第十話 よろしくバタフリー
○タカシの家·リビング
(以下、テレビの内容)
バタフリーの群れが飛んでいる映像。
N「この時期の風物詩、バタフリーの渡り。ヤマブキシティでは今年も数多くのバタフリーが海を越えるため、続々と集まっています。」
(タカシ達の会話)
タカシとタツベイは朝ごはんを食べながらテレビを見てる。
タツベイ「タツター(飛んでるー)」
タカシ「そっか、もうそんな時期か。すごいよなぁ。あんなでっかい海を休まず飛んでくんだから」
ロトム「秋はバタフリーの恋の季節。子孫を残すため、ああして群れを作って相手を見つけるロト」
タカシ「へぇ~そうなのか…そういえば、コウスケのキャタピーはまだしんかしてないよな?」
ロトム「確かに。今の時期、キャタピーはトランセル、バタフリーにしんかするはずロト」
タカシ「だよなぁ」
その時、母の声が聞こえてくる。
母「タカシー、早くしないと学校遅れるわよ!」
タカシ「いっけね。早くしないと」
× × OP × ×
○学校·教室
生徒➀「おはよー」
生徒②「おはよー」
タカシがコウスケに話しかける。
タカシ「おはよーコウスケ」
コウスケ「あぁ、タカシくん。おはようございます」
タカシ「なぁコウスケ。お前のキャタピー、調子はどうだ?」
コウスケ「えっ?キャタピーですか?別に普通ですけど、どうしたんですか急に?」
タカシ「ほら今の時期キャタピーってしんかするだろ。コウスケのキャタピーも、もうそろそろなんじゃないかと思ってさ」
コウスケ「あぁ、確かにそうですね。キャタピーがしんかですか」
そこにミズナがやって来る。
ミズナ「二人ともなんの話してるの?」
タカシ「おうミズナ。今、コウスケのキャタピーがしんかするんじゃないかって話してたんだ」
ミズナ「キャタピーがしんか!?素敵な話じゃない!キャタピーってしんかするとトランセルになるんでしょ」
タカシ「ああ、トランセルになったあと、一週間ぐらいでバタフリーにしんかするって、テレビで言ってたよ」
ミズナ「へぇー、キャタピーってそんなに早くしんかしちゃうんだ!私、キャタピーのしんかするところみたい!」
タカシ「俺も俺も!なぁコウスケ!今日の放課後!キャタピーに会わせてくれよ」
コウスケ「そんなに急がなくてもいいんじゃないですか?僕のキャタピーはまだしんかする気配はありませんし…」
ミズナ「う~ん。それじゃあさ!放課後、みんなでキャタピーをしんかさせようよ!」
タカシ コウスケ「「キャタピーをしんかさせる!?」」
ミズナ「えぇ、キャタピーをバトルさせて、経験値を上げていけば、いつかトランセルにしんかするはずよ!」
タカシ「おお!ポケモンバトル!それなら俺にまかせとけ!」
コウスケ「えぇ…大丈夫でしょうか…」
ミズナ「そんなに心配しなくても大丈夫よ!」
タカシ「ああそうだよ!それにキャタピーの触覚だってしんかすれば生えてくるってロトムも言ってただろ?」
コウスケ「(考える)…確かにそうですね。わかりました!ひとまずやってみましょう」
ミズナ「よぉし!それじゃあキャタピーをしんかさせるぞー!」
タカシ ミズナ「「おー!」」
× × × ×
○学校·授業中
コウスケ視点。
先生「…進化とはもともと、何世代にも渡って遺伝的に変化していく現象のことである。そのためポケモン学会では、ポケモン一個体が身体的に変化することは進化ではなく成長と呼ぶべきという議論がたびたび行われている。しかし、ポケモンの身体的変化は一般的な成長以上の変化が起きている。そのため、ポケモンの身体的変化は成長ではなくひらがな表記の”しんか”とする…」
コウスケが教科書のページを捲る。そこにはキャタピー、トランセル、バタフリーの挿絵が載っている。
