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4 虜囚解放の巻 1

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

 広い浴室に湯の流れる音が気持ちよく木霊する。

 ハイマウンテン城の一画ある浴場を、その日もソフィアとティア姫が利用していた。

 石の床に設けられた浴槽の湯に、白くきめ細かい上品な裸身を浸し、姫がほんのりと頬を朱に染めている。

「いいお湯ですね」

「うん。けど‥‥やっぱり男湯と女湯を分けない?」

 浮かぬ顔で横を窺うソフィア。

 そちらではキラーやサイシュウ、マンドリオ等、男連中も遠慮なく湯舟に浸かっていた。

 小首を傾げて「うーん」と考えるティア姫。

「そうですか‥‥タイコウサン王に打診しておきますね」



 だがそれを聞き、セファラス女王が威勢よく声をあげた。

「分けるなら、女とイケメン用で一つ、それ以外でもう一つにしようぞ」

 だが己でそう言っておきながら、彼女は「うーん」と考え込む。

「まぁそれだと実質、男女で分ける事になってしまうかもしれんが。どうしてこの国にはイケメン騎士やイケメン王子やイケメン宮廷魔術師がおらんのか。人材が不足しているのう」


 ぎりぃ、と歯軋りするのはサイシュウ。

「不足してんのはむしろ女性側じゃねーか。設定年齢成人前後で外見子供とか、カパード国で拾ってきたのは詐欺みてーな奴ばっかだぞ。今時ボリュームが並から貧の方へ偏ってるとか、時の流れから取り残されているにも程があらーな」


 彼が言っているのはセファラス女王とキャシャロットの事である。

 種族的な問題でキャシャロットは人間なら十二歳前後、セファラス女王はそれより気持ち年上ぐらいにしか見えない。

 二人ともこの場で入浴しているのだが、身体的な形状の話で言うと直線が多かった。


 ギザ歯で歯軋りするキャシャロット。

「本当にうるさいヤローですねこのHAGEは」

 別に彼女は体型を変えたいわけではないが、低い評価をされるとイラッと来るのは仕方がない事だ。

 


 マンドリオがキラーを横目で窺う。

「貴殿はどう考えなさるかな?」

「女体の形よりも、伝説の竜とやらがどんな奴なのかが気になるが」

 そう言うキラーと視線が合うと、キャシャロットは静かに語り始めた。


「竜の神が産んだ五頭の上位龍(アークドラゴン)、そのうちの一体だと伝えられています。体長五十メートル体重五万トン、尻尾を一振りすれば巨人(ジャイアント)のキック一万発分の破壊力を生み出し、体内の熱線袋で作り出した破壊光線を口から吐けばゾウ二万匹がまる焼けになる威力。目撃された時はだいたい海中でクジラを食っているそうです」


「それのどこに高度な知性が?」

 眉を顰(しか)めて訊くソフィアに、キャシャロットは首を傾げた。

「さあ? 伝説でそう言われているだけですし。たまにドラゴン語で話しかけてみる者もいるようですが、目撃談ではだいたい熱光線で蒸発させられているみたいですね」


「あの、その‥‥別に関わりに行かなくても良いのでは‥‥」

 ティア姫はそう提案するが、サイシュウが口を挟む。

「前も言ったと思うが、魔王軍は水の上位龍(アークドラゴン)をとっ捕まえて利用してた事があるぜ」

 それを聞いたマンドリオが「ぬうう‥‥」と唸った。

「それでは放ってもおけませんか。竜を探している残党どもにも、勝算と目的があるでしょうからな」


 そこへさらにアリンが口を挟む。

「一応教えとくが、ドラゴンの起源はコリーンだぞ」

「え? 竜の神はこの世界の動物全ての祖であり、どんな国家よりも古くから存在している筈ですが‥‥」

 そう言ってティア姫が疑問を口にすると、アリンが目を吊り上げて大きな声を出した。

「ドラゴンという名前を発明したのはコリーン人なんだ!」

「多分嘘でしょうけど、本当だとしてもそれをドラゴンの起源とは言わないと思うわ」

 そう言ってソフィアが否定的な事を口にすると、アリンがさらに目を吊り上げて大きな声を出した。

「無識な転移者め! 差別するのか貴様! 我々からドラゴンの起源を奪う気だな!」



※コリーン国の大王城壁画には、半裸の男達が組み合っている姿が描かれている。

コリーンの学者が唱える説によれば、これはドラゴン退治に向かう英雄達なので、ドラゴンという単語の起源の証拠でもある。



 だがただ一人、キラーだけは湯舟の中で頷いた。

「いいだろう。起源に敬意を表し、交渉役を任せるぞ」

「え?」

 目を丸くするアリン。

 ドラゴンの起源をどう語ろうが、別に交渉役を申し出た事にはならない筈なのだが。

 だがサイシュウまで頷き同意した。

「決まりだな。明日からさっそく出かけるか」

「え? え? え?」

 目を丸くするアリン。

 そもそも彼女はドラゴン語など習得していないのだが。

 習得しているのはクマ語であり、これでドラゴンと会話できる可能性は低そうなのだが。


 しかしまぁこんなタイミングで口を挟んでしまえば仕方がないのだ。

設定解説


・設定年齢成人で外見子供


90年代あたりの格ゲーブームの頃ぐらいまでは、逆に設定年齢中高生・ボディスタイルはどう見てもモデル雑誌が参考‥‥なんて女性キャラは珍しくなかった印象。

まー今でもジャンル次第ではそんなもんか(例:ネットの広告にAHOほど出て来るソシャゲの広告の半裸の女の子)。

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