第17話 ~邂逅~
海外出張から帰って来て復帰2話目です。
まだまだ投稿スピードが上がらない・・・
佐夜が「元の世界に帰れるかもしれない!」と意気込んだその2日後。
アルケシスの一行(+α)は最近の実績が評価された為、いまだにチームランクが下位ではあるが、例の機械人形撃破の功績と単に戦闘員不足の為遺跡の地下ダンジョン攻略への参加を許可された。
当日の今朝──むしろ夜中から、本校から選ばれた生徒達(上位ランカー達)と共に馬車でその遺跡ダンジョンへと向かっている。そこは王都から南へ約30キロほど離れた所にある未開の遺跡。
エミリアの説明では遺跡に着いた後ダンジョンに潜り、ダンジョンの全てを調査するといったものだ。
といっても実際は侵略者の殲滅(セウレン帝都を征服しようとした罪)で道中それらしき者達(軍服でモロ分かり)を見つけては冒険者達や騎士達が容赦なく戦いに行く。
ちなみに相手は銃を持っているので対人戦の経験が少ない生徒達には任せられないのは分かるけど流石に互いに人を殺す殺されるのに何の迷いも無いのはどうなのかと佐夜は思った。
補足としてこの遺跡自体は佐夜がこの世界に来る半年前くらいに発見され、地上の方は粗方調査は終わっている。しかし、地下の方には当時から陰湿な罠や強力な魔物が住み着いていたらしく、東の【セルニア王国】と西の【セウレン帝国】の騎士や兵隊達、そして数多の冒険者達が総出で調査をしようとしたらしいが戦闘場所が悪く魔物も強すぎて全く歯が立たず、やむなく撤退したらしい。
「うにゃぁぁぁぁ……お腹空いたぉ」
ぐぅ~~っと分かりやすく大きなお腹の音を鳴らしたニケが馬車の中でぐったり。
「にゃーにゃー煩いわ。死にはしないのだから到着まで少しは大人しくしろ」
と、やかましいニケに対してキツイ言葉を吐きかけるのはサラの相棒であるガル。が、ニケのお腹の音に誘発されたのかガルのお腹も盛大に鳴り、馬車内が少し気まずくなる。
「えっと……一応沢山お弁当作ってきたから良かったらサラとガルも食べる?」
「………、いい」
少し気まずい空気の中、佐夜がニケのついでにとガルも食事に誘うがガルはほんのちょっと迷ったが断わった。
「へっへー。ガルが要らないならアタシが全部食べちゃうもんねぇー」
「いや全部食うなよ!? イング達の分が無くなるから!」
といっても佐夜は前日からアイナに手伝ってもらって大量に仕込んでいるので、アルケシス全員分の朝・昼・夜・翌日朝ごはんくらい食べてもまだ大分余裕がある。なので同席しているガルやサラにも食事に誘う。
つってもこの馬車内だとどう考えても料理を広げるスペースが無いので馬車を止めてもらい、外で食事を取る事に。あ、ちなみに早く現場に着く様に言われてるから普通はそんな要求は通らない。
じゃあ何でそんな要求が通ったのかというと、単純にアルケシスが乗る馬車の中にはエミリアも乗車していたから。はいご都合的解決。
ちなみに今回は多種多様なサンドイッチ達。タマゴやツナ、ハムチーズは当然、肉系や足の速い魚等々。しかも種類と数がかなり多い。正直作り過ぎた。
「ふしゃあああああああああああああ!!!!」
「がるるるるるるるるるるるるるrr!!!!」
当然、仲の悪い犬と猫が食卓に同卓すれば喧嘩になる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「父上のバカ」
佐夜達が食事の為に馬車を止め、近くの大岩の影で食事をしている頃、丁度佐夜達からは見えない位置に上位軍服を着た少女がプンプンと怒りながら携帯食を食べていた。ちなみに携帯食といってもただのカロ〇ーメイト(ハチミツ味)。
「タイガ中将が送還された時点で作戦は『資源確保計画』ほぼほぼ失敗しているのに何で再び同じ過ちを繰り返そうとしてるんだっ、もぐもぐ」
口いっぱいにカロ〇ーメイトを頬張りながら怒っている。
ブー、ブー、ブー
「ん、何だ…人が食事してる最中に……(もぐもぐ)」
流石に未開の地なのでスマホの音は切っている様でマナーモードのバイブパターンからして恐らく着信ではなくショートメールの類だろう。なので食べ終えるまでもぐもぐする。それもハチミツ味の1箱(4個)だけじゃなくフルーツ味の1箱も追加で食べる。
つかそれだけ食ったらカロ〇ーメイトとはいえ結構なカロリーになるのでは?