その後、窓の外に目をやるとヤンヤンマが飛んでいる。
× × × ×
○同·放課後
生徒➀「ばいばーい」
生徒②「じゃーねー」
○原っぱ·放課後
タカシ、タツベイ、コウスケ、ミズナがいる。
コウスケ「よぉし、出てきてください!キャタピー」
モンスターボールを投げるとキャタピーが出てくる。
キャタピー「キャタッ!」
ミズナ「キャタピー!あなたしんかしたいと思わない!?」
キャタピー「キャタ?(首をかしげる)」
ミズナ「ほら見て!(教科書を見せる)キャタピーはトランセル、バタフリーにしんかできるの!」
タカシ「それに!しんかしたらパワーアップしてバトルにだって勝てるようになるんだ!」
ミズナ「ねぇキャタピー!(キャタピーに顔を近付ける)」
タカシ「しんかしようぜ!(キャタピーに顔を近付ける)」
キャタピー「キャタキャタ…(汗)(引)」
コウスケ「ちょっと二人とも、そんなキャタピーを問い詰めるようなことしないでください!」
ミズナ「あっごめん(頭カキカキ)」
タカシ「つい熱くなっちゃった」
コウスケ「(キャタピーに向かって)どうしますキャタピー?」
キャタピー「キャタ?」
コウスケ「しんかすれば、君のその触覚も元通りになるかもしれませんよ?」
キャタピー「…(少し考えて)キャタッ!キャタピー!(やってやる!)」
コウスケ「…わかりました!」
ロトム「キャタピーもやる気みたいロト」
タカシ「よぉし!そうと決まればさっそくポケモンバトルだ!いくぞタツベイ!………ってタツベイ?(振り返る)」
タツベイが鼻提灯をだして寝ている。
タカシ「ズコーー(コケる)なに寝てんだよタツベイ!」
ミズナ「もう、しょうがないわね。お願いイーブイ!(モンスターボールを投げる)」
モンスターボールからイーブイが出てくる。
イーブイ「イブブイッ!」
ミズナ「イーブイ!キャタピーの特訓相手お願い!」
イーブイ「イブブイ(身をかがめて戦う態勢になる)」
キャタピー「キャタッ!?(驚)」
キャタピーはコウスケの胸に飛び込む。コウスケはキャタピーに驚く。
コウスケ「うわーー!!」
キャタピー「キャターー!!」
ミズナ「ありゃりゃ(汗)」
イーブイ「イブッ…(汗)」
× × × ×
コウスケ「はぁ…はぁ…(地面に手をついている)」
ミズナ「ちょっとコウくん。まだキャタピーのこと触れないの?キャタピーはコウくんのポケモンでしょ?」
コウスケ「仕方ないじゃないですか。人間誰しも得意なこと苦手なことがあるんですから!」
ミズナ「そりゃそうたけど…」
イーブイ「(キャタピーに向かって)イブイブ?(大丈夫?)」
キャタピー「キャー…(岩に隠れる)」
ロトム「これは長い道のりになりそうロト…」
タカシ「だなぁ、ともかく今はキャタピーでも戦えそうな相手を探さないと…おっいた!」
そこにはコラッタがいる。
ミズナ「コラッタ相手ならキャタピーにも勝算がありそうね!」
コウスケ「よぉし!次こそ行きますよキャタピー!」
キャタピー「キャタッ!」
コウスケとキャタピーがコラッタの前に歩いていく。
コウスケ「コラッタ!僕たちと勝負です!」
キャタピー「キャタッ!」
コラッタ「コラッ?(気付く)コラッタ!(威嚇)」
コウスケ「キャタピー!糸でコラッタの動きを封じてください!」
キャタピー「キャタッ!(いとをはく)」
コラッタ「コラッ!(攻撃を避ける)」
コラッタはそのまま草むらに逃げていってしまう。
コウスケ「ちょっ、ちょっと待ってください!」
タカシ「あちゃぁ、逃げられちゃったか…」
キャタピー「キャタ(落ち込み)」
コウスケ「大丈夫ですキャタピー!もう一度やってみましょう!」
