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5 タイガー抹殺拳の巻 6

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

 料理勝負は終わった。当然、リング上の仮設備も撤去される。

 食べ残しも廃棄——の筈だったが、それについては必要無かった。双(・)方(・)の(・)料(・)理(・)が全て平らげられたが故に。

 河豚(ふぐ)刺しは両陣営で均等に分けられ、全員で完食。

 アリンの鍋は‥‥対戦者同士で一人前ずつ平らげ、ティア姫とスフィル王子が――途中で吹き出したものの――半人前ずつ、あわせて一人前は消費していた。

 だが、それでも残っていた七割はどうしたのか?

 マックス国王が片付けたのである。


「なっ‥‥」

 驚愕するキラーの前で、鍋の残りを完食した王は全く動じずに皿を下げさせていた。

 ことさら張り切ったり、大袈裟なリアクションもしない。普通の食事を普通に終えただけ、という態度でしかなかった。

 サイシュウの目が珍しく真剣みを帯びる。

「こんなバケモノがこの連合にいやがったとはな‥‥」



 リング上が片付き、両陣営が改めてサイドに降りると、マックス王がキラー達を称賛した。

「メガンテレオン一人に五人抜きされた国もあったのだがな。相打ちとはいえ、奴を初戦で退場させた貴様らの力。本物と認めぬわけにいかん」


「さっきので評価されちゃうんだ‥‥」

 額を抑えるソフィア。

「つーかこの国、どこへでもこの団体戦もちかけてんのか」

 呆れるサイシュウ。

「そのようですな。なお断ったり、負けたのに逆らったりすれば、普通に軍同士の戦争になります。その時にはウェスパレスは敵の降伏を認めず、敵の王と王位継承権保持者を全員処刑します」

「これ、まだ平和な方の解決案なのじゃな」

 マンドリオの説明にセファラス女王が脱力していた。



——そして二人目の選手達がリングへ上がる——



 ウェスパレス第二の刺客は、巨体の豹獣人(ワーパンサー)!

「次鋒・レオパルド! 行きます!」

「今度は大砲担いでるし」

 額を抑えるソフィア。

 その通り、迷彩服を着て肩には巨大なバズーカ。服ごしでもわかる屈強な体もあって、まるで筋肉の戦車だ。

 呆れるサイシュウ。

「マジで武器なんでもアリなんだな」



 それに相対するハイマウンテン勢は——キャシャロット!

「え!? なんで!?」

 いつも通りのメイド服でリングに立つ彼女を見て、ソフィアは目を丸くしていた。



 しかし非情のゴングが鳴る。

 試合開始!



「魔術かスキルか知らんが、俺に勝てると思ったから出て来たのだろう。その技を見せてみろー!」

 開幕即バズーカを構えるレオパルド。

「食らえー! ヘルキャノンボール!!」

 手加減も油断も無い、開幕即全力の攻撃!

 照準セット、引き金に指がかかる——



 開幕即変身したキャシャロットの、抹香鯨獣人(ワーマッコウクジラ)の十メートルを超える巨体が、レオパルドをフッ飛ばした。

 リングより大きいので逃げ場は無かった。


 リングを全て埋めれば敵は場外負けするしかなくなる。

 この作戦、ここまでは上手く行った。

 しかし——


 重すぎてリング潰れた。

 二十トンを超える体重を前提に設計されてはいなかったのだ。

 当然、キャシャロットの体も場外に着いてしまう。


 どこからかカウントダウンの声が響いた。この対抗戦のルールでは20カウントでリングインしないとアウトだ。


 人間形態に戻るキャシャロット。獣化形態はリングより大きいので尻尾の辺りがどうしても場外についてしまうのだ。

 しかし——戻れば当然、全裸だ。

 平坦な胸も秘部も手で隠してはいるが、全裸だ。


 観客席がどよめいた。

 キャシャロットは平然と突っ立っているが。

 しかし‥‥

「あのカラダでそんな作戦されてもな」

 客の一人が呟いた。


 キャシャロットの頭頂部から放たれる鯨油ブレス!

 白濁した油の噴射が不届きな客を襲う!

「ウギャー!」

 周囲の客が巻き添えを食らい、怒声があがった!


 客席から空き缶と座布団の雨が降る!

 キャシャロットが反撃のブレスを連射!

『客席に攻撃はやめなさーい。服を着なさーい』

 アナウンスがキャシャロットを止めようと叫んだ。

「ああもう、ちょっと、ストップ、ストップ!」

 ソフィアが大きなバスタオルを手にリングへ乗り込む!

 キラーの肩でストライクが目玉をぐるぐる回していた。



 第二試合・結果

× レオパルド(リングアウト)

× キャシャロット|(レッドカードで退場)



 結果的には二人ずつが脱落。

 勝負は互角のまま三人目同士へ‥‥!

設定解説


・残り七割をマックス国王が片付けたのである


アリンの鍋に一票入れたのはこの国王である。

理由は「こっちの方がカロリーがでかくて腹が膨れるから」。

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