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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第三章 理解は救いにならない
104/121

疑問:立場の違い?考え方の違い?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「あ!アリスーどっか行ってたの?」

「おかえりなさーい?」

「キュウ」「キーキ」「キュキュ」


リュースさんと話した後、しばらくして相談所に戻ってくると、庭では和さんと日向と秀人とウーノ達が揃っていた。


「ただいまー。ちょっと外に出てたの。」


リュースさんと話したことは、わざわざみんなに言わなくてもいいよね?


・・・多分。


日向と秀人は家庭菜園の方で、今日も収穫したり、水をあげたりしているみたい。

そしてその隣で、和さんはハウやデンの為に、お昼ご飯のお肉を焼いてる。


あれ?

一番大きいバースさんは、いないのかな?


そして、スズもいなさそう…


今はまだ顔を合わせるのが怖くて、そのことに少しだけ安心してしまう。


「おかえりなさい。アリスさん。」

「ただいまです。何かお手伝いしますか?」


和さんに近寄る。


「大丈夫ですよ。今日も結構冷えるので中入っちゃって下さい。」

「分かりました。お肉足りなさそうでしたら言って下さいね。」

「ありがとうございます。」


確かに今日も天気は晴れたけど、気温はかなり低い。

日差しが地面に届いたところから、積もっていた雪は少しずつ溶けてるみたいだけど、全部が溶けきるにはもう少し時間がかかりそう。


相談所に入って、まずはいつもの三階に向かって、階段を上がり始めたものの。

なんとなく落ち着かなくて、三階を通り過ぎて、六階まで上がった。


「アリ・・。」

「ねぇイザベル。」


「…なあに。」


「・・・私が分かってない事が、多い事は分かってる。」


二人きりの空気。


イザベルも言いたい事があるって事は、何となくわかる。

でも、イザベルに何を言われたとしても、私の整理がまだ追いついてない・・・


「でも・・・もう少しだけ、自分の事だし何かできそうなことがないか、探してみたりしたい・・・」


このままここで、いつも通りスズの答えを待っているだけもできる。

もしかしたら、今はスズにああ言われたから、ただ反発してるのかもしれない。


分かってる。


でも・・・


「危ない事はダメよ。アリスが怪我をするのは、嫌なの。

でも、何もせずただ過ごすのが、凄くもどかしい事も分かるから、できることは一緒に探しましょう。」


「・・・私多分、すっごいわがまま言ってるよね。ごめんね。」

「わがままだとは思わないけど。

・・・ねぇ、やっぱり時間をおいてからでも良いから、サーズとはちゃんと話した方が良いわ。だって・・・」


「・・・うん。今は無理でも、そうだね。分かった・・・。」


あの話で、そのまま終わるのが良くないってことも分かってる。

イザベルの言う通り、時間を置いてからちゃんと話はするべきだと思う。


でも・・・また同じ言葉を聞くのは怖い。

ようやく静まりかけた水面に、もう一度石を投げ込まれるみたいで。

今なら少しだけ、夢の中で話した時のフィーさんの気持ちが見えたような気がする。


フィーさんも、置いて行かれる側だったのかな。

正しいとか、仕方ないとか、そういう言葉で片付けられて。

でも気持ちは、その場に置いたまま、雪の上に取り残されたみたいだった。


あの時のフィーさんも、理由は分かっていたのかもしれない。

それでも、分かったことと置いていかれる苦しさは、別だったのかもしれない。


確かにスズは正しい、のかもしれない。

だから一人で判断して行動して、気が付けば責任をとって、解決してしまう。


でも、そんなの・・・


「これって結局、死神の方の話し合いが、どうなったかどうかって事だと思うのよね。」


「・・・うん。」

「それなら、やっぱり死神のあのガルシアって人に直接聞いてみれば、良いんじゃないのかしら?」


イザベルが言う事は一理ある。

リュースさんに話を聞いてみようという気になったのも、それがきっかけだった。


「でも、私。ガルシアさんと直接会いに行く事も、連絡する事もできないよ?

