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ダム決壊・・・!!だそうです


「うー、んぬぬぬぬ」



トールは仮設トイレの中で一人苦しんでいた



「な、ぜこうなった・・・・」



まず、朝一番――――



「うーん、太陽が体に障るなぁ・・・」



他の連中より一足先に起きた俺は朝日を浴びて気怠くなっていた

別に引きもり体質だから太陽が嫌いとかそういうことではない

吸血鬼族の血が太陽を忌み嫌うのだ

とはいえ今ではそんな吸血鬼をはじめとする多くの種族の血が薄まり固有スキル等の種族の特徴も失われている

つまりはあんまり血は関係ないといえる



「・・・・・・・」



頭上では憎たらしい太陽が煌々と光り輝いている

うん、やっぱ太陽嫌いだわ

そうして大きく伸びをすると朝食のデザートを探しに行った



ここまではいい




――――朝食後

嫌いな朝日を浴びながらも朝食のデザート用に『マッドミンゴ―』と言う名の奇怪なフルーツを採ってきていた

このマッドミンゴーの何が奇怪かというと、

味自体はメロンとマンゴーとみかんを絶妙なバランスで混ぜたような味で最高に美味しいのだが

この果実、顔があるのだ

果物なのに目があり口がありそして極めつけは


『ギャラキャキャーーー』


といった謎な奇声を上げるのだ

しかもこいつらは結構あたるところにいる

よほど環境が厳しくない限りどこでも生きていけるのだ

だから調理するまでは奇声を上げ続けるのだが・・・

しかも果物ナイフなんかで皮をむこうとすれば


『ギャアアアアーーーーーー』


と皮をむいている間物凄い断末魔を上げるし

バックり切っても


『ギャース』


なんか奇声上げるし・・・

とはいえ、見た目と奇声に目をつぶれば安価で手に入りなおかつ美味という二重でおいしい果物である

ちなみにこいつは魔物ではなくれっきとした果物の仲間である

・・・生命って不思議だなぁ~

とこいつを調理するとき、いつも思う

ちなみに今日は皮をはいで摩り下ろした

その時の奇声が凄まじかったことは言うまでもないことである

今朝の朝食は固いパンを食べやすくするためにホットプレスしたもので作ったパニーニ風サンドイッチとマッドミンゴ―のすりおろしである

余談だがこの世界の倉庫アイテムボックスは入れといたら時間が止まる、な~んて便利なものではない

あくまでそのものに対して長期保存するのに適した環境に変わるだけなのであまり食材などをアイテムボックスに入れておいて忘れると取り出した時には腐っていたりすることもある

つまりこの世界のアイテムボックスとはそんなに便利なものではないということである―――



とそんなことを考えていたここら辺といい、と食事前と食事後に特に異常はなかった

つまり急に腹を壊した理由は朝食にあるはずなのだが



「一体どこに腹を下すものがあったんだ・・・」



俺だけが腹を下したのである

そして現在俺はログハウスを設置していた場所から少し離れたところにだした仮設トイレで自分の便意と戦っていた

というかなんで俺だけ?

