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第九話 愛·覚えているでしょうか



○タカシの家·リビング



○(テレビ映像)



司会者「それでは登場していただきましょう!本日のゲストはこの方で~す!」


BGM「キューンキューン♪キューンキューン♪わたーしのかれぇはトレーナーァ♪………」



   リンメイが現れる。


   拍手喝采。



キャスト➀「うわぁぁ!!」


キャスト②「すごぉぉい!!」


司会者「ということで!本日お越しいただいたのは!今、話題沸騰中のアイドル!リンメイさんでぇ~す!」


リンメイ「よろしくお願いしまぁ~す」



   拍手喝采。



(タカシ達の会話)



タカシ「おお!リンメイだ!」


母「なにタカシ、リンメイのこと好きなの?」


タカシ「いや、ただすごいなぁって思っただけ!」



○(テレビ映像)



司会者「いやぁそれにしても、リンメイさん!すごい活躍だねぇ!」


リンメイ「はい!多くのお仕事をいただいてて、嬉しい限りです!」


キャスト➀「ほんとですよ!僕が街中歩いてるとね、至るところにリンメイちゃんがいるんだから、もう僕リンメイノイローゼになっちゃいますよ!」


一同「「あははは!!」」


司会者「そして!何と言ってもリンメイさんが主役を勤めた映画!”愛·覚えているでしょうか”がメガヒットということで!リンメイさん!おめでとうございます!」


リンメイ「ありがとうございます!これも全てスタッフの方々の力強い協力があってこそです。そして何より。応援してくださっているファンの皆さんのお陰です!ほんとうにありがとうございます!」



   拍手喝采。



○(タカシ達の会話)



タカシ「すごいよなぁ、アイドル活動はもちろん。バラエティ、映画、ドラマ。どこにでもひっぱりだこなんだから!」


母「あんた詳しいねぇ」


タカシ「いやこのご時世、いろんな情報が入ってくるんだよ」


母「ふぅ~ん…」



(テレビ映像)



司会者「しかし、ここで悲しいお知らせがあります!なんとリンメイちゃん!今回の出演はここまでとなります!」


キャスト➀「えぇ~!?いやいや早すぎますよぉ!!」


キャスト②「えぇ~!?」


キャスト③「いやぁ本当に売れっ子だなぁ」


リンメイ「すみません皆さん、この後、ライブの準備があってすぐに行かないとなんです!」


司会者「いやいや、こちらこそお忙しい中お越しいただいて本当にありがとうございます!この後、今、ポケシウム事件で騒がれてるマシロタウンに行かれるんですよね」


リンメイ「はい、そうなんです!今、大変な状況の中暮らされている住民の方々に少しでも勇気を与えられるよう頑張りたいと思います!」



(タカシ達の会話)



タカシ「えぇ!?リンメイ来るの!?」


母「あぁ、そういえば昨日のチラシに入ってたかも」


タカシ「ちょっとお母さん早く言ってよ!」


母「いやあんたがそんな好きなんて知らなかったから…」



(テレビ映像)



司会者「というわけで!本日のゲストはリンメイさんでした!リンメイさん!どうもありがとうございました!」


リンメイ「ありがとうございました!」



   拍手喝采。



× ×  op × ×



(学校·教室)



