疑問:絶対何かあったでしょ?
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「・・・えっと、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。ただの二日酔いでしょ。本当に弱いんだねぇ和。あっはっは」
「・・・うるさい。」
朝は卵雑炊としじみ汁だった。
普通に美味しいけれど、献立からして完全に二日酔い対応である。
そしてこのご様子。
どうやら酔っぱらっても、記憶が飛ぶタイプではないらしい。
「まだ日本酒で良かった・・・。」
「他のはもっとヤバいの?」
「朝に起きれない事もある・・・。」
「それはヤバいね。まぁ日向達もその辺は、分かってるみたいだね。3杯目からは無かったし。」
「・・・はぁ。」
こんなに弱いなら、アルファーさんのところで飲んだ後も大変だったんだろうなぁ。
「でも昨日も思ったけど、酔ってても会話はちゃんと成立するんだね。楽しかったよ。」
「まぁ、理解できない状態になる前には、大体寝るから・・・。」
「なるほどね。梅酒とかならどうなの?」
「ん〜。あんまり自分から飲もうと思わないし、飲む機会がない。前に日向達に言われて漬けてみた時もあったけど、作ってる過程で酔うから、度数を上げる前に根を上げて、日向達に瓶ごとパスした。」
「なるほど。それはそれで凄い。」
確かに。
ある意味凄い。
「本当君達って、そういうポジション逆だね。」
「確かにそうね。そういう酒弱いポジションって基本女子よね。」
「はっ!確かに・・・でも、これはこれでおいしいとは思います!」
「オイシイ?」
「そう!おいしいの。えーと、なんていうんだろう。えーと普段は女の人が・・・」
「…アリスさん。説明しなくていいです。」
やっぱり和さん的には、そういうの嫌なのかな?
でも家族ポジションといい、もはや反転は難しそう。
スズはアルファーさんに付き合えるくらいだから、結構強いだろうし。
酔っ払うイメージがないなぁ。
「まぁ。ある意味お互いに認識してる事も分かったし、私はスッキリしたわよ。」
「・・・・忘れてください。」
確かに。
あれだけあからさまな話だったし、すれ違いという事は無さそう。
でもスズは本当に無反応だったなぁ。
話は横で聞いてたみたいだけど、ずっと気にせず黙々と食べてたし、照れたり恥ずかしがったりするのかな?
酔うイメージ以上に、そっちのイメージの方が難しそう。
「そういえばアリスさん。お昼ご飯は作っておくので、今日は温めたりお願いしてもいいですか?」
「はい。もちろん大丈夫ですが、あれ?和さん出かけるんですか?」
「はい。どのくらいか分からないですが、遅くならないようにはしますね。」
そっか。
スズも今日は用あるみたいだし、やっぱり次のタイミングがいいかなぁ。
「分かりました。大丈夫だと思います。和さんも、二日酔い頑張って下さい・・・」
「あ・・・ありがとうございます。」
「ぶふっ。」
「失礼します。」
「「「!!」」」
「急なお邪魔になってしまい、申し訳ございません。
アリスさんの魂を追うのが一番早い方法でした為、使用させて頂きました。」
ふと違和感がして振り返ると、背後で自分の影が動いた。
――そう思った次の瞬間、前と同じように死神のガルシアさんが現れた。
確かに前回はちゃんと玄関からいらしてたし、スズには事前のやりとりもあったようだったけど、どうしたんだろう?
ガルシアさんには、私の魂を移動して貰ってから、たまに様子を見に来るって言ってたし、その用事なのかな?
「なんか変なのが、中に入ったと思ったけどよ、このねぇちゃんはお前たちの知り合いなのか?」
「勘右エ門さん・・・?」
ふらっと勘右エ門さんが階段を上がって来た。
本当にいつもどこにいるのだろう?
気が付いたらいないし、気が付いたらいる。
「驚かせてしまったようでしたら、改めて申し訳ございません。
・・・そして、ここはあなたの様な方がいらっしゃる場所ではないと存じますが。」
「まぁちょいと驚いたが、急ぎの用ってところかい?俺の事は気にせず進めてくれて構わんよ。」
「…かしこまりました。」
どうしたんだろう?
急に空気が重くなった。
勘右エ門さんはガルシアさんにとって、あまり良くない感じ?
「ひとまずガルシアさん。どうしましたか?」
「はい。私も先ほど知ったので既に遅いとは思ったのですが、昨晩こちらに死神がいらしていないでしょうか?」
「・・・死神?いえ、昨日は誰も?・・・来たんですか?」
「・・・恐らくは。」
–ガタ
和さんが立ち上がった。
「勘右エ門さん!少しここをお願いします!スズをっ!」
「兄ちゃん。待ちな。今はもういないよ。」
「は?」
「このねぇちゃんが言う通り、昨日の夜ここに死神が来た。」
「・・・っ何で!スズはどうしたんですか?!」
和さんが急いで階段を降りようとしたところで、勘右エ門さんが更に続けた言葉に、部屋の空気が下がった。
死神の人が昨日来た・・・・?