キャタピー「キャタッ!(やる気まんまん)」
ミズナ「あっ!あそこにもポケモンがいるわよ!」
ミズナの目線の先にはポッポがいる。
ロトム「あれはポッポロト。初心者ポケモントレーナーの小手調べには最適ロト、だけど…」
タカシ「ちょうどいい相手じゃないか!よぉしキャタピーやってやろうぜ!」
キャタピー「キャタッ!(ポッポに向かっていく)」
コウスケ「ちょっ、ちょっと待ってくださいキャタピー!!(汗)」
タカシ「ん?どうしたコウスケ?」
コウスケ「どうしたもこうしたもありません!虫ポケモンと鳥ポケモンがバトルをしたらどうなるかなんて一目瞭然です!」
タカシ「………いっけね…(青ざめる)」
キャタピー視点に移る。
キャタピー「キャタッ!キャタピー!(おい!僕とバトルしろ!)」
ポッポ「ポロッポ?」
ポッポがキャタピーに気がつく。
ポッポ「ポロッポー!(飯だー!)」
キャタピー「キャタ?(えっ?)(自分の身体を見る)キャターー!!」
キャタピーは飛び上がる。キャタピーのポッポの追いかけっこが始まる。
キャタピー「キャター!!」
ポッポ「ポロッポッ!」
コウスケ「キャ!キャタピー!」
タカシ「こりゃまずい!」
ミズナ「イーブイ!キャタピーを助けるわよ!スピードスター!」
イーブイ「イブブイ!(スピードスター)」
イーブイの攻撃が当たる。
ポッポ「ポロッ!(悲鳴)。ポロッポー!(反撃で砂をかける)」
一同「「「うわっ!?ゲホッゲホッ!」」」
ポッポが逃げていく。
コウスケ「全身砂まみれてす…」
ミズナ「(ブルブルブル)ちょっとタカちゃん!タイプ相性も覚えてないの!」
タカシ「タッ…タイプ相性?」
ミズナ「むしタイプにひこうタイプの攻撃は効果抜群!こんなの常識じゃない!」
ロトム「そんなんじゃ世界一のポケモントレーナーなんて夢のまた夢ロトね…」
タカシ「す、すみません…」
キャタピー「キャター…」
コウスケ「しかし困りましたね。こうも野生ポケモンとのバトルが上手く行かないとは…」
タカシ「ん~…そうだっ!要するにむしタイプが得意な相手と戦えば良いわけだろ?むしタイプが勝てる相手と言えば、くさタイプだ!」
コウスケ「なるほど!それならキャタピーも有利にバトルできますね」
ミズナ「なかなか良いアイデアじゃない!」
タカシ「よぉし、それじゃ早速、草タイプのポケモンを…おっ!」
タカシの目の前をマダツボミが歩いている。
タカシ「おぉ!見るからにくさタイプのポケモン発見!」
ロトム「マダツボミ。フラワーポケモン。くさ、どくタイプ。ひょろっとした 体つきだが 獲物を 捕らえるときの 動きは 目にも とまらないほど 素早い」
タカシ「よぉし!こんどこそ!」
コウスケ「待ってください!マダツボミはくさ、どくタイプ。どくタイプの攻撃はむしタイプに効果抜群です!」
タカシ「あっそうでした…(汗)キャタピー…ってあれ?どこいった?」
ミズナ「あっみんな見て!」
ミズナの指差す方向を見る。キャタピーはマダツボミに体当たりをしようとしている。
キャタピー「キャタキャター!!(体当たり)」
マダツボミは口を大きく開ける。
マダツボミ「マダーー!!」
キャタピーはマダツボミの口にすっぽりと入る。
一同「「「はっ!?」」」
一同がキャタピーの側に駆け寄る。
コウスケ「大丈夫ですかキャタピー!?」
タカシ「早く引き離すぞ!」
コウスケとミズナがキャタピーを、タカシとロトムがマダツボミを掴む。
タカシ「せーのでいくぞ!せーの!」
一同「「んーー!!(引き離そうとする)」」
「ポンッ!」(キャタピーとマダツボミが引き剥がされる音)
一同「「「うわっ!!」」」
ドカーン!!
