45・若い神官と神殿長の会話。
「よろしかったんですか? 彼を神官に勧誘しなくて……」
「まあな、私も彼に神官になってほしいとは思う。
あの祈っている姿を見たらみんなそう思うだろうな」
「何人かの神官が気づいていたみたいです。
なにしろほんのり光ってましたから」
「教主さまがお祈りをされたときにあんなふうに光ってたことがある。
もしかしたら何かお告げとかお言葉とかを聞いてたのかもしれない」
「ますます神官にしたくなりましたよ。
ホントによろしかったんですか?」
「急ぐ必要はない。ココに通うことは了承してくれた。
宰相は神殿を毛嫌いしてるから無理押しは禁物だと思う。
本人がそういう気持ちになるようにゆっくり誘導するのがイイだろう。
前世の記憶のせいだろうが我々とは発想が違うところがある。
そういうのは貴重だからな。
神官にならないとしても神殿の支持者になってほしいものだ。
宰相が毛嫌いしてくれるオカゲで不都合なコトも無い訳じゃあないからな」
「まったくなんで宰相閣下はあんなに神殿嫌いなんですかね?
我々は国民や国の役に立ってると思うんですけど」
「王はご理解があるからそれほどヒドイことにはなっていないがな。
表立って妨害とかは無いからまだマシだがこれ以上のコトが起きないように
気を付けないとイケナイ。
宰相の母君はそんなことはないのになんであんななのか謎だな」
「あの子は姫君のアザが呪いだってコトもすぐにわかったんですよね。
しかも一人で解呪してしまいましたし。
呪術師は解呪ができますけど他の術師のモノは解くのが大変なハズです。
まだ経験も無いでしょうによくできましたよね」
「魔力の扱いもまだ慣れてるとは言えないし技術があるわけでもない。
それでも我々が手こずっていた呪いを解いて見せた。
才能は保証していいと思う。
だがまだ名無しの一歳未満だそうだからな」
「勇者と聖女の魔力の複合作用ってのが怪しすぎますよねぇ。
でも、それがかえって利点になってますからね。
暫くは目を離さず出来たら取り込む方向でってコトですか」
「すでに孤児院の増設に協力してくれているし宰相のようにこちらを目の敵に
しているわけでもない。
このままの立ち位置でも充分我らの利益にはなってるからな。
出来たらでいいんだ」
「分かりました。
焦らずゆっくりいきましょう。
先が楽しみな子ですよね」
「王太后さまもお気に召したようだからな。
まあ、ソレは少し気の毒な気もするんだが……」
王太后さま……神殿長に言われてますよ。
まさかこのお言葉通りなんてことは……(汗。)




