105、ハイテンションとは裏腹に!?
更新が遅くなってしまいました、すみません。
とりあえず、本編へどうぞー!
「いいかぁテメェら! 男は汗だ、女は涙だ!」
初っ端から何言ってるんだ、この人は。意味分からんぞ。
「負けは靴底だ! 勝利はかりんだ!」
すまん、全然意味が分からない。負けが靴底って何だよ。勝利はかりんだとかどういう事だよ。つーか何が言いたいんだよ。何をどうしたいんだよ。
「我々は勝たねばならない! そして、優勝カッパを我が教室に持ち帰るのじゃ!」
「うおぉぉぉ!」
いや、盛り上がるところじゃなくね? 盛り上がる前にいろいろと訂正しないとダメだろ? なぁ、違うのか。俺が違うのか、俺が間違ってんのか。言いたい事が多すぎてうずうずするのは俺だけなのか、なぁクラスメイトよ!
「なぁ」
「ん?」
「俺にはどう盛り上がればいいのか理解不能なんだが」
「それはあれだ、お前のテンションがたりねぇんだよ」
「影薄に言われたかねぇな」
「テンションと影薄いのは関係ねぇだろ!?」
お前に聞いた俺がバカだった。名前もロクに思い出せないような奴に聞くんじゃなかった。あーあ、無駄な労力だった気がしてならねぇや。
「今日は初のクラス合同練習だ! 我らの熱湯的強さを、他クラスのやつらに見せ付けてやろうぜ!」
「おぉぉぉ!」
何かいろいろと間違えている先生がこぶしを天高く突き出せば、ハイテンションな生徒達も同じようにこぶしを突き出す。明らかに浮いている。ウチのクラス浮いているよ、シャボン玉のように。ふわふわ飛んでってるよ、今にも割れて消えてしまったほうが幸せなんじゃねぇのか?
「なんか俺、このクラスでよく生きていけてるなって思えてきたわ」
「今更何言ってんだよ」
「そうだよな。うん、今更だよな」
後悔した自分がバカだった。後悔はするが反省はしねぇぞ。俺のせいじゃねぇし。俺が好き好んでこのクラスに入ったわけじゃねぇしな。
「いいか燃えろ、燃え尽きるまで燃えるんだ。全身全霊を賭けて、この勝負、勝ちにいけ!」
「はいっ!」
なぁ、先生。そしてクラスメイトよ。これは練習だよな? 一応確かめておくけどさ、練習だよな。練習で燃え尽きてどうするよ。本番前に、本番もまだまだなのに燃え尽きていいのかよ。まだ火種はとっておかねぇといけねぇんじゃないか? 燃え尽きて灰になっちまったら、どうしようもなくね? もう火なんて起こせないよ、助けてよ! ってなってもさ、俺どうしようもねぇんだけど。てか、全然やる気のない俺にどう火を点してくれるんだ。
なんて考えてたら、クラス合同練習始まったわけで。最初は大ムカデとか言う奴、次は大縄、んで今は全員リレーのバトン待ち。しばらくは回ってこねぇけど。
「瀬川んとこ燃えてるな」
「あぁ、主に担任がな」
同じ21番目の走者らしい狩燐があくびをする。そのついでといった感じで、話しかけてきたから軽く返した。
「生徒も燃えてるだろ」
「あぁ、燃えてるな」
「お前以外な」
「あぁ、俺以外だな。……小橋も燃えてんのか?」
「さぁ?」
そんな俺らの視線の先に小橋の姿が……。いや、あれは違う。ハチマキの色が青じゃねぇ。まず同じクラスじゃねぇ。じゃ、あいつか? ってあんな太ってねぇや小橋。あれは猪上とかいう奴だな。じゃあどこだ。小橋どこだよ。文章的に俺らの視線の先にいるべきはずの影薄が居ないとかどういう事だ!
