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第四話 ドキドキ職場見学!ジョーイの一日



◯タカシの家・リビング(朝)



TV「ポケシウム事件は依然として増加の一途を辿っており、今まで発見されただけでも8体のポケモンがポケシウムの影響で凶暴化しています。マシロ宇宙センターでは引き続き…」



   タカシがご飯を食べている。

   

   ちらりと横に目線を落とすと、そこにはタツベイ用のご飯皿だけが置かれている。

   タツベイの姿がない。


   その時、家の電話が鳴り始める。



電話「プルプルプル、プルプルプル、プルプルプル」



   母が電話に出る。



母「はい、もしもし。あっはいそうです…あっどうもお世話になってます。はい、ほんとですか!分かりました!いえいえ、それじゃあタカシに伝えておきます。はい、ありがとうございます。失礼しまーす」



   母がリビングにやってくる。



母「タカシ〜、タツちゃんもう退院だって」


タカシ「えっホント!?」


母「えぇぇ、早く行ってあげなさい」


タカシ「分かった!」



   タカシが朝ごはんを掻き込む。



タカシ「ごちそうさま!ロトム行くぞ!(走り去る)」


ロトム「了解ロト〜〜!」



◯ポケモンセンター・エントランス



   スモモとタツベイが待っている。

   

   タカシが自動ドアから小走りで入ってくる。   



タカシ「スモモさん!タツベイは!?」


スモモ「あらタカシくん早いわね。見ての通り、毒はもうすっかり治ったわ」


タカシ「タツベイ!大丈夫だったか?」


タツベイ「………(うつむき)」


ロトム「なんだか、元気がないロトね」


スモモ「ええ、毒の方はもう治ったんだけど、心の方はまだ治ってないみたいね」


タカシ「心ですか?」


スモモ「ニドキングとの戦いに勝てなくて落ち込んでいるのかも知れないわね」


タカシ「そんなぁ…なぁタツベイ元気出せって!落ち込んでるなんてお前らしくないじゃないか」


タツベイ「………」


タカシ「タツベイ…」



   そこにミズナとコウスケがやってくる。



ミズナ「やっほータカちゃん」


コウスケ「おはようございます」


タカシ「みんな」


ミズナ「タツベイの調子はどう?」


タカシ「それがさぁ、タツベイのやつニドキングに勝てなくて落ち込んでるんだよ」


タツベイ「………」


コウスケ「ホントですね。いつもはこんなにうつむいてないのに」


タカシ「ん〜〜、どうしたものかなぁ…」


ミズナ「う〜ん………やっぱりこういう時は特訓しか無いんじゃない!?」


ロトム「特訓ロト?」


ミズナ「そうそう!勝つための特訓!ポケモンバトルの悔しさを晴らすならポケモンバトルしかないよ!」


タカシ「う〜ん…確かにそうかもしれないな…なぁタツベイ、どうだ?ポケモンバトルの特訓、してみるか?」


タツベイ「う〜〜ん(考える)…うん(うなずく)」


タカシ「おおお!(目がキラキラ)一緒に頑張ろうぜタツベイ!」


タツベイ「タツタッ!」


ジョーイ「タカシくん、タツベイは病み上がりなんだからあんまり無理させちゃダメよ!」


タカシ「わかりました!」



◯ポケモンセンター・バトルフィールド



   タカシ、タツベイ、コウスケ、ミズナ、ロトムが外のバトルフィールドにいる。



ミズナ「よぉし!行くわよイーブイ!(モンスターボールを投げる)」



   モンスターボールの中からイーブイが出てくる。



イーブイ「イブブイ!」


タカシ「タツベイ!やるぞ!ほとんど同じ大きさの相手ならお前のパワーで倒しきれるはずだ!」


タツベイ「タツターツ!」


タカシ「それじゃ行くぞミズナ!」



ミズナ「えぇ、どこからでもかかってきなさい!」



   バトル開始!



タカシ「タツベイ!まずは頭突き攻撃だ!」


タツベイ「タツタッ!(イーブイに向かって走っていく)」


ミズナ「イーブイ!スピードスターよ!」


イーブイ「イブイブ!(複数の星型の光線を発射)」



   スピードスターがタツベイにヒット!



