答え:まだ同じ穴の狢なら、やり方次第
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
前にあったエルフからの相談。
その少し前にあった巨人からの相談。
そして、フォーラスが攫った者達がいる可能性が高い世界である怪異の世界。
ひとまずは現地の話を聞く為に、事前に怪異の世界の中でも一番大きいエリアを管理する管理人へ話を聞きに行く為、カル達に面会を取り次いでもらった。
そのエリアは妖怪の数も多く、当然リスクも高い。
だから、できるだけ移動距離を短くできるよう、近場に設置できそうな座標をいくつか探していた。
妖怪の世界という大まかな座標は分かっていても、その先で条件に合う扉がどこに繋がっているかまでは分からない。
その為、予定の前夜になってようやく、使えそうな場所を見つけた。
「とはいえ、どこに出るか分からないから、注意は必要。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
前回と同じく、妖怪に人間とバレない為の準備を進め、最後にカルたちの妖術で、私の姿も吸血鬼っぽく見えるようになったらしい。
鏡で姿を見ても、多少肌色が違うくらいで大きな変化は見られないが、これで良いのだろうか。
「匂いも違うし、大丈夫だよ。これを見破ってくる奴なんてそうそういない。」
「すんすん。うん。吸血鬼に見える。」
それならいいか。
「じゃあ行こうか。」
圭とカルとイェの三人を引き連れて、通路の扉をくぐる。
「それにしてもここは真っ白だね。」
「真っ白。」
「慣れるよ。今日は東部のエリアを管理する崇徳上皇の血族ってことだけど、カル達は会ったことがあるの?」
私の知っている連絡先では、他世界通路の通過許可などの外部向け管理者が主で、現地のエリア管理者に繋がるのが難しい。
上位種族になると、カル達怪異同士の交流は深いが、外部や他の下位種族に対しては、排他的な面があり、なかなか繋げてもらえない。
「私達はない。北部を管理する同族から、流れに流れて行き当たった。」
「天狗嫌い。」
二人は明らかに嫌そうな表情を見せる。
「分かった。あくまで話を聞くことと、エリア探索の許可をもらうだけだから。二人は何も言わなくていい。」
怪異というだけで、既にトラブルの可能性が高いと予想されるのに、その可能性を上げたくない。
–カチャ
「失礼。」
扉をくぐると、古い日本の室町と江戸時代の間のような町並みが広がった。
「あれだね。」
カルが指をさす方向を見上げると、どうやらここは城下のようで、少し奥に城の姿が見えた。
歩いている妖怪も天狗が多い。
人の形をしていても、誰もが同じ歩き方をしているわけではない。
足音の異様に軽い者。
影の揺れ方がおかしい者。
風に溶けるように歩く者。
見た目は町でも、基本世界の人間の群れとは少しずつ何かが違っていた。
そして、吸血鬼や狐の姿もわずかだがあるので、一応目立っている様子は見られない。
ただ、すれ違う妖怪の視線は一瞬だけこちらに向き、すぐに逸らされる。
無関心というより、余計に関わらない為の距離の取り方に見える。
他にも鬼や河童などの姿もあるが、下位種族となる颯太の言っていたのっぺらぼうやろくろ首などの姿は見えない。
颯太の住んでいる場所はあまりエリアの中央部ではなく、田舎や少し外れた場所なのかもしれない。
城の入り口が見えると同時に、その扉の左右に立つ天狗の男が見えた。
「何者だ?」
「今日来る約束をしてるよ。」
「これ。」
イェが手元からスマホを取り出し、画面を見せる。
「ああ。カン様との約束だな。聞いている。」
声色は変わらないが、こちらを見る目だけは一段だけ慎重になる。
右の天狗がスマホを確認し、左の天狗に目で合図を送った。
その後、左の天狗は胸元から葉の形をした扇を取り出し、こちらに向けて一振り仰いだ。
–ぶわっ
強い風に煽られ、瞬きをする。
一度目を閉じて開くと、景色は入口から室内へと切り替わっていた。
「時間通りだな。」
正面の一段高い座敷の上に、男が肘をかけながらこちらを眺めていた。
町や出入口にいた天狗は、そのままの天狗の姿か、あるいは一部顔に天狗の特徴が残っていたが、目の前の男は完全に人間の姿をしている。
私では、その男が天狗と判別はできない。
それでも姿は完全に人間に見えるというのに、男がそこに座っているだけで、この場の空気が全部男の縄張りに見えた。
「イチからの願いだったから、ひとまず話を聞くことにはなったが、吸血鬼に狐か。」
その目は何度も見てきた。
値踏みするような視線。
虫でも眺めるみたいな目だった。
「そして、お前は人間だそうだな。」
更に侮蔑する色が濃くなる。
圭達から、一歩前に進み出た。
「はい。他世界からの話もあり、こちらのエリア内の出来事について、いくつかの質問と探索の許可を頂きたい。」
言葉を切るのと同時に、背負っていたリュックから酒瓶を取り出した。
「ふん。流石に手土産ぐらいは用意していたか。」
部屋の中にはテーブルや椅子もないので、そのまま酒瓶を床に置き、その流れで座った。
「まずは、他世界の種族とのトラブルについて聞きたい。」
「人間の娘。肝が据わってるのはいいが、態度には気をつけろよ。」
後ろで、圭の気配がわずかに鋭くなった。
「気を悪くしたのなら謝罪するが、今はただ必要なことを聞いているだけ。」
「・・・まぁ良い。他世界から人間が入ることなど、よくある事だ。」
聞く気をみせるので、まずはこちらの説明に入る。
「現在私が知っている範囲で、いくつかこの世界が関わった話になるが――」
魔法使いが、他種族や魔法使いを攫っていること。
その中でも、相談を受けているエルフと巨人のこと。
それらの話は、カンという男にとっても気になる部分があったのか、口を挟まずに静かに黙って聞いていた。
「他世界を渡れる人間の話を聞いたことがあったが、お前がその人間なのか。」