スズはどうなったの?
「スーはその死神と一緒に出たようだったな。その後の事は流石に俺には分からん。
細かい事はそこの死神のねぇちゃんに聞いた方が早いだろう?」
「・・・ガルシアさん。何があったんですか?」
「はい。」
ガルシアさんが、話を始める。
「先日いらした際の議題について、その後、ブラッド・オルティースの痕跡が現れたため、議題はいったん中断されておりましたが、先日改めて各管理部長を中心に検討会議が行われました。」
先日。
私達が死神の世界へ行った時の、会議の続き。
私の魂を即回収対象とするのかどうかという、話だった筈。
「詳細は一旦省略させて頂きます。結論としては話がまとまらず、相談役としてガーディ元議長の名前が上がりました。」
「前回の2番目のwalkerの時に、最高責任者をしていた死神だな。」
「はい。彼は裏ではwalkerの魂を初めて回収した功績者として高い評価を受けており、今でもそれを成功実例として参考にしようとする考えの者が多いんです。」
死神さん方の前回の雰囲気を思い出す。
彼らは生者をかなり下に見る傾向がある事。
そして魂として異例なwalkerに対して、かなり強い敵対心がある感じがする事。
「それで?」
「いくつかの方針をご確認されてた中で、ガーディ元議長は、ある一つの方針の開始を待つように言ったというお話でした。」
「ある方針?」
「申し訳ございません。私も存じておりません。・・・!はい。」
和さんが方針について確認しようとしていたが、それは進まず続きに行くのかと見守っていたところ…
ガルシアさんに何か連絡が来たらしく、スマホとかではないようだけど、別の何かとやり取りをし始めた。
「・・・はい。分かりました。・・・それでは方針は正式に?・・・は?今ですか?・・・・それは・・・。分かりました。一度戻ります。」
「ガルシアさん。」
「今・・・お話させて頂いた方針は否決となりました。その正式なエビデンス書類に合わせて、スズがその議決会議に参加していたようで、正直なところ私もまったく状況が分かっておりません。
バレンからは、こちらにアリスさんに対して死神が向かう可能性があるから、一度安全確認するようにと伺ったのですが、ひとまず接触はないご様子ですし…
あなた様がいらっしゃる今この場で、死神が問題を起こすとは思えませんので、度々急で恐縮ですがこのまま戻らせて頂きます。」
「待って下さい!こっちは何も・・・。」
「・・・分かっております。・・・残念ながら私も同様ですので、この後戻られるスズに聞いた方が、恐らく詳しいと思われます。」
そういうと、すぐにガルシアさんは姿を消してしまった。
「全く・・・だいぶ混乱しているようだなぁ。」
「・・・勘右エ門さん。あなたはどこまでご存じなのでしょうか?」
「俺は残念だけどな~んにも知らないよ。ねぇちゃんが言っていた通り、スーに聞いた方が早いかもな。」
「・・・分かりました。ありがとうございます。死神が来る場合はあなたは分かるんですか?」
「領域に明らかに地獄側の系統が入れば、嫌でもわかっちゃうのさ。だが、ここはそういう場所だろう?俺は介入はしないし、何もできないと思っといてくれ。」
死神の方で何かが起きて、多分ガルシアさんも状況が分からず、走り回らされてる感じがする。
でも昨日の・・・多分夜になにかあったんだ。
そしてその何かで、スズは死神の方に行っている。
「分かりました。ですが、もしお知らせ頂ける範囲でしたら、次回からはお知らせ頂けたら幸いです。」
「そんな睨まんでくれよ。ここに世話になっている以上、お前たちに対して悪くするつもりはないんだ。だが分かってくれ、俺の手助けはお前たちにとって悪くなる場合がある。」
「・・・そうですね。アリスさんの事も手助け頂いているのに、申し訳ございませんでした。」
「いいんだよ。こういうバランスが難しいのは俺も良く分かってる。じゃあな。」
勘右エ門さんは気まずそうに笑顔で手を振りながら、上がって来た階段をそのまま戻って降りて行ってしまった。
勘右エ門さんは何者なのだろう?