タツベイ「タツッ!!(悲鳴)」



   タツベイが地面に倒れ込む。



タカシ「大丈夫かタツベイ!?」


タツベイ「ターツター!!(地団駄を踏む)」



   タツベイの頭突き攻撃!



タカシ「待てタツベイ!!」


ミズナ「何度来ても同じことよ!イーブイ!スピードスター!」


イーブイ「イブイブ!(複数の星型の光線を発射)」



   スピードスターがタツベイにヒット!


   タツベイが地面に倒れる。   




タツベイ「タツッ!!(悲鳴)」


タカシ「タツベイ!!はっ!」



◯回想



キャプテン「波状攻撃、開始!」


カメックス「カ”メカ”メカ”メカ”メッ!!!」



   次々と水の弾丸がタツベイを襲う!



タツベイ「タツタツタツタツタツタツッ…タッ!(汗)」



   水の波動がタツベイに直撃。



◯回想終わり



タカシ「このままじゃまた………タツベイ!これじゃカメックスと戦ったときとおんなじだ!別の方法で戦うぞ!」


タツベイ「ターツタ?(どうするんだ?)」


タカシ「目には目を、歯に歯を!遠距離攻撃には遠距離攻撃だ!タツベイ、ひのこ!」


タツベイ「タツタ!(分かった)ターツタッ!!(ひのこ攻撃)」



ミズナ「スピードスター!」


イーブイ「イブイブ!」



   ひのことスピードスターがぶつかって砂埃が起こる。



タカシ「今だ突っ込め!頭突き攻撃!」


タツベイ「タツタッ!(イーブイに向かって走っていく)」



   タツベイの攻撃がイーブイにヒット。



イーブイ「イブッ!(悲鳴)」


ミズナ「大丈夫イーブイ!?」


イーブイ「イブブイ!(まだまだ行けるよ!)」


ミズナ「へぇ、なかなかやるじゃない!」



タカシ「へへっ、まだまだ行くぜ!タツベイ!次は噛みつく攻撃だ!」


タツベイ「ター!!(口を大きく開けてイーブイに近づいていく)」



ミズナ「イーブイ!砂かけ!」


イーブイ「イブッ!(砂かけ)」



タツベイ「タツッ!(目を閉じる)」


タカシ「なにっ!?」



   タツベイの噛みつく攻撃が外れる。



ミズナ「でんこうせっか!」


イーブイ「イブイッ!(目にも止まらぬ早さでタツベイに突撃!)」



タツベイ「タツッ!!(悲鳴)」



   タツベイがよろける。



タカシ「おいミズナ!目くらましなんて卑怯じゃないか!」



ミズナ「なに言ってんのよタカちゃん、砂かけはポケモンリーグでも公認されているれっきとした技なのよ」


タカシ「なにっ、公認されてる技だって?」


ミズナ「そんなことも知らないなんて、タカちゃんもまだまだねっ」



タカシ「くそっ…タツベイまだ行けるか?」


タツベイ「ターツタ…(汗)」



イーブイ「イブイ…(汗)」



   そこにジョーイのスモモが割って入る。



スモモ「はーい、みんなそこまで」


タカシ ミズナ「「スモモさん!」」


スモモ「みんな汗をかいてるしポケモンセンターに入りましょ」


タカシ ミズナ「「え〜〜!」」


ロトム「そうロト、このままじゃ熱中症になるかもしれないロト」


コウスケ「僕ももうこの暑さにはコリゴリだよ…」


タカシ「も〜、後もうちょっとで勝てそうだったのに!」


ミズナ「何いってんのよ!私のイーブイの方が優勢だったわよ!」


タカシ「違うよ俺のタツベイの方が勝ってた!」


ミズナ「イーブイ!」


ミズナ「タツベイ!」


スモモ「ほら二人とも!」


タカシ ミズナ「………は〜い」



◯同・ポケモンセンター



   エプロン姿のハピナスが水の入ったコップを持ってくる。   



ハピナス「ハーピナ(どうぞ)」


ミズナ「あっ、ありがとうハピナス!」


コウスケ「いただきます」


タカシ「俺も俺も」



   一同が水を飲んでいる。



タカシ「ゴクゴクゴク…ぷは〜〜生き返る〜」



