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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 交わる影、揺れる心
89/120

答え:道の辺の草よりも

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

–ジュワァァァァ


炭の上で肉が焼ける音が広がる。


「ふん!なかなか旨いな!このかかっている汁と肉は絶妙にあうな!もっと焼いてくれ!」

「うまー!」

「これ美味しいね!」

「はいはいー。肉なら焼〇のたれはベストだよね。フェンリルの口にも合うなら良かった。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・和。俺も・・・。」

「なんだ。圭も来たのか。肉は多めに準備したからいいよ。どんどん焼いて行こう。」


圭が珍しく、匂いにつられて地下から出て来た。


「じゃあ追加でも、とってこよう。なんでもいい?」

「あぁ。保冷庫の右側から適当に持って来てくれ、どうせ殆ど焼くことになりそうだ。」

「分かった。」


一度玄関から家に入り、階段を上がって3階へ向かった。

日向達とウーノ、そしてアリスが温まってココアやらミルクやらを飲んでいる。


「なんだか・・・この匂いを嗅いでしまうと、今日は焼肉がいい気分!」

「そうだよー。これはもう焼肉を和にお願いするしかないー」

「それは、ずっと肉を焼くことになるな。手伝ってあげなよ。」

「「はーい」」


確かに肉の匂いが、服についてきてしまったのだろう。


「ねぇ。あのおじさんは良いとして、大きい狼ってフェンリルよね?呼んできたのかしら?」

「え!?」

「キュウ!?」「キー?」「キュ!」

「フェンリル・・・初めてミタ。」

「大きいナ」

「・・・」


日向達は予想していたのか、大きなリアクションは無かったが、アリスはかなり驚かせてしまったようだ。


「そうそう。驚かせてごめんね。絶対襲ってこないから安心して。あまり気にしないでもらえると助かる。」

「すみません。初めてで・・・。」

「大丈夫。日向達が慣れ過ぎてるから。ここでは気楽に過ごしてくれていい。」


日向達とは上手くいっているようだが、アリスは私を見るとまだ不安そうな顔をしている。

挨拶だけにして軽く頭を撫でて、階段を下りる。

イザベルもフォローを入れてくれるようだ。


「まぁあんまり気にしなくていいわよ。サー・・スズが大丈夫っていうんだから、襲ってくることはないでしょうし、大きい犬と思っておけばいいのよ。」

「・・・・大きすぎる犬ですね。」


アリス・フォーラス。


元々預けていた理由も解消したし、爺に預けっぱなしも良くないっていうのも分かるが、短い期間でしらない場所に来るのは、少々小さい子には厳しそう。

梓は大人としての困り方だったが、アリスは迷子の子供みたいに、視線の置き場を探していた。


保冷庫の中身を、持っていたリュックに詰め込む。

これで足りなければ、買い足さないといけないだろうけど、どれだけ食べる気だ。

昔は生肉で事足りてたのに、味を覚えさせてしまったのは、失敗だった。


「あぁ。ありがとう。ところでフェンリルはそもそも来ると分かっていたが、あのおじさん?は何なんだ?お前の口調といい・・・」

「一応神様。」

「一応・・・。あんな対応で良いのか?」

「あの方はちょっと特殊で、神らしくない神。神という立ち位置もあんまり好きじゃないそうだから、たまにウロウロしながら好きにあんな恰好で歩きまわってるけど、基本的には良い人。」


「・・・・ここに居座るのか?」

「良い場所が見つからないって言って、ついてきただけだから、飽きたらどっか行くよ。一応手伝ってくれたりする事もあるだろうから、服や食事はみんなのついでに、用意して置いて貰えると助かる。でも、それ以外は適当で大丈夫。本人も神扱いして欲しくないって言ってるし。」

