答え:地を易うれば、皆然る事が多すぎる
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「ミランダ。」
「は?!急に来るなんて聞いてないけど?」
「ついでだから、ちょっと寄ったらミランダが出てきた。」
フィーのいた世界から帰って、バースを相談所に戻した後。
元々、今日予定があった魔法使いの500年代層へ顔を出すために、魔法世界を回っていた。
一応その内の一人に、和が嫌がっているブラン・アーケンもいたが、アルフ爺の魔法と生臭坊主の神様の加護もあるから、前回同様に何事もなく調整した30分間が過ぎた。
そして、その次の予定に入っていた魔法使いが、もともと魔法省に行く予定だったというから、魔法省の外にある近場の喫茶店でさっきまで話をしていた。
そのついでに魔法省へ立ち入り、外交部の周辺を歩けばミランダがいるかもしれないと思った。
なんとなく立ち寄ってみたところ、すぐに本人が出てきた。
「あぁ。聞いてるわ。本当に色々手回ししてるみたいね。」
「そうそう。面倒事になりそうな場合は、すぐに手を引いてるから、あんまり数は多くないけど、無いよりはいいだろう。」
今でも稀に相談所に、面倒な魔法使いが来る。
そして前よりもカイル・ヴィンセントがいる事を、事前に知っていることも多い。
なので、下手な敵対行動はしてこない代わりに客という形で、面倒な事を言ってくるとヒナ達が先日も愚痴っていた。
こういった面倒事が、再びフォーラスの誰かの襲来などとタイミングが被ろうものなら、面倒な事この上ない。
解決するべき優先順位としては高くないとはいえ、少しでも早く落ち着いてほしい事の一つではある。
「えぇ。おかげで進められる部分も増えてきたと思ってるわ。その辺で少し話しましょ。」
魔法省内の廊下の途中にある、休憩所に立ち寄る。
「イザベルから少し聞いたけど、アリス・フォーラスは完全に魔法使いのフォーラス家として扱って良いのかしら?」
売店でコーヒーを購入して、ミランダが帰ってきた。
「そうだね。そればかりはどうしようも無い。魂は元々彼女のものだったし、今や肉体も彼女本人のものだから、死亡時の37歳と扱うのはどうかと思うけど、魔法使いアリス・フォーラスには違いない。」
「・・・一応は先に通してある書類上は、被害者扱いにしてるけど。言い訳が減るわね。」
フォーラス家の完全な関係者、という意味では、確かに彼女がその一員だと見られてしまう可能性は高い。
だが、基本世界の人間とは扱えない。
残念ながら、魔法世界の人間ということになる。
「分かってる。でも、公式ではフォーラス家は消滅したって事にしているなら、生き残りの彼女一人が残っているのも、公表するとおかしな話になるだろう?」
「…見た目はね。」
「アリス・フォーラスはフォーラス家とはいえ被害者。それなら、仮に最後の生き残りだとしても、当時のフォーラス家として扱うことも家に帰す事も、どうだろうか?」
「・・・どこか当てはあるの?」
じゃあ、彼女をどこへ帰すのかということ。
「魔法省所属にするつもりはない。
あくまで保護対象として、どこか身元のはっきりした家に置く方がいいと思ってる。」
つまり、現実的にも信頼できる場所が必要になる。
「爺やエリーザも考えたけど、流石にまだ100歳にも満たない、彼女の面倒をお願いするのは年齢的に難しい。
今声かけて回ってる500年代層も、候補にはしづらい。そうなると・・・。」
「・・・・」
ここはハッキリ言っても良いのだけれど。
ちゃんとした話なので、下手にミランダを怒らせたくはない。
多少、言葉を選んでみる。
「彼女はイザベルとも、相性は良さそうだ。」
「はぁ・・・。」
ミランダも予想がついていたのだろう。
「既に私の子供達は年齢的に大きいから、子供が一人増えたところで困りはしないけど・・・そもそもあの子は、それでいいの?」
「まだ何も言ってない。彼女には今はまだ死神側の問題の方が、大きいだろうから。
ただ、最終的には本人に選ばせるつもりだよ。」
可決案の正式な書類がどのぐらいで来るか分からないけれど、その内容をちゃんと確認してから改めて、彼女とは今後に向けた話をした方が良いと思ってる。
「そっちも今日は朝から、イザベルが愚痴を言っていたわよ。」
「…まぁそうだろうね。彼女を今、中途半端にしてしまってる。」
「・・・まぁいいわ。本当に彼女の意思を確認して、それでも問題ないのなら、うちで引き取っても良いわ。」
「ありがとう。助かる。」
ミランダは話が早くて助かる。
本人には言わなかったが、最初から頼むなら彼女だと決めていた。
現在も現役であることや、イザベルを見ていても、彼女が母親としてしっかりしている事は明白。
私からは本日確認した山本梓の魂について。
ミランダからは、フォーラス家を知っている一部の人間が、少し離れた場所に住んでいる事を聞いたので、その情報や住所を確認しておく。
「また、連絡する。」
「えぇ。ちゃんと来る前に連絡しなさい。」
休憩場を出て来た廊下に戻り、オープンフロアでミランダと別れた。
時間経過が基本世界の倍の早さなので、500年代層に会ってミランダと話して既に数時間が経っている。
そうなると基本世界の時間も、夕方に差しかかる頃だろう。
帰ろうか。
このまま帰る為に検問所から帰るとなると、基本世界側に出る検問所の外からは、相談所までの距離が遠い。
自分の通路から帰るか。
街中を歩きだし、念の為に残している魔法世界にある自分の家へと向かう。
「あ!!!」
あ?
