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7 神技炸裂の巻 2

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

シャンマウ:ウェスパレス国の女グラップラー。ネコ獣人。

 着替えてブリッジに集まる一行。

 メインモニターに映っているのは——巨人戦士、虫頭の砲撃機、前傾姿勢の狼男、空飛ぶ鳥人‥‥青銅級機(ブロンズクラス)のケイオス・ウォリアーが多数!

 別モニターの戦闘MAPでは、敵を示す赤いアイコンでそれらが表示されていた。


「真魔怪大隊の足止め部隊か」

 呟くキラーに、サイシュウが「ふん」と鼻を鳴らす。

「今度の襲撃は、敵さんずいぶん本気らしいな」

「まずいです。あれに負けるとは思えませんが、時間をかけるとハイマウンテン国が‥‥」

 そう焦るスフィル王子に、アリンが不敵な笑みを見せる。

「なら強引に突破すればいい。全力で前進だ」

「無茶いいよるのう」

 セファラス女王が呆れる。

 アリンは目を吊り上げた。

「なんだと! この艦はコリーンが造ったんだぞ! 防御力と速度を信じないのか! 船舶建造の起源を後進国が疑(うたぐ)るなァ!」



※コリーン国の大王城壁画には、半裸の男達が組み合っている姿が描かれている。

 コリーンの学者が唱える説によれば、これは造船工場の起源の証拠である。



「運用に難のある欠陥艦をハイマウンテンで改造したんでしょ‥‥」

 ソフィアが額を抑える。

 しかしシンディが、意外にも肯定的な評価を出した。

「でもその方法は決して無理ではありませんよ」


 今のガメランの装甲は、量産型機の火力ではそう簡単には致命傷を受けない。

 それにこの世界、空中戦用機はそう多くはない。

 全速力で突進すれば、敵部隊の上を通過する事は不可能ではないのだ。

 無論、それなり以上のダメージを覚悟の上だが‥‥。


 マンドリオが腕組みして考える。

「ふむ。我々が危険を冒すか、ハイマウンテンの防衛隊に危険を冒させるか。その違いでしかないとも考えられますな」

「その二択なら俺達が冒すか‥‥」

 キラーが決断しようとした、その時——


 戦闘MAPに新たな部隊が表示された!


 だがそのアイコンは味方を示す青色。

 メインモニターに映る機体を見て、シャンマウが歓声をあげる。

「来たにゃー!」

『そちらの傘下に入った以上、我々を使ってもらおうか』

 通信機ごしに聞こえる声は——ウェスパレス国のマックス国王!


 返事もまたず、王の乗る虎獣人型の白銀級機(シルバークラス)が敵部隊の先頭へムーンサルトを叩き込んだ。彼の率いる軍勢がそれに続く。

 一瞬で混戦に陥る前方の荒野。だが勢いは明らかにウェスパレスからの援軍にあった。


「ありがとうございます!」

 テイア姫が、モニターに映るマックス王へ深々と礼をした。

「簡単に頭を下げるのも、そちらの立場的にどうかと思うが‥‥それが貴女の良い所なのかもしれんしな」

 マックス王はそう言うと、側の敵へと水平カラテチョップを見舞う。


  Cバエナガメランは戦場の上空を飛ぶ。手出しをできる余裕のある敵機はいなかった。



——ハイマウンテン城——



 兵士達も必死に防戦していたが、真魔怪大隊との力の差は明らかだった。

 関所は長く保たずに破れ、戦いは既に城と城下町での防戦に移っている。


「く、くそっ!」

 操縦席で歯軋りしつつ、キラーの同級生・木戸(きど)統児(とうじ)は敵機を剣で斬る。

 彼が乗るのも敵機も同じ青銅級機、最もありふれた巨人型機Bソードアーミー。

 機体が互角なら、その異界流(ケイオス)レベルの高さで木戸(きど)が敵の雑兵を圧倒していた。防壁の門を背にする彼の機体の周囲には、何機もの敵機が倒れている。

 だがハイマウンテン軍の機体もそこに混ざって倒れており、辺りに無事な味方の影は無かった。一方、敵機はまだ何機も、木戸(きど)の機体を遠巻きにして身構えている。


 真魔怪大隊との明らかな戦力差。

 その原因は‥‥


『オラァ! “生意気(チョーシ)”こいてっと“撲殺(ブチノメ)”しちまうぞ?』

「う、うわぁっ!」

 怒鳴り声と悲鳴が通信機から漏れる。

 木戸(きど)は声の方を見た。砲撃型の青銅級機・Bカノンピルパグが、敵の不気味な機体に叩きのめされていた。

 それに乗っていたのはやはり同級生の南丘(みなみおか)秀(ひで)で、異界流(ケイオス)レベルの高さは木戸(きど)と互角だったのだが。


 トゲつきヘルムにトゲ肩パッド、継ぎはぎだらけ皮膚のようなコーティングを施された、大きな屍のような機体‥‥不死型機Cデッドギャングが、トゲつき棍棒で秀(ひで)の機体を滅多打ちにする。

『“弱僧(ザコ)”がぁ! “泣き叫べ(うたえ)”や!』

 デッドギャングの操縦席で血管をビキビキさせて叫ぶのは、これもキラーの元同級生。スターゲイザーについていった、元ヤンキーの彼は、踏んだ場数の差で秀(ひで)を圧倒していた。


 内心怖いがそうも言っていられない。木戸(きど)は覚悟を決めて挑もうとした。


 だがその時‥‥!

「そこまでよ!」

 通信機から入るその声はソフィアの物。

 空の彼方から最高速度で、Cバエナガメランが救援に来た!

設定解説


・運用に難のある欠陥艦をハイマウンテンで改造したんでしょ‥‥


なおハイマウンテン国だけではまともな戦艦を建造しない(できない)もよう。

技術的には無理ではないが、そんな物に多額の予算を割こうとすると親の仇みたいにブーイングが飛んでくるので、結局は湖岸漁業設備の新調と段々畑の整備に金を持って行かれてしまうのだ。

その結果の軍事力がどの程度なのかは、この回で描写している通りである。

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