答え:理に勝って非に落ち続ける
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「分かりました。ありがとうございます。」
–ピ
フィーの火葬と納骨は、魔法世界から引き継いで、基本世界側で対応してもらっていた。
その一連の作業が、無事に完了したという連絡だった。
見送るのは、いつぶりだろうか。
基本的には気が付けば、いなくなっている事のほうが多い。
それは・・・
ずっと同じ事を考えてる気がする。
昨日魔法世界から帰って、会社行って帰って、ミーティングしてたら、もう朝。
時間だけが、私を置いたまま先へ滑っていく。
頭が回っていないのだろう。
一度寝よう。
この間までは無理矢理にでも寝ようとしていたのに、寝られる様になった途端これだ。
睡眠不足で散々だったというのに、私は懲りてないのだろうか。
パソコンをスリープにして、デスクの正面にあるソファに移動する。
新しくなったブランケットで、朝日を締め出して、ひとまず自分だけの夜をつくる。
・・・だから、寒くはない。
少なくとも、体の表面だけは。
今日は、フィーがいたイヴの世界に行って、山本梓の魂を探して・・・
そういえば、バース達にも今後の事を一度相談しておかないと。
いつも圭を連れ回す訳にもいかないから、しばらく協力して貰えるなら、食費は嵩むが・・・
–あんたは悪くない。
…どうだろうか。
悪い。悪くない。
それはその時々の人と状況。時代によっても様々。
過去の犯罪者が、未来の英雄になることもある。
その逆だって同じだ。
少なくとも良くはなかった。
あの時の当事者の私。ファスト。イヴ。
は、そう評価したと思う。
–ギシギシ
下の階から上がっていく音がする。
多分、圭。
本来はこれから寝る時間だと思うが、お腹でも空いたのだろうか。
私が毛布を被っているから、そのまま地上に上がる様だ。
そういえば、もう一匹の狐についても、すっかり任せきりにしてしまっていた。
これ以上増えても、圭一人では大変だろうし、何か方法を考えた方が良いだろう。
あとは、爺に酒を持って行って
アンジェラの日程はまだ来てない
死神側のアリスの方針について
フォーラスにいたエルフについて
山本宗一郎と亜希子について
急ぎは山本梓の魂だろうけど、細々とはやる事が増えてきている気がする。
中でも今、特に面倒なのは、死神。
ガルシアには今のアリスの状況は伝えたので、そっちに集中してもらえると良いが…
ガルシア・・・
彼女ともだいぶ長い付き合いになっている。
……瞼の裏で、あの時の声がまた再生される。
「私が回収して問題ないのでしょうか?」
「・・・あぁ。そちらとはそういう話でまとまった。」
「分かりました。それでは死亡時、生まれ変わりに進む前に、私の方で回収させて頂きます。」
「宜しく頼む。」
イヴのしたことは、天国と地獄側からも強く批判の声があがった事だった。
それ相応の対応としては、死神側の意向を飲むことで、ひとまず納得はして貰えた。
なのであとは、こちらでそれに向けた後始末を行う事。
「フィーには言わないのか?」
「…フィーはイヴの事が好きだろう。言ってなんになる。」
「・・・まぁそうなんだろうけど。イヴには僕から話そうか?」
「私が殺す。フィフもその前に移動しておいた方がいい。」
「僕が殺したって、一緒だろう。」
死神の件もあり、やりとりを手伝ってもらっていたフィフには、気苦労をかけているのだろう。
フィフはハッキリと全部言うタイプだが、この後起こる事に対して「じゃあこれで、さよなら」。
という程には、冷たい方ではない。
「フィフには、フィーの方を頼みたい。この後もしばらくはフィーと話す時間が取れるか分からないから、放置してしまう事になる。」
「あいつだってガキじゃないんだ。自分の事は自分でできるだろ。」
「でも、どう思うかは予想がつくだろう?フィフがそっちにいてくれれば、私も助かる。」
「・・・・・・分かったよ。」
「ありがとう。」
フィーの事を任せられるなら、こっちに集中するだけ。
フィフと別れて自分の通路を繋ぎ、最初に住んでいた小屋を目指す。
死亡後すぐに魂の回収が必要な為、殺害日時は既に決めてある。
…どうしてこうなってしまったのか。
今さらな事だろう。
こうなる事が分かって、もしも過去に戻れるのなら…
だけど、今でもあの時に何を言えば良かったのかが、分からない事を思い出す。
つまり戻っても、今の私には変えられない。
「イヴ。準備はいい?」
「・・・・・・ふふ。面白い・・・・。私があんなにあなたの事を殺したんだもんね・・・。一度くらい・・・。最後ぐらい・・・・・確かに良いわね。」
「分かった。」
ベッドの上に寝たままで、抵抗する気がないイヴ。
彼女の上に乗る。
彼女の首に手をかける。
体温が低い、私の手も冷え切っているので、お互いに熱を分かち合う事はできない。
イヴは目を開いたまま私を見ている。
同様にその目を合わせる。
…だが、彼女の表情から一切の感情は読み取れない。
まるで既に生きていない。
体温や表情からは、そんな印象すら感じてしまう。
だが、それを無視して手に力を入れる。
彼女の首は細く、私でも両手で一周できる。
更に力を籠めると、手のひらの感覚から彼女がちゃんと生きていると分かる。
だが、その生を止めるために、さらに力を込める。
喉を絞める力に合わせて、彼女の呼吸が少しずつ途切れていく。
「っ・・・・私はあなたが憎い。」
『・・・スズ。・・・どうして?・・・助けてくれるって言ったよね?』
–?
