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完全無欠の革命歌  作者: ウエハル
共感の子供
44/88

GO!GO!MAX! その1




俺の名はマックス・ニックス。22歳。髪の色は茶色。ジェイ・レノ似ているとよく言われるのはあまり好まない。

俺は今、幽霊屋敷の前にいる。

何故かって?それはヴァリエート様を救うために決まっている。なんとここにはあのヴァリエート様からの逃走を成功させた忌まわしい女がいるらしい。

これはやるしかない。俺がヴァリエート様の敵を完璧に、確実に排除するのだ。そしてやがてはヴァリエート様の右腕に……


「グフ、フフフフフヒヒヒヒヒ」


「やだ、なぁにあの人。幽霊屋敷の前で笑ってるわよ。冬のナマズみたいに大人しくならないかしら」

「警察呼びましょ警察。警察に冬のナマズみたいに大人しくしてもらいましょ」




屋敷内 屋根裏部屋

意外に清潔な室内で、怒号のような声が飛び交う。


ルクセルは酒瓶片手に立ち上がり、顔を赤らめて上の空を向く。

「いやだから、そこで言ってやったんだよ。オメーは食虫植物に食われる虫かッ!てね!アハハハハハハハッ!!!」

ジョーンズも続くように酒瓶を振り回す。

「ルクセルあんた飲み過ぎだよッ!グヒッ。もうやめときなァッ

てぇ」


そしてそれを冷めた目で見つめる女子勢が二人。


「なんであの二人を選出したのよホント……」


「あんたが一人でいやらしい事やってるから致し方ないんでしょ」


「……あれはあんたがやったんでしょぉ!音で…その……あのっ………とりあえずあれは人間性を疑うよ!」


やはりどこも地獄絵図だった。

買い込んできた酒を片手に泥酔し、大合唱を始める者達。何やら隠喩だらけで口喧嘩する者達。


「なんだここは……ホントにヴァリエート様から逃げた者がいるのかな…?女は二人……どっちもか弱い女の子って感じだな……」


どれほどの強者かと思ったが、どうやら苦労はしなさそうだ。

マックスは見上げる形で四人を観察する。

なぜ見上げるかというと、マックスの身長は今、3センチメートルに縮んでいるからだ。

木目に気をつけつつ歩かなければいけないけども、誰にも見つかることはない。


「このマックス・ニックスの能力『ハウス・オブ・ブルー・ライト』がヴァリエート様に立ちはだかろうとする愚かな障壁を破壊しておかなくちゃあな……」


『ハウス・オブ・ブルー・ライト』は3センチメートル限定で縮むことのできる能力。代償はない。

え?3センチメートル如きで何が出来るんだ、だって?そこに関してはもちろん考えている。

まずは毒薬。自分から見てもかなり小さく、BB弾に似た見た目。なんとこれだけでも致死率はほぼ100%と言っても過言ではない。

そして小さくなる前に、既に屋敷に時限爆弾を仕掛けておいた。これは毒薬が失敗した場合の保険だ。


「何?お兄ちゃんに見せつけられたんだから本望じゃないの?それとも嫉妬で八つ当たり?見苦し!」


「は、はぁ!?」


マックスは少しずつアリスとアレクに忍び足で近づく。


「いやよく考えたら口に入れられないなこれ………ん?」


あのおっさん二人の方なら酒を呑んでいるし、いけたかもしれない。しかし口喧嘩中の女子二人に毒薬を飲ませるのは至難の業。

なんてことを思う前にマックスは壁にかかっているとある物に気づく。


「なんだこの部屋は……時計だらけじゃあないか。これは好都合ッ!時計の裏を這っていけばッ!いけるいけるいけるぞォーッ!!」


早速マックスは行動に取りかかる。

屋根裏部屋には大量の多種多様な時計が隙間無くかかっている。壁に向かって只管にダッシュ。


「!!」


マックスは立ち止まった。

不穏な瘴気。この世の根本を打ち貫くかのような野生の眼光。人類滅亡の予言を信じていた子供の頃のように、明日、いや数分後には自分がこの世に存在しないんじゃないかという恐怖と絶望が降りかかる。


ヴゥーーーーーン


「ハエ…か………腕ならしには丁度いい。ラウンド1だッ!!!」



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