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ルナ姫の受難  作者: 東吉
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少し、短いです。

閑話のつもりでお読みください。

 「ちょっと! どうして、私が外なのよ!?」

 「当たり前でしょ! あなた、女のフリしているけど、男でしょ! 私たちがどうして、男のあなたと一緒の部屋に寝ないといけないのよ? この宿屋は、やっと取れた部屋なのよ? 一部屋しか空いてなかったのだから、仕方がないでしょう?」

 バタンと戸を閉める。


 『私は形《なり》は男でも、心は立派な女なのよ! 開けなさいよっ!』

 ドンッドンッ! と扉を叩く音が聞こえるが、無視をきめこむ。


 ふぅっ! 

 思わずして、溜息が出る。


 「本当にあの美女が実は、男だったなんて、今でも信じられませんね?」

 「ミーナったら、貴女も一緒に聞いていたでしょう? あの男の言葉を! 私もまさか……って思ったわよ。でも、あの状況で嘘を言うはずがないでしょう? そして、ライラは認めたのだもの!」

 ――自分は男だと――




 「昨夜は、どうしたの?」

 「あらっ、気になるのぉ? それなら、部屋から追い出さなきゃよかったのにぃ」

 中身は男だとわかっているが、ニンマリと笑う姿も妖艶さを漂わせているってどうなのっ!?


 あの後……ライラを部屋から追い出したものの、見た目だけは女なため、外に出すのはちょっと……などと、反省し、声をかけようと扉を開けたら、誰もいなかったのだった・

 正直、扉の外で居座り続けるのかと思っていたため、少しは心配したのだ。


 「貴女も、可愛いところがあるわねぇ。だったら、今度からは、私を追い出したりしたらダメよ?」

 聞く相手を間違えた!


 「アリ、昨夜はどこに泊まったの?」

 「ライラ様の色気に負けて、ある商人たちの一部屋を譲って頂きました」


 何それ?

 心配して損した!

 って、心配なんてしてないけどね!


 私は、少しプリプリしながら、先を急ぐことにする。


 「あらあら、何を怒っているのかしらねぇ?」

 「別に! ライラが襲われるかもしれないとか、全然、思ってなかったし! 心配なんてしてなかったんだから!」


 何、ダダ漏れのこと言っているのかしら、私は!?


 「は、早く、出発するわよ!」

 真っ赤になっているであろう顔を隠すために、自分の馬を早歩きへと促す。

 その後を、笑いをかみ殺すようにしてついてきたミーナのことは、気にしないことにする。


 ライラは、何故だか上機嫌でアリと一緒についてきた。


 心配……?

 私は、ライラのことなど何とも思っていない……ハズ。

 でも、気になるのは何故だろう?


 異性として気になるわけではない。

 ライラを見ていると、私の中で、大切な何かを忘れていることがあるような気がするのだった。


 そうよ、思い出せるまで無事でいてもらわないとね!


 半ば、自分に言い聞かせるようにして、話をまとめた。

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