   ジョーイが水飲み皿をタツベイとイーブイの前に置く。



ジョーイ「はい、二人ともどうぞ」



イーブイ「イブブイ(ありがとう)」


タツベイ「ごくごくごく、ターツタ(冷たい)」



ジョーイ「うふふ、お手伝いありがとう、ハピナス!」


ハピナス「ハピハピ(いえいえ)」



コウスケ「それにしてもすごいかったねタカシくん」


タカシ「えっ?なんのこと?」


コウスケ「ポケモンバトルだよ!前までタツベイがタカシくんの話しを聞くことなんて無かったのに」


ロトム「確かにロト、タツベイがしっかりタカシの言うことに耳を傾けてたロト」


タカシ「ほんとだっ!(タツベイの方を見る)タツベイーーー!!(タツベイに抱きつこうとする)」


タツベイ「ターツ!(タツベイの頭突き!)」


タカシ「アイタッ!もぉ、なんだよ!そんなに恥ずかしがらなくってもいいだろ?」


ミズナ「ふふ〜ん、私とイーブイはハグも出来ちゃうもんね!ぎゅ〜」


イーブイ「イブブイ!」


タカシ「なんだよ!ハグが出来るからってポケモンバトルで勝てるわけじゃないじゃないか!」


ミズナ「それじゃあこの後、バトルの続きしようじゃない!」


タカシ「上等だ!やってやろうじゃないの!」



   その時、ポケモンセンターの自動ドアが開く。

   虚ろな表情の男性が入ってくる。



男「すみません」


ジョーイ「いらっしゃいませ、予約の方ですか?」


男「はい、ネオラントの治療をお願いしたくって」


ジョーイ「分かりました。あちらの診察室にどうぞ。みんな、私は仕事してくるわね。行くわよハピナス!」


ハピナス「ハピッ」



   ジョーイと男性がカーテンの掛けられた奥の部屋に入っていく。



ロトム「ネオラントになにかあったみたいロト」


ミズナ「ねぇねぇちょっと覗いてみない?」


タカシ「いいな。そうしようぜ、俺スモモさんの働いてるところ見てみたい。ほらコウスケも行くぞ!」


コウスケ「ぼっ、僕も〜?」



   みんなが診察室の中を覗く。



   診察室ではジョーイさんと男性が話していて、机の上の水槽にネオラントが入っている。ネオラントはぐったりとしている。ジョーイの隣にハピナスがいる。



ジョーイ「症状はいつ頃から出始めましたか?」


男「泳がなくなったのは今朝からです。数日前からご飯を食べる量が少なくなってたんですけど、泳いでる姿はいつもと変わらなかったんで…」


ジョーイ「なるほど(パソコンに打ち込む)…水槽の水換え頻度はどれぐらいですか?」


男「え〜と大体、週に一回、3割ぐらいです」


ジョーイ「ん〜〜、(ネオラントの様子を見る)身体にも異常は無いか…(ハピナスの方を見て)大丈夫そうね」


ハピナス「ハピ(はい)」


ジョーイ「推測ですがネオラントは病気ではなさそうですね」


男「えっ、それじゃあネオラントは?」


ジョーイ「恐らく酸欠の症状だと思われます」


男「酸欠ですか?」



タカシ「サンケツってなに?」


ロトム「身体に十分な酸素が取り込まれないことロト」


タカシ「なるほど…」



ジョーイ「夏場は水温が上がって、水中の酸素量が少なくなりやすいんです。水槽は普段どちらに?」


男「リビングに置いてます。エアコンも付けてるはず…あっそういえば、昨日はエアコン付けてなかったかも…」


ジョーイ「しばらくはエアコンの効いた部屋で経過観察をお願いします。体力が削られていると病気になりやすくなるので症状が悪化したらすぐに連絡して下さい」


男「分かりました。ごめんよネオラント…」



☓ ☓ ☓ ☓



   ジョーイが一人椅子に座っている。



ジョーイ「んー(伸び)」



   タカシ達が部屋に入ってくる。



タカシ「すごいですねスモモさん!」


スモモ「あれみんな…もしかして見てたの?」


コウスケ「すみません」


ミズナ「すっごくかっこよかったです!」

   