一同「うわぁ…(目がぐるぐる)」
マダツボミは一目散に草むらに入っていく。
コウスケ「いててて…はっ!キャタピー!?」
キャタピー「キャター…(軽い毒状態)」
ロトム「マダツボミの毒を浴びてるロト!」
タカシ「なっ!なんだって!?」
ミズナ「キャタピーしっかり!」
コウスケ「大丈夫です!こんなこともあろうかと”なんでもなおし”を用意しておいたんです!さぁキャタピー」
コウスケがキャタピーになんでもなおしを吹きかける。キャタピーの毒状態が治っていく。
キャタピー「キャタ…キャタピー…」
タカシ「よかったぁ」
ミズナ「さっすがコウくん!眼鏡をかけてるだけのことはあるわね!」
コウスケ「それとこれとは関係ありませんから…」
キャタピー「キャタ…(落ち込み)」
タカシ「でも弱ったなぁ…どうすりゃキャタピーをバトルで勝たせられるかなぁ…」
その時に大木が倒れる音が聞こえてくる。その音でタツベイは目を覚ます。
タツベイ「タツッ!(目を覚ます)」
タカシ「この音は…」
草むらから音のする方を向くと、そこにはいつものストライクがいる。
タカシ「やっぱりあいつか!よぉし今度は俺たちの番だ!タツベイ!ポケモンバトルだ!」
ミズナ「えっどうしてタカちゃんがバトルするの?」
コウスケ「そうですよ。キャタピーが戦わないと意味がありません」
タカシ「それはそうかもしれないけどさ!やっぱり人のバトルを見ることでも経験値はあがると思うんだよ、なっタツベイ!」
タツベイ「タツタ?(首をかしげる)」
ロトム「そういって、ただタカシがバトルをしたいだけロト」
タカシ「あっバレた?まぁなにはともあれ!やってやろうぜタツベイ!」
タツベイ「ターツタ(首を横にふる)」
タカシ「やっぱしか…そんなに戦いたくないのか?」
タツベイ「タツ(うん)」
タカシ「頼むよタツベイ!(肩をつかんで揺らす)あんなに頑張って噛み砕くを覚えたんだ!ちょっとぐらいバトルしてくれても良いじゃないか!」
タツベイ「(ムカッ)タツタッ!(ひのこ)」
タカシ「うわっ!(ひのこを避ける)」
ひのこは草むらを超えてストライクに当たる。
ストライク「………スト(にらみつける)」
タカシ「はぁ…何回目だよ…」
一同「「うわぁぁ!!!」」
一同が逃げ惑う。
コウスケがキャタピーを抱き抱えて逃げる。
ミズナ「なんでいっつもストライクにケンカ吹っ掛けるのよ!」
タカシ「仕方ないだろ!それがポケモントレーナーの本能なんだからさぁ!」
ロトム「そんな本能聞いたことないロト!」
コウスケ「おっ、置いてかないでください…(走るのが遅くなっていく)」
一同「「「コウスケ(コウくん)!?」」」
ストライクがカマを大きく振りかぶる。
ストライク「ストーー!!」
コウスケ「うわっ!?」
その時、キャタピーがストライクに向かって糸を吐く。
キャタピー「キャターー!!(糸を吐く)」
キャタピーの糸がストライクを締め付ける。
一同「「「あっ!?」」」
キャタピーは頭を振り回し、ストライクをそのまま地面に叩きつける。
ストライク「ストッ!!(悲鳴)」
ストライクは草むらの中に逃げていく。
キャタピー「キャタピー!(やってやったぞー!)」
コウスケ「やっ、やりましたよキャタピー!」
タカシ「すごい!キャタピー!お前すげぇよ!」
コウスケ「まさかあのストライクを退治しちゃうなんてね!」
ロトム「ビックリロト!」
その時、キャタピーが口から糸をだし始める。
キャタピー「キャターー!!(糸を吐く)」
コウスケ「うわっ!!(驚)」
タカシ「なっなんだ!」
キャタピーが身体に糸を纏っていく。
キャタピーの身体が青白く光始める。
ミズナ「こっ、これは!?」
ロトム「しんかの光ロト!」
キャタピーの身体が変化していき、トランセルにしんかする。
トランセル「トラトラ!」
コウスケ「し、しんかした!」
タカシ「すげぇ!」
ミズナ「わたし、ポケモンのしんか初めて見た!」
ロトム「トランセル。さなぎポケモン。むしタイプ。殻の中はしんかの準備でとても柔らかく崩れやすい」