それこそやっぱりスズに相談・・・?」

「サーズとは少し離れたいんでしょ?他の方法を考えましょう。さっきのリュースって交渉人も、死神については知っているみたいだったけど、連絡先の一つや二つ知らないのかしら?」


そういえば、そういうことも聞かなかった。

気持ちが先に走って、肝心なことがいくつも抜けていた気がする。


「確かに、そうかもしれないね。でもさっき別れたばかりだし、お仕事行くみたいだったから、明日とかに時間をおいて連絡してみようかな・・・。」

「でも死神が相手の場合は、ちゃんと相手を選んだほうが良いと思うから、ガルシアってあの女の死神を指名できるか、まずは聞いてみれば良いんじゃないかしら?」


「そうだね。ガルシアさんなら安心できるしね。」


ガルシアさんなら、それこそスズの知り合いってこともある。

それに、私も何度か会っているから、知らない死神よりも安心できる。


もし話せそうなら、事前にガルシアさんへ、スズには黙っていてもらえないかお願いしてみようかな。


「ありがとう。イザベル。」

「いいのよ。確かにサーズも言葉が足りないわ。少しぐらいこっちはこっちで、動いたっていいでしょ。」


それはちょっと悪い事をしている感じはするけど、悶々として胸の中だけで同じところを回るより、行動の形にした方が少し息がしやすい気がする。


「何々?なんか悪だくみ?」


「!!」

「あら。いたのね。」


び、びっくりした。

尚弥さんが、本棚の間から顔を出した。

そういえば、今日は尚弥さんのいる日曜日だったんだ。


「えっと。これって悪だくみ・・・なんでしょうか?」

「ん?話は聞いてないから、善し悪しまでは分からないけど。

でも、そんなに大ごとじゃない顔にも見えなかったかな。」


確かにイザベルと話しながら、自分でも少しそう思った。

誰にも相談せず勝手に動くのは、良くないって分かってる・・・

やっぱり尚弥さんは、スズや和さんに言っちゃうかな?


「ちょっとだけ悪だくみ・・・なのかもしれません。」

「そっか。じゃあ僕は聞かない方がいいかな?」


「・・・放っておいてくれるんですか?」

「んー。別にそんなルールがある訳ではないからね。

あんまり凝り固まってるよりも、ちょっと悪い事するぐらいの方が、良い時もあるでしょ?

日向達なんて、昔から色々やらかしてる方だと思うよ?」


それは確かに。

勝手に色々やってるという意味では、日向達は好き勝手にやってる感じはする。


「和だって、何でもかんでも止める訳じゃないですよ。

自分で責任が取れる範囲なら、やってみろって思ってるところありますから。」


言われてみるとそんな感じもする・・・


「尚弥さんは・・・。」

「ん?」

「尚弥さんは、自分ではどうしようもない事が、あったらどうします・・・?」


すごく曖昧な質問になってしまったけど、基本世界の尚弥さんはこの相談所にいるとそういう事を考えたりしないのだろうか?


「自分ではどうしようもない事・・・です、か。」


尚弥さんは考えながら、本棚に背を預けるように座り込んだ。


「色々ありますね。特に僕は医者だから。どうしても治せないものや助けられない事もありますね。」


「・・・すみません。」


そ、そうでした。

尚弥さんの仕事は、お医者さん。

むしろそういう事の方が多い環境。

これは、かなり無神経な質問をしてしまった気がする。


「ううん。ごめんごめん。きっとアリスさんが言っていることは、そういう事じゃないよね。

確かに、僕は和達の様に魔法を使えないし、スズの様に色々な経験がある訳じゃない。」


「・・・」

「だけど、ここでは僕にしかできない事も、意外とあると思っているよ。」


「・・・それはお医者さんだから。」

「もちろんそういう面もありますけど、そうじゃないんですよね。

だって、僕よりも何でもできるのに、みんな結構喧嘩したり、いたずらしたりしてるんですよ?」

「喧嘩・・・はしてましたね。いたずらは日向達ですか?」


確かに、この間のスズと和さんの喧嘩の仲裁に入ったのは、尚弥さんだった。


「日向や秀人は最近では、ウーノ達がいるから多少落ち着いてるけど、昔はよくいたずらしてたし、それに乗っかってスズもそのいたずらに参加して、みんなで和に怒られたりと。」


「・・・なんとなくイメージできますね。」


確かに、意外とスズは乗る時は乗ってきてる気がする。


「それにそれこそ、この間の喧嘩もかみ砕いて考えてみると。

相手にしかできない事に対して、もどかしさが重なって、お互いの着地点を探してるただの言い合い。

結局あれも、お互いに自分にないものを相手に求めていたのかもしれないね。」


無い物ねだり。

言われてみればそうなのかもしれない。


「アリスさん。」

「はい?」


「和がよく心配性って言われますけど、スズは多分もっと心配性なんだと思うんですよね。」


スズが心配性?


