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転生者はスキル《魔力操作》で楽しく暮らしたい!  作者: 遥響
第一章 転生少女の生きる道

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1話 少女エリヤ

背中にやわらかい草の感触が伝わってくる。


青い空が綺麗な場所で寝ていた。


ーーそうか。俺はあのとき本当に死んでしまったらしい。


俺ーーというか私、エリヤは前世で死んで辺境の村娘に転生していたようだ。


というかずいぶん小さい身体…あまりにも違和感しかない。


性別まで変わってるんだけど…!


年齢はつい一昨日5歳になったばかり。


いつものお手伝いの合間に楽しく村で駆け回っていたらなぜか木に正面から頭をぶつけた衝撃で前世の記憶を思い出した。


そしてかつての高校生の頃の人格と記憶が今の私、エリヤに溶けて混ざった感じ。


もともとエリヤは元気溌剌な女の子で今の溶け合ってできた意識や思考は前世とも違う気がする。


1つの体に2人分の人生を放り込んだようでかなり不思議な感覚。


いやどういう状況…?


まあ、それは一旦おいておこう。


とりあえず現状の把握が第一かな。


生まれたのは辺境の農村、アストラル王国北方のウェリラの村という場所で両親共に農家、父エルトと母アリアの子供として生まれていて、兄アフラがいる。


家は農業で生計を立てていて、母が手工芸品も作りながら家計の足しにしている。


そのおかげか村を囲う壁の中なら比較的安全に遊べるくらいには最近は安定している。


起き上がって周囲を見渡せば広がる畑とまばらに立つ家々といった、一見牧歌的な農村の風景。


ひとまず村で生きていくことはできそうだ。


けれども価値観は地球の中世のそれだし魔物が溢れかえりいつ日常が崩れるともわからないそんな世界だ。


とにかく今は生きていける力を身につけたい。


幸いと言っていいか、おそらく農村の習慣で嫁入りさせられるか都市に出稼ぎに出されるのはこの世界における成人年齢である15歳まで、厳しく見積もっても12歳あたりまでは時間はあると見ていいだろう。


それまでに生きていく術を手にいれることがとりあえずの目標かな。


ここで視界の端に漂うものを捉える。


よく見ると草の上や木の幹、私の衣服にもそれはまとわりついていた。


前世の王城で見たようなものだが物理的な実体はほとんど感じられないのはやはり変わらないようだし他の人にはおそらく見ることすら叶わないものなのだろう。


……転生前は全く感じなかったはずだけど、ごく僅かに感触を覚えるようになったのはスキルを持ったまま生まれた影響なのかも?


体全体で魔力を感じることができるようになっているようだ。


前と同じように動かそうと意識を集中すると、動かすことができた。


やはり魔力ということでいいようだ。


とりあえずこれで何ができるのかを調べ上げないことには始まらなさそうだからスキル確認と体力作り、安全確保あたりをやっていこう。バレないように工夫をする必要はあるけど。



日が傾いてきたので夕ご飯の時間に間に合うように戻る。


元気が有り余っているので少し駆け足に走って行った。


…前世は運動して楽しいなんていう感覚はあまり感じられずに基本部活動は数学研究会に適当に入っていた程度という感じだったから、新しい感覚だな。


「エリヤ〜?ごはんよ〜」


「は〜い!」


とりあえず転生したことに気づかれないようにエリヤを演じることにした。


気恥ずかしさをあまり感じなかったので比較的エリヤとしての感覚が強く出ているようだ。


演技をして暮らすのはそこまで苦労しないかもしれない。


というよりかむしろエリヤとして生きていくという感覚のほうがいいだろう。


夕飯は黒パンにスープ、野菜の炒め物。俺も私も最低限美味しければなんでもいいという感じの鈍感な味覚というのもあってまぁある程度生きてはいけそう。


「エリヤ、また転んだの?いつも転んでるわよね。」


「ちょっと木に頭をぶつけて…」


「どうして木にぶつかるの。」


「…だってそこに木があるんだもん。」


これは本当にそうとしか言いようがなかった。


寝る前に魔力を体に取り込んだり、集めたり、変換したりということを試していく練習をする習慣をつける。


…体は年齢相応なのか眠気で自然と眠りにつく。


この世界の最初の日はこんな感じで終わっていった。



エリヤとして生きる日々を過ごしていく。


農作業や母の手伝いをし、暇ができれば村を近所の子と駆ける。


どうも体に精神が引っ張られるような感じで走り出すと不思議と楽しく感じるしちょっとした喧嘩になれば結構イライラするとか。


人と関わるより勉強とかの方が面白いと思う人生を送っていたのでなんだか新鮮…いや、人生経験というか色々欠落しすぎという話は否定しないが…。


母の手伝いはイヤイヤながら布を縫っていくお手伝いをするとかである。


一つ一つ丁寧に、目標の形に合うように糸を通していく。


力加減とか縫う位置とか奥が深い…。


「意外と楽しい… 」


「なに?」


「なんでもないよ。」



魔力は基本時間をかければ自然と回復するらしい。


回復速度は寝るのが最速でご飯を食べることでも若干回復する。


というか大体のものは多少の魔力を含んでいるみたい。


それと、魔力にも性質がいくつかあって、性質が違うもの同士は反発する。


実は身体強化をするとき、魔力の性質を変化させてから体に馴染むようにしないと反発が発生する。


前世のときは適当に取り込めたような気がするのだけれど、もしかして召喚、転移の際って身体組成が変わっていたりするのか?


そんなことを思いながら、体の内部で魔力を巡らせる練習をしていく。


魔力と一口で言っても体内と体外の魔力では操作する感覚が違うのだ。


巡り方なのか意識の入れ方の問題なのか色々試行錯誤をして練習をする。


とりあえず魔物狩りとか基礎的な運動能力が足りないとどうにもならない。


それから数週間後、身体強化を効率よく発動することに成功した。


勿体無いので魔力の回復とほぼ同じ魔力消費量の身体強化を常時発動することにしたら少しずつ体が順応したのか回復効果を増大してちょっとずつ睡眠時間を短く済ませることに成功した。


これ以来、夜は魔力に関する実験と修練に充てる時間として活用していく。

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