なんか最近ついてないなぁ~・・・


ぎゅるる~~


とあほなことを考えているうちに第二波がきた

俺がトイレから出るにはもう少しかかりそうである






さてところ変わってログハウスが設置していた場所では――――



「○ノ!」


「青の②」


「リバース」


「ドローフォー、赤に」



ウ○大会が行われていた

トールが自分の実家の商会で売っているものである

トールから



「俺がトイレに行っている間、暇だろうから」



といって何個か暇つぶし用にゲームを置いていったのである

そうして始めたゲームであったが



「あがりです」


「うわー、ジークに負けた。まあでも私もあがり!」



ジークとノエルがかなり強いのである

トランプをはじめとした数種類で先ほどからやっているのだが

前世でゲーマーと呼ばれる人種であった二人は基本どのゲームでも強い

というわけで他の面子が残るのだが



「あらあら、じゃあ私もあがりね」


「では、わたくしめもあがりです」



頭もよく要領の良い、レイナとセバスが抜ける

そうなると必然的に



「う~、また私とカレンさんがのこりですか」


「くっ、負けませんよ、クリスさん」



カレンとクリスが残るのである

先ほどから大体どのゲームをやっても似たような状況になっている

なんだかんだで全員楽しそうであるが



「それにしても先輩の胃が弱いのは生まれ変わっても変わらないんですね」


「そういえば、前世も先輩はよくおなかを壊してたなぁ」



とカレンとクリスがうなってる横で、ジークとノエルが昔を思い出しながらしみじみという



「ああ、そういえば師匠は結構おなかがよわいですね」


「昔、蒸し暑い日にトールは自分が使った『凍土ブリザード』で急な温度変化でお腹壊してたわね」


「スケールが違う!!」



ジークが驚いて声を上げる

凍土ブリザード』とは氷魔法の特級魔法である

間違っても暑いからといって気軽に使うようなものではないのである

さてそんな他愛もない会話をしていると



「「!?」」



緩んでいた場の空気が、ピンッと張り詰めたものに変わる



「誰かが近づいてきますね・・・」


「大体足音の数から人だと思われます」


「これが偶然だったらいいのだけれど・・・間違いなく、迷わずまっすぐ向かってきてるわね」



何者かが近づいてきたのに気付いた、ためである

お忘れかもしれないがこの試験相手を蹴落としてもいいのである

他の試験受験者に遭遇した場合警戒するのは当然である

さてそんな訳でバリバリ警戒してるのだが、そんな空気の中に、空気を読んでない呑気な案内をする声がする



「そろそろ、奴らのログハウス付近です」


「やっとか、疲れたわ~」


「まあまあ、いいじゃないですか」


「・・・・」



三人の少年が先導する形で茂みから姿を現す

そしてそのうしろからよく聞こえないが何やら愚痴を言っているようすの二人の可愛らしい少女と一人のチャラそうな感じの少年が出てきた

そしてその姿が見えた瞬間

レイナとカレンの目が小さく見開かれる

だがそこまで興味はなかったのかすぐに意識が切り替えられる

しかし先方――――先導していた三人組はレイナとカレンに気づくと



「おや?そこにいるのはこの前、試験会場の近くでお会いした貴婦人方ではございませんか?」



声をかけてきた(ナンパしてきた)

そう先導してきた三人組とはあの時レイナ達に絡み

トールの逆鱗に触れて威圧で沈んだ、見た目だけは良い貴族らしき少年たちであった



「知り合いなのですか?」


「ちがうわよ」



セバスが尋ねてきたのをバッサリ違うと切り捨てるとそれを聞いた三人の中ではリーダー格っぽい少年が狼狽うろたえるながらも取り繕うとするが



「なっ、ほらあの時の―――」


「お前ら何してんの?」



チャラそうな金髪の少年が不機嫌そうにそれを止める

見たところちょっかいをかけてきた三人組より立場が上に見える

もし見たままの力関係とするならばいきなり部下がおそらく標的にしてるだろう自分たちにナンパを仕掛けるなどということは、気に食わないだろう



「何勝手に行動してんだ?テメエらは黙って隅っこによってろ!」


「はっはい!」



下っ端三人は慌てて隅によって行く

そしてチャラ男はその様子を満足そうに見届けると

ノエルとジークに対して値踏みするような視線を向けてきた



「―――こいつらが例の・・・―――」



チャラ男は何やら小声でブツブツとつぶやいた後

こちらを格下だとでも思っているような――――実際そう思っているのだろう

明らかに見下した態度で



「ジークルート―――いや佐藤 堺と鐘崎 紗希だな?」



いきなり前世の名前をだしてきた

ジークは、何偉そうにこいつは言ってんだ?

と思いながらも一応返事を返す



「はぁ、そうですが」


「そうかそうか、」



チャラ男は素直に答えたのを自分にビビってるとでも思ったのかドンドン調子に乗っていく



「いやいや、素直に答えてくれて助かった、こちらもいちいち同郷のやつらを説得するとなると骨が折れるのでな」


「で要件は何ですか?」



まるで俺が最強とでも言わんばかりのチャラ男に冷めた視線を送りながら

ジークは尋ねる

するとチャラ男の口の端が吊り上がる



「いいね物分かりが早くて助かるよ、単刀直入に言う、俺たちの仲間になれ」



チャラ男はビシッという効果音がつきそうな、腕を突き出した決め顔でそういった

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