答え:それぞれ前途洋洋に
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
翌日。
ヒナとヒデ、そしてアリスとイザベルに声をかけて車に向かった。
「え?スズも免許持ってるの?」
「一応。ここは車移動がほとんどだから、念のため取ってるよ。」
沖縄の場合、電車がない。
なので移動となれば、車かバス。
一部ではモノレールもあるけれど、免許を持っていた方が何かと楽。
「スズー。今日って誰に会うの?」
「両親だけー?」
「名前気を付けて、池田美優。」
「そ!そうだった・・・。みゆ?」
「みゆー。」
特に日向と秀人には、間違って呼ばれる前に慣れてもらった方が良いだろう。
「そういえば、そんな名前だったね・・・。」
「可愛らしい名前ね。」
アリスは会社で働いていたのだから、苗字は分かっていると思うけれど。
久しぶりの運転でも、東京の道よりもシンプルなので特に問題は無さそう。
「多分家には、母親と妹がいるはず。あといるとすれば父親。」
「ス・・・じゃない美優、妹いるの?!」
アリスが、後ろから乗り出してきた。
「兄と妹。」
「両方いるのね。名前以外に、気をつけないといけないことは無いの?
日向達は特に、何を言うか分からないわよ?」
「し!失礼なー!変なことは聞かないよ!」
「そうだそうだ!小さい頃どんなでしたか?とか?」
そういえば。
「後は作ってるから性格が違う。会社の性格と同じ。」
「え?日向と秀人みたいな明るい性格ってこと?」
楽なのは、そのまま対応することであるけど、スムーズなコミュニケーションを取るとなると、どうしてもこの性格は何を考えているか分からないと言われる。
「そうなんだ!!じゃあスズ今から慣れる為にも変えとこうよー。」
「…なんで?」
面倒。
「私達が慣れないといけないでしょ!?」
「そうだねー。いきなり性格変わったら対応に困るよね。」
言ってることは分かる。
それでも、正直面倒…
バックミラーに映る、アリスからも少し期待する表情が見える。
以前よりも遠慮のないその視線に、少しだけ安心する。
「…はぁ。分かった。」
「やった!!」
「わーい!」
とはいえ、到着までは、まだ時間がかかる。
母親も父親もいたって普通の会社員。
昔は生まれ変わる度に、出生からの約7年~10年間は、両親のもとで普通に暮らすことが多かった。
その前に下手に行方不明となってしまうと、どうしても後から面倒なことが出てきてしまう。
だが、数百年前から徐々に、小学校・中学校・高校と学生期間が延び始め、働くことができる年齢が上がっていった。
おかげで、今回も18年間はこの地で過ごし、数年前にやっと就職をきっかけに東京を出るという形になった。
まぁ、もっと昔の”女は家にいるもの”と扱われる時代に比べれば、それでもだいぶ楽ではあるけれど。
なので、しばらく帰ってないとはいえ、別れたのがそもそも最近のこと。
もう数年は、仕事が忙しいと誤魔化そうかと思っていたけれど、アリスのこともあったし良い機会ではあるだろう。
生まれる場所は、大抵、前に死んだ場所に近い。
前回は魔法世界で死んでしまったから、海外で生まれる可能性もあったが、一番南とはいえ日本で生まれた。
だから、フィーが今どこで生まれているのかは、まだ予想もつかない。
高速道路も使いながら、2時間ほどしたところで到着。
住宅街の中にある、いたって普通のマンション。
「おかえりー・・・ええ?友達と一緒に来るって聞いたけれど、可愛らしい子達だね。」
母親が出迎えてくれた。
その奥から、妹が顔を出す。
用意していたお土産を渡して、リビングに入る。
「沖縄に帰省するって言ったら、行ってみたいって言うからー。」
「そうなんです!初めましてー日向と言います!」
「初めまして!僕は秀人です!」
「私は、アリスと言います。」
「そうなんだー。狭い家ですけど、どうぞどうぞ。」
母親は気さくな性格だから、驚きはしたけれど、特に困った様子もなく楽しそうにしている。
妹は少し緊張しているようだけど、大丈夫だろう。
「お昼ご飯作ったけど食べる?」
「うん。こっちは妹の美鈴。」
「美鈴ちゃん!よろしくー!」
「お邪魔しますー。」
「大勢でごめんね。」
「・・・こんにちは。」
テーブルでは椅子が足りないので、リビングの床に座って食事となった。
三人共きょろきょろとしながら、母親に色々質問をしている。
妹は少し人見知りながらも、話したそうにしているところを、アリスが声をかけにいったりとしているうちに、慣れてきた様子。
アリスは、以前のように勢いのまま距離を詰めるのではなく、相手の返事を待ちながら言葉を選んでいるようにも見えた。
「この子ったら何でも無難にこなしちゃうから、あんまり心配することが無いのよねー。」
「分かりますー。」
「ですよねー。」
変に失敗しようとする方が面倒くさい。
今日は、父親はいないようだ。