   タカシがコウスケに声をかける。



タカシ「おはよコウスケ!なぁお前リンメイ来るの知ってるか!?」


コウスケ「あぁタカシくん。そりゃもちろん!朝から学校中その話題で持ちきりだよ!」


タカシ「えっ?」



   タカシが辺りを見渡す。

   クラスメイト達がリンメイの話をしている。



タカシ「ほんとだ!やっぱリンメイすげえな…そういえばコウスケ!リンメイのライブ!お前行くか!?」


コウスケ「当たり前だよ!こんな機会滅多にないんだもの!」




   そこにミズナが走ってくる。



ミズナ「二人とも二人とも!!」


タカシ「ん?おおミズナ。どうした?」


ミズナ「さっき近所のおじちゃんから聞いた話なんだけど…(ヒソヒソ話)リンメイが今日の昼、マシロタウンに来るんだって…」


タカシ「リンメイが!?」


コウスケ「本当ですか?根も葉もない噂なんじゃ」


ミズナ「いや、おじちゃんの言うことなら間違いないわ」


タカシ「なにもんなんだよそのおじちゃんは…(汗)」


ミズナ「とにかく!今日学校終わったらリンメイを探しに行きましょうよ!」


タカシ「よぉし!その話乗った!」


コウスケ「まぁ僕も時間はありますが。探す宛はあるんですか?」


ミズナ「そりゃあもちろん。探しに行く場所はあそこしかないでしょ!」


タカシ「あそこって?」


ミズナ「あそこっていうのは…」



○マシロタウン市民会館·外



   タカシ、コウスケ、ミズナ、タツベイ、ロトムがいる。



   数十人の大人が作業をしていて、巨大パネルやスピーカーが設置されている。



ミズナ「リンメイのライブステージ!マシロタウン市民会館よ!」


ロトム「すごいロト!巨大パネルが設置されてるロト!」


コウスケ「なるほど!あれで野外でもライブが見られるということですね!」


タカシ「リンメイのステージってなると、たっくさんの人が来るだろうしな!」


タツベイ「ターツタッ!」


ミズナ「んーー!(悶絶)この非日常のワクワク感!溜まんないわね!」


タカシ「確かにこれはワクワクせずにはいられないな…」


コウスケ「しかし、リンメイはどこにも見当たりませんね…」


ロトム「もしかしたらもう建物の中に入ってるかもしれないロト」


ミズナ「そうね!行ってみましょ!」



○マシロタウン市民会館·玄関前



警備員「だめだめ!いれるわけにはいかないよ」


タカシ ミズナ「「えぇ~~!」」


ミズナ「そこをどうにかお願いします!」


タカシ「頼みますよぉ!」


警備員「ダメなものはダメだっ!さっ、みんな帰った帰った!(タカシ達の背中を押す)」



× × × ×



ミズナ「もう、なんなのよ!ちょっとぐらい入れてくれたっていいじゃない!」


タカシ「そうだそうだ!」


コウスケ「仕方ないですよ。二人とも、諦めましょう」


ロトム「コウスケの言う通りロト!今日リンメイを見れなくても、ライブの日なら会えるロト!」


ミズナ「えぇ~…せっかくサインして貰おうと色紙買ってきたのに…」


タカシ「俺もリンメイと話してみたかったよ…」


タカシ ミズナ「「はぁ…(がっくし)」」


タカシ「仕方がない、今日はもう帰るか…」


ミズナ「そうね。そうしましょう…」



× × × ×



○町中·帰り道



タカシ「じゃーな!」


ミズナ「ばいばーい!」


コウスケ「さようならー」



   (タカシ視点)



