↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/137

4 虜囚解放の巻 4

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

スターゲイザー:主人公達を地球から集団転移させた魔術師。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

 キラー達を先導して走る、フードマントの人影。

 彼はあばら家の一つに飛び込んだ。そこは空箱や空き樽の散乱する廃倉庫だ。

 壁際の空箱の底を、フードマントはスライドさせた。地下への隠し階段が現れる‥‥!


 キラー達を地下道へ誘うと、フードマントは隠し蓋を閉めた。

 数分後に魔物兵が入ってきてあちこち探るが、隠し階段を見つけられずに他所へ行ってしまう‥‥それはもはやキラー達の知らぬ話だ。



——地下道——



 排水溝と、その両脇に歩道のある地下道は、人が十分立って歩ける空間で、迷路のように入り組んでいた。

 フードマントの人影はそこをよく知る様子で歩く。

 彼はキラー達を先導しながら、時折肩越しに声をかけてきた。

「驚いた強さです。貴方達なら本当に正面から勝てたかもしれません。ですが‥‥それはそれで困るんです」

 そう言いながら、彼はフードを外した。



 中性的な容貌をした十代半ばぐらいの少年である。

 赤みがかった短髪に丸い大きな瞳。着る物次第で少女にも見えるだろう。

 だがマントの下に着ていたのは軽装の部分鎧で、腰には装飾の施された鞘に収まった剣もある。


 珍しく動揺するキャシャロット。

 彼女は彼の顔を知っていたのだ。この街の者なら大概は知っているだろうが。

「王子‥‥!」

 記念日の催し物等で遠目に見かけた事のある、王家の跡取り息子その人だったのである。


 少年は頷いた。

「アーマルベンの王子、スフィルニダエ=タリシズ。スフィルと呼んでください。互いの事情は‥‥歩きながら話すとしましょう」

 そう言うと、王子は地下水道を歩き出した。



——水路内を案内する王子は、ほどなく通路途中の隠し扉を開ける——



 隠し扉の中は石造りの地下室だった。寝具や家具が最低限あり、元から避難場所として用意されていたようである。

 そこに着く頃には、キラー達はこの国の現状を大体説明されていた。



 次の帝王が決まらず、周囲との関係を覗いながらの緊張の日々。それはこの国も同じだった。

 そんなある日、魔王軍残党が攻めて来た。それも下級の魔物が野盗団化したものではなく、聖勇士(パラディン)を何人も有する本格的な戦闘部隊が、だ。

 抵抗虚しく、首都は陥落した。

 敵軍の大将‥‥スターゲイザーと名乗る魔術師は王城に乗り込むと、国を治める女王を幽閉して人質とし、部下達に後を任せていずこかへ立ち去った。

 それ以来、真魔怪大隊を名乗る彼らは都で好き勝手しながら、上位竜(アークドラゴン)を探して毎日半数が沖へ出ているのだ。



「ここを攻め落とした後、スターゲイザーは敵部隊の大半と一緒に別の場所へ向かいました。でも駐屯している部隊にも何人か聖勇士(パラディン)がいて侮れない戦力ですし、何より、母が人質になっているので、まずそれを救出しなければ戦う事さえできません」

 悔しそうなスフィル王子。

「そんな事になっていたんですか。では、市民はやはり海中へ疎開を?」

 キャシャロットがそう訊くと王子は頷く。

 意味がわからず戸惑う他の者達へ、彼は無念を滲ませながらも説明した。

「この国は海棲生物の獣人国ですから。港から少し沖に出た海中にも簡易な居住地があるんです。普段は漁や養殖業のために使っているんですが、外敵に攻められて危機に陥った時は民の避難先にもしています」


「なら思った程、被害は出ていないのじゃな」

 セファラス女王が確認するも、スフィル王子は頭(かぶり)をふった。

「しかし‥‥我々は人と獣の姿で陸と水の両方に住まう種族。海中に閉じ籠った生活では、やはり民に大きな不便を強いているのです」

 苦悩を見せる王子。

「火を使えませんからね」

「毎食、刺身で我慢してもらっています‥‥」

 補足するキャシャロット。苦悩を見せる王子。

「野菜類は全部海藻ですしね」

「毎食、ワカメサラダをもりもり食べてもらっています‥‥」

 補足するキャシャロット。苦悩を見せる王子。

「本を読む事もできませんしね」

「ラノベの投稿は石板に刻んでもらっています‥‥」

 補足するキャシャロット。苦悩を見せる王子‥‥。



「いまいち伝わらん。だがとにかくこの国を解放すればいいのだろう」

 キラーが言うと、マンドリオが考え込んだ。

「問題は人質ですな」

「母が囚われているのは大灯台、港のすぐ目と鼻の先です。しかし敵の聖勇士(パラディン)が常駐していて‥‥」

「乗り込んで倒そうにも人質を盾にされたら困るのう」

 王子の説明にセファラス女王も考える。


 だがキラーは落ち着いたものだった。

「潜入して救出してから敵を倒せばいい」

 当たり前のように言うキラー。

 当然、王子は困惑する。

「それはそうですが‥‥」

 それが容易いなら悩んではいないのだ。

 だがそれでもなお、キラーは月の映る湖面のごとく落ち着いていた。

「建物内部の事も知っているんだろう。教えてくれ。俺が行く。俺はニンジャだからな」


 潜入・探索・戦闘の全てをこなすエキスパート。

 それがニンジャなのだ‥‥!

【登場キャラ解説】

海棲獣人国の王子 スフィルニダエ=タリシズ

 魔王軍残党の情報を得た主人公達が訪れたアーマルベン国で出会った、同国の王子。

 占領されていたアーマルベン国を解放するため、主人公達に協力する。

 素直で真面目な少年剣士。

 彼の乗機Sハンマーヘッドは水陸両用の機体でありバランス型で均整のとれた能力を有し、必殺の頭突き・カセブカバッシャーで敵を粉砕する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。