69_続・あゝ矛盾。
矛盾がキャラクターを生命たらしめると考えています。
ある一つの行動原理や、ましてや作劇の都合で動くようなキャラクターは作りたくありません。それは「生命」ではないと思うからです。身体性がないように感じます。概念的というかプログラム的というか、澄みすぎていると思います。
あえて濁らせたい。矛盾した思考をさせたい。
とはいえ、いわゆるエンタメの枠の中でこれを実現するのは難しい部分もあります。考えなしにやればかえって薄いものになりかねない。現実の人間は多少発言にぶれがある程度ならば「普通の人」の枠内ですみますが、創作(とくにエンタメ系)のキャラクターでそれをやると「ぶれているキャラ」「愚かなキャラ」もっと言えば「作者のコントロール力不足」に見えてしまうでしょう。
私が試しているのは、何でもかんでも矛盾させず要点にしぼって矛盾した言動をとらせる、ということです。要の部分に絞って心の中の対立をしこんでおく。そうすればキャラクターとしての一貫性を保ちつつも、物語を駆動させるエンジンとしてキャラクターの内面の矛盾を出していけるのでは、と。
少なくとも、私が好きな先人の作品はこの手法を採用している──ように私は見ています。
とはいえ。
多くの先人は、話の中で矛盾の解決を目指しているように思います。好きだけど好きだと言えない……こう始まった物語は好きだと言って終わるのでしょうし、キャラクターの問題点として提示された矛盾はおおむね解消する方向に話が進みがちです。
私としては、あえてそのまま放置したいのです。それはカタルシスにかけるという話なのかもしれませんが、私の主義としてはあくまで「矛盾こそが大切」なので、これを取り除いてしまうことは望ましくないのです。
だから話のカタルシスはカタルシスで別に作って、矛盾性には手を入れないような構成手法を模索しているところです。おわり。




