13話
異界発生から翌日。
俺は起きてまずしたのはリビングに居るゴーレム1号機の確認だった。
実は昨日、俺は寝る前に3機のゴーレム1号機を作り、ゴーレム1号機3機でそれぞれスマホ、タブレット、テレビでインターネットに接続して武術の動画を見て学習させていたのだ。
もちろん動画を見る為に操作の仕方から教えていたせいもあって昨日は寝る時間がいつもよりも遅くなってしまったが。
まあその甲斐もあって起きてすぐにゴーレム1号機3機でどれだけの武術の動画を見て学習していたのかを確かめてみればかなりの数の動画を見ていることが判明した。
「外に出て少し動きを見せてくれるか?」
ゴーレム1号機3機をベランダの窓を開けて外に出させると、俺は3機のゴーレム1号機がどれほど動画の視聴して動けるのかを確かめてみた。
その際に必要そうな武器を魔力のみを使って剣、短剣、槍、斧、薙刀、棒に必要そうな物を鋼鉄製で1つずつ作っておいた。
元々3機で別々の動画を見ていたのは知っているが、もう既に情報の共有は済ませていた様で別の武術の動画を見ていたゴーレム1号機でもそれぞれ同じ程度の動きを見せている。
「すごいな。良くやったぞ、3機とも。」
30分以上の時間を使って本当に動画を見ただけで達人とまでは行かないが素人よりは確実に上だと思える動きをゴーレム1号機たちはしていた。
これには俺も満足だ。
蟻のモンスターでもこれなら近接戦闘で一対一なら戦闘になるし、その戦闘でも勝つことは出来るはず。
家の周りを警備していたゴーレム1号機、ゴーレム2号機、ゴーレム3号機も呼び出してゴーレム1号機たちが学んだ情報の共有を行なって貰った。
「朝ご飯を食べて、情報収集、それから異界だな。あ、でもその前にゴーレム4号機を作ってみるとするか。」
まだ朝方だが山に囲まれているせいで薄っすらと暗いがそれでも離れているところも視認は可能だ。
これなら空を飛んでいるドローン型のゴーレム4号機の姿をしっかりと見れるだろうからな。
俺は今もアイテムボックスの中にある蟻系モンスターの甲殻を使ったゴーレム4号機を作成した。
ゴーレム4号機を庭に取り出した。
全体的に黒い大きめサイズのドローン型のゴーレムが現れる。
「それじゃあ飛んでみてくれ。」
俺が指示を出すとすぐにゴーレム4号機はプロペラを回転させて飛行を開始する。
空高くまで飛び上がったゴーレム4号機は自由自在にとまでは言わないがそれなりの飛行スピードで空を飛んでいた。
これなら空からの攻撃もゴーレム4号機の下部に付いている猟銃からの射撃で攻撃が可能だろう。
とりあえず合計で10機のゴーレム4号機を作成して、ゴーレム4号機5機は家の周囲を含む敷地内の警備をして貰うことにした。
もう5機は異界に連れて行くことにしている。蟻塚の中には入れなくても上空からの射撃で蟻のモンスターたちへの対処は出来るはずだから。
異界に向かうまでは異界に連れて行く予定のゴーレム4号機たちにも飛行の経験をさせて学習させる為にも空を飛んでいて貰おう。
どうせ異界に行く前に俺の魔力で補給させておくからな。存分に飛んで学習して欲しいところだ。
それから手早く朝食と昼食のお弁当の用意を済ませて朝ご飯を食べながらスマホを使って情報収集。
まだインターネットが使えるのはありがたいことだ。
調べているだけでも昨日よりも多くの被害者が異界のモンスターによって起こっているらしい。
しかもそれだけでなくステータスを持つ者たちの中にはこんな事態だからこそ暴れている者が出始めているのではないかと言う話も出ている。
こんな山奥ではなく外に出ても面倒な事態になりそうな感じがする。
ゴーレム4号機にカメラを持たせて街の様子を確かめるべきかと思っていたりもしていたが、それはやめておいた方がいいと直感が言っているのでやめておく。
とりあえず俺がやらないといけないのは蟻のモンスターが現れる異界を攻略すること。
その為にも今日はあの蟻塚の中に入って探索をしていく予定だ。
直感的に思っていることだが、異界の主と呼べるボスモンスターを倒せさえすれば一時的にも異界を抑え込めると思っている。
超直感が俺にそう感じさせているのだろうから、異界の攻略は確実にやらないといけない事だ。
朝食を食べながらの情報収集も終えて俺はアイテムボックスに昼のお弁当と飲み物や軽食などの必要だと思った物を入れてから家の外に出る。
家の外に出た俺がまずすることは家の周囲のゴーレムたちを全て集めることだ。
そうして集めたゴーレムたちに最大まで魔力を補給させてから、ゴーレム4号機5機に家の周りの警備を任せて、ゴーレム1号機3機には家でスマホとタブレットとテレビからインターネットに繋いで動画を見て学習を、残りのゴーレムたちを連れて異界に向かった。
ゴーレムたちを先頭にして異界に入った俺が見たのは蟻のモンスターの死骸の山だった。
「結構あるな。どれだけ倒したんだ?」
蟻のモンスターの死骸の山をアイテムボックスの中に収納して解体を行なっている間に俺は異界で入り口を守っていたゴーレムたちの様子を確認する。
調べた感じだと魔力を消耗しているゴーレムが多数いるが修理を必要としているゴーレムはいない。
猟銃を使って遠距離から常に蟻のモンスターを倒していたからだろう。
全てのゴーレムの魔力を最大まで回復させてからゴーレム3号機の酸弾砲の改良を済ませることにした。
これでゴーレム3号機の酸弾砲は酸弾だけでなく霧状に噴射させることも出来るし、高圧洗浄機の様に勢いよく酸を浴びせることも出来るだろう。
「はぁ、結構魔力使っちゃったなぁ。」
ゴーレムの魔力補給、ゴーレム3号機の酸弾砲の改良、この2つのせいで俺の魔力も半分くらいしかない。
でもいいだろう。
この魔力を回復させている間に、ゴーレムたちには異界の外のゴーレムたちが動画や夜間警備で学習した内容と異界でのゴーレムたちの学習した内容をお互いに学習し合わせる時間にも使える。
ゴーレムの数も数だからお互いに学習させて行くのにも時間が掛かってしまうだろうが、ゴーレムたちの学習が終わる頃には俺の魔力もだいぶ回復しているはずだ。
ゴーレムたちがそれぞれの情報を学習している間に、俺はゴーレム4号機たちに指示を出して蟻塚を上空から偵察させることにした。