コウスケ「やりましたねトランセル!………トランセル?」
タカシ「なんかまったく動かなくなったゃったな」
ロトム「トランセルは動くと柔らかい中身が出てしまうことがあるため、なるべく動かないようにしている(図鑑説明)」
一同「「「えっ…(汗)」」」
ミズナ「コ、コウくん…トランセル、ボールの中に入れといた方がいいんじゃない?(汗)」
コウスケ「そっ、そうですね(汗)戻ってくださいトランセル」
コウスケがトランセルをモンスターボールに戻す。
コウスケ「しばらく家の中でお留守番ですね」
タカシ「なにはともあれ、キャタピーが無事にしんかできてよかったよ」
ミズナ「そうね。バタフリーにしんかするのが楽しみだわ」
コウスケ「はい!」
コウスケがモンスターボールを見つめる。
× × × ×
コウスケの視点に移る。
○コウスケの家·玄関(放課後)
薄暗い玄関。
コウスケがドアを開ける。
コウスケ「ただいまぁ」
ちょうどその時、父が靴を履いている。
父「おうお帰り。父さんちょっと出ていくから」
コウスケ「また仕事?」
父「まぁな、夕飯冷蔵庫のテキトウに食べといてくれ」
コウスケ「はーい」
父「それじゃ行ってくる」
コウスケ「行ってらっしゃい」
○同·コウスケの部屋
部屋の中は豆電球で薄暗い。
コウスケ「(モンスターボールを出して)出てきてください。トランセル」
トランセルは勉強机の上に出てくる。
コウスケ「しばらくはそこでゆっくりしててくださいね」
コウスケはトランセルの額に目線を落とす。そして豆電球を消すと再び部屋から出ていく。
部屋の中は暗転する。
× ×
○同(朝)·一週間後
黒い画面のまま目覚まし時計の音が聞こえてくる。コウスケは身を起こしてアラームを止めると、眼鏡をかける。
部屋の窓からは朝特有の青暗い光が入っている。
コウスケはトランセルを見て部屋から出ていく。
○学校·教室
タカシがコウスケに話しかけている。
タカシ「トランセルはどうだ?」
コウスケ「(首を横にふる)いえ、今日もまだしんかしてません」
タカシ「そっか、トランセルになって今日でもう一週間だし、今日辺りしんかしそうだな」
コウスケ「はい、」
タカシ「あっそういえば聞いたか?ミズナのやつまたトランセルを見たいって言ってたぞ…」
○同·グラウンド(マラソンの授業)
タカシが走っている。
タカシ「よっしゃゴール!」
ミズナ「お疲れタカちゃん!やっぱ速いわね」
タカシ「まぁな、いつもポケモンに追いかけ回されてるかいがあったぜ」
(コウスケの視点)
コウスケはキツイ顔をしながらゆっくりと走っている。
コウスケ「はぁ…はぁ…」
コウスケを数人の生徒が軽々と追い抜いていく。
(タカシ達の視点)
タカシ「がんばれコウスケー!」
ミズナ「あともう少しよぉ!」
コウスケはなんとか走りきる。
膝に手をついて息を整える。
コウスケ「はぁ…はぁ…」
タカシ達が駆け寄る。
タカシ「ナイスファイト!」
ミズナ「お疲れ様!」
コウスケ「はぁ…はぁ…もう…ムリ………バタン(地面に倒れ込む)(ギャグっぽく)」
ミズナ「コウくん!?」
タカシ「おいしっかりしろコウスケ!」
○同·教室(掃除の時間)
コウスケは虚ろな表情で掃き掃除をしている。
生徒➀「(ほうき2本を肩に乗せて)はいカメックスー!」
生徒②「ちょっと男子遊ばないで!」
その時、コウスケの身体が机に当たり花瓶が割れる。
先生「コウスケくん!?大丈夫?怪我してない?」
コウスケ「あっはい、大丈夫です。すみません花瓶割ってしまって」
先生「次からは気を付けたね。ちょっと新聞紙誰か持ってきてぇ!」
生徒➀「はーい」
先生がガラスの破片を箒で集めてゴミ箱に捨てる。
タカシとミズナがコウスケの元にやってくる。
タカシ「コウスケが花瓶を割るなんて珍しいな」
ミズナ「そうね。体調でも悪いんじゃない?」
コウスケ「ん~…もしかしたら、まだマラソンの疲れが残ってるのかもしれませんね」
タカシ「まぁコウスケ体力ないもんな。そうだ!これから毎日タツベイと追いかけっこするってのはどうだ!?嫌でも逃げ足が速くなるぞ!」