それでも、こうして元気そうに暮らしているのを見られただけで十分だった。
家族の形は、一つじゃない。
時代による違いもあるけれど、子供に対しての対応などは人それぞれ。
今回の両親は、相手が子供であろうとしっかり聞く姿勢や理解を示してくれるので、過ごしやすかった。
「すぐ帰るの?」
「週明けから出社する予定だからねー。」
「まったく、もう少し顔を出しなさい。」
「はーい。」
昼食を片付けながら、母親と台所で並ぶ。
リビングでは、妹とヒナ達が喋っている声が聞こえる。
イザベルと遊んでいるようだ。
「もしかしていい人でも見つけたとか?」
この人も、こういうところはヒナ達と同じ。
というか、女性は特にそういうことを話のネタにしたいのだろう。
「うーん。どうかな?そこまで考えてないよー。まだ仕事に慣れる方が大変かな?」
「まぁ確かに、まだ入社してそんなに経ってないもんね。」
「そうそう。それどころじゃないよ。」
今の時代、結婚も自由なのはとても助かる。
そんなこんなとしばらく過ごして、母親からはまた来るように何度も言われながら、家を出た。
「すっごく普通だったー。」
「確かに。良い人だったねー。」
車に乗り込むと同時に、ヒナ達が喋り出す。
帰りも同じく2時間くらいかかるだろうから、夕食前のタイミングで合流できるだろうか。
一応和に、連絡を入れておく。
「美鈴ちゃんも可愛かったー。」
「美鈴ちゃんより小さいアリスが可愛い可愛いって言うから、困ってたけどねー。」
「え!?そうかな?」
妹も家を出る時期は、反抗期が何故か母親ではなく私に向いていて、話す機会が少なかったから、今回もあまり話しかけなかったけれど、アリス達と仲良げで良かった。
「でもできる姉を持つと、妹は大変だよねー。秀人も大変?」
「・・・え?日向が”できる姉”って意味?」
「何よ!そうでしょー。」
「でも、喜んでたね。」
家族というモノを、つい一歩後ろから見てしまう事が多い。
実際に自分の家族だというのに、他の家族を見る視線と自分の家族を見る視線は同じになってしまう。
今回、和やヒナ達と暮らすようになって、過去の家族達とどうやって過ごしていたかを思い出しながら、参考にしていた。
でも、子供という立ち位置はあれど、私には親としての立ち位置を経験することはできない。
なので、やっぱり未だにそういう点で、分かっていない目線というのも多くあるのだろう。
相手の行き先を止めずに、それでも見失わずにいること。
そういう在り方もまた、家族の一つなのかもしれない。
そして、そういう視点を見なければ、あの時イヴやフィーに言うべき言葉は見つけられないのかもしれない。
「お?おかえりー!」
荷物を置いて、和と尚弥の部屋へ行くと和は寝ていて、ナオはまだ飲んでいた。
窓際で一人、いくつかの缶が空いているのが見える。
「道理で、和からは返事がこないわけだ。」
「へへー、悪いね。付き合ってくれたからね。」
酔って寝てしまっている。
これはなかなか起きなさそう。
「お邪魔しまーす。」
「入りましたー。」
「あれ?和さん寝てる?」
ひとまず部屋に来て欲しいとナオから返事があったから、アリス達もやってきた。
「ありゃー?これはぐっすりですね?」
「おーいー。和ー?」
「無理に起こさなくても良いんじゃない?」
「あはは。もうちょっとしたら起こそうか。どうだった?」
尚弥がそう言うや否や、ヒナ達とアリス達はわいわいと今日の感想を言い始める。
「へーまぁでも、そりゃあそうだよね。普通じゃないって方が気になるよ。」
「まぁ確かにそうなんだけどー。」
「でも美優って呼ぶの楽しかった!」
和のベッドや尚弥のベッドに、それぞれ腰を掛ける。
イザベルは妹に遊ばれてたからか、少し疲れて見える。
しばらく話していれば、ヒナ達の大声で和が頭を押さえながら起きてきたので夕食へ向かった。
「一応明日は朝一で帰る予定だから、寝坊しないように。」
「えーあっという間ー。」
「早いよぉ。あ!でももう少し圭達のお土産買いたい。」
「そうだね。どっか寄ろうか。まぁまた来ればいい。」
所々立ち寄ったりはしたけれど、まだ物足りないようだ。
まぁ魔法世界といい、色々と行く機会のある場所も多い。
たまに時間を調整すれば、この先もいくらでも出かける機会はあるだろう。
夕食と風呂を済ませ、普段ならミーティングや資料整理などをしている時間になると、なんとなくやる事がなくラウンジへ入った。
「モスコミュールを。」
バーテンダーに伝え、カウンターに座る。
カウンターの正面に見える窓の景色は真っ暗。
正面は海なので、街の光がみえることもない。
それでもよく見れば、天気が良いので星が見える。
カクテルを受け取り、テラスへ出た。
やや肌寒い風が頬を撫でる。
南国とはいえ、まだ3月上旬。
夜はまだ気温が低い。
観察担当の死神。
ガルシアが連れて来てから数日が経過したけれど、必要に応じて時々姿を現しているが、日中過ごしている時は影の中。
