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25/37

好球必打

先制点が欲しいところだが、1番の吉永はストレートに押されてキャッチャーフライ。



やっぱり簡単には打ち崩せないよなぁ…


俺は思わずため息をついたとき、


カキーーン!!!



まるで俺のため息をかき消すかのように、有田がカーブを捉えてライト線へのツーベースヒットを放つ。


チーム初のヒットが飛び出して

「うおっしやぁ!!ヒットが出たぞ!」

「しかも、チャンスだ!!」


とベンチは大盛り上がり。




ーーよし、行くか。


打席が回ってくることを確信し、盛り上がりのさなか、バットの用意を始める。



渡邊の言う通り、「ピンチの後にチャンスあり」とはよく言ったものだ。


1アウト2塁。長打が出れば先制だ。


ーーが、そう甘くはない。


《ストライク! バッターアウト!》


渡邊は力んでしまったのか、山縣のスプリットで空振り三振。山縣もピンチとあって本気の投球だ。


ーー渡邊がダメなら… 俺が、決める。



《狙うは甘い球のみ、好球必打だ。》

さっき監督に言われたことを反芻する。


山縣と2度目の対峙。初球はどこに来る…?


1球目、切れ味鋭いスライダーが来たが、低めに外れてボール。


危ない危ない…。思わず手が出そうだったぜ…。



そして2球目はストレートが唸りをあげて膝下へ。



低いっ!!



と見切ったが判定はストライク。どうやらギリギリの高さに決まったらしい。まだ追い込まれたわけではないので焦る必要はない。



さらに3球目。


ボールが唸りをあげて飛んでくるが、コースは甘い。


もらったぁ!!


真ん中付近のストレートをフルスイング。間違いなく捉えた。しかし…



スカッ…



な、なにっ…!?


ストレートと思われたボールはストンと目の前で落ち、見事空振り。まさかのここでスプリットだ。


思わず佐々木を見ると、してやったりという表情をしている。


これで追い込まれた。


カウント1-2 。佐々木は間違いなく、低めの変化球か高めのボール球で三振を取りに来るはずだ。


だがこのままでは終われない。




そして、追い込まれてからの4球目はインハイの釣り球だった。普通なら振らないが…。



残念、そこ(インハイ)は俺の大好物だ。



ーー甘い!! もらったぁぁあ!!!



カキィィィーーーーーン!!



真芯で捉えたボールはライナーで左中間へ。ボールはぐんぐんと伸びてゆく。


いくか?どうだ??




カシャンッ!!


惜しくもフェンス直撃の打球となったが、何はともあれ先制のタイムリーツーベース。


そして、「っしゃあ!!」と思わず手を叩きベンチにガッツポーズ。


ベンチはあの山縣から点を取ったということでお祭り騒ぎ。なんて言ってるか全く聞こえないが先制の喜びを分かち合う。


とはいえ、チャンスはまだ続く。

ランナー2塁でバッターは白石。1発が出れば大きい。



しかし、

《ストライク!!バッターアウト!!》


白石は空振りの三振。


結局追加点は取れなかったが、先制に成功。

ついに試合は動いた。




4回裏終了


Aチーム 0-1 Bチーム


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