「偶然?」

「そ。偶然。雪山で何故か移動もしないで、お腹空かしてた。悪魔の世界には連れていけないけど、軽く加護はくれるっていうし、邪魔にはならないと思う。」


説明は何の意図もなく、普通に伝えた。

特に誤魔化す必要もないだろう。

あの神様は本当にそんな感じの方だ。

のらりくらりと行き当たりばったりを楽しみながら、適宜人を助けたり叱ったり、はたまたあの雪山の様に一人で過ごしたりと、ある意味好きにしているという生き方をしているので、正直会ったのは本当に偶然だった。


「これは飯を作るだけで、一日が終わりそうだ。」


和がぼやいた。


「まぁ肉を焼くぐらいなら、日向達にもできるから、たまに頼もう。バースは用意出来次第にでも、悪魔の世界には連れて行こうかと思ってるが、ハウとデンはまだ小さいから置いていく事になる。」

「分かった。仕事も行くんだろうけど、お前もあんまり無理するなよ。アリスさんの事があるから俺は、基本はここにいるようにはするけども。」

「分かってる。今回は偶然とはいえ、神の手を借りられたのは大きい。想定よりも安全に行けると思う。」

「ふん!儂が手伝うんだから、中途半端なことはせん。行くからには無事に帰してみせよう。」

「頼みます。じゃあ、肉もじゃんじゃん追加しますね。」


「頼まれよう!」

「よっしゃー!」

「うれしー!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・肉。」


バースもやる気になってくれているようで良かった。

私としてもこの子供2匹の為にも、バースをちゃんと連れて帰らないとな。


そして悪魔の世界には残念ながら、もう一つ問題が残っている。

あの地下迷宮。


 外から行ったとしても、中にフィーがいたら悪魔がいないと中を探せない。

前回世話にもなってるガゼルには、声をかけようと思うが、そこでの問題は代償だ。

例え加護がついていても、契約となった場合はその規約は悪魔だろうが、神や天使だろうが守らなくてはいけない。


前回の案内程度で、片目一つ。

仮に同じぐらいだとしても、もう片目まであげる訳にもいかない。

一応まずはフェンリルでも匂いで追えるかどうか確認してから、頼るか考えたいがいずれにしても、何か方法は用意しておかないといけないだろう。

圭に頼んだ”アレ”が、有効なら助かるんだが…


「そういえばアリスさんを見てどうだった?」

「目はちゃんとは確認しなかったけど、和の予想で間違えないんじゃないか。目はともかく手足も使うとは思ってなかった。なんの意味があるのだか。」


 目が自分の物かなんて、正直見ても分からない。

手と足ももしかしたら、記憶にある傷跡ぐらいあったかもしれないが、そもそも私の目や手足かどうかが問題じゃない。

自分の子供に何をしてるのだろうか。


あの時の目的は、質問するのも一つはあったのだろうけど、メインは手足を切る為に探していたのだろうか。

知れば知るほど悪趣味でしかないと、思うしかないのだけど、基本世界の人間の部位を魔法使いの体を繋げて、本当に何の意味があるのか。


彼女がその時期の記憶を拒否してしまうのは、傍から見ても仕方がない事だろう。

だからといって、こちらとしても梓には戻ってきて欲しい。

さっき神の方でも、何か気がつく部分があったようなので、改めて伺ってみるか。


「・・・本当に。だが、梓さん、アリス・フォーラスとは別にwalkerへの興味がある事は、確かだろう。お前も本当に気をつけろよ。」

「そうだな。あとは後回しにしてる、山本梓の魂を探す事と・・・そういえばエルフの女も気になる。」

「エルフの女?」

「フィーを追って、圭といる時に会った。

目的地に最初にいたのは、エルフの女だけだった。だがアーシャが探しているエルフでは、リストを見る限りではなさそう。

