疑問:類は友を呼ぶ?
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「何してんだい?」
「あ、アンジェラさん。今日は尚弥さんも来るので、夕飯どうしようかなって考えてて。
和さんの設置魔法を参考に、何か作ってみようかと思いまして。」
台所で和さんの残した設置魔法を見ながら、悩んでいるとアンジェラさんが階段から顔を出した。
「そうだねぇ。・・・・あ。何ていうんだったっけ。あのタコが入ってる食べ物。」
「たこ焼きですか?」
タコが入ってる食べ物の代表だと思う。
「そうそう!あれでタコパ?なんか色々違う具材も入れられるんだろう?
日向達も好きそうだし、どうだい?」
「なるほど。確かに大勢で食べるのには向いてますね。」
意外と和さんが作るタイプの料理でもないし、たまにはいいかな?
「それなら、まずタコですね。たしか冷凍があった気が・・・。」
定番はタコとして、他は何だろう。
「あ。シーフードミックスもいいかも。あとはー・・・。」
合いそうなトッピングを探してみると、意外と種類が多い。
冷凍庫には、色々な食材が入っている。
あ、待ってそもそも・・・
「そういえば、タコ焼き器あるのかな?」
それがなければ話にならない。
一度、冷凍庫漁りを止めて、大きめの器具が仕舞ってある台所奥の棚へ向かった。
「あんたも偉いねぇ。」
アンジェラさんも手伝ってくれるようで、後ろからついて来た。
「こういう時、私あんまり出来ることないので。」
「ふふっ。そう言うもんじゃないよ。」
暖かい手が、私の頭を撫でる。
賑やかに準備を進めながらも、胸の奥には小さな焦りが残っていた。
できることは少ない。
日向達もウーノ達も、できるだけいつも通りにしようとしてるのは分かるけど、やっぱり和さんがいなくて寂しそう。
少しでも、元気になってくれたら良いけど。
「この辺じゃないかい?」
アンジェラさんが指した上の方に大きめのプレートがあった。
「あ。入れ替え用にたこ焼き用のプレートもついてますね。これならできそうです。」
「よし。ちょっと下がってな。」
大きなプレートが入った箱を、アンジェラさんが棚から軽々と取り出し、そのままダイニングテーブルの方へ運んでくれた。
「ありがとうございます。そしたら具材になりそうなやつは解凍しておいて・・・。」
「何か手伝ウ?」
ウーノとトレも階段から降りてきた。
「大丈夫だよ。たこ焼き自体の作り方は簡単だからね。」
「たこ焼キ?」
「たこ焼ク?」
「そうそう。粉とだしと卵を混ぜて、丸く焼いて、中に色々入れるんだよ。」
「何それ?なんで丸くするの?」
ウーノ達にたこ焼きの形のジェスチャーも入れながら説明していると、イザベルも気になったようで、私の足元から顔を上げた。
「えー・・・なんで丸いのかなぁ。考えたことなかった。」
たこ焼きといえば丸いことは当然だけど、確かに何で丸いんだろう。
「あぁ、あたいもそれ聞いたことあるね。たしか昔スズから奢ってもらった時は、昔はタコじゃないのが入ってて、その時の道具をそのまま今も使ってるって言ってたね。」
「へぇ?でもまぁ楽しみね。」
たこ焼きがいつ頃できたものなのか分からないけど、結構古い気がする。
アンジェラさんも、スズと結構長い付き合いみたいだもんね。
「アンジェラさんは、スズといつ頃知り合ったんですか?」
材料を取り出しながら、カウンターに座ったアンジェラさんに質問した。
「そうだねぇ。だいぶ前だから時期は覚えてないけど、確か雪が降ってる真夜中にほつき歩いてる子供と思って声かけたんだよ。」
「魔法世界を、ですか?」
「はははっ。そうそう。後から同居人って知って、危なっかしい話だよ、本当。」
アンジェラさんは窓際の椅子に腰を下ろし、暮れかけた外の光を眺めるように目を細めた。
「当時は・・・あたしは、夫も子供もいたからね。そんな子供をなんとなく放っておけなくてね。」
「・・・そうなんですね。あの、聞いても良いんですか?」
「ちょっとした昔話でよければ、構わないよ。」
夫と子供という言葉に驚いた。
そして同時に、”当時は”という言葉から、今はいないということにも。
「放ってもおけなかったけど、早く家に帰りたいアタシは、半ば無理矢理スズを家に連れて帰ったんだよ。」
アンジェラさんは、少し懐かしそうに目を細めた。
—
「ひとまず、これでも飲みな。」
雪は街灯の光をぼやかすように降り続き、夜の静けさを白く埋めていた。
「ありがとう。でも、迷子じゃない。気にしなくていい。これを頂いたら出て行くよ。」
「ダメに決まってんだろ。こんな夜中に、子供が何してんだい?両親は?」
ひとまず家に帰ってすぐに、お湯を沸かし、お茶を出し、雪で濡れていた肩へタオルを投げ渡した。
「帰る途中だったんだよ。すぐに帰るよ。」
「・・・本当かい?」
子供は見た目のわりにかなり大人びて、落ち着いた様子だったけど、それでも自分の子供と同じくらいの年齢に見える。
「本当。だから気にしなくていい。」
「なら、家まで転送してやるから住所を教えな。」
「……はぁ。嘘ついた、迷子の子供を捜してる。」
「嘘かい。なんだい?友達とはぐれたのかい?」
子供は慎重に私の様子を見て、少し答えるのに悩み始めた。
少しの間をおいて、どうやら話してもいいと思ってもらえたようで、口を開いた。
「私は同居人。基本世界から、こっちに迷い込んだ子供を探しに来ているだけ。」
「は?・・・ならあんたも迷い込んで、ここにいるってことだろう?」
