9
少し、短いです。
閑話のつもりでお読みください。
「ちょっと! どうして、私が外なのよ!?」
「当たり前でしょ! あなた、女のフリしているけど、男でしょ! 私たちがどうして、男のあなたと一緒の部屋に寝ないといけないのよ? この宿屋は、やっと取れた部屋なのよ? 一部屋しか空いてなかったのだから、仕方がないでしょう?」
バタンと戸を閉める。
『私は形は男でも、心は立派な女なのよ! 開けなさいよっ!』
ドンッドンッ! と扉を叩く音が聞こえるが、無視をきめこむ。
ふぅっ!
思わずして、溜息が出る。
「本当にあの美女が実は、男だったなんて、今でも信じられませんね?」
「ミーナったら、貴女も一緒に聞いていたでしょう? あの男の言葉を! 私もまさか……って思ったわよ。でも、あの状況で嘘を言うはずがないでしょう? そして、ライラは認めたのだもの!」
――自分は男だと――
「昨夜は、どうしたの?」
「あらっ、気になるのぉ? それなら、部屋から追い出さなきゃよかったのにぃ」
中身は男だとわかっているが、ニンマリと笑う姿も妖艶さを漂わせているってどうなのっ!?
あの後……ライラを部屋から追い出したものの、見た目だけは女なため、外に出すのはちょっと……などと、反省し、声をかけようと扉を開けたら、誰もいなかったのだった・
正直、扉の外で居座り続けるのかと思っていたため、少しは心配したのだ。
「貴女も、可愛いところがあるわねぇ。だったら、今度からは、私を追い出したりしたらダメよ?」
聞く相手を間違えた!
「アリ、昨夜はどこに泊まったの?」
「ライラ様の色気に負けて、ある商人たちの一部屋を譲って頂きました」
何それ?
心配して損した!
って、心配なんてしてないけどね!
私は、少しプリプリしながら、先を急ぐことにする。
「あらあら、何を怒っているのかしらねぇ?」
「別に! ライラが襲われるかもしれないとか、全然、思ってなかったし! 心配なんてしてなかったんだから!」
何、ダダ漏れのこと言っているのかしら、私は!?
「は、早く、出発するわよ!」
真っ赤になっているであろう顔を隠すために、自分の馬を早歩きへと促す。
その後を、笑いをかみ殺すようにしてついてきたミーナのことは、気にしないことにする。
ライラは、何故だか上機嫌でアリと一緒についてきた。
心配……?
私は、ライラのことなど何とも思っていない……ハズ。
でも、気になるのは何故だろう?
異性として気になるわけではない。
ライラを見ていると、私の中で、大切な何かを忘れていることがあるような気がするのだった。
そうよ、思い出せるまで無事でいてもらわないとね!
半ば、自分に言い聞かせるようにして、話をまとめた。