「そっ、それは遠慮しておきます…」
○帰り道(放課後)
ヤミカラス「かぁー、かぁー」
タカシ、ミズナ、コウスケ、タツベイ、ロトムが歩いている。
ミズナ「コウくん!今日もトランセル見にいってもいい!?」
コウスケ「はい、もちろんですよ」
タカシ「お前、トランセル見るのよく飽きないよな」
ミズナ「だってバタフリーにしんかするところが見られるかもしれないじゃない!ポケモンのしんかなんてそうそう見られるもんじゃないわよ!」
タカシ「まぁそりゃそうだけどさぁ、微動だにしないトランセルを見てるだけってのは流石にきついよ」
ミズナ「そういうと思って!ジャジャーン!トランプを持ってきました!今日はこれで時間を潰しましょ」
ロトム「流石ミズナ、抜け目が無いロト」
タカシ「よぉし、そういうことなら俺も付き合うぜ!(袖をたくしあげる)」
× × × ×
○同·コウスケの部屋
タカシ「また負けたー!」
ミズナ「あはは!」
コウスケ「タカシくんは顔に出過ぎなんですよ」
タカシ「くっそぉ!もう一回だ!」
ロトム「タカシ、そろそろ帰らないとお母さんに怒られちゃうロトよ」
タカシ「えっ?いっけね、帰るぞタツベイ!」
ミズナ「私も帰らないと。あ~あ、トランセル、今日もしんかしなかったね」
コウスケ「こればかりは仕方がありませんよ」
ミズナ「もお!こうなったら仕方がないわ!明日は土曜日だし!朝から張り込んでやるんだから!コウくんいい!?(圧)」
コウスケ「べ、別に構いませんよ…(汗)」
タカシ「それじゃまた明日!」
ミズナ「ばいばーい」
ロトム「お邪魔しましたロト」
タカシ達が部屋から出ていく。
× × × ×
パジャマ姿のコウスケ。
コウスケは部屋の電気を消して、豆電球にする。
コウスケはベッドで横になる。
顔を横に向けると、トランセルが見える。
コウスケはそのまま目をつぶって寝る。
× × × ×
○(明け方)
薄暗い部屋。
窓から朝特有の青暗い光が入っている。
トランセルが突然、青白い光で輝き始める。
コウスケはそれに気がつき目を覚ます。
目を擦ったあと、眼鏡をかけて、立ち上がる。
コウスケ「………(息をのむ)」
トランセルの背中にヒビが入る。
トランセルのからの中から、バタフリーが出てくる。
バタフリー「フリフリ~」
バタフリーの右の触覚は左と比べて小さい。
バタフリーはコウスケの元に飛んでいき、右の触覚を差し出す。
コウスケは少し戸惑いながら、触覚を優しく握る。
コウスケ「(しんかしちゃった…)………おめでとう、バタフリー(微笑)」
バタフリー「フリフリィ(笑顔)」
○同·玄関(朝)
タカシ、ミズナ、タツベイ、ロトムがやってくる。
ミズナ「おじゃましまーす」
コウスケ「あっみんな」
バタフリー「フリフリィ~!」
タカシ ミズナ「「バッ!バタフリー!!」」
ミズナ「ちょっとコウくん!なんで教えてくれなかったのよ!」
コウスケ「そ、そんな時間なかったんですよ…(汗)」
タカシ「まぁまぁ、トランセルがしんかできたんだからいいんじゃないか」
ミズナ「それはそうだけど…」
ロトム「しっかり触覚も治ったみたいでよかったロトね」
タツベイ「タツター(立派な羽だなぁ)」
タカシ「おめでとうバタフリー!」
バタフリー「フリィ~!」
バタフリーがミズナの周りを飛ぶ。
ミズナ「あはは、すごいなぁ、あのキャタピーがこんなに大きくなっちゃうなんて!」
バタフリーがコウスケの元に飛んでくる。
コウスケ「これからもよろしくお願いします。バタフリー!」
バタフリー「フリィフリィ!」
N「見事、しんかを遂げたバタフリー。きっとこの先も素敵な出会いが待っているはずだ。コウスケ、バタフリーの冒険はまだまだ続く。」
次回予告
マシロタウンの森でピカチュウの目撃情報が相次いでいる。ピカチュウのゲットしようと張りきるミズナ達。そんな彼女らの前に不思議はポケモンが現れる。
ポケモンレンジャー
次回『ミミッキュは電気鼠の夢を見るか』
君は『しんか』することが出来るか
※しばらく休みます