時々、同居人が私達の世界へ迷い込んで入ってくることは知っていた。
その場合はすぐに、警察に連絡するらしいけれど、実際に会ったのはこれが初めてだった。
「私は少し違う。とにかく、迷い込んだ子供を見つけたらすぐに帰るから、放っておいてもらえない?」
「ダメだ。あんたも子供である以上、このまま放置するわけにはいかないよ。ちゃんと最後まで説明しな。」
そうして、子供――いやスズは、自分が“walker”と呼ばれる存在であることを説明し始め、迷い込んだ子供を探すことになった経緯を話した。
「なんだそりゃ?つまり、あんたは生まれ変わる前の記憶を持ってるのかい?」
「そう。別に信じなくていい。」
たしかに信じがたい話だった。
だけど、その子供はあまりにも大人びて見えた。
同居人ということや、ここがどういう世界か分かっている様子からも、つじつまが合っているように見えた。
「・・・仮に、そうだとして。魔法も使えない同居人がどうやって、迷子の子供を探すんだい?」
「いるのが、このあたりなのは分かっている。後は、子供が隠れそうな場所を探して回るしかない。」
「こんな夜中に?」
「その子供も、この寒い夜を今過ごしている。」
それはそうだけど。
「・・・分かった。少しだけ待ちな、子供を寝かしてくるから、その後私も探すのを一緒に手伝ってあげるよ。」
「…助かるけど、放ってもらえればそれでいい。」
「それはダメだって言ってんだろ。少し待ちな。」
すぐに席を立ち、子ども達を寝かしつけに部屋を出た。
今日は旦那は遅くなると言っていたし、家の結界がしっかり発動していることを確認しておく。
そうしてリビングへ戻ると、スズは置物みたいに静かに椅子へ座っていた。
その小さな背に声をかけ、二人で家を出た。
—
「まぁ子供はすぐに見つかったんだけどね。」
「良かったです。そんな寒い夜に、確かに子供が迷子だと心配でしたよね。」
アンジェラさんはいつもの笑顔を見せ、気軽な感じで話を続けた。
「近くの空き家に隠れてたね。それをスズが連れて帰って行ったよ。」
「・・・スズって、本当に昔からそういうことしてきてるんですね。」
「そういう性格なんだろうね。」
でも、そんなよく分からない子供の言葉を信じて、一緒に探してくれるアンジェラさんもやっぱり優しい。
日向達を拾ってきたのもアンジェラさんだって聞いたし、優しい人には、優しい人が集まるんだろうか。
スズの周りにこういう人が多いのを見ると、そんな気がした。
「アリスー何作るのー?」
「お腹すいたー。」
夕方も近づいてきた頃、日向達が降りてきた。
「今日はタコパにしようかと思って。」
「タコパって何?」
「タバスコ?」
「うーん。そもそも、たこ焼きって知ってる?」
「たこ焼き!知ってるー!出かけた時に外で食べたことあるよ!」
「丸いやつ!こんがりして、美味しかったやつだ!」
そういえば、みんな物珍しそうにしてるってことは、魔法世界には無いってことだよね?
ラーメンみたいに共通している料理もある。
けれど、全部が同じというわけではないらしい。
誰かが、そういうのって流通させたりするものなのかな?
「そうそう。普通のたこ焼きも焼くし、他にもいろいろ別のトッピングも用意したから、尚弥さんが来たらみんなで焼こう。」
「えー尚弥いつ来るかな?」
「チャット送ってみよ。」
そんな話をしていたところで、インターホンの音が響き、日向達がどたどたと階段を降りて行った。
「尚弥さんっぽいし、プレート温めておこうかな。」
プレートの電源を入れ、油、混ぜておいた生地、トッピングを順番に脇へ並べていく。
すると大声が下から響いた。
「ど、どうしたんだろう?」
「トラブルって感じはしないから、騒いでるだけじゃないかい?」
確かに、どっちかというと明るい感じの声。
あ。スズもそろそろ帰ってくるかな?
今日はエルフの世界に行くって言ってたけど、夕方には帰ってくる予定みたいだし。
それに、遅くなる時は絶対に連絡してって何度も言った。
もしかしたら、スズも一緒に帰ってきたのかも。
騒がしい声が階段を上ってきた。
「おやおや。おかえり。」
「・・・いや、ちょっとスズと話をしに立ち寄ったんだよ。」
日向と秀人に挟まれた人の姿が目に入った。
和さんだ!!
その姿を見た瞬間、胸の奥で張っていた糸がふっと緩んだ。
嬉しさで作業の手が止まってしまったのは、仕方ないと思う。
「おかえりなさい!!」
「あら?やっと、帰ってきたのね。」
道具をテーブルに置いて、イザベルと一緒に階段の方へ近づいた。
「和もタコパしよ!アリスがたこ焼き焼くんだってー!」
「一緒に食べよーよ!ね!ね?いいでしょー?」
「いいねぇ!たこ焼き。トッピング何かなー?」
日向達の後ろから、尚弥さんとスズも一緒に階段を上がってきた。
「たこ焼き?あぁ。そういえばプレートにそういうのもありましたね。
アリスさん、なんか色々ありがとうございます。」
「はい!和さんも是非、一緒に食べましょう!」
「・・・じゃあ、ご相伴させてもらいます。手伝いますね。」
さすがに和さんも断れなかったようで、ダイニングテーブルに近づいてきてくれた。
ばらばらだった空気が、ようやく一つの食卓へ戻ってきた気がして、胸が少し温かくなった。
やっと、この場所らしい空気が戻ってきた気がした。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