「いねぇんだけど、小橋」
「いねぇなぁ」
「いるだろ! どこ見てんだよ!」
びっくりして振り返れば、いたよ影薄。17番目くらいの走者のトコに。
「んだよ、いるんなら返事しろよ」
「呼ばれた覚えねぇし!」
「呼ばれないと話せねぇのか、切ないな」
「そんな哀れみに満ちた瞳で俺を見るな!」
哀れじゃねぇか。サブキャラでしかも影が薄いとか。主人公の俺と仲良しな設定の癖に。
「で、お前は燃えてるの?」
「燃えてねぇけど、」
「燃えてるといえばさ、昨日近所で火事があったみたいで、消防車のサイレンがすごかったんだ」
「へー、マジか?」
「おう、野次馬魂に火を点けて母さんが見に行ってたみたいだけど、そんなにすごくなかったらしいぜ」
「んだ、つまんね」
「人の不幸をつまんねとか言うなや」
「お前だってそう思うだろ?」
「思いはするが口にはしない」
「腹黒だな」
「何とでも言えばいいだろ」
「俺の話は聞く気なしか! 話し振っといて被せて放置か!」
「おい、順番だぞ」
「なっ……! あ、後でみてろよ!」
見てればいいんだな。OK、見ててやるよお前の勇士。
「やっぱりあいついじってると楽しいな」
「なぁ狩燐、いつからSに目覚めた?」
「さぁな」
それだけ言うと、うーんと伸びをしてから、また欠伸をした。
「こうも眠いとやる気とかの問題じゃなくなってくるな」
「じゃあどういう問題になってくるんだよ」
「そーだなー」
しばらく考えるように空を見上げて固まった。動かない。突付いてみても動かない。まさかとは思うけどさ、このまま寝てたりしねぇよな?
「美咲ー! 頑張れー!」
緑のハチマキを巻いた女子が歓声を上げた。そーいや結構盛り上がってるな。俺のクラスの赤はもちろん担任のせいで盛り上がってるけど、他のクラスもテンションが上がってきたみたいだ。トップを走る青、追う黄色と赤、最後に緑が懸命に前の3人を追っていた。青から黄色は少し離れているが、お、赤が黄色を抜かしたな。そう思えば、緑がもう黄色の背後に迫っていた。なかなか見ごたえのあるレースだ。
「きっと人生に関わる気がする」
やけに重々しく口を開くと、狩燐は言った。その背後で次々と色鮮やかなバトンが次の走者へと託されていった。トップは変わらず青。追うのは赤と緑。少しずつ距離を開かれて、黄色が追う形に変わっていた。
「お疲れ、美咲!」
仲間に囲まれて、笑い声が聞こえてくる。まだ勝負は終わったわけじゃないのに、もう優勝したかのような口ぶりで、緑色女子は話していた。
「そういやさ、瀬川」
「ん?」
「お前、最近元気なくね? 落ち込んでるというかさ」
「気のせいだろ」
「俺にはそうは見えないけどな」
から笑いで返すと、狩燐は不満そうな顔をした。
「俺からどうこう言うのは変かもしれねぇけどさ、無理はするなよ」
「だから気のせいだっつーの」
「おーい狩燐、位置についてくれ」
「おう! ……まあ、お手柔らかに頼むよ」
ひらひらと手を振って、青いハチマキを巻いた友人は同じ色のハチマキを巻いた仲間の元へ戻っていった。少し談笑すると、トラックの中に入って軽く屈伸をした。
「瀬川君も、早く準備してね!」
「あぁ」
張り切る女子に背中を押されて、狩燐の隣に立った。やつはもう真剣な顔をしていて、ふざけて何か言ったとしても、静かに笑って返されるか無言で答えるだろう。
「頑張って、狩燐君!」
「負けんなよー、瀬川!」
先に青が直線を走ってくる。その隣には赤だ。狩燐が助走を始める。つられるように俺も徐々に走り出す。合図がくるまで、ゆっくりとスピードをあげていく。
「はい!」
切れのいい2つの声が少しずれて、広い校庭に響いた。掌に硬い感触を確かに感じる。しっかりとそれを握り締めると、やけに鋭い事を言う友人に負けじと全力で走り出した。
更新しよう。更新しよう。更新しよう。
そう思っていたらこんなにも時は流れていました。すみません。本当にすみません。
どうやら書き方が不安定なようで、前の日の続きを書こうとすると文に違和感があって落ち着かない。修正を繰り返してやっと落ち着いても、更新を忘れるというね。もうバカだとしか言いようがないです。
これからも不安定な更新が続くと思いますが、生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。




