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番外編 ウィル・ドーチェス

俺はウィル。

騎士科を卒業して冒険者クラスに入った。

理由は、2つある。

1つは、自由な生活をしたいから。

もう1つは、堅苦しい家が嫌いだから。


どうせ俺は次男だし、家の事は長男に任せる事にした。


「それにしても、俺たちの班だけ2人って言うのはキツくないか?」

「そうだね、でも人数も少ないから…」


班わけの不満をルーカスにぶつけた。


「でも、それなら他の班に入って4人班2つにすればいいと思うんだけど…」


「えー、新学期早々ですが新しい生徒がこのクラスに入ります。」


「お?」

「あー、きっと転入生が入って3人班になるんだ。そう言う事だよ!」


ルーカスが嬉しそうにする。

しかし、入ってきた転入生を見てウィルもルーカスもガッカリした。


「ラファエルです。よろしくお願いします。」

「みんな、仲良くしてね。」


「子供…?」

「子供…ですね。」


「先生、一緒にダンジョンに連れた行くのは危ないかと…。」

「大丈夫、他の先生からは勉強も魔法のレベルも貴方達より上って聞いてるわ」


「マジかよ、先生たちは何を考えてるんだ?」

「まぁ、あの年齢でここまで飛び級したと考えると相当優秀な子かも知れないですね。」


ルーカスは冷静に分析をする。


「それにしたって幼すぎだろ。」

「危ない時は僕達が助けてあげればいいんですよ。」

「お前天使かよ」


「そうね、丁度ウィルの班空いてるからそこに入れてもらおうかしら。」

「先生、先にクラスのメンバーと班の紹介した方が良いんじゃないでしょうか?」

「それもそうね、じゃあ自己紹介の時間にしましょう。」



こうして、ラファエルが俺たちの班に入った。

そして、俺は知った。

自分が自惚れていた事、世の中には本当の天才がいる事を。



--------------------



「そう言えば、ラファエルの武器は?」

「あ、僕魔法使いなので魔法攻撃とか、回復とか支援します!」

「お!魔法職か!しかも回復できるのか!」

「いやー、ラファエルくん来たのでラッキーでしたね」

「だな!」


こんな幼い子が来るって事は、魔法職かと予想はしていたがまさか回復まで出来るとは。


しかも見た所、トーマスより強いかも知れん…。


「なぁ、ルーカス。ラファエルって何者なんだろうな…。」

「さぁ、ただ一つ言えるのは本物の天才ですね…。」


今思えば俺たちはラファエルの姓を知らなかった。

あれだけの実力を見たら恐らくどこかの貴族の子だろう。


そして、地下10階に来た時に俺はラファエルとの巡り合わせに感謝した。


それまで、攻撃魔法や防御魔法、回復魔法にアイテムボックスなど、既に多彩な魔法を見せつけられてきた。

正直言って9歳の子供が使えるスキルの量ではないし、魔力も魔容量も異常だ。

才能の違いに軽く嫉妬すらした。


そして、地下10階でスケルトンと戦った時だ。


「くっ!硬くて剣じゃうまく倒せないな…」

「スケルトンは斬撃より殴打の方が効くと聞いたことあります」

「お、そうなの?じゃあオラァ!」

スケルトンの顔面目掛けてパンチした。


パコーン!


スケルトンの頭が吹き飛んだ。


「おっしゃ!うっ痛て…」

スケルトンの頭が硬く、手を痛めた。


ラファエルはスケルトンをじっと見ている。


「ハンマーとか、火、光魔法に弱いって!」

「ハンマーか…そんなもん持ってねぇな…」

「あ!試したいことがあるんだけど良い?」

「ん?なんだ?」


ラファエルは何かを思いついたと思うと、魔法を唱えた。


「ブレッシング!!」


ルーカスとウィルの武器がうっすら光った。


「これで戦ってみて!」

「うん?いくぞ!」


もう一度スケルトンに剣で攻撃する。


ガシャン!!


