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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第三章 理解は救いにならない
151/201

答え:禍福は糾える縄の如し

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「颯太は、スズに一目惚れしてここに来たの?」

「そうだよ。目が合った瞬間ピンときたんだ!」


夜、仕事から家に帰って来た。

少年はまだ帰っていなかった。

三階へ様子を見に上がると、和室の方でヒナとヒデ、ウーノ達の中に昨日の少年がいた。


「一瞬でしょ?何がピンと来たの?」

「ふふん。秀人は分かってないな。運命ってものは一瞬で分かるものなんだよ?」

「キュウ?」「キーキ?」「キュキュ?」


確かに一瞬目が合ったことは覚えてるけど、それだけで居場所まで見つけ出した方法が分からない。


「あ!スズー待ってたよー今日は僕と過ごしてくれるかい?」


「…和。」


「あー・・・・。圭も頑張って探してるんだが、やっぱり普通の人間っぽくて、苦戦してる。」


苦い顔をしながら和が台所から現れた。

アリスも台所を手伝っていたらしい。


帰す場所が見つからないか。


「翔太?」

「颯太だよ。覚えてくれると嬉しいなベイビー。」


妙にテンションが高い。

圭みたいだ。


「失礼。颯太。自分で帰れるんだろう?」

「もちろんさ。でも君に折角会えたんだから、思い出の一つや二つ持ち帰らせて欲しいかな?」


このまま気障に育ちそうだ。


「思い出って?」

「そうだねぇ。デートでも良いし、君と過ごす時間のことだよ。」


「平日は忙しい。せめて土日に出直してきてもらえないだろうか?」

「おっと。なるほど、急な予定に困らせてしまったんだね。」


まだ来るのを止める方法が分からない以上は、追い出してもまだ来そうだ。


「そうだね。予定を開けておくから、ひとまず帰って欲しい。」


「・・・おい、スズ。」

「ふーむ。良いだろう。」


颯太が指を一本立てる。


「ただし、帰る前に一つだけお願いを聞いて貰えないかな?」

「何?」


「今日は一緒に寝て欲しいな。」


「「ええぇーー!?」」

「同衾スル!?」

「一緒に寝ル?」

「恋人?」

「キュウ!!」「キーキ?」「キュ!?」


日向達の声が響く。

恋人になった覚えはない。


「スズ!?」

「・・・・はぁ。」


遅れて、アリスと和のため息。


「それで、明日は帰る?」

「いいとも。君からのお願いだからね。週末にまた来直そう!」


数日とはいえ、ここから2日も子供一人をここに置いておくわけにもいかない。

どんな親子関係なのかは知らないけれど、できるだけ早く帰した方が良い。


「分かった。夜にそっちの部屋に行くよ。」

「「スズーーー!!??」」


「あ!分かった!」


アリスが提案するように手を上げた。


「はい。アリスさん!」


日向が返す。


「みんな一緒に寝よ!それでも寝た事になるよね?」

「アリスちゃんそれは、野暮だよ。僕はスズちゃんと二人きりで寝たいんだよぉ。」


「で!でも、颯太君はまだスズに告白してないし、付き合ってもいないでしょ?

