312・パウンドケーキ。
サクランボなプラナスはリンゴ味だったので前世のリンゴを使ったお菓子や
料理を料理長ソラナムさんに話して出来そうなモノを試して貰うことにした。
リンゴは生でも煮ても焼いてもおいしいからね。
生食の他はジャムと蜂蜜漬けだけみたいだったから。
でもモノがサクランボ大だもんなぁ。
リンゴの大きさに品種改良……う~ん……
あんまり極端なことは控えた方がいいよね。
オレの好みでココの生き物を改変しちゃうってのはやっぱりアカンよね。
ココの人達が必要だと思ってやるのとオレがやるのは違うと思うんだよ。
トマト? えっと……アレって……元は前世の世界のモノだしぃ……
ミニトマトが有って普通の大きなトマトが無いってのは寂しいもんね。
み、見逃してくれよぉ……(涙)。
今回はパウンドケーキに入れて貰った。
コンポートのように甘煮にしたプラナムをトッピングした。
パウンドケーキのパウンドってポンドなんだよね。
イギリスを初めとする国々の通貨単位だけど重さの単位でもある。
1ポンドはおよそ453.6Gだ。
500Gに少し足りない位だね。
小麦粉・卵・バター・砂糖を同量の1ポンドづつ入れて作ってたんだ。
ケーキは計量が大事なんだよ。
配分が違うと全然別物! って感じるのもよくあることだしね。
難しくなく全部同じ量にしたのはそういうことを簡単にしたかったのかもね。
でも全部同量だと色々食べ慣れた……要するに口が奢ってる今の人では多分
重いし甘過ぎると思う。
お砂糖がたくさん入っていれば、あるいはバターがたくさん入っていれば上等って
思わないからね……今の人は。
そうしてレシピは増えて変化してアレンジが増えて行ったんだと思う。
卵で膨らませるのはミーアの誕生日ケーキで料理長はマスターしてるので今回は
ほとんど失敗も焦げもなくキレイに仕上げてくれた。
プラナスを使ったけど他の果物でも良いしナッツ類も楽しい。
シンプルに基本の材料だけでも勿論美味しいよね。
誕生日ケーキで味をしめた召使い達を無視はできなかったよ。
山のようなプラナスをふんだんに使って作ったパウンドケーキはあっという間に
捌けてしまった。
「お茶の時間の楽しみが増えたわね。
プラナスでなくても良いのならもっと色々楽しめるわね。
王太后様にお出ししてもこれならお気に召すと思うわ。
ソラナムの仕事を増やしたみたいだけど(笑)」
ごめんね……料理長。
でもあんなに沢山有ったからつい……
「いえいえ……楽しかったですよ。
誕生日ケーキは毎日って訳にはいきませんがコレならずっと気軽に出来ます。
入れるモノも色々試してみたいですから試食はお任せしますよ。
材料の配合ももう少し試してみたいですから」
ココの人の口に合うパウンドケーキになるにはもう少し掛かるかも知れない。
材料も前世の世界のモノとはやっぱり微妙に違うと感じるんだよ。
みんな喜んではくれたけど物珍しさも多分味に影響してるだろうし。
でも美味しいは正義だ!
パウンドケーキの美味しさがココに馴染んでくれるといいな。
山のようなプラナスを飽きずに食べる方法の一つくらいにはなってほしい。
冬はこれからだからね。




