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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 交わる影、揺れる心
99/122

答え:蓼食う虫、というと怒られそうだが好き好き

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「ここだよ。ベッドまでお願い。私は水を取って来るから、ウーノはそのまま戻って大丈夫。」

「分かっタ。」

「あ。そういえばウーノ。6匹それぞれとはいかないけど、余ってる部屋もあるしどこか使う?ずっとあの和室だと落ち着かないよね。ごめん。」


「ン・・・気にならナイけど。部屋アルナラ、それモ嬉しイ。家族みタイ。」

「そっか。6匹まとめてベッドじゃなくて、布団なら入るかな?とにかく、用意しておくよ。いつもありがとう。」

「こちらこそ。カズもいつもアリガたい。」

「そうだな。」


「……家族、か。」


口に出すと妙に重い。

まだ自分の物じゃない名前を、胸の奥に置かれたみたいだった。

けれど、不思議と嫌ではなかった。


 ウーノと別れて、5階に小さく置いてある冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しながら、さっきまでの内容を思い出す。


日向達と出会う前から、それなりにお互いの試行錯誤はあった。

かなり言葉も気にせず、ビニールハウスを壊すような喧嘩も、何度もした。

今思ってもアンジェラやリュースの仲介がなければ、なかなかやりすぎた場面も多かった。


「それでもついてくるんだからなぁ・・・。何が良いんだか。」


ベッドから届くテーブルの位置にペットボトルを置く。

和の部屋に来るのは久しぶりだ。

そもそも来る必要がないからそれは当たり前なんだけど、今見ても以前と景色はほぼ変わりないようで増えた物もなさそう。

元々物の数が少ない。


 和はエリーザが個別に推薦するぐらいには、当初から見込みがあったのだろう。

周りからは天才とうたわれ、元々の魔力としての素質は、その通りの部分もあるのだろうが、本来魔法という技術を発揮するのに必要な面については、本当に単純に着実な努力家の部類だろう。

名家の出でもなく、興味と関心と失敗と成功を重ね生まれた評価。


正直そういった魔法使いにこそ、魔法世界で成功を重ねて行ってくれることを期待している。

経済的にも技術的にも、向上意欲が薄い魔法世界には、カイル・ヴィンセントのような人物が、アルフやエリーザの次世代の魔法使いとして必要だと思う。


それがどうしたことか、何度か出会う機会に恵まれて話しているうちに、どこで路線を間違えてしまったのか、ここに来たいと言い始めてしまった。

そういう告白という意味なら、もう何百と様々な言い方はあれど伝えられ、その度に断りを重ね、ついでに他に興味が行くことを期待して、良さげな人を紹介したりそういう場に連れて行っては、和に切れられていた。

お見合いに無理やり連れていった時は、初めて生のちゃぶ台返しを見た。

(アンジェラ曰く、あんな温厚なカイルを怒らせることに関しては、私はうまいらしい。)


そして日向達が来た頃、少しは落ち着いたのかと安心したのもつかの間、交渉人としての仕事を気が付けば築き上げて、確固とした建前を前に物を言わせまいと、完全に居座った。

そこからは日向と秀人の追い風もあったので、もはや口出しもせずに見守る事に徹していたが…


最近では尚弥が来て、梓が来て、先日の睡眠不足も重ねてるうちに…

居座り続けた和に、気が付けば私の方が慣れてしまったようだ。


最初はただの居候だったはずなのに、

いつの間にかそこにあるのが当たり前になっている。


……これでは、私の方がもう離せない。


先日は飽きるまでとは言ったけど、飽きられたらきっと悲しそうだ。


でも、それも分かった上で諦めた。


「・・・・ん」


こうして眠っていれば、やや子供のような雰囲気がある。

起きている時の頑固さが、全部布団の中に沈んでしまったみたいだ。

500年代層ではないものの、魔法使いとしてはそれなりな中堅層だろう。

最近では瞬発魔法にも劣らない速さで、設置魔法をくみ上げてくるし、今物理的に喧嘩したらかなりヤバいだろう。

アルフと最も時間をかけて組んだ、無属性魔法をもし教えたら、一体どうなることだろうか…


いつか必ず終わりが来た時、私はきっと今の君の姿を思い出すんだろうな。


君ならきっと今心配するだろうなぁとか…


君ならもっといい言葉を言えるんだろうなぁとか…


そういう事を考えながら、悲しむ事になるだろうけど…


君がここまで粘り強いのは、正直予想外。

なんだか、そんな君を見ていると私の方が、何故か間違ってる気がしてくる。

それなら「もういいか」って思ったよ。


…そういえばあの男に、イヴを殺した小屋でされたことを思い出す。

酒に酔って寝ている相手の寝室で、これはどうなんだろう?

