318・雪国。
結局オレはスケート靴製造器に変身させられた。
お子さまモニターズの分まで量産させられたんだ。
スケートリンクの広さも盛大に拡張したよ。
もうココの庭で営業できちゃいそうだなぁ……
お子さまモニターズが済んだら警護兵たちから「あのう……」とね。
なので秘書・カール君に頼んで職人ギルドに発注してもらったよ。
皆がスケートしてんのにオレだけスケート靴を延々と造ってるなんてヤダからね。
職人さん……変な物を発注してごめんなさーい。
「一体何にこんな不安定な物を使うのかと思ったんですが……
ブレード? ……が一本なのはどうしてなんですか?
かえって不安定な気がするんですけど」
物を安定的に設置というか置いておくためには底面積がある程度有った方が良い。
ブレードが2本なら安定して氷の上に立てると思うよね。
でもスケートは氷の上を動くための物だ。
動くためにはブレードは1本のほうが動きやすいんだよ。
自転車には子供用に補助輪を付けたりするけど乗れるようになると子供達は皆が
補助輪を外せ! と要求する。
無いほうがカッコイイと思ってるところも有るけど単純に動きを邪魔されてるって
気分にもなってるらしい。
大人用の三輪車が無い訳じゃあ無いけどやっぱり2輪の普通の自転車の方が
動かしやすいってことだよね。
オレが造ったスケート靴は勿論初心者を意識した物だ。
フィギュアスケートの一流選手の物なんてそれこそ見たこともないからね。
特化した物はやっぱり素人には無理だよなぁ。
まあ、スケートで遊ぶ人が増えれば自然に特化したものになっていくだろう。
プププ……ココの職人さん達はかなりの凝り性みたいだしね。
大きな公園の端の方にスケート場を設置してみたよ。
靴は無料で貸し出した。
時間は1時間。
勿論利用者は子供のみ。
手ほどきはお子さまモニターズに頼んだ。
遊んで見せるのが主なお仕事だね。
だってちょっと最初に転ぶくらいであっという間にみんな滑れてたんだ。
ミーア達も一日もたたずに滑れてたよ。
そのうちリンクを何周かしながら競争まで始めちゃったんだ。
ソレってスピードスケート用の靴じゃあないんだけどねぇ。
氷魔法使いさんにはリンクの氷の管理をお願いした。
魔法の氷は何故か自然な氷より溶けにくいんだけどね。
それでも皆が滑れば削れたりしてしまう。
修復よろしくお願いしま~す。
宰相閣下が気にしている北の国は冬は雪と氷の世界だそうだ。
潜在的に南の暖かいこの国を羨んでいるのかもしれない。
でもオレは雪国に憧れてるんだよね。
だってスキーもスケートもし放題なんだからね。
雪国の人の苦労などカケラも体験したことの無いヘンリー君。
なんかお前は一遍雪に埋まってみろ! なんて思っちゃった作者なのでした。