スモモ「あはは、ありがと」


ミズナ「私、スモモさんの仕事もっと見てみたいです!」


タカシ「俺も俺も!」


ロトム「みんな、スモモさんの迷惑になるロトよ」


ミズナ「えぇ〜、いいでしょスモモさん!」


スモモ「ん〜、みんな診療中は騒がないのよ。いい?」


タカシ ミズナ「「はい!ありがとうございます!」」



☓ ☓ ☓ ☓



   女性がポチエナを連れて診断室に座っている。



女「この子、最近ゲットしたんですけど噛み癖が悪くて落ち着きもないし、念のためジョーイさんに見てもらおうと思って」


ジョーイ「分かりました。少し診察してみますね。」



   ジョーイがポチエナを診察台に乗せる。


   ポチエナがジョーイの胸元に前足を置いて顔を舐める。



ジョーイ「ちょっとやめてよ(笑顔)」


女「ちょっとポチエナ!ジョーイさん困ってるでしょ!すみませんジョーイさん」


ジョーイ「いえいえ、(犬の身体を触っていく)13kgで、肋骨は出ていないわね」



   ポチエナが尻尾をブンブンと振り回す。



ジョーイ「(聴診器を胸に当てる)…うん。問題なし。(背中の毛を逆立てる)皮膚も大丈夫。目ヤニも無いし、耳も問題なし。ポチエナは健康そのものね」


女「ホントですか!良かった…(ほっ)」


ジョーイ「この様子からすると…恐らくポチエナは運動不足ですね」


女「運動不足ですか!?」


ジョーイ「はい、普段のポチエナの散歩の時間はどのくらいですか?」


女「えぇ〜っと朝夜でだいたい20分ぐらいですかね。ネットで調べたらそれぐらいだって書いてたので」


ジョーイ「多くのポチエナはそのくらいの運動量で大丈夫ですが、この子は特に体力があるみたいですね。身体を動かしたくってウズウズしてしまって問題行動をとってしまう子は多いんです。」


女「そうだったんですか」


ジョーイ「これからは散歩時間を多く取ったり…あとはポケモンの場合だともっと効果的な方法がありますよ。(タカシたちの方を向いて)みんなはなにか分かる?」


ミズナ「えっなんだろう?」


コウスケ「う〜ん」


タカシ「はい!(手を上げる)」


ジョーイ「はいタカシくん!」


タカシ「ポケモンバトルですね!」


ジョーイ「その通り!(女の方を見て)この子のバトル経験は?」


女「はいありますよ、って言っても1、2回ですけど」


ジョーイ「それなら十分ね。(タカシとタツベイの方を向いて)タカシくん、タツベイ。お願いできる?」


タカシ「もちろんです!」


タツベイ「ターツタッ!」



◯同・バトルフィールド


  

   一行が外に出ている。



タカシ「よ〜し。タツベイ!練習の成果を出すぞ!」


タツベイ「タツタッ!」



女「張り切って行くわよ!ポチエナ!」


ポチエナ「ポチポチ!」



ジョーイ「今回はポチエナの運動不足が目的なので戦闘不能になるまでバトルしないように!それでは!バトル開始!」



タカシ「先手必勝!タツベイ!ひのこだ!」


タツベイ「ターツタッ!(ひのこ)」



女「ポチエナ!GO!」


ポチエナ「ポ〜チッ!(タツベイにむかって走る)」



   ポチエナがひのこを避ける。



タカシ「接近戦ならこっちのもんだ!タツベイ!頭突き攻撃!」


タツベイ「タツッ!」



   お互いの頭がぶつかる。


   ポチエナが押し負けてふっとばされる。



ポチエナ「ポチッ!(悲鳴)」



タカシ「いいぞタツベイ!」


タツベイ「ターツタッ!(やったぜ)」



女「やるわね!ポチエナ!次は怖い顔よ!」


ポチエナ「グルルルル(にらみつける)」



タツベイ「!?(びっくり)」


タカシ「動じるなタツベイ!もう一度頭突き攻撃だ!」


タツベイ「タツッ!」



女「噛みつく攻撃!」


ポチエナ「ポチッ!」



   ポチエナが頭突きを躱す。

   ポチエナの噛みつく攻撃がヒット!



