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6 神と英雄の巻 5

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

シャンマウ:ウェスパレス国の女グラップラー。ネコ獣人。

 王座の間にあるモニターには、身長30mの巨大ロボの戦闘記録がダイジェストで映されていた。


 装甲で覆われた人造のトリケラトプスが変形!

 後ろ半身が分割され太い足に、角竜の頭が上半身に。

 一台のドリル戦車が走ってきて、左右に分割し、肩にドリルの生えた両腕となる。

 騎士の兜のごとき頭部が出て来て、巨大な勇者ロボとなった!


 そこに魔王軍が迫る。幾種類もの量産型機が怒涛のように押し寄せた。

 しかし巨大な勇者はそれに真向から立ち向かい、敵からの攻撃を強固な装甲で跳ね返しつつ、肩のドリルでタックルをかまし、胸の角竜の口から熱線を撃った。

 次々と吹き飛ぶ魔王軍の機体!

 強いぞ勇者ロボ!

 

「と、まぁこういう方がいたというのだ。まさに我らの理想!」

 レックス王が興奮を隠さずハイマウンテン勢に力説する。

「なに、あれ‥‥」

 呆然とモニターを眺めるソフィアに、サイシュウが説明した。

「どこかの地球から召喚されたエネルギー生命体で、メカと融合してたらしいぜ。それがトリケラトプス型のメカと変形合体してたな‥‥」

「え? じゃあ、あの機体自体が生きているんですか」

 スフィル王子が目を丸くする。

 玉座の上でレックス王が激しく頷いた。

「その通り! 恐竜メカから巨大ロボに変形! 最終決戦にて魔王本人とも死闘を演じ、パーティーの一員として勝利を掴んだと聞いた!」


「そうなんですか?」

「まぁスーパーロボとして主力にいたのは間違いねぇ。白銀級機(シルバークラス)どころか黄金級機(ゴールドクラス)とも戦ってやがったもんな」

 スフィル王子に訊かれ、顎に手をあてて思い出すサイシュウ。

 キャシャロットがさらに訊ねた。

「で、そのロボットは今どこに?」

「知らん。他の奴らと放浪の旅に出たからな」

 サイシュウは肩を竦めた。


 レックス王は拳を握って叫んだ。

「よって我々は彼を迎えるため、捜索部隊を派遣した。あの方を我らカッサン国に迎え、設計モデルになってもらい、我が国の精鋭達は機械生命体となり、巨大な物は変形機能、小柄な物は合体機能を得て、旧き時代に恐れられた威光を取り戻して天下に覇を唱える!」

 と、ここで一息いれ、やや穏やかに。

「それまで我が国は帝王の座を静観するので、まぁ他所とのケンカは勝手にやっておいてくれ」

「え、あ、はい‥‥」

 いまいち流れを掴めないながらも、頷き了解するティア姫。

 互いに認め合う心はとても大事だ。


「あの‥‥ところで金竜に会ってよろしいですか?」

 穏やかに話が済んだので、ティア姫は改めて切り出す。

 しかしレックス王は渋い顔をした。

「えー。機械生命体化計画をマネされると嫌だしな」

「しないわよ!」

 怒鳴るソフィア。

 またも話がもつれそうな、そんな玉座の間に‥‥厳かながら力強い声がはっきりと響き渡った。


『その客人達を通してくれるか。我は会いたい』


 レックス王が目に見えて狼狽(うろた)える。

「金竜グゴルダー様!?」

 ハイマウンテン勢にもサッと緊張が走った。

 上位竜自らが、一同と会おうと言うのだ‥‥。



——城の裏手の巨大な神殿——



 金竜グゴルダーの住居は、竜信仰の旧い神殿を改築し、建物を丸々一室に改造した物だった。

 金竜というだけあり、巨大な体を金色の鱗が覆っている。

 長くくねる胴と小さい手足は、地球でいう東洋の竜神に近い。

 そして金竜というだけあり、その全身は、余すところなく金属でできていた。肉は一片も無い。目は瞳なき結晶で内側からランプのように輝いているし、長い体は蛇腹状にパーツが連なってできている。


「おー。これが金竜にゃ」

 マウマウが目を輝かせる。

 その横でソフィアが「うーん」と唸った。

「ちょっと思ってたのと違うわね。金属の竜だから金竜なんだ‥‥」

「つか、これ自身が金属生命体じゃないですか」

 キャシャロットはいまいち納得がいっていないようだが、インタセクシルに金属の生物がいないなどと決めた奴はいないのだ。



※上位竜は五行竜とも呼ばれ、木・火・土・金・水の属性を有する。

 グゴルダーはその金の力の塊なのである。



「ほらアリン。ブレス食らう役‥‥じゃなかった、交渉役じゃろ」

 セファラス女王が背中を押すと、アリンは慌てた。

「お前今ちょっと本音出たぞ!? ケイオス・ウォリアーに乗って皆で挑むんじゃなかったのか!」

「それを今この場で言わないでください。逝く時は一人で潔く頼みます」

 一緒に背中を押しながら、キャシャロットが冷静に告げる。


 だがしかし。

 金竜はそんな醜態など目に入らぬようで、じっとキラーの方を見つめていた。

『懐かしい物がいるな。実に久しい』

「?」

 意外と穏やかなその声に、疑問の視線を返すキラー。

 その肩でストライクが体色を明るい黄色に変えていた。

設定解説


・と、まぁこういう方がいたというのだ。まさに我らの理想!


なお王は勘違いしているが、機械生命体の勇者にとって人造トリケラトプスは変形合体するパーツである。

その本体は両腕になるドリル戦車だ。

よって「恐竜型の勇者」と言えるかどうか、厳密には一考の余地がある。

だが合体後の比率が 恐竜メカ>>本体のドリル戦車 となっているため、ちょっと王は理解しきれていないのだ。

インタクセシルにこのタイプの「生命体」が召喚される事は類を見ないほど稀なので、そこは情状酌量の余地がある。

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