   タカシ、タツベイ、ロトムが歩いている。 



タカシ「あーあ、リンメイに会えると思ってたのになぁ…」


ロトム「まだリンメイのこと言ってるロト」



タカシ「だってさぁ…」



○町·野原の近く



タツベイ「タツッ!タツタッ!」


タカシ「ん?どうしたタツベイ?」



   タカシはタツベイの視線の先を辿る。

   そこには森があり、不気味に赤色がかっている。



タカシ「あれはポケシウムの!」



   その時、森の中から巨大なクロバットがこっちに向かって飛んでくる。クロバットにはポケシウムが付着している。



タカシ「なっ!なんだ!?」


ロトム「クロバット。こうもりポケモン。どく、ひこうタイプ。4枚に増えた翼で暗闇を静かに飛んでいく。隣を通られても気付かない。」


タカシ「こっ…こりゃまずい!逃げろーー!!」



   みんなが走り始める。


   クロバットが翼を激しく動かして、風を巻き起こす。



クロバット「クロバッ!!(かぜおこし)」



一同「「うわぁぁ!!」」



   タカシがタツベイに指示を出す。



タカシ「(帽子を押さえながら)頼むタツベイ!ひのこだ!」


タツベイ「タツタッ!!(ひのこ)」



   ひのこは風によって吹き飛ばされる。



タカシ「くそ…やるしかないか…」


タツベイ「タツ…」



   その時、青年の声が聞こえてくる。



青年「ファイアロー!ブレイブバードだ!」


ファイアロー「ファイーー!!」



   ファイアローが羽を折り畳み、低空飛行でクロバットに接近。そのまま蹴りを繰り出す。



クロバット「クロッ!!(悲鳴)」



タカシ達「はっ!?」



   クロバットは一目散に森に逃げていく。



タカシ「すげぇ…」


ロトム「ファイアロー。れっかポケモン。ほのお、ひこうタイプ。素早い滑空で敵に接近。強烈な蹴りをお見舞いする。」



   ポケモンレンジャーの服を着た青年が近くに走りよってくる。



青年「くそ…逃げられたか…」


ファイアロー「アロアロッ」


青年「ありかとうファイアロー」



   そこにスモモが走って来る。



スモモ「大丈夫ですかー!ってタカシくん!?」


タカシ「スモモさん!」


スモモ「(走りよってくる)みんな怪我は無い?」


タカシ「はい!大丈夫です!」


ロトム「ファイアローに助けられたロト!」


スモモ「そう、よかった」


タカシ「(青年とファイアローに向かって)危ないところを助けてくれてありがとうございます」


ファイアロー「ファイアー!」


青年「いやいや、君たちが無事で何よりだよ。僕の名前はアタル。みんなよろしく」


タカシ「よろしくお願いします!俺はタカシ。そしてこっちが相棒のタツベイ」


タツベイ「タツタッ!」


ロトム「はじめまして!僕はスマホロトムロト!」


タカシ「すごいなファイアロー!一瞬で飛んできてあのクロバットを追い払っちゃうんだから!」


タツベイ「タツター(羨ましいなぁ)」


アタル「あはは、そう言われると嬉しいよ。なっ、ファイアロー」


ファイアロー「ファイファイ!」


スモモ「アタルさんは普段、他の地方で活動しているんだけど、今はマシロタウンに応援に来て貰っているんです」


タカシ「なるほど、そういうことだったんですか」


ロトム「今はパトロールの最中ロト?」


アタル「ああそうだよ。ポケシウムを探しだして”なんでもなおし”で無害化しているところなんだ(手元の’’なんでもなおし’’を見せる)」


タカシ「へぇ!そういうことなら俺にも協力させてください!」


アタル「えっ?君たちがかい!?」


ロトム「タカシ、これは遊びじゃないロトよ」


タカシ「そんなこと分かってるよ!(スモモに向かって)俺たちこのあとやることなくって、お願いします!」


スモモ「えぇ~っと…(アタルを見る)」


アタル「まぁ人手が多いに越したことはないし、いいんじゃないですか?」


ミズナ「ほんとですか!?」


アタル「でも、危ないマネは絶対にしないこと。いいね!」


タカシ「もちろんです!俺もう10歳の少年!立派なポケモントレーナーですから!」


アタル「あはは、それじゃ改めてよろしく。タカシくん!」


タカシ「はい!」



○止め絵の連続でポケシウム探しを写す。



タカシ「疲れた~…」


タツベイ「タツタッ~…」


ロトム「お疲れ様ロト!(水の入った紙コップを渡す)」


タカシ「サンキューロトム」


タツベイ「タツタッ」



   タカシ達の少し遠くでスモモとアタルが話している。



アタル「スモモさん(水の入った紙コップを渡す)」


スモモ「ありがとうございます(水を飲む)」


アタル「やっぱり想定以上のポケシウムがありますね」


スモモ「はい…こんなところでへばってられないですね(笑顔)」



   アタルは神妙な面持ちになる。



アタル「(間)…こんな状態なら、勝ち目は無いかもしれませんよ…」


スモモ「アタルさん!キャプテンなら任務中にそんな弱音は吐きませんよ!」


アタル「…了解……」



   (画面:アタルの表情に少しずつ近付いていく。タカシ達の会話が聞こえる)



スモモ「(タカシ達に向かって)さぁみんな!私たちはまだ捜索を続けるけどどうする?」


タカシ「もちろんやるに決まってますよ!」


タツベイ「タツタッ!」



× × × ×



○町中·(夕日)