タツベイ「タツッ!(悲鳴)」



女「ポチエナ!GOOD!」



ミズナ「なんかタツベイの動き、普段と違わない?」 


コウスケ「たぶん、ポチエナの怖い顔に怯んでるんですよ」


ミズナ「そんな!がんばれタツベイ!」



タカシ「タツベイ落ち着け!ひのこだ!相手を近寄らせるな!」


タカシ「ターツタッ!(ひのこ)」



女「ポチエナ!GO!」


ポチエナ「ポチッ!」



   ひのこを躱して走っていく。



女「噛みつく!」


タカシ「こっちも噛みつく攻撃!(汗)」



   お互いの噛みつくがぶつかり合う。



女「ガンガン行っちゃって!」


ポチエナ「ポチッ!(更に噛みつこうとする)」


タカシ「躱せ!(汗)」



ポチエナ「ガブッ!ガブッ!ガブッ!」


タツベイ「タツッ!タツッ!タツッ!」



   タツベイがギリギリの所で躱していく。



タカシ「まだチャンスはあるぞ!頑張れタツベイ!」



   二匹の攻防が続く。

   しばらくしてポチエナの動きが止める。



女「ポチエナ?どうしたの?」


ポチエナ「はぁ、はぁ、はぁ、く〜ん(地面にしゃがみ込む)」



ジョーイ「そこまで!」



   女とジョーイがポチエナの側に歩いてくる。



女「あはは、疲れちゃったか」


ジョーイ「いい運動になったみたいですね。きっとこのあとはぐっすり眠ってくれるはずですよ」


女「ありがとうございます。お疲れ様、ポチエナ(ボールの中にポチエナを戻す)」



タカシ「タツベイ!!今のバトルよかったぞ!」


タツベイ「タツタッ!」



   女がタカシの元に歩いてくる。



女「タカシくん。いいバトルだったわ。ありがとう(手を差し出す)」


タカシ「はい!対戦ありがとうございました!」



   握手をする。



ポチエナ「ポチポチッ!」


タツベイ「ターツタッ!」



☓ ☓ ☓ ☓



   女がポケモンセンターを去っていく。



ジョーイ「ありがとうタカシくん。とても助かったわ」


タカシ「いえいえ、こんなのお安い御用ですよ!」


ジョーイ「さぁ、この調子で頑張るわよ!ハピナス!」


ハピナス「ハピハピッ!」



◯止め絵で診療を見せていく。



ジョーイ「お大事に〜!ふ〜、これで一段落かな?」


ハピナス「ハピ!」



   その時、一人の男がポケモンセンターに走ってやってくる。

   男はコラッタを抱いている。



男「すみませんジョーイさん!俺のコラッタが麻痺状態になってしまって…」


ジョーイ「コラッタが麻痺状態ですね。分かりました。すぐに診察室にお願いします」


ロトム「飛び込みの診察ロト」


ミズナ「ジョーイさんの仕事って大変だなぁ」



◯同・診察室



   コラッタが診察台で横になっている。



男「ナゾノクサに痺れ粉をかけられてしまって、ジョーイさん。コラッタは大丈夫でしょうか?」


ジョーイ「(コラッタの様子を見て)……うん…これぐらいの麻痺ならならすぐに良くなりますよ」


男「ホントですか!?」


ジョーイ「えぇ、それじゃあお願い!ペロリーム!」



   ジョーイのモンスターボールの中からペロリームが出てくる。



ペロリーム「ペーロロッ!」



ミズナ「なにあの子!可愛い!」


タカシ「初めて見るポケモンだ!ロトム!」


ロトム「了解ロト!ペロリーム。ホイップポケモン。フェアリータイプ。僅かな匂いでも嗅ぎ分ける敏感な嗅覚を活かしてパティシエの手伝いをしているポケモン。最近の研究で、体臭から心と身体の調子を嗅ぎ取ることが出来ると判明し、医療への応用が期待されている」