和さんは、多分何者か分かっている感じがするけど…
「和。まずはスズに連絡をしよう。今どこにいるか確認すればいいだろう?まだ死神の世界?の方にいるかもしれないってことだろうし・・・。」
「・・・あぁ。」
もちろん何もかもが解決するには、まだまだ遠い状況だってことは分かってる。
それでも一つ一つ状況を確認していって、それぞれの立場についても対立せずに解決を目的に進められたら良いと思ってる。
でも、それが実際にそのほとんどをちゃんと把握できていて、交渉できるのはスズなんだと思う。
ただ、今分かっている事は死神の事について、あの後から何かが動いてる。
それは私の事で、私がどうなるかの問題。
–「死者を放置しろと?」
–「・・・・はっ!でたらめだ!死んだ者は死んだんだ!!」
・・・・会議の中で言われた言葉を思い返す。
その通りだと思う。
先日ちゃんとアリスの記憶を整理して、私がフォーカス家の中でアリス・フォーラスとして死んだ事を知っている。
だからこそ、死神の方々が屁理屈だけを言っているわけではない事も分かってる。
スズは平等だ。
だからこそ、どんな答えになるのか少し予想できてしまう。
それはきっと、都合じゃなくて事実の方を見るからだ。
「アリス?」
「・・・うん?」
「大丈夫?」
「うん。ちょっと庭に出ようかな。外の空気を吸いに行こ。」
「・・・分かったわ。」
階段を下りる。
相談所の中は相変わらず暖かい。
暖かさに包まれすぎると、考えまで柔らかくなって形を失う。
今は、輪郭のある冷たさが欲しかった。
–カララ。
玄関を開けた途端、湿度が殆ど感じられないカラッとした冷たい風が、室内に入り込む。
まだ、時間的にも庭には、日差しがあまり入ってきていないので、反射光の明るさはあるものの太陽の暖かさには遠い。
玄関から庭に出て、歩き進める。
昨日降った雪が積もり、誰の足跡もない庭は、朝がそのまま敷き詰められたみたいに白かった。
上着も何も持ってないから、少ししたら戻ろう。
–ザクザク
–サクサク
バース達もまだ寝てるのかもしれない、二人分の足音が良く聞こえる。
私は私としてここに居て、考える事も悩むこともしてきたつもり。
でも、その決定はいつもスズや和さん達に、任せっきりになっていないだろうか・・・?
もし私の魂の行き先を決めることになった時、その判断までスズに押しつけることになるのだろうか?
それは・・・違うと思う。
私の責任は私が持つべきだと思う。
けれど、その決意はまだ薄い氷の上みたいで、少し怖い。
–ザクザク
正面から誰かが歩いてきた。
誰だろう?
見た事がない人。イザベルが私の前に出る。
「お客様からしら?」
「こんにちは。あぁ。あなたがアリスさんですね、カイルから聞いてます。」
カイルさん。和さんの知り合いの方?
「こんにちは。僕はリュースと言います。カイルと同じ交渉人ですよ。」
「・・・交渉人さんなんですね、初めまして。アリスと言います。」
なるほど。
和さんの同僚の方って感じなのかな?
「この地域にしては珍しく雪が積もりましたね。どこか行かれる予定だったんですか?」
「・・・いえ。ちょっと散歩していただけなので、カイルさんをお呼びしましょうか?」
リュースさん。
男性だけど、中世的な感じの方。
ダウンを着てるから体型は分からないけど、声を聞くまで男性か女性か分からなかった。
「特に急ぎということでもないので大丈夫ですよ。ちょっと最近の報告について、話しを聞きたくて、立ち寄っただけなので自分で行きますね。
それよりはアリスさんとお会いするのが初めてでしたので、気になって声をかけちゃいました。」
「リュースさんの事を私もあまり知らないので、すみません。もしかしたら色々お世話になっていたかもしれないですが…」
「いえいえ。この機会でお会いできてよかったです。前はたまに来てたんですが、最近はご無沙汰でしたので、サーズはいますか?」
多分、私の知らないところでお世話になっている方の一人なんだろうなぁ。
「・・・今は出かけてるみたいです。」
「なるほど。という事は本当に動いてるんですね…。ひとまずじゃあ僕は中に失礼致しますね。」
「・・・動いてるって、死神のところですか?」
「アリス?」
この人は何か知っているんだろうか・・・。
「・・・そのようですね。ですから、こうして先にアリスさんにお会いできて良かったです。」
「!・・・あの!死神の方の今のお話を、教えて頂けませんか・・・?!」
私は。
本当に・・・もしかして・・・。
「・・・えぇ。構いませんが、あまりここで変な事を言うとカイルに怒られそうですので、良ければ別の場所でお話しましょうか?」
「どこでも・・・良いです。リュースさんは交渉人の方なんですよね・・・?」
交渉人の人なら、多分・・・大丈夫って事だよね。
「そうですよ。では用が終わったら、外で少しお話しましょうか。また後ほど。」
「・・・・はい。」
少し外で話すぐらいなら・・・。
スズも気が付いたら居なくなってる事なんて日常茶飯事だし・・・。
ちょっとだけなら。多分。
だって・・・私の事なのに…
私。何も知らない…
「アリス・・・。」
「・・・ちょっとだけ話しを聞いてみたいと思うんだけど、良いかな・・・?」
「・・・アリスがしたいようにして良いわ。」
今度は、誰かに決めてもらうんじゃなくて、私が決める。
凍えそうでも、自分の声で答えを選ぶ。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