日向達からすれば、これは寝込みを襲った事になりそうだ。


–カサ


かすかに酒の匂いが掠る。


「・・・」

「ん・・・」

「おやすみ。良い夢を」


–パタン


感情の名前は分からないが、嫌ではなかった。


階段を下りていくと、まだ何かを食べているらしい。


「スズー。アイス食べるー?」

「食べる。」

「キュウ!」


一応の片付けはほぼ終わっているようで、みんなでアイスを食べていた。

よく食べるね、君たちは。


「食べ終わったら、お風呂に入ってしまいなよ。」

「スズもいけるー?」

「この後降りるから、後で入るよ。」

「ちぇーアリス。一緒に入ろー。」

「そうだね。でも長風呂はしないからね・・・。」

「っち・・・。アリスも分かってきた感じがするぅ・・。」


 そりゃ何度となく長風呂に付き合わされれば、嫌でも慣れるだろうね。

そういう押しが強い人格ばかりが、揃ってしまったのだろうか。

まぁ和とヒナ達とではちょっと路線が違う気がするけど、ナオも意外と頑固なところがあるし、アリスも圭もそんなこんなと、どこか譲れない部分を持っている。


「スズ明日は予定あり?スケジュールは2件ぐらいだったよね・・・?」

「ん?予定はあるけど、何かあった?」


なんか、前に話した予定とかがあったとか?


「んー。忙しそうだったら大丈夫。もしも余裕があったらで、いいかな。」

「分かった。その時は声かけるよ。」

「うん。宜しく。」


アイスも食べ終わって、ちゃんと片付けも終わったみたいだから、降りようかな。


「あ。そういえば、ウーノ達に部屋を用意できるかな?布団とかはこっちで準備しておくから、ベッドはどこか別の部屋に閉まって良いと思うんだけど。」

「「え?部屋!?」」

「4階?」

「5階ー?」


「5階の方が余ってるし、そっちが良いんじゃない。6匹で狭そうなら二部屋使ってもいいし、その辺は任せるよ。」

「「分かったー。」」


雪はまだ降っているようだ。

これはそれなりに積もりそうだ。

明日は地下が暗くなるかもしれない。


さて、まずは狐について確認しておこうか。


「けーい。」

「ブリリアント?ファンタスティック~エクセレント!ワ!ワ!ワーワンダフルゥゥゥ・・・?」

「まぁ元気そうで良かったよ。狐は大丈夫そうかな?すっかりお願いしててごめん。」


「あらあらまぁまぁうふふ。いつもお世話になっております。とんでもありません!いつもちゃんとしていらっしゃいますよ。それならいいのですが、まったくもう。うちの子ったら人騒がせな事も多くて、先生にはお世話になっております。いそいそ。そんなそんな。ご挨拶もちゃんとしてますし、ほらこうして成績表も見てあげてくださいな。あら?本当ですね。良かった良かった。何よあんた、外じゃちゃんとできるんじゃない。」


