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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 交わる影、揺れる心
90/122

疑問:私に何ができるでしょうか?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「聞こえる・・・梓?」


「・・・?」


誰でしょう?

ぼんやりした暗闇の中で、その人だけが水に浮いた灯りみたいにはっきり見えました。


「今はスズの元にもどっているのね。」

「・・・えっと。どこかでお会いしましたか?」

「もしかして、体が戻ってからの記憶がないの?」

「・・・えっと。皆さんそんな感じのお話をされているので、そうなのかもしれません。」


恐らくイザベル達と同じく、私がよく分からなくなった時よりも、前の知り合いなのでしょうか?


「そっか・・・。だから上手く繋げなかったのかな。」

「すみ・・ません?」

「いいよ。私ももうあんまり長居はできないし、ムカつくけど・・・スズに伝言だけお願いしようと思って。」

「・・・伝言ですか?」


ここはどこなんでしょう?

彼女はスズさんに、直接お会いできないということなのでしょうか。


「そう。私が嫌なの。あいつに来られるの、なんかムカつくし。」

「え・・・でも伝言を伝え・・?」

「・・・だって、あいつ多分・・・助けに来ようとするのは、分かってるから。」


それは、助けに来ないで欲しいって事なのでしょうか?


「そうよ。自分で何とかするわ。あんたが来たって無意味無駄!・・・どうせ来るんでしょ。分かってるけど、言っとく。」

「・・・いいんですか?」


どこか自暴自棄な彼女は、張りつめた糸みたいに、今にも切れてしまいそうに見えました。

きっと、勢いで言ってしまったのではないのでしょうか。


「・・・分からない。でも、今ここにあいつが来るのは嫌なの。

・・・だって、そんなの平等じゃないし。」


彼女は唇を噛んで、目を逸らした。


何か色々あるのでしょう。

でも、さっきの言葉をそのままスズさんに伝えても、伝わらない気がします。


「あ。ーーー」

「え?」



「・・・あの。」

「何よ?起きたの?」

「・・・・あれ?イザベルさん。」

「・・・?夢?フィー?」


夢の底から引き上げられるみたいに、気づけば布団の中にいました。

さっきまでの声だけが、水の底に沈むみたいに遠ざかっていきます。


夢ですか・・・?


「えっと・・・?夢でしょうか?」

「知らないわよ。誰に会ったの?」

「えっと・・・見た事のない女性でしたが、スズさんに伝言をと、おっしゃっておりました。」

「・・・なんて?」

「助けに来なくていいと。でもちょっと来て欲しい感じなのでしょうか?」


絶対に来ないで欲しいというと、ちょっと違う感じなのですが、でも来て欲しいとも違うような。

何てお伝えすれば宜しいのでしょうか?


「・・・まぁ本心が逆みたいだし、来て欲しいって事なのかしら。その辺も含めて、スズに伝えた方が早そうね。

場所の事とかは、何か言ってなかった?」

「あ。いえ、すみません。何も聞きませんでした。」

「まぁ、しょうがないわ。ひとまず折角起きたのだし、着替えて朝食に行きましょう。」


そういえば、アルファーさんの家から、別の場所へお邪魔する事になったのでした。

部屋の景色が全く違いますね。

梓さんのお部屋ということですが、結局使って宜しかったのでしょうか・・・?


「そういえば、服がまだないわね。上はちょっと大きめでも良いと思うけど、下は無理そうね。日向に借りに行くわよ。」

「まだ寝ていらっしゃったりしませんか?」

「大丈夫でしょ。寝てても起こせばいいのよ。」


なるほど。

イザベルさんはガンガンいくタイプなのですね。


イザベルさんは階段の反対側へ、トコトコ進んでいってしまいます。


少々お待ちください!


「日向ー!起きてるー?」

「わわ!イザベルさん。ノックしましょう!」


私も布団から出たばかりなので、髪の毛もぼさぼさのままなのですが…


「ぐぴー・・・」


イザベルさんがノックもせず開いた扉から、寝息?のようなものが聞こえます。

やっぱり寝ていらっしゃるようです。

今何時でしょう?


「日向ー!起きなさいー。アリスの着替えを貸してよ。」

「ぐぴっ!」


イザベルさんが、日向さんがいると思われる布団の上に、猫らしからぬ勢いで突っ込んでいきました。


わぁぁぁ!

どどどどどうしましょう・・・?

日向さん怒らないでしょうか?