「お前!!探したんだぞ!!」
「あぁ。久しぶり。元気そうだね。」
歩いていた歩道の反対側から大きな声がしたと思ったら、こっちに向かって魔法使いが走って来た。
アイザック・トルストイ。
先月に奴隷になっている所を見つけ、父親が殺された件で相談を受けていた魔法使いの子供。
出会った当初は奴隷だったこともあり、痩せて怪我もありぼろぼろだったが、今は元気な普通の少年。
「久しぶり!じゃねぇよ!!俺からはお前のところに行く方法がねぇから、どうすればいいか分からなかったんだよ!」
「そりゃそうだ。」
本来は交渉人や外交官など、一部の役職の魔法使いしか、基本世界に行く権利も方法もない。
「っていうかお前、目どうしたんだよ?」
「あぁ。ちょっとね。アイザックこそ家から、この街ではだいぶ遠いと思うけど?」
「俺は今こっちにいる親戚のところで、働かせてもらってるんだ。稼がねぇといけねぇだろ?」
確かに場所としては、田舎寄りにあるアイザックの家の地域では、未経験でできる仕事を探すのは難しいだろう。
そう言う理由で都会に出てくる若者が多いのは、魔法世界も基本世界も同じということだな。
「偉いね。まぁ引き続き、無理なく頑張り給え。」
「おいおいおい!じゃあこれで!・・・じゃねぇ!勝手に終わろうとするんじゃねぇ。」
手を上げて別れようとすると、止められる。
「・・・雇わない。」
「な!なんで分かった!」
「いや分かるよ。」
前回、どんな話で終わったと思ってるんだ。
「くっ・・・。っていうかお前はここで何してんだよ?」
「帰るところ。この先に家を借りている。」
「は?お前こっちに住んでんのか?」
「違うよ。」
下手な説明をすると、そのまま後ろをついてきそうだった。
「先に言っとくけど、ついてきても無駄。」
「な!なんでだよー!」
「だいたい、さっき親戚のところで、働かせてもらってるって言っただろう?そんな気易く辞めていいものではないだろう。」
「・・・そ、そうだけど」
「家族にも言わずに、勝手をするのも良くない。
ちゃんとそういう事を、全部自分で責任が取れるようになった上で、前にも言った通り危ない場所だから、自分の身は自分で守れるようになってからだ。それからなら話を聞いてやる。」
「・・・全然すぐじゃねぇ。」
そりゃそうだ。
「誰でも来れば入れる場所じゃない。
お前が困ってたから助けたのと、受け入れるかどうかは別の話だ。」
アイザックは、まだ若すぎる。
火の近くに寄れば、熱さより先に光に目を奪われる年頃だ。
「今度、改めて日向達と遊びに来るよ。まずは今できる事をしっかりやれ。じゃあな。」
借りている家に向かって、枝分かれの道を曲がる。
「・・・また!会えるんだな!」
「和がお前の家の連絡先を知ってるからな。」
「分かった!またな!」
一応は、納得してもらえたようだ。
日向達もアイザックとはまた会いたそうにしていたし、次に会った時にでも個別の連絡先を交換すればいいだろう。
実際の相談所の危険さも大変さも、その方が日向達から自然に伝わる。
それでも本当に来たいというなら、その時に考えればいい。
–カチャ
「・・・」
町はずれにある、小さな借家。
この家には、基本的に魔法がかかっていない。
私にとってはそれが当たり前なのだけど、この世界ではそうではない。
だから、本来長期外出する場合の魔法使いの家は、埃が被らないようにする為に、清掃用の魔法がかかっている。
だが、この家は埃だらけの筈…だった。
それが、なぜか魔法使いにとっての“普通の状態”だった。
――埃一つない綺麗な家。
それは留守の気配ではなく、手の入った静けさだった。
魔法使いからしたら、気が付かれないようにしたのだろうけど、こちらからは逆に気が付く理由でしかない。
しかし設置魔法などが仕掛けてあったところで、私にはそれを探知する方法は今はない。
これは入らずに出てしまった方が本来は安全なのだが、魔法世界の私の拠点を知っている人は少ない。