「・・・そうですか?」

「和は見える所を心配するんです。怪我するとか、無茶するとか。

でもスズは、もっと先の事まで勝手に考えて心配する感じというか。」

「あー・・・。言われてみればそんな感じがします。こっちがそこまで考えてなかった事まで、先に心配っていうか考えている感じは感じます。」


言われてみれば確かに、心配性といえば和さんってイメージだった。

けれど、スズはスズで相手の予想を振り切って考えすぎてるというのは、どこか納得できる。


「でしょう?だから、喧嘩しててもいたずらしてても、ちゃんと話を聞いてみると・・・

え?そこまでいく?って思うぐらい、考えが行き過ぎてる事も多くて・・・

つまり何が言いたいかっていうと、まぁ話してみれば、意外とみんな普通なんだと思うんですよね。」


意外と普通。


・・・それはちょっとまだ納得がいかない感じもするけど、尚弥さんが言いたいことは分かる。


「スズだって、困る時は困るし、言い方に失敗したなって顔してる時もありますし。

こっちが気にし過ぎても、意外と拍子抜けするかもしれませんよ?」


「・・・そうなんですかねぇ。」


尚弥さんは、笑って続けた。


「僕は、ですけどね。あと普通に、面倒な時は面倒そうな顔もしますしね。」


それでも、どうしてもスズの存在は他の人とは、別枠に感じてしまう。


「アリスさん。今の容姿が凄く目立ちそうですけど、今度日向達の買い物に付き合うついでに、一緒に買い物にでも行きませんか?」


「目立ち・・・?買い物ですか?」

「はい、日向達が騒ぐのでどうせ周りからは多少目立ちますし、たまには息抜きに外出でも。」


「・・・私って目立つんですか?」


尚弥さんが驚いた顔を向ける。


私、変な事言った?


「日本で、ブロンドヘアのオッドアイの女の子って目立ちません・・・?」

「!!」


とっさに顔に手を当てる。


そういえば、なんとなく見慣れてしまったけど、そうだった!


だから朝のカフェでも、お客さんや店員さんがやたらとこっちを見て来たんだ!


つい、ビジネス街でカジュアルすぎる服だったから、目立ってるんだとばっかり思ってたけど、そういうことだったのね!


「・・・すっかり気にしてませんでした。言われてみれば・・・私って確かに目立ちますね。」

「アリス。気が付いてなかったのね。」

「え?イザベルは気が付いてたの?・・・うううう。」

「あはは。そういう訳で今度良ければ気分転換に、日向達と出かけてみましょ。」


でも確かに買い物と言えば、最近はオンラインショッピングになってたし、たまには直接買い物に出かけるのも楽しそう。


「はい。是非楽しみにしてます!」


尚弥さんや日向と秀人と一緒なら、別に問題なさそう。

これなら、和さんに伝えておくだけでも大丈夫だと思う。


改めて、朝からの話を振り返る。


スズに対しての捉え方って、確かに人によってみんな違うのかも。

リュースさんは、まず自分でやってみればいいと言った。

尚弥さんは、話してみれば意外と普通だと言った。


どちらも多分間違ってはいない。


それは、立ち位置や付き合いの長さとか、いろいろな違いがあるんだろうけど。

私なんてまだ、ちゃんと知り合って数か月。

まだまだ分からない事の方が多いぐらいなんだろうし、こうして他の人の話を聞いてみると、意外と違う視点が見えてくるのかもしれない。


立場が違うだけなのか、考え方そのものが違うのか。

まだ分からない。

でも、誰か一人の答えだけで決めるのは、きっと違うんだろうなぁ。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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