そんなちゃんとしないあやふやな関係で、ど・・・同衾するのは不誠実じゃない?」

「・・・っ・・・。」

「ぶふっ。」


何故か隣で和が、苦虫を嚙み潰したような顔をして、イザベルが笑っている。


「おお。アリス。それは正論かも!」

「流石アリスさん!真面目!」


「ふむ。確かにアリスちゃんの言う事も一理あるかぁ。」


颯太が顔に手を当て考える姿勢をする。


「・・・わかったよぉ。じゃあ今日はみんなで寝るってことで良いよ。でもスズちゃんの隣は僕だからね。」

「おお。颯太偉い!」

「意外と大人!」

「キュウ・・・」「キーキ?」「キュ」


これでひとまずは、どうにかなるか。


「まぁ確かに婚前前交渉は良くないよね。」


「っぶふ!」

「ぶはっ!」

「っ・・・!?」

「げほっ!!」

「キュウ!?」「キーキ?」「キュキュ?」

「婚前前交渉?」

「婚前・・・結婚前?」

「交渉?」


ヒナ達は吹き出し大笑い。

アリスは顔が真っ赤。

和には黒い影が見えてきた。


なんというか、言葉選びのせいで昭和のエロ親父に見えてきた。


「っくく・・・あはははは!颯太・・・・凄い!」

「はははははっ!お腹痛い・・・・颯太ある意味カッコいい!」


「あんた何歳よ・・・。」

「ふふん。まぁ色々な世界を冒険してきてるからね。僕の年齢は想像に任せるよ。」


これはしばらく静かにはならなさそうだ。

賑やかな様子を後目に階段を下りた。


夜にみんなと寝るとなれば、ミーティングは前倒しにでも進めておいた方が良いだろう。


地下へ下りると、圭が地下二階の階段の途中でこちらを見上げてきた。


「静かなオルゴールが流れる窓ぎわで、雨音と混ざり時間は流れていく。どのぐらい時間が経ったのだろうか・・・今が朝なのか夜なのかもわからない。

あぁ。どうして何も見つからないのだろう?めくり続ける本の中身はただただ真っ白。

さぁさぁと雨音が混ざる。オルゴールも気が付けば止まってしまったようだ。

静かにページをめくり続けながらも、どこまでも何も浮かんではこない。あぁ。どこに答えはあるのだろうか?」


和が言う通り、探し続けたけれど颯太の正体も詳細も見つからなかったらしい。


「圭がそこまで探して何も見つからないのは、逆に変。」


基本世界の公式情報はもちろんのこと、怪異の世界の調査に関しては大抵のことは圭は調べられる。

調べられないとすれば、秘匿情報など意図して隠されている場合と考えた方が早いだろう。


だけど秘匿情報だとした場合、颯太という存在にあまりにも違和感がある。

それは彼の性格という点ではなく、まず圭が見ても彼は怪異や魔法使いではなく、基本世界の普通の少年にしか見えないこと。


そして、美弥も彼を危険視していないこと。

それが一番引っかかる。


彼女は外部からの混入に関しては、基本世界の人間であっても一定期間は目を離さない。

最近で異例だったのは、神の勘右エ門ぐらいだ。


先輩としてここに住むことになった、今のアリスが来た当初1ヶ月くらいも美弥は常に傍で彼女を見ていた。


「ひとまず、話が通じないわけではないから、問題なければ明日には一度帰るはず。

その時にもしも追えるなら、追跡してみて欲しい。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・了。」


スケジュールに組まれていたミーティングを済ませ、再び三階へ上がるとヒナ達が布団を運んで降りてきた。

一体何人で寝るんだろうか。


夕食と風呂を済ませて、改めて三階へ戻ると、流石にウーノ達の大きいサイズ3匹は部屋で寝る事になったらしい。


ヒナとヒデ、アリスとイザベル。

小さいサイズのクワ・クエ・セイ。

そして、颯太のようだ。


人サイズが、5人分でアリスも颯太も体型は子供なので狭くはなさそうだ。


「スズはここね!」


順番も既に決まっているらしい。

真ん中に入った。


右に颯太、左にアリス。

その両脇にヒナとヒデ。

私の枕元にセイがいるけど、やっぱり寝返りが怖い。


「やっぱり距離って大事だね。君の体温を感じると安心するよ。」

「・・・ぶふっ!颯太。お願いだから寝かせてね。」

「・・・ふふ。なんでそんなに気障に育っちゃったの?」


長く話さずとも、颯太の表情は素直に見える。

意図して仮面を被っている可能性もあるけれど、それならもう少し変な違和感の一つや二つは見つかりそうだ。


「なんだい?そんなに見つめられると興奮してしまうよ。

スズちゃんもようやく僕の魅力に気づいてくれたかい?」

「っふふふ・・・。」

「ぶっつ・・・。」


正面の顔を間近に見ていると…


この顔つき。

目の形。

耳の位置。


「…どこかで、見たことある気がする。」

「スズ!?」

「ぶはっ!!」

「っげほ!スズ?」

「キュウ?」


アリスが後ろから私の寝巻を引っ張るように潜った。


「なんと!スズちゃん。君も僕を運命だと感じてくれるのかい?」


写真でしか見た事は無いけれど、何度も見た。


正面写真。

横顔。

そして、少し前には家族写真でも見た。

いずれも性別は女性ではあったけれど。


「…颯太。苗字は?」

「そういえば名前しか言ってなかったね。僕の名前は山本颯太(やまもと そうた)って言うんだよ。」


その名字を颯太が口にした瞬間。


場の空気は変わる。


予感が、最悪ではない形で当たった。


全員が息をのんだのが分かった。


「…母親の名前は?」

「僕のプライベートが気になるのかい?どうしようかな。先に君の――。」

「亜季子。」


颯太の瞳孔が開いたのが見えた。


「スズは・・・僕のお母さんと知り合いだったのかい?」


颯太が驚きの表情に変えていく。


「会った事はない。怪異の世界に亜季子と暮らしてる?」

「?・・・そうだよ。あとは家族ならたまに、お爺ちゃんが顔を出してくるくらいかな。」


亜季子も宗一郎も、怪異の世界で生きているのか。

想定では魔法使い寄りかと思っていたけれど、亜季子が怪異と人間の混血なら、颯太がほとんど人間にしか見えないのも不思議ではない。


「来週の週末、怪異の世界に行こうと思ってる。その時に、颯太の家にも連れて行って貰えないだろうか?」


「スズは・・・僕の味方?それとも・・・。」


颯太から一段表情が抜ける。


「害するつもりはないよ。ただ話を聞きたいだけ。」

「何か・・・僕の家族のことを知っているんだね・・・。分かった。一度明日帰って聞いてみるよ。」

「お願いできると嬉しい。」


颯太は顔を毛布に沈め。

こちらに身を寄せてきた。


「ただ抱きしめて眠って良い?」

「良いよ。」


その態度は少し前の雰囲気ではなく、年相応の少年に見える。

その奥で、少し困惑した表情の秀人と目が合った。


最近は、予想もつかないことばかり起こる。

それが悪い兆しか、良い巡り合わせかは、今はまだ分からない。


……どちらにしても、進んで確かめるしかなさそうだ。


その選択が、何を連れてくるのかは――まだ分からない。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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