別途フォーラスに協力しているのか、なんなのか分からないけど、エルフの魔法は威力そのものが高いから、相手をするとなると魔法使い以上にやっかいだ。」


ブライアンやブルースは悪魔さえいなければ、まだ対応できるし逃げられるとは思う。

だが、今後はあのエルフがどう動くかによっても、悪魔の次には気を付けないといけなくなるだろう。


「人間よ。腹は満たされた。ありがとう。」

「大丈夫そうですか?良ければ、和って呼んでください。それじゃあ、一旦片付けて室内に戻りますが、後で毛布とか布団を持ってきます。」

「うむ。助かる。和。」

「じゃあバース。明日の昼は私は出かけているから、この庭からは出ないようにしてくれ。室内は人間か小さい状態なら、地下と人の個室以外は入っても構わない。」

「分かった。私の方でも行くにあたって、良い攻撃方法などを考えておく、早めには行きたいのだろう?」

「あぁ。頼む。神の方にもこれから改めて話すつもり。だから、バースの方は今日は新しいところに来たばっかりだし、まぁまずはゆっくり休んで。」

「了解した。」


 バースが何故かすんなり乗っかってくれたのは、本当に助かった。

悪魔については、最悪逃げる方法だけは、なんとしても確保したかったから。


「降りるのか?」


和が声をかける。


「いや、おじさんにはアリスの事を、住む代わりに軽く見てもらおうと思って。」

「おじさんって言われると、やっぱやらかしそうな気がする。」

「忘れていい、普通のおじさんだ。もちろん、他の神ではまずありえないが、ぶん殴っても笑ってくる。」


「…何をしたら、そうなるんだ。」

「基本的に世界を転々としてるから、金がないんだ。つまりいつもたかって来る。」

「なるほど。神様も色々な方がいらっしゃるんだなぁ。」

「和には本当に助かった。」

「・・・・・・他に何をした?」


急に感謝したから、疑われた。


「いや。今回のフェンリルといい、あのおじさんといい、和のご飯なら飯を礼として、ちゃんと受け取ってくれると思えたんだ。」

「あぁ。なるほど。なら心して作らないとな。しかし肉は毎日大量に仕入れないとな。」

「魚とかもたまに食べる。あ。ただ魚は今日食べたばっかりだそうだ。後は、たまには野菜を混ぜても多少文句は言うけど、ちゃんと食べる。」

「なるほど。分かった。神様は普通でいいのか?」

「あぁ。なんなら肉も好きらしい。気にせず作って大丈夫。」

「神様、肉食べちゃうのか・・・。」


まぁ。

生臭坊主ではある。

酒は流石に受け取れないみたいだが。


「おう。来たか!こりゃあったけえな!」

「早速馴染んでいらっしゃるようで、何よりです。おじさん、そんな所申し訳ないのですが、あちらで少々お話を致しましょう。」


こたつを気に入ってるおじさんを、階段正面の方のリビングテーブルの方へ呼ぶ。


「あー?ういっす。」

「じゃあいない間に名前考えちゃう!」

「日本人っぽい名前似合いそう。」

「日本人!そうだ。スズ、後で話が終わったらで良いから、声をかけてくれ俺は先にバース達の布団を用意してくる。」

「?分かった。」


和からも話しが残っているようだが、ひとまずこの生臭坊主に話しをしてしまおう。


「んで?あの嬢ちゃんだな。」

「左様でございます。」

「あれが、天国でも一時ワイワイして話しにあった子供か。なんでもお前らの一人なんだっけ?」

「その辺の事情もご存じでしたら、話しは早いです。」


私はこれまでの経緯をおおまかに説明し、今の記憶が戻らない状態について、フォローが可能かどうか確認する。


「あー。そりゃ、元々記憶が残ってるなら時間の問題ってのはあるだろうなぁ。んー見てる感じでは・・・今は混乱や困惑の方が大きいからな。今すぐに記憶を呼び戻しても、更に混乱を招くだろうな。少し様子見てから良さそうなタイミングで見てやる。」


