからもう既に14機の鉄のゴーレム1号機が作れているが、先ほどゴーレム部隊が集めて来てくれた鉄鉱石を解体して出来た鉄も使ってゴーレム1号機を作ることにした。
「これなら8機は作れるな。」
今の俺の魔力量とアイテムボックスの鉄の量を考えて新規のゴーレム1号機を鉄素材で作成していく。
そうして合計で今は鉄素材で出来たゴーレム1号機の数は23機だ。全てのゴーレム1号機を合わせると100機にもなる。
「魔力を消費したし使ってみるか。」
飲むことで魔力回復ポーションは使えるからと、俺は下級魔力回復ポーションを飲んでみた。
「んー?そこまで回復してないぞ?」
はっきりと言えば下級魔力回復ポーションで回復した魔力の量は、俺の1分間に自然回復する魔力量よりも少し上くらいしか回復していない。
「下級魔力回復ポーションは一定量しか魔力を回復しないみたいだな、これは。」
%の割合回復で魔力を回復させられるのならかなりの量の魔力を回復するアイテムになったのに残念だ。
今日はもう家に帰ることにした俺はこの場のゴーレムたちにそれぞれの情報を交換してお互いに学習する様に指示を出し、学習を終えたゴーレムたちの4分の1のゴーレムたちは異界から出て俺の家の周囲をパトロールする様に指示を出してから異界の外に出た。
「あっついなー。」
異界の周りは既に夕方で暗くなって来ているが、蒸し蒸しとした暑さを感じる。異界の温度が一定だったこら余計にだ。
家までの道中は何事もなく家に到着した俺は家の周りを警備してパトロールしているゴーレム4号機たちを集合させてから家に入った。
1日中冷房を付けっぱなしにしているお陰で冷んやりとした空気を浴びて涼みながら俺は自宅で武術系動画や植物や動物の情報を学習させていたゴーレム1号機3機を呼び寄せる。
ゴーレム1号機たちが集まるとゴーレム4号機たちから今回のパトロールで何かしらのモンスターや人を見つけていないかを確認させた。
ゴーレム1号機たちに渡した紙にモンスターや人がこの家の周辺に現れていないかを書いて貰った。
「そうか、居なかったんだ。良かった。」
どうやらモンスターも人もこの周辺には近付いていなかった様だ。
モンスターなら倒してどこから来ているのかを調べるだけで済むが、これが人間だと面倒なことになっていただろうから本当に良かった。
この場のゴーレムたちに魔力補給を済ませて、俺はゴーレム4号機たちに改めて自宅周囲の警戒の為のパトロールをする様に指示を出して家の中にゴーレム1号機たちと一緒に戻る。
家の中に入った俺は風呂で汗を流して夕食を食べ終わってから改めてゴーレム1号機たちがどんなことを学習していたのかの確認を取った。
「なるほどな。」
武術系の動画をかなり見ていたゴーレム1号機、動物の動きや習性などを動画やインターネット検索して学習していたゴーレム1号機、きのこなども含めた植物の情報やそれ以外にも科学知識を学習していたゴーレム1号機が居たようだ。
何がどうゴーレムたちの学習に役に立ってくれるのか分からないからこれからも頑張って欲しいところだな。
それにいつまでインターネットを使える状態なのかも分からないし、ダウンロード出来る物はダウンロードして保存していた方が良いのだろうか?
悩ましいところだが、とりあえずはこのままゴーレム1号機3機にはインターネットや動画を見て色んな情報を学習して欲しい。
「俺も情報収集でもしておくか。」
ゴーレム1号機3機にはそれぞれの情報を交換して学習して貰う間に、俺はスマホを使って俺の自宅のある市や県とその周りの県に出現した異界の情報を集めていくことにした。
「あ〜やっぱりか。」
俺の自宅から行ける街に異界が出現している様だ。それも異界が出現した場所が街の中でも俺の家の方向にある位置だった。
だから避難するとしても俺の家のある方向じゃない方に避難している人がほとんどで俺の家の周りにまで逃げてくる人が居なかったようだ。
しかも出現した異界から出て来ているモンスターもやばいモンスターで、俺の家の近くの異界である蟻系モンスターよりも厄介そうだ。
どうも異界から出て来ているモンスターは人と比べても遜色ないくらい見分けが付きにくいモンスターで軍隊が使うアサルトライフルと呼ばれる銃を使って来るのだそうだ。
異界から最低でも3キロ圏内には人が居なくなっているらしい。見かけたとしたら人じゃなくてモンスターだと思えと言われるほどの危険地帯。
こうなると街に向かうなんてことは当分は出来ないかもしれない。せめて蟻系モンスターの現れる異界を攻略して強くなってから向かうのが良いだろう。
「あ、終わったみたい。でもちょうど良かった。」
ゴーレム1号機3機には異界から少し前に家の周りのパトロールに参加しているゴーレムたちへと、これまでに学習した情報を交換して貰う様に指示を出した。
情報交換が終わったら家に戻って動画やインターネットの学習をさせることも指示に追加して。
ゴーレム1号機3機が外に出たのを見送って俺はまだ情報収集を行なっていく。