そこで、不意に場面が濁る。
記憶だったはずの景色に、聞いたことのない言葉だけが混ざった。
そこから先は、夢だったのか記憶だったのか、自分でも分からない。
「ん・・・」
…考えながら寝落ちていたようだ。
確か、ガルシアの事だっただろうか?
その辺りから、混ざってしまっている気がする…
次のミーティングを考えると、もう一度寝るには微妙な時間。
ミーティングが終われば、魂の確認に行きたいところ。
なら、起きるしかない。
–ゴン
また右手をぶつける。
特に寝起きは気を付けないと、右手ばっかりあざが増えたら、それはそれで怒られる気がする。
ひとまず顔を洗って、1時間前と同じくデスクにつく。
たしか、怪異の役所とのミーティング。
そういえば怪異の世界も中途半端なままだ。
次に行く目星として、どこから入ればいいかも、ついでに確認しておいた方がいいだろう。
怪異の世界は魔法の世界以上に、その種族の強弱がハッキリ分かれている。
役割もはっきりしている分、采配という点ではあまり悩む要素にはならないのだが、上下が完全に分かれているので、下から言葉を上げるのは時間がかかる。
それに、内乱のような小中の戦いが多く、安定感がないといえる。
鬼も怪異の一種であるように、怪異全体は話し合いより力で決める傾向が強い。
そのため子孫繁栄は盛んだが、同じくらい戦死も多い。
それが現状であり、長年の課題でもあった。
そんな課題や他の話も織り交ぜながら、無事にミーティングを終わらせる。
「スズ。飯行けるか?」
和がミーティング終わりを見計らって、声をかけてきた。
準備が終わり次第、和に伝えに行くつもりだったので、ついでに伝えようか。
ついでにリュックを手に取る。
「すまん。夕飯で行く。このままフィーのいた場所に行ってくる。」
「!今からか?ついて行くよ?」
「ミランダ達、魔法世界側が入ってきたのだから、既に誰もいない場所だろうし大丈夫。ちょっと確認してきて戻って来る。」
「・・・なぁ。明日行かないか?準備しておくよ。」
「・・・分かった。それならもう一度寝るよ。夕飯で上がる。」
「分かった・・・。」
ここも無理やりを通すような場面ではないし、明日でも良い。
改めて、ひと眠りしたっていいだろう。
準備していたお菓子等もすぐに腐るモノではないので、リュックにそのまま入れて机に戻す。
そういえば、圭にまた血液ボトルを発注してもらっておこうか。
急ぎではないが、また必要になるとは思う。
「どうした?他にも用があったか?」
和が階段の上で、立ち止まったままだった。
「・・・いや。なんかこう・・・。モヤっと?」
「もやもやするのか。何か他に言いたいことがあるなら聞くよ?アリス?」
「・・・んー・・・。あ。そういえば、酒が届いてたよ。アルファーさんに持っていく用?」
「あぁ。日本酒とウイスキーをいくつかまとめて頼んだから、多めに頼んでいるがそのつもり。夕飯の時にでも取りに行く。それで?」
ずっと1階の扉からこちらに話しかけていた和だったが、私の方から和の方へ上がる。
最近まとまって話すタイミングが少なかったから、何かあったのだろうか?