ヤミカラス「カァカァ…カァカァ…」



   タカシ達が町に戻ってくる。



タカシ「すっかり遅くなっちゃったな」


ロトム「早く帰らないとお母さんに怒られるロトよ」


タカシ「大丈夫大丈夫。走って帰れば問題ないって!」



   タカシ達の少し後ろをスモモとアタルが歩いている。



スモモ「んー(伸び)、今日も疲れましたね」


アタル「………はい…」


スモモ「ん?(アタルの顔を覗き込む)どうかしましたか?」


アタル「いや…」



   その時、少女の声が背後から聞こえてくる。



少女「アタルーー!」



   みんなが後ろを振り返る。


   サングラスをかけた少女がアタルに駆け寄る。



アタル「リッ!?…ちょっとお宅、こんな町中で大声出さないでよ」


少女「ごめんね。アタルがこの町にいるって聞いて、私ずっと探してたのよ」


アタル「仕事でろくに寝れてないんだろ!少しは休まないと!」


少女「そんなに心配しなくても大丈夫よ!」



タカシ「ん~…この声どっかで聞いたことあるような…」


スモモ「アタルさんのお知り合いですか?」


アタル「あぁ~…えっと…」


少女「別に隠すようなことじゃないじゃないわ。(サングラスを外す)初めまして、私、リンメイっていいます」


タカシ「えぇーー!!リンメイー!」



アタル リンメイ「「しーー!(静かにのポーズ)」」


タカシ「すっ、すみません…」


ロトム「アタルさんはリンメイと知り合いだったロト!?」


アタル「ああ、彼女とはアイドルになる前からの知り合いでね」


リンメイ「今でもたまにこうやって話し相手になってもらってるの」


タカシ「なっ、なるほど…あの…つかぬことお聞きしますが…お二人は付き合ってたり…」


リンメイ「私とアタルが!?あはは!そんなんじゃ無いわ。私たちはただの友達よ」



   アタルの微妙な表情。



ロトム「ちょっとタカシ!そんなこと聞くなんて失礼ロトよ!」


タカシ「すっ、すみません…」


リンメイ「うんん、気にしないで!それよりあなた私のこと知ってくれてるのね」


タカシ「知ってるもなにも!リンメイさんは今をときめく大スターですよ!知らない人なんてそうそういません!」


リンメイ「うふふ、ありがとう!今週の土曜に私のライブがあるの。是非見に来てね!」


タカシ「はい!もちろんですよ!」



   その時、道端に一台の車が止まる。

   その中から一人のスーツ姿の男が出てくる。



男「リンメイ!こんなところにいたのか!」


リンメイ「カイクン兄さん!」


男「(アタルを睨み付けて)やっぱり、またそいつと会ってたのか…」


アタル「カイクン…」


リンメイ「ちょっと兄さん!そんな言い方無いでしょ!この町だってアタル達のお陰で今日まで助かってるのよ」


ロトム「なんだかやな感じロト…」


リンメイ「ごめんなさい。カイクン兄さん、ポケモントレーナーが嫌いなの」


タカシ「なっ!なんだって!?いったいどうしてですか!?」


カイクン「なんだ君は?」


タカシ「俺はタカシ!将来、最強のポケモントレーナーになるって決めてるんだ!」


カイクン「ふっw最強のポケモントレーナーか…」


タカシ「なにがおかしい!(怒)」


カイクン「すまない。私は戦いを好まない。戦いが産み出すもの。それは破壊だけだ」


タカシ「なっ、なんだと!」



   カイクンがタツベイに気がつく。

   タツベイの前で片足を跪き、目を合わせる。



カイクン「タツベイくん。君はなぜ戦っているんだい?」


タツベイ「…」


タカシ「だからさっきも言っただろ!?俺たちは最強のトレーナーとポケモンになるんだ!なっタツベイ?」


タツベイ「タツ?(首をかしげる)」


タカシ「タ…タツベイ………?(驚)(お前戦いたくないのか?)」



カイフン「さぁリンメイ!(リンメイの腕を掴む)もう帰るぞ!お前の姿が見えないとみんな心配してるんだぞ!」


リンメイ「分かってるわよ!(カイクンの腕をほどく)。それじゃアタル!私のライブ!絶対に来てよね!」


アタル「ああ、もちろんそのつもりだよ」


リンメイ「それじゃあね!」



   リンメイ達の乗った車が走り去っていく。



× × × ×



○タカシの家·外(ライズ当日)



