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異世界無双禁止規定(ステージ オブ グラウンド)『緩』  作者: 浅葱
第1章 次元迷子の少年
27/30

第27話 ~佐夜の消失~

まぁ分かっていたと思うけどね



 ボンッ!!!


『『っ!?』』

「な、何の音だ!?」

 ベレッカから「元の世界へ帰るのなら今だぞ?」と急に言われて悩む佐夜。仲間の元に行って相談しようとした瞬間、突然ベレッカの方から規模は小さいが何かが爆発した。


『しょ、少佐大変です! XEVエネルギーが漏れ出してます!』

『何だと!? ……って何だあの打撃痕!?』

 するとベレッカ達は佐夜どころではなくなったらしく急いで対処に回る。


「今だ。奴等を取り押さえるぞ!」

「え、あ、ちょっと!?」

 すると攻め入る絶好のチャンスだと思った騎士団長達は呆気に取られている佐夜達を余所にベレッカ達を取り押さえに行く。


 ガッ──────


「動くな!」

「く……っ」

 罠が仕掛けられている可能性がある為に攻められなかった騎士団&アルケシス一行だったが、ベレッカ達のアクシデントにより一気に攻勢はひっくり返りあっという間にベレッカとルソワを地面に押し付け関節を取る。


「おい、今あの装置のエネルギー暴走を対処しないと取り返しのつかない事になるぞ。離せ!」

「その取り返しのつかないのは君達の都合だろう?」

 ぎっちりと動けない様に関節を決める騎士団長にベレッカは焦って言うが、団長はその危機的状況を理解できない。

 何故なら団長は装置が『壊れた』程度の認識しかしていないから。


「そうじゃない! エネルギーが漏れているって事は出力の制御が出来ずに供給先の転移装置に異常が出るんだ。つまり────」

 地面に押し潰されながらも必死に説明するベレッカ。だが、その取り押さえられている時間のロスが仇となる。

 

 つまり。




 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ───────────!!!




「「「「「うおおおおおおおおおおお!?」」」」」

「「何コレー!?」」

「……吸い込まれるー」

 XEVエネルギー装置というものが何者か(・・・)の手によって壊されており、その所為なのか次元転送装置にも異常が出て勝手にゲートが開き、強烈な吸引が発生して場を更に混乱させる。当然皆、何かに掴まって耐える。


「………。そういやサヤ、サヤはどこ行った!?」

 皆が必死に何かにしがみ付いている中、イングは先ほどから姿が見えない佐夜を見渡す。


「~~~~~~~~~っ」

「サヤ!?」

 重力というか引力が真横に働いているので一瞬佐夜がどこにいるのか見失ったイングだが、まさかと思ってゲートの方を見ると佐夜は何故かその近くにいた。しかも他の人と違って掴む物が無いので錬成術で地面にくっ付いて耐えている。

 だが錬成術で地面にくっ付いている力よりゲートからくる引力の方が強く、ジリジリと後退して行っている。このままではゲートに吸い込まれるのも時間の問題だ。


「待ってろサヤ、今助けに「きゃあああああ!?」───くっ」

 愛しの佐夜(?)がピンチなのでイングは温存していた残りの魔力でカゼノコロモを使用しようとしたが、その直後上から(厳密に言うと横だけど)エミリアが掴んでいた岩が崩壊して降ってきたので、イングは咄嗟にエミリアの腕を掴むが引力の影響で掛かるGの負荷が凄まじく、一気に握力を持って行かれたので少ない魔力で握力をカバーしてエミリアを自分が掴んでいる所まで引き上げる。


「はぁはぁ……助かりましたわイング」

「ああ、危ない所だったな」

 感謝を述べるエミリアにイングはどういたしましてと答えるが、エミリアを助けた事でカゼノコロモを使用するだけの魔力は完全に無くなり佐夜の所には行けなくなった。


 ちなみにタックとノン&ロロはあらかじめ下がる様に言われていた為、ゲートの引力の影響は受けないが、同時に助けに入るだけの力も道具も無い為(タックの小道具は全て上層で使用済み)役には立たない。

 騎士団長や他の騎士達は地面に剣を突き刺して耐えてはいるが、自身の鎧の重さの所為で他人を助けるだけの余裕は無い。

 エミリアはイングによって助かっているしマナに至ってはガルとサラと共に上手く窪みに避難出来ている為問題は無い。

 ついでにいうとサラは錬成術で地潜りで佐夜を救出しようとしていたがガルに止められた。掘ればそこから吸い込まれる可能性があったからだ。故にこちらも迂闊に動けない。


 そしてベレッカの部下であるルソワはマナ達同様、上手く窪みに嵌っているので吸い込まれる事は無いけどゲートが開いて吸引し出した時に石が頭に当たって気絶している。だって目がグルグルしているから。


 最後にゼリア軍の現責任者であるベレッカはというと、


「掴まれ!」

「っ!?」

 なんと佐夜を助けようとしていた。


 ベレッカは現代標準のワイヤーガンを所持しており、そのワイヤーガンを少し離れた梯子に引っかけてロックし、ターザンの要領で佐夜の元に跳んで来たのだ。勿論、横に引力が掛かった状態で。

 佐夜も佐夜で助けに来たのがまさかのベレッカで少し躊躇はしたが背に腹は代えられないのでベレッカの手を取り、あと2メートルの所まで迫っていたゲートまでの距離を何とか取る事が出来た。


 何でベレッカが佐夜を助けたのかは知らないが、とりあえずこれで後は安全な場所へ避な────



 ガコッ☆



「「………え?Σ(゜Д ゜)」」


「「「「「「…………え?」」」」」」

 

 ………何か嫌な音と、上昇していたのに急な浮遊感を感じた2人。そしてイングと共に佐夜の無事に安堵していた一行が固まる。

 その瞬間確かに時が一瞬止まったかの様な感じがしたとか何とか(タック談)。


 ちなみに何が起きたのかというと、単純にワイヤーが絡みついていた梯子部分が元からサビていたのでそこに2人分の体重(+引力)で壊れたのだ。




「「うわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


 そして当然の様にベレッカと佐夜はゲートに吸い込まれていった。



「サヤ──────!?」

 イングの伸ばした手も当然佐夜には届かない。






 その遅れる事1分後───────


「………えっと。これまた凄いね」

 間に合わなかったリオがゲートの暴走を見て苦笑いしていた。



1章はあと2~3話で終わります。

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