答え:蟻の思いは天に届くと信じてる
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
青い森。
足元をざわざわ喋る草花。
視線を送る木々。
今にも消えそうな、最後の灯火みたいな黄色い光。
そのあとを、黒いモノが追っている。
黒いモノの足元では、相変わらず小さな光が舞い踊っている。
黒いモノは、時折それを見つめる。
黄色い光は、黒いモノの周りを漂いながら、行き先を伝えようとしている。
急かさず、見失わないように、何度でも前へ戻ってくる。
黄色い光は先へ出る。
離れすぎると戻ってくる。
黒いモノの周りを一度まわり、また前へ進む。
途中途中で、花や木々が何かを語りかけてくる。
それでも、黄色い光も黒いモノも歩みを止めない。
青い森の先は見えない。
黒いモノは、重い影を引きずるみたいに、どこまでものそのそと進んでいく。
黒いモノの中央で、再び何かが揺れる。
黄色い光は、その中央の揺れを気にしながらも、離れずに進み続ける。
青い森は、沈むように深い色へ変わっていく。
まるで光の届かない海の底へ近づくみたいに。
その中で、黄色い光と足元に漂う光。
黒いモノは、黄色い光を追いかける。
花々の声が聞こえなくなっていく。
木々の声が低く変わっていく。
–この先は行ってはいけない
–この先は行ってはいけない
–この先は行ってはいけない
黄色い光と黒いモノは、進み続ける。
–この先は行ってはいけない
足元の光が徐々に、地面に沈んでいく。
–この先は行ってはいけない
青い森は黒い森へと変わっていく。
–この先は行ってはいけない
深海の森の中で、黒い姿は見えなくなった。
黄色い光だけが、かろうじてその輪郭を照らしながら漂っている。
名も思い出されないものたちが、静かに沈んでいる。
輪郭はぼやけ、形すら忘れられていく。
–この先は・・・
木々の声が、途切れた。
真っ暗な暗闇。
唯一、黄色い光。
黒は見えない。
それでも、黄色い光は進み続ける。
見えない黒も、そのどこかにいるらしい。
黄色い光も、僅かな光を残して弱くなっていく。
一生懸命、チカチカと力を入れるが、光は薄れていく。
ぼんやりとした光は、静かに薄くなっていく。
徐々に
光は――弱く瞬く。
まるで、何かを伝えようとしている。
–もう・・すこし・・
–・・・す・・ず
――全て、消えた。
暗い。
けれど落ちていく瞬間、確かに何かが触れた気がした。
ひどく必死な、誰かの気配。
手だったのか、声だったのか、それすら思い出せない。
思い出されない。
暗い。
何も見えない。
何も聞こえない。
何も、覚えられていない。
それでも、何かは前へ進んでいる。
どこへ進んでいるのだろうか。
暗い。
もしかしたら、止まってしまったかもしれない。
黄色い光はもうない。
進む道が分からない。
黒いモノは、もう動いていないのかもしれない。
ただ、暗闇の中で立ち尽くしているだけなのかもしれない。
暗い。
何も見えない。
何も聞こえない。
暗い。
――ふと
線が差す。
上の方から、細い細い白い線。
一度だけではない。
途切れては差し、消えてはまた差してくる。
何度も、何度も。
呼びかけるみたいに。
消えても、また差してくる。
呼び続ける白い線の下に、何かが現れた。
黒いモノがその線の下に立っている。
白い線の下で動かない。
白い線がもう一本。
そしてもう一本。
四本。
五本。
・
・
増えていく。
黒の輪郭が見えてくる。
立ち止まり、白い線を見上げている。
白い線は、どんどん増えていく。
やがてそれは、雨のように上から下へ降ってきた。
どこかの屋根の影や、知らない街の輪郭が一瞬だけ浮かんで消える。
木が一本、二本と現れる。
地面も、どんどん姿を見せはじめる。
黒いモノは、最初の線の下から上を見上げる。
白い光の雨は、地面を波打つ。
動かない。
黒い森の中で、光の雨が降り続ける。
黒いモノは、何かを探すように周りを見渡す。
立ち止まり、探す。
戻る道ではなく、進める道を。
生きたまま進める方を。
白い雨の下。
立ち止まっている。
その中央で、何かが揺れる。
ゆっくり黒い足のようなものを前に出した。
そして、ゆっくりと反対側も前に出す。
どこかへ進み始めた。
黒い森の中で、光の雨が降り続ける。
何かが、見ている。
前に進む。
黒い森は、何かを言っている。
黒いモノは、下を見ながら進んでいく。
黒い森は笑っている。
進んでいく。
森はまだ、笑っている。
黒い森を――抜ける。
もう、戻らずに。
白い光が霧のように晴れていく。
黒いモノの正面には、大きな空とどこまでも続いている大地。
立ち止まる。
大きな青い空には、点々と白い光が瞬いている。