タカシ「行ってきます!」



   タカシが扉を開ける。

   一緒にタツベイとロトムが出てきて走り出す。



ロトム「タカシ!ライブの時間にはまだ早いロトよ!」


タカシ「なに言ってんだよ!あのリンメイのライブなんだから早く行かないと席が埋まっちゃうよ!」



○町·野原の近く



   タカシが走っていると、アタルを見つける。



タカシ「ん?あれは!」



× × × ×



   タカシ達がアタルの元に駆け寄る。



タカシ「アタルさーん!」


アタル「ん?あっタカシくん!」


タカシ「アタルさん。今日もパトロールですか?」


ロトム「今日はリンメイのライブの日ロトよ」


アタル「ああ、それまでに少しでも多くポケシウムを探しだそうと思ってね」


タカシ「へぇ!すごいなアタルさん!」


アタル「ところで、みんなはこれからリンメイのライブへ?」


タカシ「はい!そうなんです!俺、リンメイのライブ見るの楽しみで、昨日の夜、全く寝れなかったんですから!」


アタル「そうか、タカシくん。楽しんでくるんだよ!」


タカシ「はい!」



   その時、アタルのポケシウム探索機から音が鳴り始める。



ロトム「これはなんの音ロト!?」


アタル「ポケシウム探索機が…こんな音、聞いたことがないぞ…」



   その時、近くの森から大量のズバット。ゴルバットが現れる。



ロトム「あれは!?」


アタル「ズバットとゴルバットの群れロト!」


タカシ「…なんだか様子が…はっ!?全部のポケモンにポケシウムが!」


アタル「行け!ファイア…(モンスターボールを投げようとする)」



   その時、一匹のゴルバットがアタルに対して攻撃をする。



ゴルバット「ゴルバッ!!(エアカッター)」


アタル「うっ!(倒れる)」


タカシ「アタルさん!しっかりしてください!アタルさん!」



   アタルは少しづつ目を閉じていく。



○ポケモンセンター·入院室



アタル「はっ!?(アタルが身を起こす)」



   アタルはベットで横になっている。側にはタカシ、タツベイ、ロトム、スモモがいる。



タカシ「アタルさん!」


ロトム「大丈夫ロト!?」


アタル「こ、ここは?」


スモモ「ここはポケモンセンターです。タカシくん達が気を失ったアタルさんをここまで運んできたんですよ」


アタル「そうだったのか、ありがとうみんな」


タカシ「そんなことより体は大丈夫なんですか?」


アタル「ああ心配いらないよ!さぁ君はリンメイのライブに行くんだろ?早くしないと間に合わなくなっちゃうよ?」


タカシ「でっでも…」


スモモ「タカシくん。アタルさんのことは私に任せておいて」


タカシ「…分かりました!みんな行こう!」


ロトム「了解ロト!」


タツベイ「タツタッ!」



   タカシ達が部屋を出ていく。


   スモモとアタルが会話を始める。



スモモ「アタルさん。今、キャプテン達が凶暴化したズバットとゴルバットの群れの調査に向かっています。私たちも向かいます」


アタル「了解!」



○ポケモンセンター·外



   アタルとスモモがポケモンセンターのドアから出ていく。

   