「さっきから連続でうるさい───ってルソワからか」
空箱をクシャって潰してカバンに入れ軍服少女はメールを確認する。
『少佐! ゴルド中将が「ベレッカは何処だー! パパが悪かったから許しておくれ~(泣)」とコーヒーで酔い潰れています。早く帰って来て下さい!』
「メンタル弱っ。って何でコーヒーで酔ってんの!?」
確かに作戦の支障が出る可能性があるアルコールの摂取は誰であろうと作戦中は禁止されているのだが何でコーヒーで酔っているのかベレッカ少佐は混乱する。
「『やだ。タイガ中将達が送還者達に送還されて失敗した以上、まだこの世界に送還者達が残っているいる可能性があるから撤退するならすぐ戻る』───っと」
部下のルソワ曹長にそう返信をしてベレッカは腰かけていた岩から降りる。その着地の際、
カランカラン────
と、衝撃で小石が大岩の方へと転がって行ったがベレッカは対して気にもしなかった。
「「誰だ!?」」
「っ!?」
転がって行った小石の先にいた人の声を聞くまでは。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「「むしゃむしゃむしゃむしゃ×∞」」
一度は食事の誘いを断ったが主人&パートナーであるサラが同席するという事でご相伴に預かったガルとニケがそれに対抗してひたすらサンドイッチを食べまくる。前にも言ったけど大食いのニケがいるから相当な数を作っているがガルも一緒となるとすぐに無くなりそうだ。
「おいおい……」
「……まるで大食い」
「数に限りがあるから決着は着かないですが…」
「「どっちも頑張れ~」」
「まぁ、足の速いサンドイッチが余らないだけいいけどちゃんと味わって食べて欲しいよな」
「うちのガルがごめんなさいねサヤさん」
「ううん。ニケも似た者同士だから今更気にしてない」
大食い獣人達と比べたら圧倒的小食な者達による平和な会話が繰り広げられる。
「ふぃ~~。お腹いっぱいにゃあ。流石サヤ」
「うむ。美味かった。礼をいう」
「はい、お粗末様」
「「おそまつ?」」
例の食戟漫画のセリフを言ってみたが流石に通じないだろ。
「さて、そっちも食い終わったのならさっさと他の者達と合流しよう。エミリアがいるからといっても流石に大幅に遅れるのはマズいからな」
「ですわね。流石に私でもこれ以上言い訳できませんからね」
確かにこれはピクニックではない。世界を巡る戦いに発展する可能性がある遠征なのだ。
───だというのに、
「うにゃあああぁぁぁぁぁ」
「く、食い過ぎた」
「「眠た~い……」」
「zzz……」
「お前等……」
イングと佐夜以外のアルケシス面々はすっかり食後の休憩でだらけている。マナに至っては既に夢の世界だ。
「ニケと同じ位食べていたのによくそんなに動けるな」
「当たり前だ。闘拳士たる者、食後の運動は常にやってる。……奴以外は」
「あー」
食後の運動をするガルを見て感心したイングは猫らしく伸びているニケに視線を向けて苦笑する。
カランカラン────
「「誰だ!?」」
その時、曲がり角から小石が不自然な転がり方をしながら転がってきた。岩の自然落下にしてはその前に岩の落下音が無かったので考えられるのは誰かが蹴って転がってきた可能性。
「っ!?」
そしてイングとガルの問いかけに女の子の息を飲むような小さい悲鳴が聞こえた事でそこに誰かがいるのが確定した。
だがそれにしては一向に姿を見せない。
「っ。……いない? 気の所為だったか?」
魔物の可能性も考えてガルと共に慎重に曲がり角を曲がるが誰もいない。
やはり気の所為だったのか?
「……いや、そこだ!!」
と、思ったがここは流石の狼の獣人ガル。姿は見えずとも匂いは見える。人の匂いは何故か嗅げないが、明らかに何かの残った匂いが移動しているのがガルには分かり、そこに向かって手を付き出して突進し岩に衝突した。
「がはっ!?」
すると空ぶったと思っていたガルの手から少女の姿が現れた。どうやらステルス的な術を使っていた模様。
「ガル、あまり手荒な真似はよせ!」
「それはこいつ次第だな」
ガルが軍服少女の首根っこを掴んでいるのでイングが注意をするがガルが警戒を解かない。何故なら少女が来ている軍服はどう見てもこの世界の衣装っぽくない。
つまりこの少女が例の侵略者の一味である可能性がある為、ガルはこの手を離さない。
「どうしたイング、何かあったのか?」
「今こっちに来るな!」
と、急に叫んだと思ったらガルと二人してどっか行ったイングを追った佐夜だが止められる。
「ガル、何があったの?」
「なに、ちょっとトラブルだ。気にしなくていい」
こっちも主人であるサラ方に顔を向けて何でもないと言うガル。
だがその一瞬の隙が油断を生む。
「っ!」
ガルが一瞬だが自分ではなく他の方へ視線を向けたその一瞬、軍服少女ベレッカ少佐は腰の銃に手を掛けて────
パァン!!
ガルの頭部に照準を合わせて発砲した。
地味に海外にいたから若干日本語のニュアンスがおかしい気がする・・・
ではまた




