奴の後輩だそうです
「え―っと、どこにログハウス置いてたんだっけなあ?」
ジーク達がチャラ男に絡まれているとは露知らず、ようやく腹の痛みが治まったトールはログハウスのあった場所に戻ろうとしていた
「それにしてもお腹壊した理由があれって・・・・
普通ああいう現象って頭痛とかで起きるんじゃないか?」
なにかぶつぶつ呟きながらトールが森の中を進んでいくと
「あり?」
道中で珍しいものを見かけたトールはそれに近づいていった
さて処変わってログハウスがあった場所では
ピリピリとした空気が漂っていた
そんな空気にしているのはジークとノエルの二人だった
そんな仮にも一国の王子であるのにも関わらず敬語を使い、初めて会った自分たちに対しても丁寧だった二人から一変した様子にレイナ達は驚き、そして納得した
この二人は前世でトールの後輩だったのだ
ならば
この二人が普通であるはずがないと
つい先ほどまで相手に好印象を与えるような微笑を浮かべていたとは思はないような無表情でチャラ男を見ていた
否、観ていた
まるで自分とは違う次元から観られているようなそんな感覚を相手に与えていた
そのせいか、今さっきまで偉そうな態度だったチャラ男も
「あぅ・・・・・」
明らかに気圧されていた
有体に言ってしまえばビビッていた
ちなみに最初に絡んできたナンパ三人組は気絶している
もともとチャラ男はジークとノエルの情報を聞き調査結果を見てかなり舐めていたのだ
調査書には二人とも性格は穏やか、ジークのほうは思念操作という微妙としか言わざる負えない雑魚能力、ノエルは特殊なチートスキルさえもっていないという話だった
一応、形の上では上司である人間に二人をスカウトしてこいと言われたがなぜかは聞いていなかったため、チャラ男は二人をどうしても雑魚としか認識できなかったのだ
故に二人から急な殺気にも近い威圧をぶつけられて油断していた彼はその場から動けなくなっていた
しかし、相手方が全員が全員気圧されていたわけではなかった
「あんたじゃ話になんないから、どいて!」
「うっ!」
褐色肌の少女がチャラ男を突き飛ばした
チャラ男は抵抗もせずそのまま後ろに下がらせられた
褐色の少女はこちらに向き直ると弁明しようとするが
「そこの馬鹿の態度「いえもう結構です」・・・なんですって?」
それをノエルがバッサリと切り捨てた
「もう結構ですといったんです、あなた方の言いたいことも理解しました」
「それで一応こたえを教えてもらえるかしら?」
近くの木にもたれかかっていたエルフの少女から続きを促される
ノエルは無表情なまま答え始める
「まず、あなた方の仲間になるということはありません」
「理由を教えてもらってもいいかしら?」
「まず、あなた方の仲間なれとはこの試験のことではありませんよね」
「ええ」
もう試験は三日目、詳しくはわからないがあと少しで試験は終わるだろう
故に試験に関しての仲間というわけではないだろう
「つまり、あなたがたは何らかの組織であると思われます」
「ええ、そのとおりよ」
「そしてあなた方はおそらく無作為に私たちを勧誘しにきたのではなく、おそらく上司かなにかから私たちに接触するように言われてきたのではないですか?」
「・・・」
褐色肌の少女とエルフの少女は押し黙る
それは無言の肯定でしかなかったが
しかしながら、チャラ男ほどではないとはいえジーク達のことを自分たちの能力さえあればどうとでもなると、油断していた彼女らもまたジーク達の雰因気に飲まれ始めていた
そして、威圧に飲まれ始めた二人はそれを振り払おうとドンドン焦っていく
それがどう言う結果をもたらすかも知らずに・・・
その様子を見てジークとノエルはニヤリと薄い笑みを浮かべ、さらに続けていく
「おやおや、大方何で僕たちをスカウトしてこいと言われたかなど気にもしなかったようですねぇ
どうせ楽勝などと勘違いしてきてしまったのでしょうが、あなた方は少しも疑問に思わなかったのですか?なぜそこまで強くなさそうな僕たちを入れるのか、と」
「「「!!!」」」
雰因気に飲まれて、焦りにより思考能力が短絡的になっている三人はジークに誘導されるままに思考を進めていく
そうだ?
なぜ?
広がり始めた疑問はさらなる疑問を呼び、彼らの中でジークとノエルの存在がどんどの大きくなっていく
彼らの中でゆっくりと二人が得体のしれない化け物のように見え始める
それが操作されているとも気づかずに・・・
「ジーク、上級がくるわ数は三」
「了解」
そんな三人をよそに当人たちは何やらよく合図のようなことを言っている
レイナが二人に何を話しているか聞こうとすると
「うわああああああああ!」
「―――っ馬鹿な真似はよしなさい!」
とうとう恐怖がこらえられなくなったチャラ男が仲間の静止も聞かずに魔法をぶっ放そうとする
レイナは慌てて障壁を作りだそうとするが
「間に合わないっ」
どうやらチャラ男は魔術師タイプだったらしいあっという間に無詠唱で風の上級魔法<風爆弾>を放とうと自信周りに三つ展開すると
―――次の瞬間、爆発した
それもチャラ男の周りで
見事(?)に爆弾を全身に食らったチャラ男は直後、転移魔法の安全装置が発動し送り返される
「はい、ひとりめぇ~」
『・・・・・・・』
ノエルを除いたこの場にいる全員が呆然としているなか
ジークの間の抜けた声がログハウス跡地にやけに響いた
テンション高めに書いたのでおかしなところがあれば感想でお願いします
ガクッ・・・・