男の視線は、こちらを下に見る冷ややかなものから、少し好奇の色を滲ませる。
「お前、少し前に天狗に会っていないか?」
「少し前に迷い込んだ。名前は聞いてないが、山の奥に住む天狗に会った。」
その場所は、このエリア内ではあるもののここからは離れている。
鬼と妖怪の世界が交わる場所。
「少し遠いが、同じ天狗同士なので耳にした。なるほど。道理で肝が据わってる。」
「話を戻す。それで、管理しているエリアやその山の方で、そういった話はないだろうか?」
「魔法使いはともかく、エルフが天狗の領域に入れば、ほぼ生き残れないぞ。」
カンが肘掛けから腕を上げ、こちらに体を寄せた。
「魔法使いが攫ってきたかどうかなどは知らんが、魔力の目立つあの生き物は妖怪から見れば、すぐにでも排除したくなるだろう。」
「なぜ?」
「魔力と妖力という別の力ではあるものの、その力は同等だと分かっている。危険に見えるそれを、放っておくわけにもいかないだろう。」
なるほど、エルフは目立つのか。
そして、妖怪からは危険性のある存在として、すぐにでも排除しようとすると。
「だが、そんな話はひとまず聞いてない。」
「他の種族は?」
「我々の領域では、鬼とのトラブルはもともと多い。巨人の話もあるのかもしれんが、そこまでは知らん。」
カンはさもどうでもいいことのように、体を戻し再び肘掛けに肘をかけた。
他の妖怪のことだから、そこまで興味がないのだろう。
「それなら、他の妖怪には自分で聞きに行く。そういう話を知っていそうなところへ、繋げてもらうことは可能だろうか。」
「そういった問題の解決を勝手にするのは構わんが、我々には我々の秩序がある。
外の問題の為に、それを崩すわけにはいかん。自分で何とかするんだな。」
上位妖怪としてエリアを管理するといっても、結局は縦の繋がり優先ということだろう。
世界が違っても、身内の理屈が先に立つなら大差ない。
「分かった。それでは、ひとまずエリア内での探索は許していただきたい。」
「いいだろう。吸血鬼と狐の問題が起きたところで、こちらは手助けはしない。お前もせいぜい食われないようにするんだな。」
カンがそう言うと同時に、再び風が吹く。
すぐに立ち上がると、再び入口の前に立っている。
さっきの入口の天狗と目が合う。
「ひとまず移動しようか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
「はぁ。なんか疲れた。あんた、本当に誰に対しても態度が変わらないのね。」
「うんうん。」
来た道へ戻るように歩き出した。
「変える必要がない。」
「それで怒らせて、食べられたりすることは気にならないわけ?」
カルが私の横に立ち並ぶ。
「言葉遣いや態度で、食べる食べないが決まるとはあまり思ってない。食べる奴は食べるし、食べない奴は食べない。」
だったら、最初から必要以上に相手へ合わせる意味は薄い。
「そう言われるとそんな気もするか。」
「でも、ドキドキする。」
イェも少し困った表情でこちらを覗く。
「カルやイェから見ても、私はただの捕食対象じゃない?」
「あー・・・そういう視点もあるけれど、それが全部じゃない感じ?」
「少し年下の仲間っぽい。」
妖怪は種族の違いを細かく見ている。
けれどそれは、違いを尊重しているというより、自分達の内と外を見分けるための線引きに近い。
だが、カル達の場合はそれが少し緩くなったのか、変化してきているのだろうか。
少し順位は下がるけれど、仲間という見方に含まれているということなら、人間でいうと、守る側と守られる側の中間みたいな位置なのだろうか。
そういう点では、同じ捕食対象として見てくる悪魔よりも付き合えるかもしれない。
「ここから、以前ブライアンやブルースがいた鬼の世界と交わる場所に行きたいけれど、どのくらいかかる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・徒歩だと一ヶ月くらい?」
「まぁ結構離れてるからねぇ。」
「飛ぶ?」
東部エリアとはいえ、地図上でもかなり離れていたからそれくらいかかるか。
「その距離を私が圭に乗って飛んだとして、どのくらい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3時間くらい?」
「もうちょっとかかるかもねー。」
「山ある。」
かなり遠い。
「それだと到着してもすぐ夜になるし、明日の朝に出直そうか。」
どのくらい話ができるかの予想がつかなかったから、次の移動への時間は決めてなかった。
ここから3時間以上の飛行よりも、以前出た鳥居からの移動の方が早いし安全だろう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
「まぁ夜は危ないしね。」
「帰る。」
今回気になったのは、エルフの場合は、妖怪から目立ちやすく、襲われやすいということ。
アーシャの話では、今も行方不明になるエルフが少なからず確認されているということだから、生きて保管されている場所がどこかには存在するはず。
そうなると、カンの話だけにはなるけれど、その保管場所が妖怪の世界ではない可能性も出てくる。
その確認の為にも、もう少し別の種族の話を聞いておきたい。
「……。」
我々には我々の秩序がある、ね。
とはいえ、基本世界の私からすれば、“妖怪”という括りでしかない。
あまりに同じ種族関係を重視するばかりに、逆に動きづらそうに見える。
だが、重視しているものが分かっているなら、そこを外して動けばいいだけ。
違いを細かく見ているようで、結局は自分達の側を優先する。
優先順位の付け方が違うだけで、やっていること自体は人間と大差ない。
だったら、重視している部分に合わせて動けばいい。
話ができる環境が作れる以上は、やり方はいくらでもあるだろう。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