「・・・・・・ぐぴー」

「また、寝てんじゃないわよ!着替えー。」

「うううう。イザベルゥゥゥ・・・無体なぁ・・・。後1日・・・・・ぐぴー。」

「一日中寝れるわけないじゃない!もうすぐ8時よ!どうせ起きる時間でしょ!」

「うううう。・・・・そのわずかな時間が貴重だというのに~・・・んー。」


朝起きるのはつらいですよね。

私もよく分かります。

イザベルさんはいつも私より早く起きていらっしゃるようですが、朝は強いのでしょうか。


「・・・・・うふぁ・・。イザベル・・・おはよう。なぁに・・?」

「アリスの着替え!まだ届いてないでしょ?日向の貸してあげてちょうだい。」

「あぁー・・・そうだったそうだったー・・・アリス入っていいよー。」


日向さん、あ。日向は・・。

泣く泣く起き上がりながら、扉から様子を見ていた私にも、気が付いて下さったようです。


「・・・日向。朝からごめんなさい。」

「いいのいいのー。何がいいー?この辺とかかな?」

「もう少しきつくない色が良いわ。この辺は?」

「良いよー。じゃあ、下はこっちでこんな感じかな?」


 最初は濃い緑色のパーカーのようでしたが、イザベルさんが指したオレンジとベージュのニットに、やや薄めのオレンジのパンツになるようです。

お借りできるだけで充分ですよ。


「あ!ありがとうございます。」

「うぃうぃ~ふぁあぁ・・・。」

「ありがとうね。二度寝はダメよ。アリス、部屋で着替えてきちゃいましょう。」

「あ!はい。日向ーまたあとで。」


「ふぁ~い・・・・・・・・ぐぴー・・。」


部屋の扉を閉めようとした際には、日向の寝息が再び聞こえました。

もしかして、クローゼットの前で、そのまま寝てしまったのでしょうか・・・?

あぁ、イザベルさんは本当に早い。


ひとまずは日向さんのお洋服を、お借りして身嗜みを整えました。

改めてお部屋を出ましょう。


「そういえばイザベルさんは、私の家族の事をご存知なのでしょうか?」

「直接会ったことは無いわ。でも、それなりに外からの情報としては、知ってる方だと思うわ。」

「外から・・・。私達は外からはあんまりよく思われては、いなかったように思います。」


外に遊びに行く事は、殆どさせて貰えませんでした。

色々な人がお家にはいらっしゃるのに、みんな顔を隠したりコソコソと話していらして、明るい感じには見えませんでした。

私はその時はいつも部屋でよく聞こえない声だけを、いつも聞いているだけでした。


「さぁね。でも技術や技能が高いとは言われてるわよ。」

「そうなんですか?」


そういう事を聞いたのは初めてです。

確かにお兄様方は、日々鍛錬をしていらっしゃいました。


「おはよう。もうすぐできるよ。」

「あ。和さん。おはようございます。」

「キュウ!」「キー」「キュ」

「オはよう。アリス。」

「オハよう」

「おはヨ」


ウーノさん達もお手伝いされていらっしゃるんですね、可愛い。


「おはようございます。」

「アリスさんは、座ってて大丈夫ですよ。イザベル。こたつ電源入れて良いよ。」

「はーい。」


こたつへすぐに向かって行かれました。

本当にイザベルさんは行動がとても早いです。

そして、確かに私が手伝う必要はなさそうです。


「はい。どうぞ。」

「あ!ありがとうございます。」

「イザベル、野菜スープつける?」

「頂くわ。ありがとう。」


「いただきます・・・。」

「どうぞー。ウーノ達も良いよ。」


 クロワッサンやロールパンなどが入ったバスケットと、個別にサラダとスクランブルエッグやソーセージ。

そして野菜スープです。

昨日のオムライスも、夜の焼肉定食もとても美味しかったです。

やはり和さんが基本的に料理は作っていらっしゃるようです。


・・・なんでしょうか。


味は違うのに、どれも同じ場所に帰ってくるみたいに優しいです。

私の家では、誰か家のお手伝いの方が当番で作っていらしたし、入れ代わりも多かったのでいつも料理も味も全く違っていました・・・


私がまだ食べている間に、日向と秀人も降りて来ました。

二人はあっという間に食べ終わって、下の階へ行ってしまいました。


・・・私はもしかして、食べるのが遅いのでしょうか?


「ゆっくりで、大丈夫だよ。」

「・・・すっすみません。」


「お。いいもん食ってるね。俺も良いかな?」

「はい。ありますよ。どうぞ。」

「よっしゃあーサンキュー」


昨日、いらした方で・・・なんでしたっけ?

