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最後のピエロ  作者: ハロル・ロイド
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地下迷路

右手の痛みほとんど感じられなかった。エヌマルイチは試しに左手で自分の顔を殴りつけた。顔面に痛みが走った。

どうやら神経に異常はきたしていないようだ。

エヌマルイチは左手で手榴弾をもぎ取った。安全ピンを歯で抜き、階下に落とそうとユックリ階段の方に這っていった。


弘基の放つマシンガンは弾が尽きようとしていた。


引き金にロックがかかり、突然弾が出なくなった。弘基はマシンガンを捨て、腰のベルトに挟んだナイフを掴み取った。

マシンガンの音が鳴りやんだのに気づき、一人の兵士が銃を構えて階段に身を乗り出した、弘基はすかさずナイフを兵士の喉仏に向け投げつけた。ナイフは正確に兵士の首に突き刺さった。


弘基はすぐさま階段を駆け下り、但馬がいる部屋に入った。

ドアを閉めたと同時に爆発音が鳴り響いた。エヌマルイチが手榴弾を爆破させたのだ。



弘基は抱きしめていた子供をソファーの上にソット横たえた。


「助けることができなかった」


但馬は曾孫の方にすり寄り血まみれになった小さな遺体を抱き上げた。

「見てくれ。まるで眠っているかのようだ」

但馬は涙を流しながら子供の真っ白な髪を撫でた。


「この子は君と同じアルビノなんだ」但馬は唇を震わし呟いた。


「君の弟だよ」


但馬のその言葉に弘基は黙ったままでいた。


部屋の外では兵士達がドアを開けようとしている、がうまくいかない。あの爆発でドアが変形し開かなくなったのだ。


但馬は自分の足元の絨毯をめくり床を指さした。

「ジョーカー、この床にある扉を開けば地下に通じる抜け道がある。その地下道はいくつかに別れ迷路となっている。最初の分かれ道は右のほうに入るんだ。そして次の分かれ道は真ん中、そして次が左の通路。いいかい。右、真ん中、左と間違えずに通路を行けば下水道に通じる。君は助かる」


「……」

弘基は無言のままだ。


「もちろん、私を殺してから去っても構わん。君の目的はそれなんだから」

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