タカシ「へぇ〜、フェアリータイプのポケモンかぁ」



ジョーイ「ペロリーム。アロマセラピーをお願い」


ペロリーム「ペロリ〜ム!」



   ペロリームの周りに心地よい香りが漂い始める。



コウスケ「とってもいい匂いです…」


ミズナ「なんだかとってもいい感じぃ…」



   しばらくしてコラッタが起き上がる。



コラッタ「コラッ…タ」


男「コラッタ!もう大丈夫なのか?よかったぁ〜」



ロトム「一瞬で麻痺を治しちゃったロト!」


タカシ「すごい!でもどうして?」



ジョーイ「今のはペロリームの得意技アロマベール。この匂いを嗅いだポケモンは状態異常がすぐに良くなっちゃうの」


ミズナ「へー!ペロリームすごい!」


ジョーイ「お手柄よ。ペロリーム」


ペロリーム「ペ〜ロッ」


男「ジョーイさん!ありがとうございます!」


ジョーイ「いえいえ、私は自分の仕事をしただけですから。もうコラッタの麻痺は大丈夫だとは思いますが、念のため一日ポケモンセンターに入院しておきましょうか」


男「分かりました!ありがとうございます」



☓ ☓ ☓ ☓



ミズナ「ジョーイさんの仕事ってすごいなぁ!ポケモンたちの悪いところすぐに治しちゃうんだもん」


コウスケ「ホントですね。こうして見てみると改めてジョーイさんのありがたみを感じます」


スモモ「みんなもずっと立ちっぱなしで疲れたでしょ。ジュースでも飲んで休憩しましょう」


一同「「「やった!」」」



   その時、マツバ博士がポケモンセンターにやってくる。



博士「こんにちわスモモさん」


スモモ「マツバ博士、こんにちは。今日も研究所のポケモンの検査ですか?」


博士「いえ、今日はまた別の用がありまして(タカシ達に気がつく)ってなんじゃ。タカシくん達もおったのか」


タカシ「博士こんにちわ!今日はスモモさんの仕事を見学してたんです!」


ミズナ「すごいんですよ博士!スモモさんすぐにポケモンの悪いところ分かっちゃって、ちょちょいのちょいで病気を治しちゃうんです!」


博士「そうかい、それはいい勉強になったのう」



   次にシダとキャプテンが入ってくる。



シダ「あれ、みんな!」


キャプテン「なんだ。また君たちか」



コウスケ「シダさん、トクサさん!」


タカシ「あっ!!あなたは!ここであったが百年目!トクサさん!俺達とバトルしてください!」


タツベイ「タツター!(やってやるぞ!)」


キャプテン「すまない。今日はバトルをしているヒマは無いんだ。また今度にしてくれ」


タカシ「ちぇ、な〜んだ…」



スモモ「それで博士、お話というのは?」


博士「実はスモモさんに頼みたいことがあるんじゃ」


スモモ「頼み事ですか?」


キャプテン「博士、この先は私が」


博士「うむ」


キャプテン「スモモさん。単刀直入に申します。私たちと一緒にポケモンレンジャーとして活動していただきたい」


スモモ「わっ、私がポケモンレンジャーですか!?」


ミズナ「えぇぇ!スモモさんポケモンレンジャーになるの!?すごいすごい!」


スモモ「あの、どうして私なんでしょうか?」


キャプテン「ポケシウムの調査をしていて分かったことがありまして。ポケシウムの付着したポケモンに”なんでもなおし”を使うことでポケシウムが消えることが判明したんです」