   目の前にリンメイの姿がある。



リンメイ「アタル!」


アタル「リ、リンメイ!?どうしてここに?」


リンメイ「アタルが怪我をしたって聞いて飛んできたの!体の具合は大丈夫なの?」


アタル「見ての通り問題ないさ!心配いらないよ」


リンメイ「そう………」


スモモ「アタルさん!(行きますよ!)」


アタル「はい!」



   アタルが走り出そうとする。


   その時、リンメイがアタルの前に飛び出し、両手を広げる。



リンメイ「行かないで!」


アタル「リンメイ!?」


リンメイ「どうして!?どうしてそんなにまでして戦いに行くの!?」



   しばらく間を置いてスモモが話し始める。



スモモ「………リンメイさん。あなたは一体、誰のために歌を歌うの?」


リンメイ「え…?」


スモモ「自分のため…それとも………あなたの歌を、愛してくれる人達のためじゃなくって?」


リンメイ「………」


スモモ「私たちが戦いに行くのも、あなたが歌を歌うのと同じ理由なのよ」


リンメイ「そ、そんな…」


アタル「さぁ、君は早くステージに行くんだ!」


リンメイ「いや!(アタルの腕を掴む)それならあなたも一緒に」


アタル「バカなことを言うな!僕はポケモンレンジャーなんだ!君を、この町を、守らなきゃならないんだ!」


リンメイ「いや!いや!だったら私も一緒に連れてって!ひとりぼっちにしないで!」


アタル「リンメイ…ごめん。だけど、君はひとりぼっちなんかじゃない!」


リンメイ「えっ?」


アタル「行くよ。君には歌があるじゃないか」



   アタルはリンメイの腕をすり抜け、走り去っていく。



リンメイ「………ル……アタル……アタル!……アタル!!……アタル!!!!!」



○町中



   スモモとアタルが走っている。



スモモ「(無線機で通話)キャプテン!現在の状況は?」


トクサ「今のところゴルバット達に異常は無い!アタルと一緒に私のところに合流するように!」


スモモ「了解!(無線機を降ろす)アタルさん!これからトクサさん達と合流します!ついてきてください!」


アタル「了解!」



○マシロタウン市民会館·控え室



   リンメイが椅子に座っていて、カイクンが隣に立っている。


   リンメイはやつれた顔をしている。



リンメイ「私………歌いたくない…」


カイクン「なにを言ってるんだリンメイ。客席には既に君の歌を待っている人々がいるんだぞ」


リンメイ「………」


カイクン「ふん……(バレないように鼻でため息をつく)」



   カイクンが控え室を離れる。


   ドアの向こうには一人のスタッフがいる。

   


スタッフ「どうですかカイフンさん。リンメイさんの様子は?」


カイフン「(しばらく考えて)………私は今あるライブが全て終わったら、リンメイのマネージャーを辞めます」


スタッフ「カッ、カイフンさん!?なにを言ってるんですか!?」


カイフン「仕方がないんだ………それに、彼女もすでに分かっているはずだよ………」



○野原

 


   キャプテン、カメックス、シダ、へラクロスの元にスモモ、アタルが集まる。


   上空ではズバット、ゴルバット、そして一匹のクロバットの群れが旋回して飛んでいる。



アタル「先輩!」


キャプテン「アタル!大丈夫か!」


アタル「はい、問題ありません!それよりポケモン達は?」


キャプテン「今のところは動きはない。第一戦闘態勢だ!」


アタル「了解!行け!ファイアロー!」


ファイアロー「ファイアー!!」


スモモ「頼みます!ハピナス!」


ハピナス「ハピナッ!」


シダ「キャプテン!ズバット達が市街地に向かって移動を始めました!」


キャプテン「みんな行くぞ!」


一同「「「了解!!」」」



○マシロタウン市民会館·玄関前



   多くの人々が建物の中に入っている。



警備員「早く避難してくださーい!!」



○マシロタウン市民会館·ロビー



   多くの人々が詰めかけ、ごったがえしている。


   赤ちゃんの鳴き声が聞こえてくる。



○マシロタウン市民会館·観客席



   薄暗い会場。

   観客席も人が集まっている。

   その中に、タカシ達の姿もある。



コウスケ「大丈夫でしょうか?」


タカシ「心配いらないよ!」


ミズナ「そうよ!アタルさん達がすぐに解決してくれるわ!」



   その時、市民会館全体が大きく揺れる。


   人々の騒ぎが大きくなる。



○マシロタウン市民会館·舞台袖



   リンメイ、演奏家、スタッフの人々がいる。


   揺れが続いている。



   リンメイは(画面左を向いて)俯いていてる状態。


   それから少しして顔を上げる。

   

   そして唇に力を入れる。


   演奏家、スタッフ達の方を振り返る。(画面ではリンメイの後ろ姿が映る)



リンメイ「皆さん!よろしくお願いします!(頭を下げる)」



○マシロタウン市民会館·観客席



   観客達のザワザワは止まらない。


   そこにスピーカーからリンメイの声が聞こえてくる。



リンメイ「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー…(繰り返し)」


観客➀「なっ、なんだ?」


観客②「この声は!リンメイちゃんだ!」



   段々と観客の声は小さくなってき、最終的にリンメイの声だけが聞こえてくる。



リンメイ「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー…(段々と声が小さくなっていき、聞こえなくなる)……………」



