答え:鳥が先か、卵が先か
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
エルフの世界から和と帰り、一階へ上がったところで同時にヒナ達が降りてきた。
どうやらナオが、ちょうど玄関から入って来たところだった。
その三人の姿にやや驚いた表情で、和が口を開く。
「あー・・あのな――」
「かかかかかかか!!!和ーーーーーー!!!」
「和だーーーーーーー!!おかえりーー!!!」
「ま!待て待て待った!ちょっと立ち寄っただけだ!ちょっと待てって!」
「えぇ?帰ってきたって訳じゃないの?僕、良い場面で来たなと思ったのに。」
「まだ、スズと何も話してねぇ。」
そんなナオとのやりとりも気にせず、ヒナ達は逃がさないとばかりに、和の両脇から腕にしがみついた。
「和ーご飯一緒にしよー!」
「アリスがタコパってー!」
「いいね。タコパ。」
まぁこうなっては、話より先に夕飯にした方がいいだろう。
ヒナとヒデに引っ張られて階段を上がっていく和の後ろを、ナオと一緒に続いて上がった。
三階は全員揃っていたこともあり、更に賑やかになっていく中で、さすがに和も諦めたように、アリスの手伝いをしながらたこ焼きを焼き始めた。
「これは美味しいね!日本酒ー、日本酒ー。」
最初に焼きあがった定番のたこ焼きを食べながら、アンジェラは酒を取りに台所に向かうと、その背中を和が声かける。
「おい、手前から飲んでいけよ。中途半端に空けてあるのが見つかると、面倒なんだから。」
「なんだい。飲み切れば良いだろう?任せな!」
「美味しいー!アリス!さいこー。」
「これ、チーズも合いそうー!」
「キュウ!」「キーキ!!」「キュキュ」
「良かったー。そうだね。こっちはチーズにしよっか。あとはシーフードミックスとー。」
平日はみんなの顔をゆっくり見る機会がなかったけれど、元気そうで良かった。
賑やかな声を聞きながら、少しだけ肩の力が抜ける。
会議の空気も、
エルフ達の怒号も、
まだ頭の奥には残っている。
それでも今は、湯気と笑い声の向こうへ、怒号も緊張も押し流されていく気がした。
「和はダメだとして、あんたは飲める口かい?」
「頂きまーす。」
ナオはグラスを受け取り、アンジェラの視線がそのまま私に流れる。
「スズは?」
「遠慮しとくよ。」
「そうだね。まだ薬が入ってるから、今日は控えておいてね。」
「そりゃそうだね。悪い悪い。」
それに最近は睡眠不足だから、悪酔いしそうな気がする。
最近はソファで横になっても眠気がなかなか訪れず、走ってみたりもしたけれど上手く眠れない日が続いてしまってる。
今日は早めに眠れるだろうか。
「スズ、こっちに乗せておくからね!」
「ありがとう。」
アリスが焼けたたこ焼きを小皿に分けていくので、その一つを受け取った。
「アリスさん、焼くの交換しましょう。」
「ありがとうございます。」
焼く担当を和と交代して、アリスも楽しそうに食べ始めた。
「ソーセージ!良い!」
「コーンも意外と美味しいよー。」
「最初のタコもまた食べタイ。」
「チーズ。」
「エビ。美味シイ。」
ヒナ達に続いて、ウーノ達の舌にも合ったようだ。
「和!次チーズ!」
「はいはい。」
「ソーセージも!」
「一気に言うな。」
「私もタコまた食べたい。」
ヒナ達のリクエストに続けて、ルーナもリクエストを出しつつ、アリスの横で静かに食べている。
その様子は、最初の頃よりも少し楽し気に見える。
時代や状況に応じて判断や基準が変わってしまうことを、よく分からないと質問してきた彼女。
こうして、しばらく日常生活を経験することで、その生活の中でも価値観や基準の小さな違いが見えてくる。
それを随分と体感してきているのかもしれない。
とはいえ、彼女はいずれ死神の世界に戻る。
その辺の線引きについては、ガルシアからも注意が入っていると思うが、大丈夫だろうか。
彼女の報告書の文章からも、少しずつアリスに似てきているような気がする。
夕食後は、アンジェラとナオはそのまま残り、トッピングに使っていた具を焼いてつまみにしながら、そのまま本格的に飲み始めた。
ヒナ達は先にお風呂へ向かい、ルーナとアリスもその後ろについて二階へ上がっていく。
「ルーナもたこ焼きどうだった?」
「・・・初めて食べた。けど、美味しかった。」
「やった。良かったー!」
賑やかな声が上へ遠ざかっていった。
それを見送り、和と二人で階段を降りようと立ち上がると、飲んだくれの二人が話しかけてきた。
「ぶふふっ。ここで話したって良いんだよ?」
「絶対に嫌だ。」
「えー僕達だって気になってるのに。」
「それは感謝してるが、まずは落ち着いて話をさせろ。」
アンジェラ達に見送られて階段を下り、玄関へ向かう。
最後に話した時と状況はまるで一緒のようだ。
和はあの時と同じように先に玄関をくぐり、庭の外へ進みながら口を開く。