コウスケ「なんでもなおしでポケシウムが消える?」


ロトム「なんでもなおしはポケモンの状態異常が治る道具ロト」


博士「ロトムの言う通り。なんでもなおしはポケモンの状態異常を治す。これは仮説じゃが、ワシはポケシウムを新たなポケモンの状態異常であると考えたのじゃ」


ジョーイ「なるほど。つまり、ペロリームのアロマセラピーでポケシウムに感染したポケモンを治せるかも知れない。ということですね」


キャプテン「そのとおりです。ジョーイさんお願いします。私たちと一緒に戦ってくださいませんか?」


ジョーイ「(少し考えて)はい!もちろんです。でも…私が留守の間は誰がポケモンセンターを?」


博士「それなら問題ない。ワシの助手であるヒノキに話は通してある」


ジョーイ「ヒノキさんなら安心して任せられますね。分かりました。」


キャプテン「よろしくおねがいします!スモモさん!」


ジョーイ「はい!こちらこそよろしくお願いします!」



   シダの携帯に電話がかかってくる。



シダ「はい!こちらポケモンレンジャー!なんですって!リングマが!?はいっ!了解しました!すぐに現場に向かいます!(携帯を閉じる)キャプテン!」


キャプテン「ああ分かった!ポケモンレンジャー出動だ!」


シダ スモモ「「はい!」」



◯野原



   一行の見る先には一匹のリングマが暴れている。

   リングマの身体にはポケシウムがついている。



リングマ「グマァァァァ!!」



キャプテン「大きい個体だな。スモモさん!アロマセラピーを!」


スモモ「分かりました!ペロリーム!アロマセラピー!」


ペロリーム「ペロリ〜ム!」



   しかし、リングマは暴れ続ける。



スモモ「ダメね。もう少し近づかないと…」


キャプテン「分かりました。それなら私が…(モンスターボールを投げようとする)」


スモモ「待って下さい!私も今日からポケモンレンジャーです。今日は私にバトルをさせていただけませんか?」


キャプテン「しかし…」


博士「トクサさん。スモモさんとハピナスならどんな相手でも大丈夫です。ワシが保証します」


スモモ「(タカシたちの方を少し見て)子どもたちの前ですか、少しかっこつけさせてください!(笑顔)」


キャプテン「…分かりました。スモモさん、頼みます。」


スモモ「はい!(ハピナスの方を見て)ハピナス!!久しぶりに暴れるわよ!」


ハピナス「ハピハピッ!」



   スモモとハピナスが一歩踏み出す。


   それに気がついたリングマが二人に襲いかかる。



リングマ「グマァ!!!(腕を大きく振り上げる)」



スモモ「ハピナス!たまごばくだん!」


ハピナス「ハピナッ!(お腹を卵を投げつける)」



   ハピナスのたまごばくだんがリングマにヒット。



リングマ「グマッ!!(悲鳴)」



スモモ「そこよ!すてみタックル!」


ハピナス「ハピナッ!!(ハピナスがリングマに体当たり)」



リングマ「リングッ!!(悲鳴)」



   リングマが地面に倒れ込む。



タカシ「強えぇ…」  


コウスケ「あの凶暴なリングマが手も足も出ないなんて」


ミズナ「いいぞスモモさん!頑張れ!!」



スモモ「ちょっと早いけど決めちゃいましょうか!ハピナス!はかいこうせん!!」


ハピナス「ハーピーナーーーーース!!!」



   はかいこうせんがリングマに襲いかかる。


   リングマにはかいこうせんがヒット。


   辺りに突風が巻き起こる。


   しばらくすると、リングマが倒れ込む。



スモモ「今よペロリーム!」


ペロリーム「ペロリ〜ム!(アロマセラピー)」



   リングマの身体のポケシウムが消えていく。



博士「やはり、ワシの仮説は間違ってなかったか」



タカシ「すっげぇ〜」



スモモ「ハピナス。リングマに”いやしのはどう”をお願い」


ハピナス「ハピナ〜(リングマの傷が治っていく)」



リングマ「リング…マ…」



スモモ「まっ、こんなものかしら(髪ファサ〜)」


ハピナス「ハピナッ」



ミズナ「すごい!!スモモさん!!ハピナス!!」


タカシ「かっこいい!!」


タツベイ「タツター!!」


コウスケ「本当に驚きですよ。まさかハピナスがこんなに強いなんて」


スモモ「うふふ、みんなありがとう!」


ハピナス「ハピナッ!」


博士「そうか、みんなは知らんのか。実はスモモさんとハピナスは学生時代、無類の強さを誇っておってのう。そのあまりの強さからついた異名は”桃色の悪魔”!」


タカシ コウスケ ミズナ「「「桃色の悪魔!!??」」」


スモモ「ちょっとやめてくださいよ博士!」


博士「おっとすまん。口が滑ってしまった」



   キャプテンとシダがスモモの前に歩いていく。



シダ「いやぁ!見事なバトルでした!見ていて惚れ惚れしましたよ!」


キャプテン「スモモさんが一緒なら百人力です。改めて、これからよろしくお願いします!」


スモモ「はい!こちらこそよろしくお願いします!」



N「スモモとハピナスの意外な一面を目の当たりにしたタカシ達。彼らの脳裏にはスモモの力強い姿が焼き付いたことだろう。ポケモンレンジャーとなったスモモは、これからどんな戦いを見せてくれるのだろうか。タカシ達の冒険はまだまだ続く」

次回予告


タカシ達は最近噂になっている巨大鳥ポケモンを見つける旅に出る。森の中で捜索を続けていると、そこには一匹の虫ポケモン。キャタピーの姿があった。タカシ達はキャタピーと心を通わせていくが、そんなときポケモンバイヤーが現れて…



ポケモンレンジャー


次回「いもむしポケモン!キャタピー登場!」


君は『しんか』することが出来るか

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