70.ルシウスルート1〜ヒロインを救え1〜
「元ヒロイン相談がある。」
リリアが寝ているベッドに座る元ヒロインに話かける帝王ルシウス。
「何のご用でしょうかルシウス様?」
「我を過去に送って欲しい。」
「なるほど!死んで魂だけになって過去に行きたいと!了解致しました!一瞬で痛みなくあの世に送りますね!」
「違う!いや、違わないが!とりあえず話を聞け!」
元ヒロインは上げた右手を下ろした。
「チェッ!つまんないの!」
その言葉にルシウスはゾッとした。
「今のリリアは今の世界の過去の改変は嫌がる。我はそんな事をしてリリアに嫌われたくない。だがーー」
ルシウスの顔は徐々に怒りへと変わっていく。
「異世界でアイツ等が幸せになるのがどうしても許せないのだ!」
「君達2人とも付き合ってないのにお似合いだよ。」
「何の事だ?」
「別にぃ~。」
元ヒロインは誤魔化すように口笛を吹いた。
「償いだかなんだか知らないが、リリアを傷つけた事実な消えない!そんな奴等を何故、異世界の過去に送ったんだ!」
「リリアの怒りが消えたからね~。アイツ等の三年間の償いは無駄じゃなかったって事ですよ。」
元ヒロインは肩をすくめた。
「まぁ許してないし、憎しみだって残ってはいますけどね。」
「許してないならするな!特にルイスという奴が1番クズじゃないか!」
ルシウスの額に青筋が浮かんでいる。
「ああそいつ面白いですよ。自分以外のルートでちゃんと悪役やってます。悪役令嬢の犬としてちゃんとクズやってます。自分のルートでは悪役令嬢と対決します。敵にすると厄介、味方にすると頼りになるタイプだわ~。ちなみに乙女ゲームでも。」
「全く面白くない!」
ルシウスの怒鳴り声のようなツッコミが響く。
「ルシウス様うるさい。」
「・・・すまない。つまり我が言いたいのはーー。」
ルシウスは真っ直ぐ元ヒロインを見る。
「我も異世界のリリアを救いたい。」
「・・・・・。」
元ヒロインは数秒固まる。
「やっぱり死ぬしかーー」
「だから最後まで話を聞け!」
元ヒロインは残念そうにした。
「我のリリアに関する記憶を、異世界の我に送ってくれ。もちろんリリアが学園に転校する前だからな!」
ルシウスは必死な顔だった。
「いいけどぉ~、その頃のリリアってただの普通の可愛い美少女ヒロインだよ?堕ちた最狂最悪の堕天使ヒロインじゃないんだよ?それでも過去の帝王様は好きになるのぉ?」
疑うような目でルシウスを見る。
「我はどんなリリアでも好きになる自信がある!だって一目惚れだからな!特に顔がタイプだ!」
呆れながら元ヒロインは笑った。
「アハハ!さっすが!ヒロイン!リリアは顔可愛いもんね!」
「可愛すぎるの間違いだろ。」
真顔のルシウス。
「いいよ!やってあげる!」
ニシシと笑った。
「ホントか!ありがとう元ヒロイン!」
「そうだ。いい事教えてあげる。リリアには内緒ね・・・ブチギレるから。」
元ヒロインはルシウスの耳元で囁いた。
「・・・・・それは本当か!一部気に入らないが!」
「ホーント!」
ニシシと再び笑うと、元ヒロインは小さなスクリーンを出した。
そしてルシウスの腕を掴んだ。
「生きてる人間の記憶を送るのって大変なんだよね・・・だから戻れても分岐点の三日前が限界。それでもいい?」
「ああ、我は自分を信じている。」
「ふーん・・・じゃあこの異世界のルシウス様にリリアに関する記憶を送っとくね!」
元ヒロインに掴まれている腕の部分が黒く光る。
「っ!・・・頭が!!」
苦痛に歪むルシウス。
「闇魔法だからねん。」
その頃、ある異世界の過去のルシウス。
城にて。
「・・・・・リリア?未来の花嫁?」
しばらく動けなかった。