風呂や寝室に入る時等は、隣室でちゃんと過ごしている様子。
アリスがたまに気にしている時があるのは、仕方がない。
でもあまりにストレスになりそうであれば、もう少し時間制限をかける提案も検討しているけど、向こうも比較的空気をよんでいるのか、今の所は目立った動きはない。
調査部に多い、生者を下に見る態度や侮蔑するような様子もない。
ひとまずは、このまま様子を見てもいいだろう。
「…思ったより寒いな。湯冷めしないか?」
「眠れなくなった?」
和がいつの間にか、テラスに入ってきていたようだ。
「まぁ…」
振り返れば、室内のカウンターに座るナオと目が合った。
「明日も運転を頼むから、これ以上は飲まないように。」
「分かってるよ。」
酒が弱い人間は、抜けるのも遅い。
「それにしても同じ日本って感じがしないな。星の数が全然違う。」
「街の明かりも少ないから、見えやすいだろうね。」
星空も時間の流れで変わっているとは知っているけれど、記憶の中から探しても比べる事はできない。
「アリスさん楽しそうで良かったな。」
「今回も、色々と面倒をかけた。」
「無事に仲直りもできたみたいだって、日向達も喜んでたよ。」
「心配かけたね。」
一ヶ月前に、私に質問しに来た彼女は、視線を置く場所が見つからず、まるで迷子の子供のように見えた。
だが、数日前。
前よりも多い人数での会議室の中で、全ての視線も集中していた。
それでも質問に答える彼女の眼には、迷う様子はみられなかった。
理解を止めず、答えを探し続けた彼女なら、きっとこの先に何があっても、自分の答えを見つけ出し続けられる。
もちろん裏付け理由なんてものはないことだけれど、そう思えた。
「お前は、そうやって見守ることに徹する。」
「それがある意味、こうして生きている私の役割にも思える。」
少し前にフィフに言った言葉を思い出す。
–何もしないままただ見ているだけで過ごすことに、何の意味がある?
–どうしたって終わらないのに、意味もなく生き続けることに、何の意味がある?
結局は、ただの自己満足ということ。
「お前の生き方を否定するつもりはない。」
「けど?」
星空から和へと視線を下ろす。
「思い出で終わる気もない。」
「…難しいよ。」
少しだけ、言葉が遅れた。
思い出で終わらない。
それは、私達以外で成り立つ存在をまだ知らない。
もしかしたら、クラーレンあたりは近い存在になっているのかもしれないが、唯一いるとすれば神ぐらい。
「分かってる。でも、お前の言葉をずっと考え続けてた。」
「…記憶は持っていたい。それだけは許して欲しい。」
あの時の言葉を再び口にする。
「それが、お前にとって精一杯の言葉なんだろうなって思ったらさ・・・。」
和の視線が揺れる。
でも、その眼はアリスと同じに見える。
自分の答えをもっている。
「俺は勝手に悲しくなったし、それは何か違うって思ったし・・・なにより、めっちゃ嫌だ。」
返す言葉が見つからなかった。
和が言う先は、未だに誰も見つけられないもの。
「…クラーレンみたいになられるのは嫌。」
あの男のような生き方を、ブルース・フォーラスが歩んでいるのは全く気にならない。
だけど、和は違う。
「それは俺も同意する。あれは嫌だ。あと妖精とか精霊とかそういう形も望んでない。」
「でも、その先を探すと?」
「それが俺の目標。」
手放せない私が言う権利はないのだろうけれど、それこそ沢山の研究者や科学者が時間をかけても未だ見つけられていない。
魔法使いとして、いくらでも選択肢のある和が…
「お前の言いたいことは、分かってる。でも、これが俺の選択だ。」
「辛辣だな。」
アリスの選択肢を守ろうとする私に対して、その言葉は刺さった。
「結構悩んだからな。」
「…時間をあげない方が良かった。」
「もう遅いな。」
アリスやフィフを泣かして、最後に溜息をつく姿を何度も見てきたけれど、確かにこっち側になれば溜息の一つもつきたくなる。
「…そうは言っても、手伝えることはないよ。私にも分からない。」
「おう。」
スッキリした笑顔を向けてくる。
「…それでも良いなら、無理のない範囲で好きにすればいいよ。」
「良し!ありがとう。」
珍しく嬉しそうな表情を隠しもしない。
そしてナオの方に合図を送っている。
昼間から二人で酒を飲んで、何を話しているかと思えば…
「なんだ。意外とすんなりじゃん。」
ナオがテラスに出てきた。
「まったくの予想外ではないし、私には下手に反対もできないのだから、ナオも予想通りだろう。」
「まぁね。でも、和がずーーーーっとうじうじ悩んでるのを聞かされる身にもなってよ。」
「・・・それは悪かった。」
前途多難にもほどがある。
それでも、和はもう自分の足でそこへ向かうつもりなのだろう。
……本当に、目が離せない。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