その白い光の一つが、空を流れる。
黒いモノは後ろを振り返る。
何かを、探している。
森は何も言わない。
黒いモノは森を見つめている。
中央で、何かが揺れる。
黒いモノは、森から目を離した。
空を見上げる。
再びゆっくりと進み始める。
空では時々、白い光が流れる。
広い大地は、どこまでもどこまでも続いている。
森の中よりもゆっくりと、とぼとぼと進んでいく。
とぼとぼ、森はまだ後ろに見える。
とぼとぼ、森はまだ黒いモノを見ている。
もう一度、後ろを振り返る。
森は何も言わない。
黒いモノは、もと来た方へ足を向ける。
戻ろうとする。
けれど、進まない。
もう一度振り返る。
今度は大地の方へ足を向ける。
それでも、まだ進まない。
立ち止まった。
スッと黒いモノの正面に、光が差す。
暗い空と大地の間から、強い光が差し込む。
強い光は、徐々に大地と空を輝かせる。
行き止まりではなく、まだ続く道がそこにあった。
黒いモノは大地の方へ進み始める。
森は、寂しそうに離れていくそれを見つめている。
振り返らず、進み続ける。
強い光は空や大地の色を変えていく。
風が吹いた。
大地の草木がゆらゆらと踊る。
進み続ける。
森は、遠くなっていく。
大地はどこまでも続いていく。
空はだんだん白く輝いていく。
――空に、ガラスみたいなひびが走った。
パキパキというように、空のヒビは広がっていく。
広い空にどんどん広がっていくヒビ。
黒いモノは進み続ける。
ヒビが割れた。
空から破片がパラパラと落ちてくる。
割れた空の向こうに、見たことのない街の色が一瞬だけ覗く。
そのさらに向こうには、何事もなかったように別の空が続いていた。
破片は空から落ちながら、砕かれていく。
地面に届くまでに、粉のように小さく小さく砕かれていく。
粉はキラキラと光に照らされながら、散らばっていく。
黒いモノは進み続ける。
空は再び同じ表情で、輝く。
大地はどこまでも続いていく。
もう後ろに森は、見えない。
前も後ろも広い大地だけ。
光は明るさを増していく。
黒い姿は大地の中で、その姿がハッキリしていく。
頭の様なモノ。
手足のように伸びているモノ。
その中央で何かが揺れている。
風がささやく
–わすれないで
土がつぶやく
–ここにいるよ
草がぼやく
–ずっとずっと
進み続ける。
ひそひそ
もごもご
さわさわ
小さなつぶやきは、少しずつ数を増していく。
ざわざわと大きく、大地を広がっていく。
黒いモノは、その囁きを確かに聞いている。
–わすれないで
忘れないよ。
–ここにいるよ
もう知ったよ。
–ずっとずっと
…知らなかった。
きっと連れては行けないけれど、もう分かったから。
遠すぎて、忘れたつもりになっていた。
関係ないと、放っておいたつもりだった。
でももう、忘れないから。
もう分かったから。
黒いモノの輪郭が、少しずつ形を取り戻していく。
揺れていた中心に、言葉が戻る。
あぁ――これは私の右手だ。
左手。
右足。
左足。
黒かった手足が、色を取り戻していく。
その足で、続いていく大地を進む。
この先へ行かないといけない。
また、ここへ来るかもしれないけれど、今は戻らないといけない。
ポケットの中でスマホが震えている。
ずっと震えている。
一度止まって、また震える。
止まらない。
通知。
着信。
メッセージ。
また着信。
きっと沢山の連絡が来ている。
呼ばれている。
だから――戻らないといけない。
でも、忘れない。
ここにいるモノのこと。
知っていたはずなのに、忘れてしまっていたモノのこと。
そして、きっといつか私はまた、ここへ戻ってくる。
「鈴。」
うん。
声だけで分かった。
ずっと隣にいた光だと、今さらみたいに分かった。
「なぁ鈴。お別れだ。多分もう戻ってこれない。」
そうだね。お別れだ。
君がいたから、前に進めた。
君がいたから、ここまで来られた。
今まで、気付かなかった。
ごめんなさい。
最初の出会いは、お互い散々だった。
最後も、君にとっては、酷いものだろう。
それでも、会いに来てくれたのか、偶然なのかどっちでもいい。
また会えて、良かったと思ってる。
今さら遅いって笑われるかもしれないけれど…
生まれてきてくれて、ありがとう。
光の中へ進んでいく。
最初の名前は無いけれど…
世界が忘れても、私はもう思い出したから。
――アラン
白い光で目がくらむ。
前が見えないまま、足を進め続ける。
白い白いあの場所へ。
今は、少し。
嫌いじゃないと思えるかもしれない。
扉が開いたような気がした。
向こう側から、現実の空気が静かに流れ込んでくる。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