   観客席が完全に静かになる。



リンメイ「………ワン!!ツー!!」



   前奏が始まり、舞台が一気に明るくなる。


   観客席から歓声が沸き上がる。



曲:私の彼はトレーナー(仮)


リンメイ「キューンキューン♪キューンキューン♪わたーしの彼ーは♪トレーナァー♪」」


観客「「「わーーーーー!!!!!」」」



○マシロタウン市民会館·外



   外のスピーカーからリンメイの歌が聞こえてくる。



○野原



   ポケモンレンジャーとポケモン達の戦闘シーンに移る。


アタル「ファイアロー!ブレイブバードだ!」


ファイアロー「ファイアッ!!」



   (以下省略)



○マシロタウン市民会館·観客席



   場面がまた戻り、曲が終わる。



リンメイ「わたーしの彼ーは♪トレーナァー!!♪」



   観客席から歓声が巻き起こる。



観客「「「うおおーーー!!!」」」



リンメイ「皆さんこんにちは、リンメイです!」



観客「リンメーーイ!!(野太い声)」



リンメイ「(声の方へ)ありがとう。えー、このマシロタウンでは、ポケシウム現象が発生してから約2ヶ月が経とうとしています。その間、本当にいろんなことがありましたし、辛い思いをされた方も大勢いらっしゃると思います。(間)だから!今日はそんな皆さんの心を少しでも勇気付けれるよう歌いたいと思います!今日は思いっきり楽しんでください!」


観客「「「(歓声)」」」


リンメイ「それでは次の曲です。聞いてください。(OPテーマ名)。」


観客「「「(歓声)」」」



曲:ポケモンレンジャー(仮)


リンメイ「マシロのそーらを♪つらぬーいて♪地球をうーったイカズチはぁー♪」




○野原



   再びポケモンレンジャーの戦闘に戻る。


   (サビの辺り)


シダ「へラクロス!ミサイルばり!!」


へラクロス「ヘラッ!!(※板野サーカス)」



   (ラスト)


アタル「ファイアロー!ブレイブバードだ!」


ファイアロー「ファイアーー!!!」



   ファイアローのブレイブバードでクロバットを仕留める。



クロバット「クロッ!!(悲鳴)(地面に倒れる)」



   スピーカーから観客の歓声が聞こえてくる。



観客「「「(歓声)」」」



   アタルの(左向きの)横顔アップ。

   アタルは目線を少し下に落とす。

   しばらくして顔を後ろに向け(※画面上で右を向く)少し上に目線を送る。

   アタルの顔に、夕日の光(オレンジ)が差し込む。



   ゆっくりとアタルの顔が透明になり、リンメイの顔に移り変わる。



   リンメイは目を瞑って俯き(左向きの)横顔アップ。

   リンメイは息が上がっていて、肩を使って呼吸をしている。

   しばらくして目を開けて、少し上に目線を向ける。

   リンメイの顔に、ライトの光(白)が差し込む。



   そのまま、画面はゆっくりと暗くなっていき、歓声も小さくなっていく。



○マシロタウン市民会館·ステージ



   真っ暗な画面の中に1ヵ所、スポットライトが当たる。


   

リンメイ「それでは次が最後の曲になります。聞いてください。(EDテーマ名)」



観客「「「(歓声)」」」




次回予告


BGM「タラタラタ!タータ!タラタラタ(ドゥーンドゥドゥン)タラタラタ!タータ!タラタラタ!(ドゥーンドゥドゥン)」


ポケモンバトルにいそしむタカシ達。その時、コウスケのキャタピーから青白い光が放たれる。それはポケモンが”しんか”するときに放つ、眩い光であった。キャタピーは新たな姿に生まれ変わる。


ポケモンレンジャー


次回『よろしくバタフリー』


君は”しんか”することが出来るか



× × ed × ×



曲:ウォーカー(仮)リンメイver.


リンメイ「僕はもう♪迷いはしなぁいー♪自分のー♪道を歩むだけー♪人はー♪だーれも♪歩き続けーる♪ゴールはー♪遠ーいけれてどー♪今日を過ぎ去るー♪日々ーのなーかー♪明日という日がー♪くれーばいーいー♪遥かー♪彼方ーの輝ーりにーむーけてー♪僕はいーまーも♪歩きつーづぅけーるぅー♪」

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