「・・・あんたの子供じゃないわよ。」

「まぁ問題ないのなら良かった。カル。その子は?」

「イェ・ミン・タ。私の仲間よ。一応ちゃんとあんたの事も説明したし、納得してるわ。」

「・・・だいぶ遅かったじゃない。」

「申し訳ない。私もそう思う。お腹を蹴ったりしたけど、大丈夫?」


最初で最後のやりとりが、あれだったままだった。


「・・カルから話は聞いたわ。変な事は喋らないようにするけど、一応謝りたかったの。ごめんなさい。」

「いいよ。こっちも焦ってたから、だいぶ乱暴なやり方をしたし、落ち着いているようなら良かったよ。」

「えぇ・・・。できれば早く帰りたいけど、カルが言うように他の仲間の事もあるし、一応はこの吸血鬼の言う事は聞くつもり。正直何言ってるのか分からないけど。」

「!・・・・・・・<<ぢよあよらんj”IOA'UF?!」


その辺はカルが居たおかげだろうか。

問題なさそうだ。


「まぁちょっと話すのが苦手なだけで、普通だから宜しく頼むよ。それに他の仲間についてはカルにも言ったけど、積極的に探している訳じゃないから、時間もかかる。」


「・・・分かった。」

「お詫びって訳じゃないけど、イェは何か好きなモノは?」

「この子は油揚げ好きよ。和に今度お願いできる?肉じゃがも美味しいし。」


「・・・・・カル。」

「分かった。今度頼んでおくよ。飲み物とかもリクエストがあれば、圭に言ってくれれば良いから、その辺は適当に宜しく。」


「・・・宜しく。・・・あと、一つだけ一応もし可能ならだけど・・・あの檻って、あのサイズしかない?」


2つ目はちょっと小さいサイズだったし、やっぱり狭いのだろう。


「んー分かった。・・・ちょっと居座りのおじさんに相談してみる。あと2匹か3匹増える事になるし。準備してみるよ。」

「・・・ありがとう。」


こっちもひとまずこれで大丈夫だろう。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ズ。」

「ん?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん。間に合わなくて・・・フィー。」


「…気にさせてたか。いや、大丈夫だよ圭。こっちこそ色々血液ボトルやら頼んでもらったから、フィーの行き先も見つけられたんだよ。ありがとう。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。」

「大丈夫。いつも助かってるよ、カルとイェの事も頼みながらだから本当にありがとう。圭も困った事があれば、いつでも言っていいから。そういえば自分であれ買うの?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・買わない。・・・・・高級品。」

「圭としては口に合う?たまには買ってもいいよ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・尚弥の血液パックが良い。」

「まぁそっちが好きならそれでいいんだが、後あれは悪魔にも有効だったから、また頼むかもしれない。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」


まぁ高級品より、普通に売ってる物の方が好きなのも分かる。

次はバースのところに行こうか。


–カララ


一面が白い。


薄くだが、積もっているようで芝生の緑は隠れ、庭は白い絨毯みたいになっていた。

夜の静けさまで、上から積もってきたみたいだった。


雪は……昔の私は、あまり好きではなかったと思う。


恐らくは、あの部屋をイメージさせられる事が、大きな理由だろう。

だけど、日向達がはしゃいだり遊んだりとしているのを見たりしているうちに、あの部屋とは全然違う事や雪にしかない思い出が増えて、気にならなくなった気がする。


「スーか。どうした?冬の夜は、人間には寒いだろう。」

「スー・・・ふぴー。」

「ぐぅぷ・・・。」


「バース達は大丈夫そう?」

「あぁ。むしろ暖かすぎるぐらいだ。」


確かに立派な小屋は風よけのカーテンもあり、くぐって中に入れば意外と暖かい。

ハウとデンは既に寝ているようだ。早いな。

雪山で過ごすこともあるバース達からすれば、比べるまでもなく快適な環境ではあるか。


「今後について一応相談できればと思ってるんだけど、ここはバース達には狭いだろう?」

「まぁそうだな。」

「時々は元の世界に戻って、そういうストレス解消はして貰えればと思うんだが、できればしばらくは付き合って貰えないかと、相談に来た。」


「・・・ふむ。気軽に戻っても問題ないのであれば、構わん。お前には世話になったし、飯も美味い。・・・ただし条件がある。」

「どうぞ」


バースはこちらに寄り、ハウとデンの方から顔向きを変える。


「まずは戦になる際には、儂を必ず同行させよ。」

「うん?」

「そして、ここにもたまに面白い来客があるようだから、敵なら儂らに対応させよ。」

「…つまり戦わせろって事?」


まぁフェンリルは基本獣だし、そう言う事が普通の基準に含まれているんだろうな。


「左様。折角来たのだ、色々なモノと戦ってみたいし、ハウやデンの良い練習にもなる。」

「なるほどね。それは分かった。まぁ元々他の世界で戦いがありそうな時には、ついてきてもらうつもりで、今回相談したわけだからそれは構わないし、ここに来るのも客以外なら追い返しても構わないよ。ただし極力殺さないように。」

「うむ。なら問題ないな。あとは戦が無い期間ならば、2~3日に一度は戻りたいものだ。儂もこいつらも運動不足になってしまう。」

「分かった。平日は私が日中に出掛けている事が多いから、2日置きで朝世界に戻ってもらって夕方迎えに行くよ。土日は何かと忙しい事が多いから、ここにいてくれると助かる。」

「あい、分かった。交渉成立だ。」


つまりは平日の月水金。

私が会社に行っている間に、帰って貰う感じだろう。

朝早めに起きないといけないな。


バース達の小屋を出て、相談所に戻ろうと歩くと…


雪の白に、影が溶けていた。

まるで夜そのものが、そこに立っているみたいだった。


「わざわざここに来たんですか・・・?」

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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