「最後に話した時と同じだな。」
「……。」
さっきまでが賑やかだった分、和の声が急に静かに感じる。
「少しは頭が冷えたよ。」
「そう。」
「それでも、全部納得したわけじゃない。」
「だろうね。」
和はあの時をなぞるように、庭の中央まで足を進めた。
「でも、お前がそういう奴なのは知ってる」
「そう。」
「・・・・。」
「……。」
「だから、俺はいつも好きに選んでる。・・・・馬も灯も両方選んでるつもりだ。」
「そう。」
和が私の方へ振り返った。
「お前は?」
「……。」
「俺は好きにしてる。なら、お前はどうなんだよ。」
私が、どうなのか。
みんなそれぞれ違う言葉であったけれど、そこに必ず含まれていた私への質問。
その私の答え…
「…私は、先に失うリスクばかりが前に出る。」
「・・・そうだろうな。」
和のその言葉に、少しだけ笑ってしまいそうになった。
やっぱり私の周りの方が、私の知らない私のことをよく知っているようだ。
「だから、見ないふりをし続けていた。…結果、本当に見えなくなってしまっていた。」
無意識に、私は和の方へ向かって少し足が前に進んだ。
「質問に質問を返してしまうけれど、良ければ教えて欲しい。
…私が…もしも私が、傍にいて欲しいと願ったとしても、お前は幸せだろうか?」
「・・・・・・・・・。」
月明かりに照らされた和の表情はハッキリ見える。
それは、かなり驚いているように見える。
でも返事はしづらいのか、静かな風の音だけが流れ続ける。
「変なことを言ってることは、分かってる。」
「いや!ちょ・・・待て。言葉に悩んでるだけだ。」
和もこちらへ歩み寄り、互いの距離はもうほとんど残っていなかった。
「お前最近、無意識や無自覚が多すぎないか?」
「そう…だろうか?」
今の言葉は、意識的に口にした。
たしかに、伝言には近い内容だとは思うけれど――
「私は、大切なお前には平和でいて欲しいと思う反面、どこかで…傍にいて欲しいとも願っている。
だけど、その願いを私だけの都合にしたくない。だから――」
視界が暗くなる。
久しぶりの和の匂いに、止まっていた眠気が静かに戻ってきた。
「・・・・俺が好きでここを選んでんだから、それくらい分かれよ。」
何故か、温かい気がする。
「俺はここを選んでる。だから、お前も勝手に決めんな。」
「それなら、嬉し――」
言葉が途切れた。
嬉しい。
けれど同時に、胸の奥に残った不安はそこにある。
「……それでも。」
「ん?」
「私は多分、また同じことを考える。」
和が少し眉を寄せた。
「失う方を先に考えて、距離を取ろうとする。」
「・・・・。」
「エルフも妖怪もそうだけど、結局それぞれ大事にしてるものが違う。
私も、お前も、多分違う。」
「あぁ。」
「だから、いつかまた、同じことで悩む気がする。」
それはなんとなく確信が持てる。
「失うのが怖いから距離を取るのか、距離を取るから余計に失うのが怖くなるのか、もう分からない。」
少しだけ沈黙が落ちた。
「・・・・それでも、今はここに居る。」
和はそう言って、小さく笑った。
その答えだけで、十分だった。
問題や不安が消えたわけじゃない。
価値観の違いも、失う怖さも、多分これからも残る。
それでも、見ないふりだけは、もう出来ない気がする。
「で、会議中ずっと気になってたんだけどさ。」
「何が?」
「お前寝てないだろ。クマが出てるぞ。」
「あー…何故か最近眠れないんだ。けど、今はかなり眠たい。」
「・・・・。」
和が私の手を引いて、玄関へ足を向けた。
「風呂、先に入れば?」
「明日でもいいだろ。」
それでもいいか。
そのまま真っすぐ地下の寝室へ入った。
布団に沈んだ瞬間、今まで堰き止められていた眠気が一気に押し寄せてきた。
あぁでも、色々と聞きたい事もあるんだ。
なんだったか。
「そういえば……。」
「ん?」
「…崑癒の家に、和達もいたんだな。」
「あぁ。そうだよ。崑癒さんと話してたけど、途中でリュースが入ってきたりで撤退する形になったけどな。」
「私もそこにいたんだ。その途中でアリス…と、目が合ったらしい…。」
「は?お前あそこにいたのか。」
瞼は自然に落ちてきて、視界は真っ暗になったけれど和の気配は分かる。
「なんだよ・・・あと少しだったんじゃねぇか。」
「……まぁそうだね。…こないだ、一緒に寝た時に…アリスもそう言ってた。」
さっきまでとは違う、静かな声が落ち着く。
「またアリスさんと寝たのか。」
「…心配、かけたから。」
「・・・・・。」
「…お前はお前だよ。」
安心させられる明確なものはあげられないけれど、それでも…
「・・・はぁ。もう簡単に手放す気はない。おやすみ。」
「……ん。」
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