「・・・。」
「ここでいいだろう。どうした?」
正面の応接室に入り、客側に勝手に座る。
和も渋々と反対側に座りながら、言葉を探しているようだ。
「あー・・・言葉がな。見つからんと言うか。こう、何と言っていいのか。」
「議題が分からないと、どうしようもないな。」
「まぁー・・・それは分かってるんだがー。最近の事だとフィーさんの事とか。」
「フィー?魔法世界側で対応してもらったからな、何か連絡があったとか?」
「いやいや。そういう業務的な感じじゃなくて・・・こう。言ってしまえば感情的な方だよ。」
「感情的?アリスがか?彼女は何度かフィーと接触してたし…」
「違う違う。お前の方。」
「…私か。」
彼女が亡くなった際に、立ち会っていたのは私だから。
何か、気にしているのだろうか。
「私は特に問題はない。朝、無事に納骨まで完了したようだから、この後の対応はない。
彼女の事で言うなら、山本梓の魂についても話してくれたから、それの事実確認か回収までできれば早めに行こうかと・・・・・・違うんだな。」
顔に書いてある。
「和が行く前に言っていた事については、具体的に何を言えばいいかが思い付かなかったから・・・。
当初の予定通り確認できそうな事を聞いて、もう一度行くことになりそうだが、ちゃんと謝罪もした。」
「・・・そうか。」
意図はずれていない様だが、恐らく違う。
死んだ事による精神的なショックという事についてだとしたら、彼女も私もそういった場面で、今さら抱くところでないが。
「悲しくはないよ。和も言った通り、最悪の結果ではなかったから。」
「・・・そうか。」
「あまり気にしなくていい。彼女もそう望んでた。」
「・・・分かった。なぁ・・・。」
「ん。」
「もしも・・・じゃあさ。フィーが“生きたい”って言ってたら、お前はどうした?」
フィーが死を望んでいなかった場合。
「分からない。フィーがもしも生きるつもりだったなら、そもそも内臓や右手を渡すような事はしなかったかもしれない。だがその場合は、生きてあそこから逃げられたのかが、分からない。
再度フォーラスや悪魔に見つかる場合には、そっちの方が最悪の結果で死んでいたかもしれない。結局はそれの良し悪しは、誰にも分からないと思う。」
今回は、死ぬつもりだったからこそ、あれ以上の最悪を避けられた可能性がある。
だが、生きる気だった場合は、もしかしたら私と合流するなどでも、他の選択肢もあったかもしれないし、言った通り再び捕まることになったかもしれない。
「・・・そうだな。そう言われるとそうなんだが。そう言う問題が先にある事は確かなんだが・・・。
んーやっぱり悩んでるのは俺だけだな。分かった。すまん。」
遠回しだった和の意図が、そこでようやく一本に繋がった。
「最後に病院で、もしも彼女が生きる事を望んだ場合。」
「・・・・。」
「手遅れと分かっていても、助ける方法を探す。」
「・・・なんで?」
「わずかな可能性でも、もし助かればそれが良い。」
「・・・・スズは、助かって欲しかったって事で良いのか・・・?」
「私個人が思う事はそうなんだろうな。」
「・・・そういうのはフィーさんに、伝えないのか?」
「まぁ、実際のところ本人の希望は死ぬことだった事と、もし生きたいといっている場合でも、私から改めて同意を伝える必要は特にないと思う。」
「・・・うーん。そうかもな。」
「和の言った通り、朝から話しに行って良かったよ。向こうの夜や翌日なら間に合わなかったかもしれない。」
「・・・。」
「和。ありがとう。話すべき、大事なタイミングだと思った。感謝してる。」
「・・・・そういう事はすんなり出るよな。」
「感謝はちゃんと伝えるべきだと思う。」
「・・・それはだな。」
「和。私は先日、和に私なりには大きい希望を伝えたつもりだったが、あれはそういう事とは違うのか?」
「っ・・・。いや・・・違わない。」
「じゃあひとまず、それで勘弁してくれると助かる。なかなか、それ以上というのは私も悪戦苦闘してる。」
「・・・分かった。いや、なんかすまん。」
恐らくは前回話した、感情を伝える事に関して何か言葉にできていないのか、そもそも私がまだ気が付いてない部分があるのだろう。
だが、伝えた通りそれをその場その場で、上手く考えていくのがいまいち分かっていない。
それを望むなら、時間をかけても考えて行くしかないだろう。
「それより和はこの後の予定は?」
「俺?俺は特にないよ。夕飯はまだ先だし、適当に・・」
「私はな」
「うん?」
「昨日は、殆ど寝られなかった。」
「おう・・・」
「今朝も寝てみたが、中途半端。」
「す・・・すまん。寝て良いぞ。」
「お前がいると睡眠効率が上がる。暇なら付き合ってくれると助かる。」
「・・・・・は?」
「前と同じ添い寝でいい。私が寝れば出ていっても良い。」
「・・・・・」
「これも私の望みだと思うが?」
「・・・・そうなのか?」
違うのか?
まぁ微修正はかけていけばいいか。
改めて地下の階段を下り、寝室に入る。
久しぶりに布団にもぐる。
布団を上げて入るように促すと、和は意外とすんなり入って来た。
うん。やっぱりこれなら寒くはなさそうだ。
一人では抜けていく熱が、ちゃんと布団の中に留まってくれる。
「うん。眠れそうだ。」
「・・・・おやすみ。」
「おやすみ。」
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