特にここは長く滞在していた時に、使っていた昔からの拠点ではなく、一時的に仕方なく戻る事になった時に急遽用意した場所。
この場所を、確実に知っているのは、まずはフィー。
そして、それによって知っているフォーラス家。
それ以外は、誰が知っているのか知らない。
なんなら和や日向達ですら、この場所は知らない。
つまり、高い確率でここに入ったのは、フォーラス家の関係者か、そこから場所を知ったクラーレンあたりだ。
「・・・」
もしもそうだとすれば、この家の中に入った途端に、どこかへ転移させられる可能性がある。
今この状況で、悪魔の世界などに飛ばされてしまうのは勘弁願いたいが、それは前回のフォーラス家を探索した時の地下同様に、別世界への転移の場合は回避できる。
そうすると、転移されたとしても魔法世界内。
罠が攻撃系だったとしても、同じく爺達の防護がある。
だが、アディール・クラーレンについては、何をしてくるのか予測がつかない。
再び呪いを仕掛けられるのは困るが、一応、対応方法は多少分かっている。
リスクは残る。
だが、ここを捨て置けば相手の意図を一つも拾えない。
今は、その方が後で面倒になる。
–ギシ
–パシィィ!
前回の地下と同じ、別世界への転移を拒む反応が走る。
やはり別世界への転移罠だったのだろうか。
ということは、罠を仕掛けたのはフォーラス家側。
そのまま、綺麗な家の中を探索する。
この家は最近用意したことと、その後すぐにフォーラス家に連れ去られてしまったので、家具も物もほとんどない。
寝室のベッドの上に手紙?
見覚えはない。
–ペラ
「・・・」
そこに書かれていたのは、たった二行だけだった。
日付と時間。
5日後・・・
手紙は読み終えると燃えはじめる。
床に手放し、灰になるのを見送る。
「!」
振り返る。
一瞬。
視線を感じたと思ったが、扉は入った時のまま半開きで、そこに人影はない。
廊下も確認するが、気配は感じられない。
敵意というより、確認するような視線だった。
だからこそ余計に気味が悪い。
「…帰るか」
相談所の地下へ戻り、いくつかミーティングを済ませた頃には、日付が変わっていた。
風呂を済ませて三階へ降りると、一人分の夕食が置いてあった。
言葉の代わりに、湯気だけが待っていた。
「いただ・・・こんばんは。」
早速食べようとしたテーブルに、イザベルが乗って来た。
「・・・・ふん。」
「アリスの事はお願い。」
「分かってるわよ!」
言いたいことがある事は、その態度からも明らか。
わざわざ寝室を抜け出して、待っていたのだろうか。
「何あんた。まだ雑炊なの?」
「この時間は。美味しいよ。」
「あっそ。で?」
夜が遅い食事になる場合は、和は軽いメニューにしてくれることが多い。
あまり重たいモノだと食べきれないから、助かる。
イザベルの様子では、あんまり本題からずらす話をすると、怒鳴ってしまいそうだ。
そうするとアリスの寝ている4階にも響いてしまう。
「事情がある。今はアリスに言えることがない。
だから、当分は会わないようにするつもりだ。その間も彼女のことは頼む。」
「・・・今すぐは言えないってどういう事よ?」
「今すぐ説明した時に、彼女が希望する事や行動によっては、結果的に彼女によって不利益になる可能性が高い。
それに、今のあの子は自分の事となると正直すぎる。知った上で動けば、多分隠しきれない。」
「・・・だから今は言えないのね。ならいつなら言えるのよ。」
「死神側の問題だから、正確には分からないけど1週間ぐらい?」
流石に、1週間も黙って待つ訳ではないけど…
「分かったわ。でもちゃんと謝ってあげて。泣かせたんだから。」
「…分かってる。でも、イザベル達がいるから安心できるんだ、ありがとう。」
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