 確かに言ってることは正論なのだろうが、ここに居座る理由づくりになっていないかどうかは、怪しいところだ。

まぁだが基本的に困っている人には、手を差し伸べるタイプだ。

必要に応じて動いてくれると信じよう。


「分かりました。宜しくお願いいたします。」

「それより俺も腹減って来たんだけど、そろそろ飯?」

「まだ時間的に少々早いので、恐れ入りますが、適当に冷蔵庫にあるモノを摘まんでてください。」

「あいよー。」


 台所の方へのんびり歩いていく。

風呂に入って、恐らくは和の服でも着てるのだろう。

見た目が綺麗になれば、サイズの合わないダボっとした感じとぼさぼさ髪は残るのが気になるが、日向達が言うように、普通の日本人男性にみえるだろう。

基本は無害。


「平五郎?」

「勘左衛門?」

「菊次郎?」

「丹十郎?」

「キーキー?」

「キュキュ!」


 渋い名前になりそうだ。

ウーノ達の様にイタリア語にされても、あの男には合わないだろうし、本人もその方が気に入るだろう。

だが、長男名ではなく次男以降が多いのは、特徴を得ている感じがする。


「降りるか?」


と思っていたが、布団を用意するのが終わったらしい。


「いいよ。下で話そう。お疲れ。」


助かる。

流石に朝からずっと歩いてたから、休憩はしたい。


「今日アリスさんを迎えに行った時に、アルファーさんから言われたんだが、アリスさんから『アキコ』って名前が出て来たらしい。

名前からして、日本人名だしフォーラスの家系の人ではない可能性があると思うんだが、思い当たる人はいるか?」

「アキコ・・・何かで見たな。」


スリープ状態のパソコンを立ち上げる。

日本人名で調べていたのは一つだ。

宗一郎を調べる時。


「山本梓の母親の名前だな。山本亜季子。

基本世界の情報では死去となっているが、山本宗一郎の事もあるから、調べても良いとは思う。」

「山本梓さんのお母さんがなんで、フォーラスのアリスさんのところに。」

「宗一郎も元より人間ではない可能性がある。亜季子もそうなのかもしれないな。」


 宗一郎が魔法使いだったとしたら、ハーフか。

寿命や見た目的に基本世界では長居できないだろう。

そうなれば魔法世界に移り住んでいる事になるが、宗一郎合わせて本命のままではない可能性が高い。

探すとなると時間はかかりそうだ。


フォーラス家とは、元々知り合いの家系だったとかなのだろうか?

後から、話を持ち掛けられたと考えた方が自然だとは思うが、前提のイヴの魂の行き先については、いつ時点で把握していたのかは、分からない。


「関係者だとすれば、生まれる前からの可能性もあるが。だが、それは流石に意図して指定する事ができない以上、生まれた後に関係ができたと思っておいた方がいいだろう。

宗一郎または亜季子については、調べておく。人間なら死んでいるのかもしれないが、それ以外なら別の世界に移り住んでいる可能性があるだろう。」

「分かった。」


現在のアリスの記憶は、24歳。

魔法世界の西暦4001年は、私がフォーラスに狙われ始めた時期と一致している。

それ以前にも水面下で、何かをしていた可能性は否定できないが、少なくともこの頃から、魂や肉体の扱いが実験的な域に踏み込み始めたことは、確かだろう。


そして、今回追加となる山本亜季子について。

この接触が何を意味するのかは、現時点では判断できない。

ただ、フォーラス家がこの時期から明確に動き始めている以上、アリスと亜季子の接触に気付いた可能性は考えられる。


その後の4007年。

私が右目と両手足を失い、殺害された。


仮説として挙げるとすれば、walkerに由来する肉体の一部を切り離し、別個体に組み込んだ場合、どのような機能が発現するのかを検証した――

ひとまずはそう考えるのが自然だろうか。

だが、この時点で、フォーラス家が「何を理解していたのか」までは分からない。


・魂の正体を把握していたのか

・イヴという存在に辿り着いていたのか

・あるいは、ただ異常な素材として扱っていただけなのか


そのどれであっても、不思議ではない。


だが少なくとも言えるのは、彼らは4001年の時点で説明のつかない異常を認識し、4007年には取り返しのつかない一線を越えているということだ。

それが、後に起きる4014年の事件へと繋がっていった可能性は、繋がっていると見るのが自然だ。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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