日向さんと秀人さんが不思議なお名前を候補にされていて、えっと・・・

でも最後は、ご本人が確か選ばれたお名前が・・・


「勘右エ門さんは、今日どうされますか?」


そうそう。かんうえもんさん。

覚える名前がいっぱいですね。


「特に考えてないなぁ。何か手伝う事があるならするよ?俺結構器用だよ。」

「どんな事をされてきたんですか?」

「んー?DIYとか?燻製釜とかも作った事あるぜ!」

「思ったより・・・本当に何でもやるんですね・・・。じゃあちょっと修理をお願いしたいモノを見繕っておきます。」

「おう!」

「キュキュ?」


DIY?くんせいがま?

やっぱりよく話は分からなさそうですね。


「おはよーさん。嬢ちゃんも興味があれば見にくれば良いよ。」

「あ。おはようございます!はっはいっ、」

「キュ!」


目が合ってしまいました。

ついつい、見つめ過ぎました。

すみません。


「そういえば、スズはもう出た?ちょっと話があるんだけど?」

「スズ?多分もう出てると思うよ?チャットでも入れる?」


そうでした!

すっかり忘れておりました。

イザベルさん、ありがとうございます。

でも既にお出かけされてしまったのでしょうか?


「アリスの夢で、フィーがまた出たらしいのよ。場所は分からないみたいだけど。一応伝えておいた方がいいでしょう?」

「フィーさんが?・・・なんて?」

「本人の言葉としては、助けに来るなって事みたいだけど、本心は微妙なところね。」


「…そんな感じなんですね。一応連絡は入れておきますが、結局はスズは今日か明日あたりにでも、行くんじゃないでしょうか。」

「でも、場所分からないんでしょ?」

「まぁそうなんですが、一応前に探った悪魔の世界の地下に、行こうとはしてるみたいですよ。」


・・・どこにいるか分からないフィーさんを、探しに行かれるんですね。

それは確かに、場所を聞いておくべきでした・・・

フィーさんは、助けに来なくていいとはおっしゃってましたが、本当にどうなのでしょうか。


「嬢ちゃんにとっては、ここにいる人もその夢の人も知らない人なのか?」

「え?・・・あぁえっと、そうですね。初めてお会いした人ばかりだとは・・・うーん?」

「そうでもない違う感じ?」


「…わかりません。私が忘れてしまっているだけなのかも、知れないので・・・。」

「なるほどね。嬢ちゃんは、もし忘れてるだけなら、どうしたいんだ?」


「…えーと。それはもちろん、思い出すべきだとは思います・・・。でも思い出すってどうするのでしょう・・・?」


ここにいる方々も、夢に出てきたフィーさんも…・・・

私にとっては、どんな方々だったのでしょうか。

みんな素敵な方々だと思いますが、私にとっては会って数日。


「思い出や記憶っていうのはな。自分でも調整できないもんだ。良い思い出だけ思い出そうとしても、同時に悪い思い出も思い出しちまう事もある。」


「・・・・なるほど。」

「だから思い出すにも嬢ちゃんの場合は、覚悟が必要なのかもしれないな。」


「・・覚悟、ですか。」

「俺はこんなおじさんだからな、良い事も悪い事もひっくるめてこうして笑ってられるが、それは人それぞれだろう。」

「・・・・・」


・・・思い出すのは良い事ばかりじゃない。


おっしゃる通りかもしれません。

私は何か他にも引っかかっている、そんな突っかかりを感じます。

皆さんを思い出すということは、きっとそれを思い出すという事にも、繋がるのかもしれません。


「まぁ焦っても仕方ない。ごちそうさん。俺は適当に建物の周りにいるから、適当に声でもかけてくれ。」

「はい。分かりました。庭の外にある建物には、近づかないでくださいね。」

「あいよー。」


「あ。私もごちそうさまでした。食器はこちらで良いでしょうか?」

「はい。お粗末様。流しに置いといてもらえたら大丈夫ですよ。アリスさんも、もし外に出る場合には、周りの建物より内側まででお願いしますね。」

「分かりました。」


私は、どうしたらいいのでしょう・・・


日向さん達は下に降りていかれたようですし、皆さんお忙しそうです。


「あの・・・。何か私も手伝えることはありますか?」

「・・・。そうですねぇ。ウーノ達と一緒に本を読んでみませんか?」

「?」

「一緒ニよむ?ワからない文字教えてクレルとたすカル。」

「キュウ!」「キュー」

「あ。そうなんですね!はい。大丈夫です!」


文字を勉強していらっしゃるのでしょうか。

本を読んで学んでいらっしゃるんですね。

私も難しい文字は読めませんが、お手伝いしてみます。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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