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8 夢幻の双刃の巻 4

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

秘鋭丸:遥か昔の魔王と戦った忍者。戦死した後、竜神の力で生体ニンジャロボ・ヒエイマルに生まれ変わった。

 【隠れ身の神】は、くすりと、小さく笑った。

「ならばそれでいいではないか」


 その言葉は、どこか冗談めいてさえいた。

「忍者しかできないなら忍者でいればいい。好きが無いなら好きにしなければいい。里から抜けてしまったというなら、別の場所に所属すればいい。そうだな‥‥魔王を倒したら、私が雇おう。ならば秘鋭丸(ひえいまる)は、インタセクシルに所属する、神に雇われた忍者だ。それ以外の者ではあるまい?」

 そう言われ、秘鋭丸(ひえいまる)は再び神へと目を向ける。

「おかしな話だ。何のために雇うと?」

 神は小さく肩を竦(すく)めた。

「さあ? まぁ、やってもらえる仕事ぐらい探せばあるだろう。お前ほどの腕があるのなら」


 秘鋭丸(ひえいまる)は覆面の奥から鋭い目を向ける。

 鋭いが、決して険しくは無い。

(拙者が欲しかったのは、拙者への肯定だったのかもしれぬ)



(そうか。ヒエイマルと化したのも、ストライクに呼ばれれば駆け付けるのも‥‥この時の約束が理由か)

 キラーはようやく理解した。

 秘鋭丸(ひえいまる)は人間だった頃の己を、それを肯定してくれた者のために今でも固辞しているのだ。

 人間を辞めてでも。



 だが、そこで映像が一変した。

 夜空は消えて青空へ。

 洞窟は消えて、古風な街並みへ。

 二人は消えて——血の海となったリングへ‥‥!


(ここは一体!?)

 驚愕するキラーにヒエイマルの意思が伝える。

《最も多くの神々が住まう聖域。そこがこの前の魔王に陥落させられた日だ》



 こ(・)の(・)前(・)の(・)魔(・)王(・)。

 秘鋭丸(ひえいまる)達が戦った、遥か昔の魔王ではない。

 キラー達が召喚される前にいた、スターゲイザーが所属していた魔王軍の首領である。



 リングにはただ一人、屈強な半裸の大男が立っていた。

 返り血に塗れたその男がこ(・)の(・)前(・)の(・)魔(・)王(・)なのだと、キラーは察する。

 リングの周囲で無残な屍となって息絶えている男達が、敗れた神々であろう事も。


 その屍の中に【隠れ身の神】もいた——!


(ヒエイマルはどうしたんだ!?)

 キラーが疑問に思うと、再び光景が変わる。

 暗雲立ちこめる岩山へ。


 巨大な岩山を登る道。

 そこを走るヒエイマル。

 しかし突如、天空から激しい落雷が滝のように降り注ぎ、ヒエイマルを焼き払おうとする!

 間一髪で跳躍し稲妻を避けるヒエイマルだった、が――稲妻は絶える事無く降り注ぎ、壁となり、そこからさらに無数の稲妻が発射され、ぐにゃぐにゃ曲がってホーミングまでして、跳んで走って分身までしてとにかく避け続けるヒエイマルに無理矢理命中し、遥か谷底へフッ飛ばした。


(‥‥不自然なんてもんじゃないな)

《まぁ神々の結界だからな》

 キラーの感想にもヒエイマルの意思が答えた。


 最大の聖域が滅ぼされた日。

 ヒエイマルは旧友の神を助けに行ったが、間に合わなかったのだ。

 神々が造った結界のせいで‥‥。


(そしてこの日に滅んだ【隠れ身の神】は、今、ストライクとして再生を始めているわけか)

 経緯(いきさつ)を知ったキラーに、ヒエイマルの意思が届く。

《拙者は使命を果たし損ねた。それを手助けするというなら、そちらの要求も受け入れるが道理》



 過去を映す映像(ヴィジョン)は消えた。

 そしてキラーは気づく——いつの間にやら今いる場所は、城の見張り塔で(・)は(・)な(・)い(・)。

 ケイオス・ウォリアーの操縦席ではないか!


 キラーの手には依然として金竜グゴルダーから貰ったナイフがある。

 座席の横、操縦桿がある筈の場所には、刃物を差し込めるスリットが。

(という事は‥‥)

 キラーはナイフをスリットに差し込んだ。



 ケイオス・ウォリアー特有の、機体と一体になる感覚。

 視覚が、聴覚が、その他の諸々が人造の巨人と共有される。

 そしてキラーは知った。

(やはりな)


 今いる操縦席はヒエイマルの物だった。


 モニターに映される機体データを見て、一体化した感覚を通じて知る。

 ヒエイマルの全能力を。

 それを全て引き出せる自分を。


(‥‥これならば、俺はやれる。戦える)

 確信しつつ、キラーは本人の目で己の肩を見た。

 そこいるのはかつて【隠れ身の神】だった物の一片、カメレオンのストライク。

 そ(・)れ(・)は呑気に尻尾を丸めたり伸ばしたりしていた。

 落ち着き、安心している。

 ここならば大丈夫だ、と。そう感じているかのように。

後継機の入手イベントだ。

今後は最後までこれでいく。

もう折り返し地点は過ぎているので、ゴールへつっ走るぞ。

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