スケルトンが一瞬にして崩れた。


「うぉ?!なんだ?!すげぇ!」


ガシャン!


ルーカスの方もスケルトンを倒せたようだ。


「これ、光属性を攻撃に付与する魔法らしいんだ」

「なるほど、それでスケルトンが簡単に倒せるようになったのか!」

「よっしゃ!このままたくさん倒そうぜ!」


やっぱりラファエルスゲェと思った…。

きっとコイツとならこのダンジョンを制覇できる。

そんな気がした。



--------------------



金曜日、ダンジョンを出た後寮に帰って俺はルーカスと食堂に行った。


「なぁ、ルーカス。ラファエルの歓迎会しようと思うんだけど」

「いいね!」

「そしたら、後であいつの部屋に行って明日時間あるか聞いてみるか。」


そんな話をしているとラファエルが食堂にやってきた。


「お!ラファエルじゃん!こっちきて一緒に食べようぜ〜!」


ラファエルを誘った。


「そうだ!明日の午後空いてる?」

「んー、特に予定は入っていないけど…?」

「じゃあ、明日18時に部屋に行くから部屋で待ってて!」

「わかった…」



次の日俺とルーカスは街へお菓子を買い漁りに行った。


「ラファエルくん、どう言うものが好きかな?」

「何でもいいよ!とりあえず色々買ってあいつに選ばせればいいよ!」

「ふふ、そうだね」


まるで弟が出来たみたいな感覚だった。

そして18時にラファエルの部屋を訪ねた。


コンコン


ガチャ


「お待たせ!!」

「わっ!」

「やっほー」


ラファエルが驚いた顔をしている。

サプライズ成功かな?


「それで、今日は何をやるの?」

「なんだよ!これ見てもわかんないのかよ!」


ルーカスと買ったお菓子を突き出した。


「これは?」

「お菓子だよ!お・か・し!!」

「お菓子…?」


ラファエルはまだ状況が読み込めてないようだ。


「ふふ、これはラファエルくんの歓迎会だよ!」

「え!!」

「まぁ、そう言う事だ!」

「ありがとう…!」


ラファエルは潤んだ目で見てきた。


「!!!」


あれ、ラファエルってこんな可愛かったっけ…?

いやいや、ラファエルは男の子だ!

しかもこんな幼いのに俺は何を考えているんだ?!


「べ、別に…パーティなんだから当たり前じゃんか!」


「本当にありがとう!」


ラファエルが抱きついてきた。


「!!!!!!」


こここここ、こらーー!!!

おおおお、おま、お前!!

なんでこんなドキドキしたんだ俺は!!


「ここにお菓子広げちゃいますね」


ルーカスが手際良くお菓子を出し始めた。


「それじゃあ、ラファエルのパーティ加入を祝って…」


「「「乾杯〜!!」」」



--------------------



ぐぬ、眠くなってきやがったぜ…


「わりぃ、ちょっと仮眠するわ。」

「「はーい」」


…………………………


…………………………


「はっ!だいぶ寝ちゃったみたいだ…」


ふと見るとラファエルを抱くようにして寝ていた。


「!!!!!!!」ビクッ!!


「ん…?」


ななな、なんでコイツがここで寝て…!

いや、なんで抱き合って寝てるんだ!!!

俺はついにこんな幼い男の子に手を出してしまったのか!!

やはり捕まるべきなのか!!

いや、それより何でこんなに可愛いんだよ!!!


「どうしたの…?」

「す、すまん!!俺、寝てて気、気づかなかったんだ…!」


くそ、何でこんなにドキドキしてるんだ!!


「あぁ、大丈夫だよ。よく眠れたよ。」


え?


「嫌じゃないのか?」

「え?全然。なんか安心して眠れたよ。」

「そ、そうか…」


そうか、嫌じゃないのか…

いや、ダメだダメだ!

このまま道を踏み外す前に…!


「お、俺部屋に帰るよ!また月曜日な!」


俺は急いでラファエルの部屋を出た。


この気持ちはいったい何なんだ…。

まだ心臓がドキドキしていた。

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