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最後のピエロ  作者: ハロル・ロイド
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手を覆う生温いモノ

弘基は階段を一歩一歩探るように降りた。

次から次にドアから出てくる兵士達。

弘基は階段を下りながら、弘基が放つマシンガンは正確に敵の顔面を撃ち抜き倒していく。


弘基はすでに気づいていた。子供を抱きしめる左手に感じる生暖かいモノの正体を。それは鼓動のように規則正しく手のひらに溢れていく。

胸に突き刺さるような衝撃で弘基が倒れた時。あの時から左手に感じる生温かいモノ。


子供の耳元に告げた「必ず助けてやる」の言葉が、弘基の頭の中を空回りしていく。それを掻き消すようにマシンガンを撃ち続ける弘基。


エヌマルイチは床に倒れ気を失っていた。手りゅう弾の爆発で三メートル飛ばされ壁に叩きつけられたのだ。

激しいマシンガンの音が、遠い彼方から聞こえ始めたのと瞼が開くのは同時だった。

目の前に部下の死体が重なるように連なっているのが陽炎のように見え始めた。

開かれたドアから無造作に体を乗り出しそして弾を浴びて倒れていく兵士達の姿。


エヌマルイチは思った。

なぜ手りゅう弾を使わない!

エヌマルイチは右手で懐に着けた手りゅう弾を掴み取ろうとしたが思うようにいかない。

右手を見て初めて分かった。

親指以外すべての指があの爆風で引き千切られていたのだ。


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