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6 神と英雄の巻 2

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

サンタナ王:ハイマウンテン王国の王。

スターゲイザー:主人公達を地球から集団転移させた魔術師。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

シャンマウ:ウェスパレス国の女グラップラー。ネコ獣人。

——ハイマウンテン城格納庫——



 青銅級機(ブロンズクラス)が立ち並び、整備を受けている格納庫‥‥それを見渡して悩むスフィル王子。

「ここにヒエイマルがあるわけじゃないんですよね。ストライクはどこから召喚しているんでしょう?」

「本当にどこからなんだろうな?」

 サイシュウも首を傾げる。

「考える事も無いではないが、答えが出ないのだ」

 キラーは厳かに告げた。

 その肩でストライクは目玉をぐるぐる回すだけだ。



 だが謎に悩む彼らの耳に、やかましい絶叫がとどく。

「ガギゴゴー! 給料が! 石(クリスタル)がッー!」


「なぜ溶けるのをわかってやるの?」

 壺を前に床へ蹲(うずくま)るアリンを遠目に、ソフィアが額を抑えていた。

 しかしソフィアこそわかっていないのだ——こういう人は、今回は溶けないだろうと思って回している事を。

 そんなソフィアへ、元同級生の整備士・正一(まさいち)が告げる。

「天井があるからSSR武器は出たぞ。ダイナマイトヘッドバット(S)だ。装備できるのはSハンマーヘッドだな」


 突然自分の機体の名前を出され、スフィル王子が「えっ?」と驚いた。

 そんなスフィルにアリンが跳びかかり、ベアハッグの体勢に持ち込む。

「私が引いたのに持って行くのかッー!」

「ちょ、当たってる、ひっついてる! 僕は別に、使いませんから!」

 真っ赤になって大慌てのスフィル王子に、アリンは拘束したまま怒鳴った。

「当たり前だ! 頭突きの起源はコリーンなんだ! 私の石(クリスタル)で出た物をそう何度も持って行かれてたまるかァー!」



※コリーン国の大王城壁画には、半裸の男達が組み合っている姿が描かれている。

 コリーンの学者が唱える説によれば、これは頭突きの起源の証拠である。



 呆れて肩を竦(すく)める正一(まさいち)。

「塩漬けにしてても意味ないが‥‥まぁ戦いにならなければいいか」

「魔王軍に狙われている竜と友好関係を結ぶのが目的だからな」

 その横でキラーが頷く。

 次の遠征目的はあくまで竜を味方するための交渉なのだ。



※結局、ドラゴン退治は「あくまで交渉が失敗した時」という事になった。

 ティア姫とその他が風呂場で議論を重ねた末の決定である。

 盟主たるハイマウンテン王家の姫が、なぜ独断を通せないのかは、まぁ本人の性格としか。



 だがキラーの後ろでソフィアが眉を寄せた。

「真魔怪大隊の動きも少しはわかればいいけど。たまに同級生が出てくるけど、みな吹っ飛ばしてきちゃったもんね‥‥」


 スターゲイザーについて行った同級生達も時々出て来るが、平気でこちらを襲ってくるし、キラーはそれを躊躇(ためら)いなく木端微塵にしてしまう。

 ソフィアにしてみればもう少し歩み寄れないものかと思わないものでもないのだが。


 だが整備士の正一(まさいち)が「はは‥‥」と小さく苦笑した。

「まぁこの世界に来てすぐお別れした人達と仲間意識あるかというと、別に‥‥だけどな」

 同級生ではあっても大半は別クラスだし、仲良しどころか顔も名前もよく知らない者達同士だ。

 危険な状況で自分達だけ武器を持って出て行った連中が敵として出てきても、それを倒してしまうからといってキラーへ何か言う気にはなれない。



「この城へ一緒に来た者同士は仲良くやってるみたいですな」

 正一(まさいち)の言い分を聞いてそう言うマンドリオは、格納庫へ入ってきた二機の機体を横目で眺めていた。

 どちらも青銅級機(ブロンズクラス)——量産型で、降りて来るのは部分鎧をいくつか装備した人間の少年達。片方はキラーの同級生・木戸(きど)統児(とうじ)である。

 彼らは真っすぐにキラー達の方へ歩いて来た。


 もう片方の、砲撃機体Bカノンピルパグから降りて来た少年がちょっと得意げに笑う。

「へへ、俺も操縦できるようになったぜ。だいぶ板についてきただろ」

 悪戯っぽく笑うちょっと童顔のこの少年‥‥彼もまたキラーの同級生であり、名を南丘(みなみおか)秀(ひで)と言う。

 その隣で統児(とうじ)も軽く笑っていた。

「いずれ俺達だけの部隊を組んで働くのかもな」


 身内同士のなんという事もない話。

 だがそれを聞きつけ、アリンが目を吊り上げた。

「なんだと! 私がお払い箱という事か! 後頭部を殴る薄汚い転移者どもめ!」

「落ち着け。そうとは言ってないだろ。いや、お前はお払い箱になるかもしれないが」

 サイシュウがあんまりやる気なくフォローする。なってないかもしれないが、まぁとりあえず宥めようとはする。


 でもその後ろでシャンマウがケラケラ笑っていた。

「使えない奴はクビだにゃー。追放、追放!」

 血管をピクつかせながら怒鳴るアリン。

「き、貴様らー! コリーンへの愛は無いのかー!」

「あるわけないだろう」

 キラーからの即答が返って来た。

【登場キャラ解説】

主人公の同級生 南丘(みなみおか)秀(ひで)

 大きな乗り物好きの小柄な少年。

 大型のバスかダンプの運転手にでもなろうと考えていたが、生来不器用で反射神経もイマイチ。それを知る親から「人を殺す事が見えているから許すわけにはいかん」と猛反対を食らう。

 不貞腐れて不真面目なガキとなり、日々を送っていたが、異世界召喚に巻き込まれたので巨大ロボットに乗ってみた。名無しの現地兵よりは強いが今回召喚された者の中ではいまいち微妙、という異界流(ケイオス)レベルの高さを有する。

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